減額・拒否

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慰謝料を払わないとどうなる?差押えまでの流れと対処法【弁護士監修】

中川 浩秀 東京スタートアップ法律事務所

監修弁護士

中川 浩秀 東京スタートアップ法律事務所

東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。男女問題・不倫慰謝料に関する相談を多数解決。

    慰謝料の請求を放置すると、訴訟を経て判決が出され、給与や預金を差し押さえられるおそれがあります。ただし、内容証明郵便が届いただけで、すぐに差押えを受けることは基本的にありません。

    大切なのは、今どの段階にいるかを確かめ、期限を見落とさないことです。

    この記事でわかること

    • 慰謝料を払わない場合に、請求から差押えまでどう進むか
    • 請求された側が確認すべきことと、払えないときの対応
    • 相手が払わない場合に、請求した側がとれる手段

    あなたはどちらですか?

    差押えの範囲・時効・やってはいけないことは、どちらの方にも共通です。

    今日やること3つ

    1. 届いた書面を捨てずに保管し、スマートフォンで撮影しておく
    2. 書面に書かれた回答期限や期日を確認する
    3. 封筒が裁判所からの「特別送達」かどうかを確認する

    慰謝料を払わないとどうなる?請求から差押えまでの4段階

    👉 このパートをまとめると!
    放置すると請求→訴訟→判決→差押えと進む。最も危険なのは訴状の放置。

    慰謝料を払わないまま放置した場合、手続はおおむね4つの段階で進みます。どの段階にいるかによって、急ぐべき度合いもやるべきことも大きく変わります。

    慰謝料を払わない場合の流れ(請求から強制執行まで)

    段階1:内容証明郵便などで請求された

    多くの場合、最初の請求は内容証明郵便で届きます。内容証明郵便は「いつ、誰が、どんな内容の文書を送ったか」を郵便局が証明する仕組みで、それ自体に財産を差し押さえる力はありません。

    返信することも法律上の義務ではありません。

    しかし、連絡がつかない状態が続くと、請求する側は話し合いをあきらめて訴訟に進みやすくなります。「無視しても何も起きなかった」は、次の段階に進む前の静けさにすぎないことがあります。

    段階2:裁判所から訴状(特別送達)が届いた

    訴訟を起こされると、裁判所から訴状が「特別送達」という方法で届きます。郵便局員が手渡しする形式で、封筒には裁判所名が書かれています。

    この段階は、放置してはいけない分岐点です。

    民事訴訟法では、被告が答弁書を出さずに期日にも出頭しない場合、原告の主張を認めたものとみなされることがあります(民事訴訟法159条)。その結果、相手の言い分どおりの判決が出るおそれがあります。受け取りを拒んでも手続を止められるとは限りません。

    弁護士からのコメント

    中川弁護士

    【結論】内容証明と、裁判所からの特別送達はまったく別物です。裁判所からの封筒が届いたら、必ず開封して期日と答弁書の提出期限を確認してください。

    内容証明を無視しても何も起きなかったため、裁判所からの書類も同じものだと思って開封しないまま過ごし、給与の差押えで初めて判決が出ていたことを知る。そうしたご相談は珍しくありません。〈監修者確認:事務所の実際の相談傾向に合わせて修正〉

    項目内容証明郵便特別送達(訴状)
    差出人相手本人、または相手の弁護士裁判所
    法的な効果請求した事実の証明(時効の完成を6か月猶予させる効果もある)訴訟の開始。期日と答弁書の期限が指定される
    無視した場合直ちに差押えにはならないが、訴訟に進みやすい相手の主張どおりの判決が出るおそれ
    今やるべきこと内容を確認し、請求が妥当かを検討する期日と期限を確認し、早めに弁護士へ相談する

    段階3:判決・調停調書・公正証書で支払いが確定した

    判決が確定したり、調停や和解が成立したりすると、支払う内容が公的な書面で確定します。

    強制執行をするために必要なこうした書面を「債務名義」といいます。民事執行法22条は、確定判決、仮執行宣言付きの判決、和解調書や調停調書、強制執行認諾文言付きの公正証書などを債務名義として定めています。

    注意したいのは、公正証書なら何でもよいわけではない点です。「支払わないときは直ちに強制執行に服する」という強制執行認諾文言が入っていない公正証書では、裁判を経ずに差押えをすることはできません。

