【専業主婦だけど離婚したい】貧困生活に陥らない離婚成功術!財産分与の割合は
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記事目次
専業主婦が離婚を考える際に、大きなハードルとなるのがお金の問題です。仕事から長らく離れていたことで、再就職への不安を抱える方も多いことでしょう。今回の記事は、離婚の際に行使できる「財産分与」について解説します。
専業主婦だが離婚希望者は意外と多い
専業主婦として夫を支える女性の中には、夫の浮気、性格の不一致、日々の生活の疲れなどから離婚が頭をよぎったことをある方も多いのではないでしょうか。男性が仕事、女性が家事という役割分担を行う家庭では特に、夫婦のすれ違いによるトラブルが多いと言います。男性は仕事、女性は自宅での家事が生活の主軸となることで、環境に大きな差が生じ、性格や価値観の違いやストレス・疲れに繋がりやすいのです。
こういった環境の違いによるすれ違いやストレスから、離婚したいと考えている専業主婦が意外と多いと言います。例えばTwitterで「#専業主婦の離婚」などと検索すると、多くの専業主婦の方の苦悩が見てとれます。
多くの専業主婦の不安は「貧困」
しかし、多くの離婚希望の専業主婦は離婚を実行に移せていません。実際に、専業主婦の離婚率は兼業主婦の離婚率と比べて低い傾向にあります。この背景には、専業主婦の場合は、兼業主婦と比べて離婚後の生活が不安定になりやすいという現状があります。
最悪の場合は生活保護も?
専業主婦が離婚した場合、その後の生活のためには職につかなければなりません。
しかし、結婚後数年間仕事から離れてしまったことが就職の上で大きなハンディキャップになります。大学在学中に結婚した方など、中には社会人経験がまったくないという方もいることでしょう。
こうした状況では安定した職につくことは難しく、就職が決まるまでは生活を成り立たせるのは困難になるかもしれません。
財産分与でのお金の請求が可能!
離婚時に夫側からお金を分けてもらっておくことによって、就職ができて生活が安定するまでの期間の蓄えになります。結果として生活が安定します。
このように、離婚時に夫婦で財産を分けることを財産分与と呼び、離婚時の夫婦の正当な権利として認められています。
財産分与とは
財産分与とは、結婚生活中に夫婦共同で築き上げてきた財産を、離婚時に貢献度に応じて分配することです。結婚生活前から所有していた財産であっても、夫婦の協力によってその価値が維持されたと見なされる場合は財産分与の対象になる可能性があります。
この財産分与を請求することは、民法第768条で認められた正当な権利なので、専業主婦であってもきちんと請求することが大切です。
「働いて稼いでいたわけではないので財産分与をしてもらえない」などと考える必要がありません。
財産分与は、以降に説明するケースを除き、基本的に折半です。このため、婚姻期間が長い夫婦であればあるほど、共同の貯蓄は多いと考えられ、もし離婚を急ぐあまり財産分与を請求しないまま別れ、その後一定期間を経過すると、大きく損をしてしまいます。共同の財産や貯蓄がどの程度であるかを加味しつつ、財産分与を適切に行う必要があります。
財産分与の種類
財産分与はその性質から「清算的財産分与」「扶養的財産分与」「慰謝料的財産分与」の3種類に分けることができます。
清算的財産分与
清算的財産分与とは、財産分与の最も基本的な考え方に基づいた財産分与です。具体的には「結婚生活において夫婦共同で形成・維持してきた財産についてはその名義に関わらず夫婦の共同財産と考え、離婚の際には貢献度に応じて分配する」というものです。これはあくまで「別れる時に夫婦二人の所有物を分配しよう」という発想によるものであるため、不倫やDVなどで離婚原因を作った有責配偶者であっても請求する権利があります。清算的財産分与の対象となるものとしては、婚姻期間中に稼いだ現金・購入した家具や家電などが挙げられます。
主な対象リスト
主な対象は以下です。
- 婚姻期間中に稼いだ現金
- 購入した家具や家電
- 夫婦の共同名義で購入した不動産
扶養的財産分与
扶養的財産分与とは、配偶者の片方が離婚後に生活に困窮する可能性が高い場合に、その生活を援助する目的で財産が分与されることを指します。金額や期間は当該夫婦の状況を考慮して決定されますが、期間に関しては一般的には3年以内です。一定期間元配偶者の生活を援助するという意味合いから、一定額を定期的に支払うという分与方法が採用されています。
扶養的財産分与が認められるケースとしては、財産がない専業主婦・主夫がいる、配偶者の片方が病気で働けない、幼い子供を一人で養う必要がある、などが挙げられます。ただ、上記に当てはまる夫婦でも財産分与を請求される側に十分な経済的余力がない場合は扶養的財産分与が認められないことがあります。
扶養的財産分与が貰える可能性が高いケース
- 一方の配偶者が職についておらず離婚後に困窮する可能性が高い
- 一方の配偶者が病気・高齢で働けない
慰謝料的財産分与
夫婦の片方による不倫・浮気が原因で離婚に至った場合、不倫・浮気をされた側は慰謝料を請求することができます。
本来慰謝料は「精神的苦痛に対する賠償」であるため財産分与とは性質が異なりますが、両方とも金銭を相手に渡すものであるため、離婚の際にまとめて「財産分与」として請求するケースがあります。
これが慰謝料的財産分与です。
慰謝料と財産分与を区分するかどうかには注意が必要
慰謝料と財産分与をまとめて考えることで、請求額が明確になるというメリットがあります。ただし、慰謝料と財産分与の区分を曖昧にしたまま協議を進めると、「どこまでが慰謝料でどこまでが財産分与なのか」という点でトラブルになることがあるので注意が必要です。
財産分与の割合
財産分与をする際は、その財産への貢献度に応じて分けるのが一般的ですが、実際のところはどのくらいの割合を受け取ることができるのでしょうか。
専業主婦でも2分の1の受け取りが可能!
