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不倫に関するお金の問題とは?手切れ金や和解金についても解説
監修弁護士
中川 浩秀 東京スタートアップ法律事務所
東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。男女問題・不倫慰謝料に関する相談を多数解決。
「不倫相手に慰謝料以外の請求をしたい」
「不倫相手に貢いだお金を取り返すことはできないの?」
「不倫相手に解決金を支払う必要があるのか」
不倫に関するお金の問題にはさまざまなものがありますが、離婚に関する手続や慰謝料を請求することは人生でそう何度も経験することではないため、いざ自分がその立場に立たされてしまうと、どう対応したらいいか困ってしまうことも多いでしょう。
この記事では、不倫とお金に関するさまざまな疑問について、網羅的にわかりやすく解説していきます。
不倫とお金の関係性

不倫は、お金との関係で大きく2つの種類に分けることができます。
お金との関係で見る不倫の種類
- 気前よくお金を使う不倫
- なるべくお金を使わない「節約不倫」
以下、それぞれ解説していきます。
1. 気前よくお金を使う不倫
不倫と聞くと、相手に高価なバッグやアクセサリーなどを買ってあげるイメージを抱く人も多いでしょう
食事代やホテル代、交通費やその他デート費用など、すべての費用を支払うことで不倫の関係を成り立たせているケースです。
気前よくお金を使うこの不倫のパターンでは、以下のような思惑があることが多いです。
- 体の関係を求める代わりに高価な物を買ってあげる
- 相手に好意を寄せてもらうため
- 自分の社会的地位に見合ったことをしたい場合
このパターンの不倫では、お金を使うことで不倫相手との関係を成り立たせているため、不倫相手に対し恋愛感情を持って付き合っているケースはそれほど多くありません。
最近では、体の関係を持たずに経済的援助をしてもらう「パパ活」や「ママ活」など、不倫よりもライトな関係性を持つことを目的とした関係も増えてきています。
2. なるべくお金を使わない「節約不倫」
気前よくお金を使う不倫とは違い、最近ではできる限りお金を使わずに不倫を行う「節約不倫」と呼ばれる形態の不倫が増えてきています。
節約不倫では、基本的にプレゼントはなく、ホテルや食事代、旅行代なども基本的にはすべて割り勘であることが多いです。
場合によっては、ホテル代を浮かすために車の中で密会を重ねることも少なくありません。
節約不倫では、以下のような思惑があることが多いでしょう。
- 単純にお金がないから
- 妻に不倫がバレないようにするため
- 遊び相手にお金を使いたくないから
- 関係を今後も続けるためにも、お金はできる限り節約したい
節約不倫は、不倫相手を遊び相手としかみていないため、体の関係のみ求めることが多く、それ以外にお金や時間をかけないケースがほとんどです。
そのため、不倫の関係をいくら続けても、体の関係以上になるケースはほとんどないといえるでしょう。
不貞慰謝料(請求された方)について弁護士に相談する
不貞慰謝料(請求したい方)について弁護士に相談する
不倫をした場合に請求できるお金
不倫が発覚した場合、不倫をした配偶者や不倫相手に対して慰謝料を請求することができます。
ここでは、不倫をした場合に請求できるお金について、「配偶者に対する請求」と「不倫相手に対する請求」に分けて解説していきます。
1. 配偶者に対して請求できるお金
不倫をした配偶者に対しては慰謝料を請求することができます。
また、別居や離婚へ発展してしまった場合に発生するお金についても、それぞれ詳しく解説していきます。
請求できるお金は、おもに以下の5つです。
配偶者に対して請求できる5つのお金
- 慰謝料
- 婚姻費用
- 財産分与
- 養育費
- 年金分割
慰謝料
配偶者の不倫が発覚した場合、不倫をされたことで精神的苦痛を被ったとして、慰謝料を請求することができます。
不倫の慰謝料に関しては、50万円から300万円程度が相場となりますが、夫婦関係や不倫の悪質性で金額が大きく変わってきます。
詳しくは、こちらの記事をご参照ください。
婚姻費用
婚姻費用とは、夫婦が別居した場合に、収入が少ない側が収入の多い側に請求できる生活費のことです。
たとえば、以下のような費用が婚姻費用として請求できるとされています。
- 衣食住にかかる費用
- 医療費
