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熟年不倫について│なぜ熟年不倫をするのかや発覚後の対処法を解説
監修弁護士
中川 浩秀 東京スタートアップ法律事務所
東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。男女問題・不倫慰謝料に関する相談を多数解決。
皆さん、「熟年不倫」「熟年離婚」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。
「母親が不倫しているかもしれない!」「父親の不倫が発覚し、母親と父親が離婚するかもしれない!」等のように、両親を心配するお子様からの相談もあります。
そこで今回は、熟年不倫について、なぜ熟年不倫をしてしまうのか、熟年不倫が発覚した際の対応、熟年離婚のリスク等について解説します。
なぜ熟年不倫をしてしまうのか

「熟年不倫」とは、40代から60代の長年連れ添った夫婦の一方が、配偶者以外の異性と不貞行為に及ぶことを指します。「そんな年齢で不倫をするなんて…」と意外性を感じるかもしれませんが、実際は少なくありません。
そして、熟年不倫に走ってしまう人の特徴の例示として、以下のものがあげられます。
- 夫婦関係が冷え切っている
- お金と時間に余裕がある
- 性的欲求に負けてしまう
- 介護のストレスに耐えられない
- 寂しさを感じる
それでは具体的に、なぜ熟年者が不倫に及んでしまうのか、その理由を紐解いていきましょう。
夫婦関係が冷え切っている
熟年不倫の背景として、夫婦関係の変化が挙げられます。
長年の結婚生活の中で会話が減り、お互いへの関心が薄れると、夫婦間の心の距離が広がってしまうことがあります。
また、仕事や子育てを優先してきたことで、夫婦二人で過ごす時間が少なくなり、寂しさや不満を感じるケースもあるでしょう。
その結果、配偶者以外の人に理解や安らぎを求め、不倫関係に発展してしまうことがあります。
ただし、夫婦関係が冷え切っているからといって、必ずしも不倫につながるわけではありません。
また、夫婦間の会話が少ないことや関係が悪化していることだけで、不倫が正当化されるものでもありません。
熟年不倫を防ぐためには、日頃からお互いの気持ちを伝え合い、夫婦関係について話し合う機会を設けることが大切です。
お金と時間に余裕がある
不倫をするにもお金と時間は必要ですが、年を重ねれば重ねるほど、子育てが終了し、定年退職や収入の安定等によって、自由な時間や経済的な余裕が生まれます。また、仕事や家庭に縛られていた時期と比べて行動の自由が増し、不倫相手と会う機会を作りやすくなることも要因の一つといえるでしょう。
不倫をする暇もお金もない・・・という感覚が薄れ、新たな刺激を求めやすくなります。
性的欲求に負けてしまう
結婚生活が長くなればなるほど、自然と夫婦関係をもつ機会も減るでしょう。
そして、夫婦間で性的な満足を得られなくなると、その不満を配偶者以外の人で解消しようとする人もいます。特に加齢による身体の変化や生活環境の変化によって夫婦間のスキンシップが減ると、欲求を満たすために不倫に走るケースが増えます。
その結果、軽い気持ちから関係が深まり、不倫に発展してしまうのです。
介護のストレスに耐えられない
介護は、心身ともに大きな負担がかかります。
特に、義理の親の介護の苦労を配偶者に理解してもらえない場合や配偶者の協力が得られない場合、孤独感が深まっていきます。
そんな辛い日々の中、配偶者に代わり悩みを聞いて労いの言葉をかけてくれる相手に気持ちがなびいてしまうケースも少なくありません。不倫相手に支えや安らぎを求めるようになってしまい、関係を深めてしまうのです。
寂しさを感じる
結婚生活が長くなると日々の生活がマンネリ化し、夫婦間の会話が少なくなることも。
その状況もまた心地よいとお互い納得していれば問題ないのですが、一方が寂しさを感じ、孤独な気持ちを強く持っているかもしれません。その場合、孤独を埋めようと、不倫にのめりこんでしまうケースもあるでしょう。
熟年不倫が発覚したら離婚?熟年離婚のリスク