従来の専業主婦の場合、3割から4割ほどしか財産分与を受け取れないケースがほとんどでした。これは、夫は仕事をしている一方で、専業主婦は家で休んでいるとみなされていたためです。
しかし、現在では「専業主婦が家事をしていたことで夫が仕事に集中できた」「家事や育児も労働の一種」として財産形成に関する専業主婦の貢献度が見直され、原則として2分の1の金額を受け取れるようになっています。近年の判例を見ても大半が財産を折半する形で財産分与が行われています。ただし、以下のようなケースでは、2分の1を受け取れないことがあるので注意が必要です。
折半で財産分与できない例
専業主婦側が家事や育児を全くしていなかった場合
専業主婦が共有財産の2分の1を受け取ることができるのは、家事や育児などで夫の仕事を手助けしていたということが根拠になります。
このため、家事や育児を怠っていた場合は共有財産形成における貢献度が低いと見なされ、2分の1を受け取ることができないことがあります。
夫の能力によるもので給料を得ていた場合
婚姻期間中に築かれた財産が夫の特殊なスキル・能力に依存している場合も2分の1を受け取ることが出来ません。
具体的な例としては医者や弁護士、芸能人などが挙げられます。
このような仕事では夫の収入が維持できた要因として妻の貢献よりも夫の努力・才能が大きいと判断され、2分の1を受け取ることができないケースがあります。
自分に浮気や不貞行為があった場合
専業主婦側に不倫・浮気などの不貞行為があった場合は、夫側に慰謝料を支払わなければならないため、その分財産分与が実質的に相殺される可能性があります。つまり、清算的財産分与では2分の1を受け取れる可能性はありますが、慰謝料を支払わなければならないため結果的に受け取れる額が2分の1を下回ってしまうのです。
離婚へ踏み出すには
夫婦で築いた財産が一定程度あり、あなたが家事や育児をしっかりとしていて不貞行為をしていない専業主婦であれば、離婚しても当分の間生活を送れるくらいの財産は受け取ることができるでしょう。財産分与の対象となる財産がある程度あると判断され、離婚の意思が固まったら、相手に離婚したい旨を切り出しましょう。この時、感情的にならないことが何よりも大切です。自分が感情的になれば相手も感情的になってしまい、結果として必要な話し合いが出来なくなるおそれがあります。
また、すでに別居していて直接会う機会が少ない場合は、メールなど証拠の残る形で話し合いを進めるのが賢明です。具体的には以下のような項目を話し合う必要があります。
- 財産分与の金額と方法をどうするか
- 慰謝料の金額をいくらにするか(不倫やDVなどがあった場合)
- 子どもの親権をどちらがとるか
- 子どもの養育費をいくらにするか
まとめ
専業主婦が離婚を考える場合、大きな不安となるのが離婚後の生活です。
貯金も少なく仕事から長く離れた専業主婦が離婚後すぐに安定した職を見つけることは簡単ではありません。
しかし、夫側に適切な財産分与を請求することで、離婚後安心して就職活動や子育てに取り組む資金を受け取ることができます。家事育児の怠慢や不貞行為がない限り、共有財産の2分の1程度は受け取ることができるので、離婚を急ぎすぎずしっかりと財産分与の話し合いをすることが大切です。
また、未成年のお子さんがいる場合には養育費や、相手の不貞等が原因で離婚に至る場合には慰謝料の請求も検討しましょう。専業主婦の方は、自分には何の権利があってどの程度の金銭的な請求ができるのかを、弁護士に相談してみることをお勧めします。
「ForClient」を理念として自らも多くの顧客の信頼を得ると共に、2018年の事務所開設以降、2023年までに全国12支店へと展開中。
- 得意分野
- ベンチャー・スタートアップ法務、一般民事・刑事事件
- プロフィール
- 京都府出身
同志社大学法学部法律学科 卒業
同大学大学院 修了
北河内総合法律事務所 入所
弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
東京スタートアップ法律事務所 開設