    段階4:強制執行で財産を差し押さえられる

    債務名義があるのに支払いがなければ、相手は裁判所に強制執行を申し立てることができます。給与や預金が差し押さえられると、生活に直接影響が出ます。

    どこまで差し押さえられるかは、「差し押さえはどこまで?給与・預金の範囲」で詳しく説明します。

    【請求された方へ】まず確認:本当に支払義務があるか

    👉 このパートをまとめると!
    不貞の有無、故意・過失、婚姻関係の破綻、時効により、支払義務がない場合がある。

    請求書が届くと、「悪いのは自分だから、言われた金額を払うしかない」と考えてしまいがちです。けれども、請求が法的に妥当かどうかを確認するのは、請求された側の正当な権利です。

    不貞行為による慰謝料は、民法709条の不法行為に基づく損害賠償です。そのため、不法行為が成立する条件を満たしていなければ、支払義務は生じません。

    支払義務が成立しない主なケース

    1つ目は、肉体関係がない場合です。
    食事やメッセージのやり取りだけでは、一般に不貞行為とまではいえないと考えられています。ただし、関係の程度によっては別の理由で責任を問われる可能性もあります。

    2つ目は、相手が既婚者だと知らず、知らなかったことに落ち度(過失)もない場合です。
    独身だと偽られ、信じても無理がない状況だったかどうかが問われます。

    3つ目は、交際が始まる前から、相手の夫婦関係がすでに破綻していた場合です。
    長期間の別居などが判断材料になりますが、「夫婦仲は冷え切っている」と聞いていただけでは、破綻と認められないことが少なくありません。

    4つ目は、同意なく性的関係を強いられた場合です。
    この場合、あなたは責任を負う側ではなく、不同意性交等罪(刑法177条)などの被害を受けた側にあたる可能性があります。

    支払義務があるか確認する4つのチェック

    時効が完成している可能性

    請求がかなり前の出来事についてのものなら、時効が完成している可能性もあります。ただし、時効の数え方には誤解が多いため、自己判断は禁物です。詳しくは「慰謝料の時効:何年で、いつから数えるか」で説明します。

    請求額が妥当かを確認する

    請求額は、相手が自由に決めて書いてきた金額です。裁判で認められる金額は、婚姻期間、交際の期間や回数、離婚に至ったかどうかなどの事情で変わります。

    請求額が相場を大きく超えている場合は、減額を求める理由になります。相場の目安は、別記事〈内部リンク:不倫慰謝料の相場と、金額が上下する要素〉で解説しています。

    【請求された方へ】払えない・払いたくないときの対応

    👉 このパートをまとめると!
    無視せず期限内に対応し、減額や分割を交渉する。分割は条項の確認が重要。

    支払義務がありそうでも、一括で払えないことはあるでしょう。その場合でも、とれる対応はあります。大切なのは、期限を守りながら、書面で記録を残して進めることです。

    慰謝料を請求された側の対応の流れ

    内容証明が届いたら:返事の義務と、放置しない方がよい理由

    内容証明への返信は法律上の義務ではありません。それでも、何らかの形で連絡がつく状態を示しておく方が、多くの場合は得策です。

    連絡がないと、相手は訴訟に進むしかないと判断しやすくなるからです。

    一方で、動揺したまま「全額払います」と書いてしまうのも避けたいところです。返信の内容によっては、支払義務や金額を認めた証拠として扱われるおそれがあります。

    請求内容に納得できない点があるなら、返信の前に弁護士に相談する方が安全です。

    訴状が届いたら:答弁書と第1回期日

    訴状には、第1回期日の呼出状と、答弁書の提出を求める書面が同封されています。答弁書とは、相手の主張のどこを認め、どこを争うかを書いて裁判所に出す書面です。

    実務上、第1回期日に限っては、答弁書を提出していれば、欠席しても答弁書の内容を述べたものとして扱われます(民事訴訟法158条)。

    逆に、答弁書も出さず欠席すると、相手の主張どおりの判決が出るおそれがあります。訴状が届いたら、期限を確認し、できるだけ早く弁護士に相談してください。

    減額を交渉する

    減額を求める根拠になるのは、主に次の2点です。

    1つ目は、請求額が裁判で認められる水準より高いことです。
    2つ目は、あなたの支払能力です。

    「お金がない」と伝えるだけでは、相手はなかなか納得しません。収入や支出、預金の状況がわかる資料を用意し、現実に払える金額を示す方が、交渉は前に進みやすくなります。

    分割払いにする:期限の利益喪失条項に注意

    一括払いが難しいなら、分割払いを提案する方法があります。合意できたら、口約束ではなく必ず書面に残しましょう。

    相手からは、強制執行認諾文言付きの公正証書にすることを求められるのが一般的です。

    このとき確認してほしいのが「期限の利益喪失条項」です。分割で払えるという利益(期限の利益)を、支払いが遅れたときに失う取り決めで、1回の遅れで残額全部を一括で請求される内容になっていることが多くあります。