- 出産費
- 子どもの教育費
- 生活に必要な交通費 など
このように、婚姻費用には、およそ夫婦が日常生活を送るために必要な費用はすべて含まれます。
婚姻費用は、家庭裁判所の「養育費・婚姻費用算定表」という規定をもとに計算されます。
基本的に、夫婦それぞれの年収や子どもの人数・年齢をもとに算出されます。
ただし、婚姻費用につき夫婦間で合意があるのであれば、毎月の支払いがいくらであっても問題ありません。
そのため、まずは夫婦間で婚姻費用について話し合いをし、それでも金額がまとまらない場合には、家庭裁判所の算定基準をもとにして、婚姻費用を決めることになるでしょう。
参照:養育費・婚姻費用算定表
財産分与
結婚生活中に得た財産については、すべて夫婦間で分割するのが原則です。
そのため、預金口座や不動産など、たとえ夫婦どちらかの一方の名義になっている財産であっても、実際には、夫婦相互の協力によって得ることができたといえる財産であれば、財産分与の対象とすることができます。
| 【具体例】 夫が自分の収入で不動産を購入し、夫の単独名義で登記されていたとしても、妻が家事や育児を担当することで夫を影から支えていたような場合、その不動産は実質的には夫婦共有の財産といえ、財産分与の対象となります。 |
一般的に、若年離婚の場合よりも、熟年離婚の方がそれまでに蓄えている資産が多くなる傾向にあり、不動産や株などの所有状況次第では、財産分与の額が数千万円単位になるケースもあるでしょう。
養育費
離婚する時に未成年の子どもがいる場合には、子どもの成長にかかる費用を養育費として請求することができます。
養育費は「子どもが健やかに成長するために必要な費用」なので、両親の不倫は、養育費の請求権に影響を及ぼしません。
そのため、たとえば、妻が不倫をしたにもかかわらず、妻が親権を持つことになったとしても、妻は夫に対して養育費を請求することができます。
なお、養育費に関しては、婚姻費用と同様に家庭裁判所で算定基準が定められています。
参照:養育費・婚姻費用算定表
年金分割
年金分割とは、離婚した際に、婚姻期間中の厚生年金の記録を夫婦間で分割する制度です。
財産分与とは別の制度であり、厚生年金保険法に基づいて手続きを行います。
年金分割では、婚姻期間中の厚生年金の標準報酬月額や標準賞与額の記録を分割し、それぞれの将来の年金額に反映させます。
そのため、現在受け取っている年金や将来の年金額そのものを、夫婦で単純に半分ずつ分ける制度ではありません。
年金分割には、主に以下の2種類があります。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 合意分割 | 夫婦の合意または裁判手続きによって按分割合を決める制度 |
| 3号分割 | 一定の第3号被保険者期間について、相手方の厚生年金記録を2分の1ずつ分割する制度 |
特に、婚姻期間中に専業主婦・主夫であった期間が長い場合には、年金分割によって将来の厚生年金額が変わる可能性があります。
また、2026年4月1日以降に離婚した場合、年金分割の請求期限は原則として離婚日の翌日から5年以内です。
一方、2026年3月31日以前に離婚した場合は、原則として2年以内となります。
年金分割の対象となる期間や手続きの方法は、夫婦の年金加入状況などによって異なるため、離婚を検討する際には事前に確認しておくことが重要です。
参考:日本年金機構「離婚時の年金分割の請求期限が改正されました」
2. 不倫相手に対して請求できるお金|慰謝料
配偶者の不倫が発覚した場合、不倫をした配偶者だけでなく、不倫相手に対しても慰謝料を請求できる可能性があります。
不貞行為は、配偶者と不倫相手による共同不法行為に該当する場合があり、双方が慰謝料の支払義務を負うことがあります。
そのため、被害者は配偶者と不倫相手の両方に慰謝料を請求することも、どちらか一方に請求することも可能です。
ただし、配偶者と不倫相手に個別に慰謝料を請求したからといって、受け取れる慰謝料の総額が増えるわけではありません。
たとえば、不貞行為による慰謝料が200万円と認められた場合、配偶者と不倫相手の双方に請求したとしても、同じ損害について合計400万円を受け取ることはできません。
一方が慰謝料を支払った場合には、その支払いによって損害が補填された範囲で、もう一方の支払義務も消滅します。
また、不倫相手に慰謝料の全額を支払ってもらった場合、不倫相手から配偶者に対して求償権が行使される可能性もあります。
