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妊娠発覚後に逃げられた!慰謝料請求できるケースや相場を解説
監修弁護士
中川 浩秀 東京スタートアップ法律事務所
東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。男女問題・不倫慰謝料に関する相談を多数解決。
彼氏との子どもを妊娠しているにもかかわらず、彼氏に逃げられたという場合、どうすれば良いのでしょうか。
このような状況の人に向けて、以下ご説明いたします。
子どもを妊娠したら彼氏に逃げられた場合の対処

子どもの父親である彼氏に逃げられるという状況は、大変大きなショックを伴うものです。しかし、子どものためにも悲しんでばかりはいられないので、あなた自身が気持ちを強く持ち、適切な行動をとることが大切です。
冷静に判断する
まずは、子どもを産むかどうか、今後どうしたいのかを決める必要があります。
後から後悔しないためにも、周囲にいる頼りになる人に相談をして、冷静に判断してください。
決断内容によって、採るべき適切な行動は変わりますので、自分の気持ちを整理してみましょう。
メッセージの保存
今後、彼氏に対して何かしらの行動を取る場合、彼氏とのメッセージ履歴が重要になってくるかもしれません。
彼氏の素性が分かるメッセージがある可能性もありますし、彼氏の発言が証拠として使える可能性もあります。
「妊娠が分かっているにもかかわらず、逃げるなんてひどすぎる!」と、彼氏とのメッセージ履歴を全て削除してしまう人もいますが、あなた自身にとって有利な証拠を含む可能性がある以上、メッセージ履歴を保存することをおすすめします。
お金を請求できる場合がある

妊娠の責任をとってもらうため、彼氏に対してお金を請求できる場合があります。
子どもを産むことを決めた場合は、養育費を請求できますし、子どもを産まないと決めた場合は、中絶による慰謝料を請求できることもあります。
中絶による慰謝料請求の時効はいつから?
中絶に関する慰謝料請求には消滅時効があるため、請求を検討する際には期間を確認する必要があります。
民法724条では、不法行為による損害賠償請求権の消滅時効について、以下のように定められています。
| 時効期間 | 起算点 |
|---|---|
| 3年間 | 損害および加害者を知った時 |
| 20年間 | 不法行為があった時 |
そのため、中絶から3年が経過したという理由だけで、必ず慰謝料請求ができなくなるわけではありません。
たとえば、相手の身元がわからず、損害賠償請求が可能な程度に加害者を特定できていない場合には、3年間の時効が進行していない可能性があります。
また、民法724条の2では、人の生命または身体を害する不法行為について、損害および加害者を知った時から5年間の消滅時効が定められています。
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中絶に関する損害賠償請求でも、具体的な行為や被害の内容によっては、この5年間の規定が適用される可能性があります。
ただし、中絶に関する慰謝料請求がすべて生命・身体の侵害に該当するわけではありません。
そのため、実際の時効期間については、慰謝料請求の根拠となる行為や損害の内容などを踏まえた判断が必要です。
さらに、消滅時効が完成した場合でも、原則として相手方による時効の援用が必要となります。また、裁判上の請求や催告などによって、時効の完成が猶予されたり、更新されたりする場合もあります。
中絶に関する慰謝料を請求する場合には、中絶した日だけで判断せず、被害を認識した時期や相手を特定できた時期などを整理し、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
中絶による慰謝料の相場は10万円~200万円
中絶による慰謝料請求は、中絶したことから必ず認められるものではありません。
合意による性行為及び中絶であれば、利益の侵害や損害は発生しているとは言えないでしょう。
そして、慰謝料が認められた場合の金額についても一律ではなく、事情によって異なり、10万円から200万円まで相当幅があるように思われます。
貞操権侵害として慰謝料請求が可能なケース