熟年離婚は、以下のような経済的・精神的なリスクが伴います。
- 財産分与でもめる可能性がある
- 精神的に負担がかかる
- 慰謝料が高額になりやすい
そのためリスクを十分に理解したうえで、離婚をするか慎重に考えるべきでしょう。
また離婚を決意したとしても、実行までに十分な準備と計画が必要です。
以下、熟年離婚の主なリスクについて解説します。
財産分与でもめる可能性がある
熟年離婚では、長年の婚姻生活で築いた財産が多く、財産分与をめぐってトラブルになる場合があります。
財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に協力して築いた財産を、離婚する際などに分けることです。
たとえば、以下のような財産が対象となる可能性があります。
- 自宅などの不動産
- 預貯金
- 株式や投資信託などの金融資産
- 生命保険や個人年金保険の解約返戻金
- 将来受け取る予定の退職金のうち、婚姻期間に対応する部分
特に熟年離婚では、自宅を売却するのか、どちらかが住み続けるのかといった問題が生じることがあります。
また、退職金や保険などについても、財産分与の対象となる範囲や金額をめぐって意見が対立する場合があります。
ただし、すべての財産が財産分与の対象になるわけではありません。
原則として、婚姻前から所有していた財産や、婚姻中に相続・贈与によって取得した財産は、特有財産として財産分与の対象から除かれます。
そのため、熟年離婚を検討する場合には、夫婦の共有財産とそれぞれの特有財産を整理し、財産分与の対象や評価額を確認することが重要です。
精神的に負担がかかる
熟年離婚は、長年連れ添った配偶者との別れにより、大きな精神的負担を伴います。
長年の生活習慣が変わることで喪失感や孤独感が増し、特に離婚後一人暮らしになると精神的な支えを失いやすくなります。また、親族や友人関係が変化し、社会的な孤立につながることもあります。
さらに、離婚に至る過程での争いや財産分与のトラブルがストレスとなり、うつ病や高血圧などの健康悪化を引き起こすリスクもあるでしょう。
慰謝料が高額になりやすい
熟年離婚の原因が不貞行為である場合、慰謝料が高額になる傾向があります。
長年連れ添った配偶者への精神的苦痛が大きく評価され、婚姻期間が長ければ長いほど慰謝料も増額されることが多いです。
一般的に数百万円以上となるケースも珍しくありません。
特に婚姻期間が長く、相手の精神的ダメージが深刻と判断されれば、慰謝料はさらに高額化します。慰謝料をめぐって裁判に発展することも多く、経済的・精神的負担が増加します。
熟年不倫が発覚したら離婚?熟年離婚のメリット

これまで熟年離婚のリスクについて解説しましたが、次は、熟年離婚のメリットについて解説します。
リスクとメリットを正確に理解したうえで、最終的に判断することが大切です。
熟年離婚のメリットとしては、主に以下のものがあげられます。
- 介護や関係の悪い親戚から解放される
- 新たな出会いがある
- 慰謝料をもらえれば経済的に楽になることもある
介護や関係の悪い親戚から解放される
熟年離婚のメリットの一つは、配偶者の介護や関係の悪い親戚から解放されることです。
長年にわたり義理の親の介護を担っていた場合、離婚することでその負担から解放され、自分の時間や人生を大切にできるようになります。
また、配偶者側の親族との関係が悪かった場合、無理に付き合う必要がなくなり、精神的なストレスが軽減される点も大きな利点です。
自分自身の老後をより自由で穏やかに過ごせる可能性が高まります。
新たな出会いがある
長年の結婚生活で関係が冷え切っていたり、不満を抱えながら過ごしていた場合、離婚によって精神的な解放感を得られます。
その結果、自分の価値感やライフスタイルに合った新しいパートナーと巡り合う可能性が高まります。
また、趣味や交流の場に積極的に参加することで、新たな人間関係を築き、より充実した人生を楽しむことができることも。
慰謝料をもらえれば経済的に楽になることもある
離婚原因が配偶者にある場合、配偶者から慰謝料を受け取れる可能性があります。