そのため、慰謝料を請求する際には、請求先だけでなく、慰謝料の総額や求償権の扱いについても確認することが重要です。
なお、不倫相手に対する慰謝料請求が認められるかどうかは、不貞行為の内容や故意・過失、婚姻関係の状況などによって異なります。
3. 不倫関係にある男女間で請求できるお金|手切れ金(示談金・解決金・和解金)
不倫関係を穏便に解消するために、不倫当事者双方合意のもと、「手切れ金」と呼ばれる示談金が支払われることがあります。
この手切れ金は、法的な根拠にもとづくものではなく、あくまでも両者の合意の元に支払われる、一種の慰謝料の性質を持つ解決金となります。
そのため、金額についてもとくに決まりはなく、事案によりケースバイケースです。一般的には10万円〜100万円程度の金額で話がまとまることが多いでしょう。
もし、「手切れ金を支払うことで不倫関係を完全に終わらせ、今後のほかの請求などは一切受けない」とするのであれば、必ず和解書などの書面を取り交わすようにしてください。
なお、不倫問題の示談金については以下の記事もご参照ください。
不倫相手に使ったお金を返してもらうことはできる?

不倫相手に使ったプレゼント代や食事代などをなんとかして取り返したいと考える人も多いでしょう。
この場合、不倫相手からこれまでに使ったお金を返してもらうことはできるのでしょうか。
【不倫された配偶者が請求する場合】と、【不倫をした配偶者が請求する場合】とに分けて解説していきます。
1. 不倫をされた配偶者が請求する場合|慰謝料が高くなる可能性がある

残念ながら、不倫相手に使ったお金を取り戻すことはできません。
不倫相手が、騙したり脅迫したりして財産を得た場合は別ですが、基本的にはこちらから不倫相手にあげたものを、第三者である配偶者が返還請求をすることはできないのが原則です。
ただし、家庭にはほとんどお金を入れていないにもかかわらず、自身の収入と比較してあきらかに高額なプレゼントをしていた場合など、場合によっては、その分の損失につき、慰謝料の増額請求をすることができる場合もあるでしょう。
2. 不倫をした配偶者が請求する場合|不法原因給付にあたる

不倫をした配偶者が、自身の不倫相手に対して、今まで使ったお金を返すように請求することはできません。
自分の意思でプレゼントしたものを、あとになって返してほしいと請求することは、民法上返還の請求をすることができないのが原則です。
また、食事代やホテル代に関しても、厳密には不倫相手に対して支払ったのではなく、レストランやホテルに対して支払ったお金です。そのため、直接の支払い先ではない不倫相手に、返還の請求をすることができないのです。
なお、毎月決まった金額を支払って肉体関係を持つ、いわゆる愛人契約のような場合であっても、前払いしていた契約費用を返してもらうよう請求することはできません。
これは、愛人契約が民法上の「不法原因給付」にあたるためです。
| 第708条(不法原因給付) 不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。 ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。 引用:民法第708条|e-Gov法令検索 |
不貞慰謝料(請求された方)について弁護士に相談する
不貞慰謝料(請求したい方)について弁護士に相談する
不倫に関するお金の問題でよくある質問(FAQ)
不倫に関するお金の問題でよくある質問をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
不倫相手に貸しているお金を返してもらうことはできる?
不倫相手に貸しているお金に関しては、通常のお金の貸し借りと同様、お金を返してもらうように請求することができます。
ただし、実際にお金を返してもらえるかどうかは、お金を貸したという証拠があるかどうかで変わってきます。
借用書や領収書、振込履歴やお金の貸し借りに関するメール・LINEの履歴があればいいですが、もし口頭でお金の貸し借りを約束し、手渡しでお金を渡したような場合には、相手がお金を借りたことを認めない限り、実際にお金を返してもらうことは難しいことが多いです。
実際にお金を返してもらえるかどうか不安な場合には、専門家である弁護士に相談してみることをおすすめします。
不倫相手が美人局(つつもたせ)だった場合は?