彼氏との交際や妊娠に至った経緯によっては、貞操権侵害などを理由に慰謝料を請求できる可能性があります。
貞操権侵害とは、性的関係を持つかどうかについての自由な意思決定が、不当な行為によって侵害されることをいいます。
たとえば、既婚者であることを隠して結婚を期待させたり、虚偽の説明によって性的関係を持たせたりした場合には、貞操権侵害が問題となることがあります。
ただし、結婚を前提とした交際でなければ、貞操権侵害が認められないというわけではありません。
実際に慰謝料請求が認められるかどうかは、相手の説明内容や交際の経緯、性的関係に至った状況、欺く行為の悪質性などを総合的に考慮して判断されます。
また、避妊していると嘘をついて性的関係を持った場合には、貞操権侵害に限らず、性的な自己決定に関する利益の侵害が問題となる可能性があります。
さらに、妊娠が判明した後に相手が一方的に連絡を絶ち、中絶や出産についての話し合いを拒否した場合にも、その対応が不法行為に該当するかどうかを検討する必要があります。
そのため、慰謝料請求を検討する際には、結婚の約束があったかどうかだけでなく、交際中の発言や避妊に関する説明、妊娠発覚後の対応などを整理することが重要です。
避妊をしているなど嘘をついていた場合
彼氏が「避妊をしている。」と言っていたけれど、実際はそれが嘘だった場合、慰謝料請求が認められる可能性があります。
なぜなら、あなたが妊娠の可能性が高い性行為に同意しておらず、妊娠についての自己決定権を侵害されたと言えるからです。
妊娠や中絶に対する男性の配慮がなかった場合
妊娠が分かり彼氏が逃げるなどのように、妊娠発覚後に無責任な対応をとられ中絶せざるを得なかったという場合、慰謝料請求が認められる可能性があります。
なぜなら、このような場合、あなたが被った精神的苦痛が大きいと判断される可能性があるからです。
一方的に婚約破棄された場合
婚約者の子どもを妊娠し、一方的に婚約を破棄された場合も、慰謝料請求が認められる可能性があります。
なぜなら、不当な婚約破棄にあたる可能性があるからです。
出産や中絶費用に関する話し合いを拒否された場合
出産や中絶費用に関する話し合いを拒否された場合も慰謝料請求が認められる可能性があります。
なぜなら、妊娠の事実に向き合い、真摯に話し合うことで、あなたの精神的苦痛が軽減され得るにもかかわらず、そのような話し合いにさえ応じないという態度は、あなたの精神的苦痛を増大させることに繋がるからです。
中絶による慰謝料が認められた裁判例

☆平成21年5月27日(東京地裁)
文献番号:2009WLJPCA05278009
【事案】
結婚相談会社を通じて交際を始めた被告と性行為に及び、子を妊娠して手術による人工妊娠中絶をした原告が、被告に対し、損害賠償を求めたというものです。
【結果】
共同して行った先行行為の結果、一方に心身の負担等の不利益が生ずる場合、他方は、その行為に基づく一方の不利益を軽減しあるいは解消するための行為を行うべき義務があり、その義務の不履行は不法行為法上の違法に該当するというべきである。
本件性行為は原告と被告が共同して行った行為であり、その結果である妊娠は、その後の出産又は中絶及びそれらの決断の点を含め、主として原告に精神的・身体的な苦痛や負担を与えるものであるから、被告は、これを軽減しあるいは解消するための行為を行うべき義務があったといえる。
それにもかかわらず、被告は、どうしたらよいか分からず、具体的な話し合いをしようとせず、原告に決定を委ねるのみであったのであって、その義務の履行には欠けるものがあったというべきである。
したがって、被告は、義務の不履行によって原告に生じたということができる損害を賠償すべきである。
ただし、その不履行も原告と被告との共同の行為であるといえるから、賠償すべきは損害の2分の1(=114万2302円)とするのが相当である。
警察や探偵に捜索してもらう手もある
彼氏に対して何かを請求するという場合、彼氏の身元を特定しなければなりません。
弁護士に依頼する際には、彼氏の名前と連絡先は必須ですが、彼氏の身元が分からないという人もいるのではないでしょうか。このような場合、警察や探偵を頼るという方法があります。
まず、警察については、基本的に事件性が必要になってきますが、「行方不明届」を提出したり、「被害届」を提出することが考えられます。
特に「被害届」に関しては、詐欺や不同意による性行為等、犯罪にあたる可能性がある場合に限られますが、このような状況であると考えるのであれば、警察に相談しましょう。
次に、警察に力を借りるのが難しい場合には、探偵を使うというのも1つです。
もっとも、探偵は費用も高額になりがちなので、慎重に検討する必要がありそうです。
慰謝料請求の相談は弁護士がおすすめ

このような状況における彼氏に対して、泣き寝入りは嫌だと考える人も多いのではないでしょうか。
気持ちの整理をつけるためにも、慰謝料請求をしたいという方が多いように思います。
慰謝料請求にあたっては、プロである弁護士に頼ることをおすすめします。
不貞慰謝料(請求された方)について弁護士に相談する
不貞慰謝料(請求したい方)について弁護士に相談する
まとめ

子どもを妊娠したにもかかわらず父親である彼氏に逃げられるという状況は、非日常のようですが、現実に起こり得る事態です。
このような状況に置かれたあなたは、受け入れることが難しいはずです。
しかし、子どもは成長しますので、現実から逃げる時間もありません。そのような中で、今後について決断をし、彼氏に対して請求をしていくという場合は、弁護士を頼ってください。
弁護士はあなたの最大の味方です。特にセンシティブな心境であることからも、自分と相性の合う弁護士を探すことも重要だと思います。
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