特に、不貞行為やDV等の理由で離婚をする場合は、慰謝料が高額になることもあり、今後の生活資金として活用できます。
また、年金分割や財産分与によっても一定の資産を確保できるため、専業主婦(夫)だった場合でも、離婚後の生活に余裕がうまれる可能性があります。
適正な慰謝料や財産を受け取るために、専門家に相談することが重要です。
離婚しない際の熟年不倫への対処法

熟年離婚のリスクやメリットを十分に検討した結果、離婚しないという判断に至ることも当然あるでしょう。
配偶者が不倫をした場合、離婚をしなくても慰謝料請求は可能です。不倫相手と配偶者の両方、またはどちらかに対して慰謝料を請求できます。
以下、慰謝料請求のポイント等について解説します。
不倫の証拠を集めておく
慰謝料を請求するためには、不貞行為があったことを裏付ける証拠を確保することが重要です。
たとえば、以下のようなものが証拠として考えられます。
- 不貞行為を推認できるLINEやメールのやり取り
- ラブホテルへの出入りを撮影した写真や動画
- 探偵事務所の調査報告書
- 不貞行為を認めた発言の録音データ
証拠を集める際には、撮影日時や場所、当事者が特定できる情報などを記録しておくことが大切です。
また、証拠の収集方法にも注意する必要があります。
民事訴訟では、違法な方法で収集された証拠であっても、原則として証拠能力が認められると考えられています。
ただし、著しく反社会的な手段で収集され、人格権を侵害するような場合には、証拠能力が否定される可能性があります。
そのため、違法な方法で集めた証拠が、必ずしも裁判で使えなくなるわけではありません。
もっとも、証拠として使用できることと、その収集方法が適法であることは別の問題です。
たとえば、配偶者のスマートフォンに無断でアクセスしたり、他人の住居に侵入して撮影したりすると、プライバシー侵害や犯罪などの問題が生じるおそれがあります。
違法な方法で証拠を収集した場合には、損害賠償請求を受けたり、刑事責任を問われたりする可能性もあるため注意が必要です。
そのため、不倫の証拠を集める際には、適法な方法を選び、取得方法に不安がある場合には弁護士へ相談することをおすすめします。
不倫相手の連絡先を把握しておく
不倫の証拠を確保しても、不倫相手の連絡先(住所や電話番号等)が分からないと、不倫相手には慰謝料請求ができません。
不倫相手の連絡先を把握するための方法として、以下のものがあげられます。
- 配偶者スマホの通話履歴やLINEのやり取りを確認。
- 探偵を依頼し、尾行や調査で不倫相手の身元を特定する。
- SNSや交友関係から情報を収集する。
探偵に依頼すると証拠収集の過程で、不貞相手の身元もあわせて明らかになることが多いでしょう。
なお、証拠収集時同様、違法な手段はNGです。
合法的な方法で慎重に不倫相手の身元を特定するためにも、弁護士に相談することをお勧めします。
慰謝料請求を行う
慰謝料請求は、概ね以下の流れで進みます。
| 1.内容証明郵便で請求書を送る |
請求書には、慰謝料の金額や支払い方法・期限、支払先、連絡先等を明記します。
弁護士に作成を依頼するとスムーズです。
| 2.示談交渉 |
請求書を受け取った相手と交渉をし、慰謝料の金額や支払い方法等についてまとまれば、示談書(合意書)を作成します。
相手の資力によっては分割払いになる可能性もあります。
分割払いの場合は、公正証書を作成し、未払い時に強制執行できるようにしておくことが望ましいです。
| 3.裁判 |
相手方と交渉が困難な場合等は、民事裁判を提起して解決を図ります。
不貞慰謝料(請求された方)について弁護士に相談する
不貞慰謝料(請求したい方)について弁護士に相談する
離婚する際の慰謝料の請求方法

離婚する際の慰謝料の請求方法として、
- 自分で交渉する方法
- 弁護士に頼む方法
があります。
自分で交渉する
自分で慰謝料を交渉する最大のメリットは、弁護士費用がかからず、費用を抑えられることです。また自らの意向を直接伝えられるため、感情を反映した交渉が可能で、相手方応じれば短期間で解決する場合もあります。
しかし、法的知識がないと不利になり、相場より低額での合意や、相手が拒否して話し合いが難航するリスクがあります。