    弁護士からのコメント

    中川弁護士

    分割払いに合意するときは、月々の金額よりも先に「何回遅れたら、どうなるか」の条項を確認してください。無理のない月額に設定することが、結果的にあなたを守ります。

    月額を少しでも高くして誠意を示そうとした結果、数か月後に支払いが遅れ、期限の利益を失って残額の一括請求と給与の差押えを受ける。そうした経過をたどるケースもあります。

    それでも払えない場合

    交渉を尽くしても支払いの見通しが立たない場合、自己破産が選択肢に挙がることがあります。

    ただし、破産法253条1項2号は「悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」を、自己破産しても支払義務が免除されない債権(非免責債権)としています。不貞慰謝料がこれにあたるかは事案ごとの判断になるため、一律には言えません。

    自己破産は生活全体に影響する手続です。検討する場合は、債務整理を扱う弁護士に相談してください。〈内部リンク:不倫慰謝料と自己破産〉

    【請求した方へ】相手が慰謝料を払わないときの対処法

    👉 このパートをまとめると!
    合意前は訴訟や調停、判決や公正証書があれば強制執行で回収を目指す。

    相手に「払わない」「お金がない」と言われると、あきらめるしかないように思えるかもしれません。しかし、法律には回収のための手段が用意されています。どの手段を使えるかは、債務名義があるかどうかで決まります。

    まだ合意していない場合:交渉・調停・訴訟

    合意も判決もない段階では、まず交渉を続けるか、裁判所の手続を使うかを選びます。配偶者との離婚とあわせて話し合うなら家庭裁判所の調停、不倫相手への請求なら地方裁判所または簡易裁判所への訴訟が一般的です。

    判決や調停調書を得れば、それが債務名義になります。

    判決・公正証書がある場合:強制執行を申し立てる

    債務名義があるのに支払いがなければ、裁判所に強制執行を申し立てられます。給与の差押えは、相手が勤め続ける限り毎月回収できるため、特に実効性が高い方法です。

    なお、判決などで確定した権利の時効は、原則として10年に延びます(民法169条)。

    相手の財産や勤務先が分からない場合

    差し押さえるには、相手の財産を特定する必要があります。財産が分からないときに使えるのが、次の2つの手続です。

    1つ目は財産開示手続です(民事執行法197条以下)。
    相手本人を裁判所に呼び出し、財産状況を述べさせる手続で、2020年の法改正以降、正当な理由のない不出頭や虚偽の陳述は刑事罰の対象になりました。

    2つ目は、第三者からの情報取得手続です(民事執行法204条以下)。
    金融機関から預貯金の情報を、登記所から不動産の情報を得られます。

    ただし注意点があります。勤務先の情報を市区町村などから取得する手続は、養育費などの請求や、生命・身体の侵害による損害賠償に限られており(同法206条)、不貞慰謝料では通常使えません。

    東京地方裁判所の案内によれば、情報取得手続は財産を調べるための手続であり、実際に回収するには別途、債権差押えなどの強制執行を申し立てる必要があります。

    弁護士からのコメント

    中川弁護士

    これから合意や判決を得る段階なら、その時点で相手の勤務先と、利用している金融機関をできるだけ把握しておくことをお勧めいたします。判決を得たものの、相手が転職して勤務先が分からなくなり、回収に苦労するケースがあるためです。

    これから合意する場合:未払いを防ぐ公正証書

    示談で合意するなら、強制執行認諾文言付きの公正証書にしておくと、支払いが止まったときに裁判を経ずに強制執行へ進めます。

    分割払いを認める場合は、期限の利益喪失条項もあわせて入れておきましょう。この2つがそろって初めて、未払いへの備えになります。

    やってはいけないこと:職場への押しかけやSNSへの書き込み

    支払われない怒りから、相手の職場に押しかけたり、SNSに実名で書き込んだりすると、名誉毀損などで逆に責任を問われるおそれがあります。回収は、法律の手続に沿って進めてください。

    差し押さえはどこまで?給与・預金の範囲

    👉 このパートをまとめると!
    給与は原則手取りの4分の1まで、預金は差押え時点の残高が対象になりうる。

    差押えと聞くと、財産をすべて取られるように感じるかもしれません。実際には、生活を守るために差し押さえられる範囲には上限があります。一方で、財産の種類によって扱いが大きく異なります。

