盗撮は懲役何年?盗撮で逮捕された場合の刑罰や逮捕後の流れを解説
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記事目次
今回の記事では、盗撮は懲役何年なのか、盗撮で逮捕された場合の刑罰などを解説していきます。
そもそも盗撮は何の罪に問われるのか?
そもそも、盗撮をして捕まった場合はどのような罪に問われるのでしょうか。
実は「盗撮罪」という罪はなく、盗撮で捕まった場合は以下の4種類の罪のいずれかが適用されます。
迷惑防止条例の違反
迷惑防止条例とは、各都道府県ごとに設置されている、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等を防止することを目的に制定された条例です。
盗撮は、この迷惑防止条例に違反しています。
例えば、東京都の迷惑防止条例では、公共の場などで下着や通常衣服で隠れている身体の部分を隠し撮りすることを禁止する旨が記載されています。
このとき、実際に撮影に至ってなかったとしても、カメラを設置、または差し向けただけで迷惑防止条例違反になります。
軽犯罪法の違反
軽犯罪法では、正当な理由がなく他人の住居や浴場、衣服で隠れている部分をのぞき見することが禁止されています。
刑法の不法侵入
不法侵入とは、正当な理由がない状態で、他人の住宅やオフィスに許可なく立ち入ることです。
刑法130条で禁止されています。
駅や電車内など公共の場で盗撮をした場合には適用されませんが、盗撮をするために他人の住宅、風呂場などに侵入した場合、不法侵入の罪が適用されることがあります。
児童ポルノ法の違反
児童ポルノとは、児童が関与している性的な描写のことです。
児童ポルノ禁止法(児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)により、児童ポルノを製造することは禁じられています。
学校の女子生徒を盗撮した場合などは、「18歳未満の児童の身体や下着の写真」という児童ポルノを製造したことになるため、児童ポルノに抵触します。
ポイント
- 盗撮は、迷惑防止条例に違反したり、軽犯罪法に違反したりすることによって罰される。
- 盗撮罪という罪はなく、盗撮が起きた事例がどの法律に違反するかによって、刑罰が変わる。
盗撮と懲役の関係
ここでは、盗撮で捕まってしまった場合に懲役刑になるケースがどれくらいあるのかを紹介します。
初犯だと罰金刑になる場合が多い
盗撮で捕まった場合は、迷惑防止条例、軽犯罪法、不法侵入、児童ポルノ法のいずれかが適用されます。
それぞれの量刑は以下の通りです。
行為が悪質または常習性があると判断される場合は、より重い刑が課されます。
このため、初犯の場合はよほど悪質でない限り罰金刑で済むケースが多いです。
- 迷惑防止条例 1年以下の懲役または100万円以下の罰金(東京都)
- 軽犯罪法 拘留(一ヶ月未満の刑務所収容)または科料(1万円未満の罰金)
- 不法侵入 3年以下の懲役または10万円以下の罰金
- 児童ポルノ法 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
初犯であっても、何年も前から複数回にわたって盗撮しており、たまたま今回検挙されてしまった、という場合には、悪質性が高い点や複数回の犯行がある点、今後も行う可能性が高い点などから懲役になってしまう場合もあります。
盗撮はほとんどの場合懲役6か月以下
盗撮では迷惑防止条例が適用される場合が最も多く、その場合、初犯でなくても全てのケースで懲役1年以下です。
実際には、初犯の場合には罰金となるケースが多く、仮に同じ犯罪を繰り返していて実刑が適用されるとしても、6ヶ月ほどが相場の懲役期間になっています。
軽犯罪法だけが適用される場合であれば、刑務所に入ったとしてもさらに短い期間で出所することができます。
ただし、他人の住居やオフィス、学校などへの不法侵入をした場合や、盗撮をした対象が18歳未満の児童であった場合は、懲役が長くなりやすいため注意が必要です。
行為が悪質な場合は執行猶予がつかない可能性も
仮に盗撮で懲役刑が確定したとしても、執行猶予付きの判決であれば、直ちに刑務所に収容されることはありません。
身柄が拘束されている状態で裁判を受けていた場合も執行猶予付き判決が下されたタイミングで釈放されるのです。
盗撮であれば比較的執行猶予がつきやすいですが、それでも行為が悪質な場合は執行猶予がつかないことも考えられます。
行為の悪質度が深く関係すると言えます。
ポイント
- 盗撮の初犯は罰金刑で済む場合が多い。
- 仮に、懲役になったとしても、6ヶ月以内の場合が多いが、他の罪同様に、悪質性が高い場合はそれ以上になってしまう。
- 執行猶予がつかない場合もあるため、一概に刑が軽くなる傾向があるとは言えない。
懲役刑が重くなる場合の例や基準
基本的に、盗撮が悪質性なものかどうかで量刑が決まります。
ほんの出来心で行った盗撮は軽い罪でおさまりますが、悪質だった場合や他の刑事罰も犯している場合には、罪は重くなるのです。
住居侵入や建造物侵入して盗撮している場合
他人の家などに侵入して盗撮している場合、住居侵入罪や建造物侵入罪に当たる場合があり、その場合は、さらに刑罰が重くなります。
住居侵入罪とは、正当な理由なくして、他人の住居やその敷地に侵入する行為です。
3年以下の懲役又は10万円以下の罰金と刑罰が定められています。
住居侵入罪で盗撮している場合は、悪質として刑罰が重くなる場合があります。
児童ポルノとして写真をばらまいている場合
また、盗撮するだけでなく、盗撮した写真インターネット上に公開したり、他人に共有したりしている場合「児童ポルノの製造」として罪が重くなります。