さらに、示談書に不備があると支払いを逃れられる可能性もあり、慎重に進める必要があります。
そのため、弁護士に相談しながら進める方が安全でしょう。
弁護士に頼む
弁護士に慰謝料請求を頼む最大のメリットは、法的知識に基づいた適正な慰謝料を請求できる点です。
交渉のプロであるため、相手が拒否した場合でも粘り強く対応し、示談書の作成も適切に行うことができます。
また、相手方と直接交渉しなければならないという精神的な負担がなくなり、感情的な対立を避けられるのも利点といえるでしょう。
デメリットとしては、弁護士費用が発生するという点があげられます。
不貞慰謝料(請求された方)について弁護士に相談する
不貞慰謝料(請求したい方)について弁護士に相談する
熟年不倫をしない・させないための対策
熟年不倫をしない・させないための対策としては、以下のものがあげられます。
- 不満をため込まない
- 夫婦の楽しみを作る
- 老後の資金計画を二人で立てておく
この点について、解説します。
不満をため込まない
熟年不倫を防ぐためには、夫婦間で不満をため込まないことが重要です。
長年の結婚生活では、相手に対する不満があっても「いまさらいっても仕方がない」と我慢しがちですが、これが心の距離を広げる原因になります。
不満を放置すると、外に癒しや刺激を求めるきっかけになり、発展する可能性が高まります。
小さなことでも率直に話し合い、お互いの気持ちを理解しあうことで、信頼関係を深め、夫婦関係を良好に保つことができるでしょう。
夫婦の楽しみを作る
熟年不倫を防ぐためには、夫婦で共に楽しめる時間を作ることが大切です。
長年の結婚生活の中で、子育てや仕事に追われ、夫婦の時間が減ると、関係が形だけのものになりがちです。
しかし、趣味を共有したり、一緒に旅行を計画したりすることで、新鮮な気持ちを取り戻し、互いの存在を再認識できます。
また、日常の中でちょっとしたデートや食事を楽しむことで、自然と会話が増え、心の距離も縮まります。夫婦の絆を深めることが、不倫防止につながります。
老後の資金計画を二人で立てておく
熟年不倫を防ぐためには、夫婦で老後の資金計画を立てておくことが重要です。
将来の生活設計を共に考えることで、経済的な不安を減らし、夫婦の絆を強めることができます。資金計画が明確になれば、お互いの人生に対する責任感が増し、無責任な行動を抑える効果もあるでしょう。
また、共有の目標ができることで、協力し合う姿が生まれ、夫婦関係が良好に保たれます。
将来の安心を確保しつつ、心のつながりを深めることが、不倫防止につながります。
不倫に関するよくある質問
熟年不倫は何歳が多い?
40代から60代の既婚者が配偶者以外の異性と肉体関係を持つことを熟年不倫と呼ぶケースが多いです。
そして近年、この年代での不倫が増加傾向にあると報告されています。
例えば、HAL探偵社の調査によれば、60代の男性20%以上、女性でも10%以上が不倫を経験しているとのことです。
さらに、東京探偵事務所の報告では、40代から60代の女性が浮気が不倫に走るケースが増えているとされています。
浮気や不倫が多くなるのは何年目?
一般的には、結婚生活が長くなるにつれて、マンネリ化やコミュニケーション不足が原因で不倫に至るケースが多い印象ですが、個々の状況によって異なるため、一概に結婚何年目に多いということを明示することは難しいです。
夫婦間の良好なコミュニケーションや信頼関係の構築が、不倫防止につながるでしょう。
まとめ

今回は、熟年不倫や熟年離婚について解説しました。
熟年離婚は、経済的・精神的なリスクを伴いますので、十分な事前の準備が重要となります。
感情のままに離婚してしまい、金銭面等で、後々離婚したことを後悔することになるかもしれません。後悔しないためにも、まずは弁護士にご相談ください。
東京スタートアップ法律事務所は、熟年離婚を含む、数多くの離婚案件を扱っております。一人で抱え込まずに、まずはお気軽にお問い合わせください。
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