    給与の差押え:原則4分の1、毎月続く

    民事執行法152条は、給与の手取り額(税金や社会保険料を引いた額)の4分の3を差押禁止としています。つまり、差し押さえられるのは原則として4分の1です。

    ただし、月払いの給与で手取りが44万円を超える場合は、33万円を超える部分がすべて差押えの対象になります(民事執行法施行令2条)。

    手取り月額【設例】差し押さえられる額の目安
    20万円5万円
    24万円6万円
    30万円7万5,000円
    44万円11万円
    50万円17万円

    計算の前提:一般的な金銭債権(慰謝料)による差押えの場合。〈監修者確認:公開前に計算を確認〉

    給与の差押えは、完済するまで毎月続きます。賞与や退職金も対象になります。

    また、差押命令は勤務先に届くため、職場に知られる可能性が高いことも覚えておきましょう。

    預金の差押え:差押え時点の残高

    預金の差押えは、差押命令が銀行に届いた時点の残高が対象です。給与と違って差押禁止の割合は定められていないため、残高全額が差し押さえられることもあります。

    生活が立ち行かなくなる場合は、裁判所に差押禁止の範囲を変えるよう申し立てる制度もあります(民事執行法153条)。

    差し押さえが禁止されている財産

    生活に欠かせない衣服や家具、66万円までの現金などは、差押えが禁止されています(民事執行法131条、民事執行法施行令1条)。

    インターネット上には「99万円まで」とする説明も見られますが、99万円は自己破産の手続で手元に残せる現金の基準で、強制執行の場面とは別のものです。

    なお、養育費や婚姻費用を理由とする差押えは範囲が広く、給与の2分の1まで差し押さえられます。この記事の数字は、慰謝料の場合として読んでください。

    慰謝料の時効:何年で、いつから数えるか

    👉 このパートをまとめると!
    不貞慰謝料の時効は相手と損害を知った時から3年、行為の時から20年。

    「もう何年も前のことだから、時効だろう」。そう考えて請求を放置するのは危険です。時効の数え方には、よくある誤解がいくつかあります。

    3年と20年の2つの期限

    不法行為による慰謝料の時効は、民法724条で次のように定められています。

    不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
    一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
    二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

    出典:民法第724条(e-Gov法令検索)

    ポイントは、3年を数え始めるのが「不倫をした日」ではなく、請求する側が不倫の事実と相手を知った時だということです。

    不倫が5年前のことでも、相手の配偶者が知ったのが1年前なら、3年の時効はまだ完成していません。

    また、20年の期限は、2020年4月の民法改正で「時効期間」と明記されました。改正前は、請求権そのものが自動的に消える除斥期間と解されていたため、古い解説とは説明が異なることがあります。

    「5年に延びた」は生命・身体の場合の話

    2020年の改正で「3年が5年に延びた」と説明されることがありますが、これは人の生命や身体を害する不法行為についての特則です(民法724条の2)。

    法務省の資料も、5年となるのは生命・身体を侵害する不法行為の場合として整理しています。不貞行為による慰謝料は、原則どおり3年です。

    時効が止まる・リセットされる場面

    請求する側が内容証明郵便などで支払いを求めると、その時から6か月間は時効が完成しません(民法150条)。その間に訴訟を起こせば、時効の完成を防げます。

    請求された側にとって、より大切なのは「承認」です。

    支払いを約束したり、一部を支払ったり、分割払いを申し出たりすると、債務を認めたものとして時効がリセットされることがあります(民法152条)。

    弁護士からのコメント

    中川弁護士

    時効が近いかもしれないと思ったら、分割払いの申し出や一部の支払いをする前に、弁護士に確認してください。善意の一言で、時効がリセットされることがあります。

    時効は自分から主張しないと効果が生じない

    時効の期間が過ぎても、自動的に支払義務が消えるわけではありません。時効の利益を受けるには、「時効を援用する」と相手に伝える必要があります(民法145条)。

    やってはいけないこと:財産隠しは犯罪になりうる

    👉 このパートをまとめると!
    差押えを逃れるための財産隠しや名義変更は、強制執行妨害罪になりうる。

    差押えを避けたい一心で、預金を引き出したり、財産を家族の名義に移したりしたくなることがあるかもしれません。しかし、それは慰謝料の問題を刑事事件に変えてしまう行為です。

    刑法96条の2は、強制執行を妨害する目的で財産を隠したり、譲渡を装ったりする行為を処罰の対象としています。刑罰は3年以下の拘禁刑もしくは250万円以下の罰金、またはその両方です。

    実際に、仮執行宣言付きの判決を受けた人が自分の口座から預金を払い戻した行為について、この罪が成立するとした判断を是認した裁判例があります(裁判所ウェブサイト掲載)。