ポイント
盗撮は、写真撮影自体も不法行為になるが、他の刑事罰と一緒に行われている場合があり、その場合は他の刑事罰と一緒に罰せられるため、罪が重くなってしまう。
盗撮で懲役刑を回避するためにやっておくべきこと
盗撮で捕まってしまった場合、不起訴にすることができれば前科がつきません。
また、たとえ起訴されてしまったとしても、できる限り罰金刑や執行猶予付き懲役刑でとどめることが重要です。
ここでは、盗撮で捕まってしまった際、少しでも刑を軽くするために大切なことを紹介します。
被害者と示談を成立させておく
示談とは、被害者と加害者が当事者同士で事件を自主的に解決することです。
示談の成立は、加害者が謝罪や示談金の支払いを行う代わりに、被害者が加害者に対して一定の許しを与えたことを意味します。
すなわち、示談書には「被害届を取り下げる」、「被疑者の刑事処罰を求めない」という宥恕文言が記載されていることが多く、この「被害者がある程度加害者を許した」という事実が起訴判断や裁判において加害者を有利にします。
迷惑防止条例違反や軽犯罪は親告罪ではないため、示談が成立したからといって100パーセント不起訴になる訳ではありませんが、示談を成立させることで不起訴になる可能性を高めることが出来ます。
弁護士に依頼する
被害者と示談を成立させるためには、示談金の金額や反省の姿勢が非常に大切です。
しかし、そもそも被害者が示談に応じる素振りを見せなければ、謝罪を伝えることも示談金の提示をすることも困難です。
特に被害者としては、自分のプライバシーを侵害した加害者と連絡を取り合いたくないのが自然な感情です。
このため、示談の成功率を高めるためには弁護士に依頼するのが賢明です。
恐怖や憎しみを抱いている対象である信用出来ない加害者ではなく、加害者の弁護人・代理人という立場ではあるものの加害者その人ではなく弁護士が示談を申し込むことで被害者が応じてくれる可能性が高まります。
また、示談の際も法律の知見に基づいた説得力のある交渉が可能なため、交渉を有利に進めやすくなります。
反省を示す
警察の取調べや被害者とのやり取りの中で、反省をしめしておくことが重要です。
反省は、申し訳なさそうな表情や言葉づかいなどで示すことができますが、その他にも、反省文を書くことなどもできます。
反省文は、謝罪文とも言います。
謝罪文の例を載せます。
謝罪文はあまりテンプレートに沿って書かない方が良いと思います。
理由は、あなたの気持ちを表現するものだからです。
しかし、ある程度は型を見て書いたほうが、確実に相手に気持ちを伝えられるでしょう。
ぜひ以下の例を参考にしてみてください。
謝罪文 |
---|
○○○○様 |
この度は、私の身勝手な行為により、○○○○様に多大なご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございませんでした。心よりお詫び申し上げます。 |
いかなる理由であっても、盗撮するのは許されない行為だと心得ております。私のしたことは、犯罪行為です。○○○○様にとっては大変お怒りであることは重々承知しております。しかしながら、どうしてもお詫びを申し上げたく筆をとった次第でございます。 |
今回の事件は、自分が失業中であったストレスにより、ほんの出来心で起こしてしまった事件であります。私の自己管理能力の至らなさゆえに、○○○○様に多大なご迷惑をおかけしてしまいましたこと、心得ております。 |
何故自分で止めることができなかったのか、何故○○○○様を傷つける行為だと理解しながらも犯罪に及んでしまったのか、今は、己の愚かさを深く反省して日々を過ごしております。 |
今後、二度と盗撮をしないよう、行動範囲を変え、○○○○様にはお近づきいたしません。 |
今回の事件で、私の身勝手な行動が○○○○様に多大なるご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。本当に、申し訳ございませんでした。 |
令和○年○月○日 氏名 ㊞ |
ポイント
盗撮で懲役刑を回避するためにやっておくべきこととして、示談を成立させておくべきことと、弁護士に依頼しておくこと、反省を示すなどがあげられる。
盗撮の懲役に関するお悩みは弁護士へ
盗撮は、殺人や強盗などに比べれば、相対的に軽い罪です。
実際、初犯であれば罰金刑で済むケースや、懲役刑であっても執行猶予付きの判決が出るケースが多く、最初から実刑になる可能性は低いといえます。
しかし、だからといって盗撮の罪を甘く見るのは禁物です。
被害者のショックが大きく悪質な犯行だと判断されれば、当然実刑判決もあり得ます。
また、実刑判決を受けなかったとしても、起訴されれば前科がつきますし、逮捕・勾留されれば日常生活に大きな支障が出ます。
最悪現在の仕事を続けられなくなることも考えられます。
このような事態を避け、一刻も早く事件を解決するためには、被害者と示談を締結するのが一番です。
被害者と一刻も早く示談をしたい、被害者と示談をしたいけど応じてもらえない、といった場合には、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
「ForClient」を理念として自らも多くの顧客の信頼を得ると共に、2018年の事務所開設以降、2023年までに全国12支店へと展開中。
- 得意分野
- ベンチャー・スタートアップ法務、一般民事・刑事事件
- プロフィール
- 京都府出身
同志社大学法学部法律学科 卒業
同大学大学院 修了
北河内総合法律事務所 入所
弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
東京スタートアップ法律事務所 開設