高額な慰謝料を請求するために、不倫相手が自身の配偶者と結託して、美人局を仕掛けてくることがあります。
多くの場合、不倫相手から積極的にアプローチをかけられ、不貞行為の現場をおさえた不倫相手の婚約者が、それをもとにして不当に高額な慰謝料を請求をしてきます。
もちろん、美人局は、恐喝罪や詐欺罪、強要罪などさまざまな法律に触れる可能性のある違法な行為です。
しかし、もしも既婚者とわかっていながら肉体関係を持ってしまったような場合には、慰謝料の支払い義務が発生してしまうのが原則です。
自分で交渉をしようとしても、「慰謝料を払わないのであれば周囲に不倫のことをばらす」などと脅しをかけてくることがほとんどなので、自分で対応することが難しい場合には弁護士に対応を依頼するのが良いでしょう。
不倫相手にお金がない場合に慰謝料を請求することはできる?
不倫相手に慰謝料を請求したとしても、相手に慰謝料を支払うだけの返済能力がない場合には、実際に慰謝料を回収することは難しいでしょう。
ただし、裁判をすることで慰謝料の支払い義務を確認し、相手の預金口座や給与を差し押さえることは可能です。
不倫相手の配偶者に慰謝料を請求することはできる?
不倫相手から慰謝料を請求できなかったとしても、不倫相手の配偶者に対して慰謝料を請求することはできません。
不倫相手の配偶者は、配偶者が不貞行為を行わないように監視する義務を負っているわけではなく、配偶者のしたすべての行為の責任を取らなければいけないわけでもないからです。
不倫相手が誰だかわからない場合でも慰謝料を請求できる?
配偶者が不倫相手の情報を一切教えてくれない場合や、マッチングアプリなどで出会ったため、配偶者自身もどこの誰だかわからずに不貞行為をおこなっていた場合など、不倫相手の名前や連絡先、住所などが一切わからない場合には、基本的に慰謝料の請求や裁判を起こすことはできません。
弁護士であれば、職務上認められている権限で、相手の個人情報を調べることも可能ですが、どんな状況でも100%相手の個人情報を調べられるとは限りません。
探偵を使って相手の情報を調べることも可能ですが、莫大な探偵費用がかかってしまうケースもありますので、まずは手持ちの情報で相手の情報を調べることができるかどうか、弁護士に確認してみることをおすすめします。
慰謝料に請求期限はあるの?
不倫相手に対する慰謝料請求については、以下のように請求できる期限である時効が定められています。
・不倫慰謝料の請求には時効がある もしくは
・不貞行為から20年の時効が成立しているケース
配偶者の不倫が発覚しても、子どものために離婚しないでいたようなケースでは、気づいたら時効にかかっていて慰謝料を請求できなくなっていた、なんてことにもなりかねません。
不倫が発覚したら、今後の方針も含めて早めに弁護士に相談することをおすすめします。
不貞慰謝料(請求された方)について弁護士に相談する
不貞慰謝料(請求したい方)について弁護士に相談する
まとめ

不倫問題は、慰謝料請求や離婚の問題、不倫の当事者同士で手切れ金を払うのかどうかなど、さまざまな問題が出てきます。
相手にどうやって請求したらいいのか、離婚の手続はどのように進めればいいのかなど、何もわからないなかで、仕事や子育ての合間を縫って1人で対応しなければいけないのは、肉体的にも精神的にも非常に辛いものがあるでしょう。
私達、東京スタートアップ法律事務所では、不倫トラブルを熟知した弁護士が、不倫に関するトラブルで不安な思いを抱えている方々を全面的にサポートしています。
不倫トラブルを解決する方法は慰謝料を請求することだけではありません。親身になって相談内容をお伺いし、今後の方針についてご希望をお伺いすることで、最適な問題解決方法をご提案させていただきます。
弁護士費用の分割払いなども柔軟に対応しているため、弁護士費用の心配はせずに安心してご相談いただけます。
辛い状況を1人で抱え込む必要はありません。ぜひ、お気軽にご相談ください。
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