    弁護士に相談すべきタイミングと、相談前に準備するもの

    👉 このパートをまとめると!
    訴状が届いた時や分割合意の前は早めに相談を。書面と時系列メモを準備する。

    弁護士への相談は、早いほど選べる手段が多く残ります。とはいえ、すべての段階で急ぐ必要があるわけではありません。自分の状況がどれにあたるかを確認してみてください。

    早めの相談を検討したい場面

    • 裁判所から訴状(特別送達)が届いた
    • 内容証明の回答期限が迫っている
    • 分割払いの合意書や示談書に署名する前
    • 給与や預金の差押命令が届いた
    • 時効が近いかもしれない
    • 請求した相手が支払わず、財産も分からない

    相談の前に、次のものを手元にそろえておくと、限られた相談時間で状況を正確に伝えられます。

    • 届いた書面すべて(封筒も含む)
    • 相手とのやり取りの記録(メッセージ、メール)
    • 出来事を日付順に並べたメモ
    • 収入と支出がわかる資料(給与明細、家計の状況)
    • 合意書・公正証書・判決書があれば、その写し
    弁護士に相談する前にそろえるもの

    相談費用の確認

    相談料や依頼費用は事務所によって異なります。初回の相談が無料かどうか、依頼した場合の着手金や報酬の目安は、相談前に確認しておきましょう。〈内部リンク:当事務所の弁護士費用ページ〉

    よくある質問

    内容証明を無視したら、すぐに差し押さえられますか?

    すぐに差し押さえられることは基本的にありません。差押えには、判決や強制執行認諾文言付きの公正証書などの債務名義が必要だからです。ただし、無視を続けると訴訟を起こされる可能性が高まります。裁判所から訴状が届いた場合は、放置せずに対応してください。

    自己破産すれば慰謝料は払わなくてよくなりますか?

    免除される場合もありますが、一律ではありません。破産法は「悪意で加えた不法行為」による損害賠償を、自己破産しても免除されない債権としています。不貞慰謝料がこれにあたるかは、事案ごとに判断されます。生活全体に影響する手続のため、弁護士への相談をおすすめします。

    慰謝料を払わないと、会社や家族に知られますか?

    交渉の段階で自分から伝えない限り、知られる可能性は高くありません。ただし、判決などに基づいて給与が差し押さえられると、差押命令が勤務先に届くため、職場に知られる可能性が高くなります。知られるリスクを避けるためにも、早い段階での対応が大切です。

    分割払いの途中で払えなくなったらどうなりますか?

    合意書に期限の利益喪失条項があれば、残額を一括で請求されることがあります。強制執行認諾文言付きの公正証書なら、裁判を経ずに差押えへ進まれるおそれもあります。払えなくなりそうだと分かった時点で、遅れる前に相手や弁護士に連絡し、条件の見直しを相談してください。

    相手が「お金がない」と言う場合、回収はあきらめるしかないですか?

    すぐにあきらめる必要はありません。判決などの債務名義があれば、財産開示手続や第三者からの情報取得手続で預貯金などを調べられる場合があります。本当に財産がない場合は、相手が払える金額や分割での合意を検討するのも現実的な選択肢です。

    財産を家族名義に移せば、差押えを避けられますか?

    避けられないうえ、犯罪になるおそれがあります。強制執行を妨害する目的で財産を隠したり、譲渡を装ったりすると、刑法96条の2の強制執行妨害目的財産損壊等罪にあたる可能性があります。差押えが心配なときは、財産を動かす前に弁護士に相談してください。

    まとめ:慰謝料を払わない場合は、段階と期限の確認が最優先

    👉 このパートをまとめると!
    払わない場合は段階と期限の確認が最優先。訴状は放置せず、必要に応じ専門家に相談を。

    慰謝料を払わない場合に押さえておきたいのは、次の3点です。

    • 放置すると、内容証明→訴訟→判決→差押えと段階的に進む
    • 最も危険なのは、裁判所からの訴状を放置すること
    • 減額・分割・回収の手段は、今いる段階によって変わる

    請求された側も、請求した側も、まずは手元の書面を確認し、自分がどの段階にいるのかを把握することから始めてください。期限さえ見落とさなければ、選べる手段は残っています。

    東京スタートアップ法律事務所では、慰謝料を請求された方・請求した方のどちらのご相談もお受けしています。今の段階と期限の確認から、一緒に整理します。

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    免責事項
    本記事は、慰謝料に関する一般的な情報の提供を目的としています。個別の事案についての法的助言ではありません。支払義務の有無、金額、期限、とるべき手続は、事実関係・証拠・手続の段階によって異なりますので、具体的な判断は弁護士にご相談ください。

    参考資料

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