離婚調停中にやってはいけないこと!有利に進めるポイントと不利な発言を解説

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記事目次
離婚調停は人生で何度も経験することではなく、誰でも不安を感じるものです。この記事では、調停中に絶対に避けるべき行動や、どうすれば有利に進められるかをわかりやすく解説しています。感情的な衝突を避け、冷静に解決へ導くためのポイントをチェックして、スムーズな調停での合意を目指しましょう。
離婚調停中にやってはいけないこと
離婚調停の主な目的は、夫婦間の対立を解決し、円満に離婚を成立させることです。そのような離婚調停中に絶対に避けるべき行為は以下の4つです。
①異性関係を疑われる行動
②相手方への直接的な接触
③調停手続きの軽視
④財産や子の独断的な扱い
以下、それぞれ解説していきます。
①異性関係を疑われる行動
離婚調停中に異性との交際や連絡を取ることが不利になる理由は以下のとおりです。
(1)信頼が損なわれる
離婚調停中に異性と接触を続けることで、相手方に対する信頼が損なわれる可能性があります。調停では、双方が誠実に協議に臨んでいるかどうかが重要です。異性との交際や連絡は、調停委員や相手方に対して「離婚に向けて真摯に向き合っていない」と受け取られることがあります。これが原因で、調停委員からの評価が低くなり、合意に達しづらくなる可能性もあります。
(2)感情的な対立が激化する
異性との連絡や交際が進展することで、調停における感情的な対立が激化することがあります。特に不倫などの問題が絡むと、相手が強い怒りを抱き、調停の場で冷静な議論ができなくなることがあります。このような感情的な対立は、問題解決の妨げとなり、調停が長引く原因となることがあります。
(3)不倫を立証され不利な立場に置かれる可能性
調停中に不倫が発覚した場合、慰謝料請求や財産分与の際に不利な立場に立たされることになります。調停で解決を試みている最中に新たな問題を引き起こせば、対立の解消は非常に困難となります。
②相手方への直接的な接触
離婚調停中に相手方へ直接的に接触することの悪影響は以下のとおりです。
(1)感情的な対立を引き起こす
相手方との直接的な連絡は、感情的な対立を激化させる可能性があります。調停の場では冷静に意見を交換し、互いに妥協点を見つけることが求められますが、調停外で直接連絡を取ることによって、感情が先行し、冷静な話し合いが難しくなります。特に、調停中に一方が直接連絡を取ると、それが一方的な圧力と受け取られることがあり、相手が感情的になってしまいます。
(2)調停委員の信頼が損なわれる
調停中に相手方と直接連絡を取ることは、調停委員の信頼感に対しても悪影響を及ぼします。調停は双方が合意に達するための過程ですが、調停委員がその過程において仲介役として機能するためには、双方が調停を尊重し、調停委員を通じて意見交換をすることが重要です。直接連絡を取る行為は、調停委員を軽視しているように見え、調停委員からの信頼を失う原因となります。
③調停手続きの軽視
調停手続きの軽視、すなわち、調停の欠席や軽視が不利になる理由は以下のとおりです。
調停の欠席や軽視は、調停委員や相手方から「問題解決に対する真摯な姿勢が欠けている」と評価される原因になります。調停は両者の合意を目指す場であり、一方が欠席することで、調停委員から誠実に協力する意思がないと見なされる可能性があります。また、相手方が欠席を不満に感じ、感情的に反発する場合、調停の進行が難しくなり、解決策を見つけるのが困難になります。調停の軽視が続くと、調停委員はその当事者に対して厳しい態度を取るようになり、その当事者にとって不利な影響を及ぼします。
また、正当な理由なく調停を欠席した場合、5万円以下の過料に処される可能性もあります(民事調停法34条)。さらに、調停の欠席が続くと、裁判所は「合意の見込みがない」と判断し、調停は不成立となる場合もあります。
欠席せざるを得ない場合は、事前に裁判所に伝えることが重要です。適切な理由がある場合には、裁判所は調停日程を調整してくれる場合もあります。
④財産や子の独断的な扱い
勝手な財産処分や子の連れ去りは調停に深刻な影響を与えます。
(1)勝手な財産処分
離婚調停では、財産分与、すなわち夫婦が婚姻期間中に取得した財産の精算についても話し合いが行われます。そのような話し合いが行われているなか、一方が相手の同意なしに勝手に財産を処分した場合、相手方の反発や調停委員の信頼の低下を招くことは必至です。また、財産分与の対象となっている財産を処分したとしても、財産分与の額が減るわけではないため、単に無用なトラブルを増やし、自らが不利な立場におかれるだけとなります。
(2)子どもの連れ去り
子どもの連れ去りは、調停において非常に深刻な影響を与える行為です。特に親権問題において、一方が子どもを無断で連れ去ると、他方の親はその行為を不正手段と見なし、調停が長引く原因になります。
そして、親権をどちらの親が持つかの判断においては、子の監護開始の違法性の有無も考慮要素となっているため、無断での子どもの連れ去りは、むしろ親権取得に悪影響を与えます。
また、実親による子どもの連れ去りであっても未成年者略取・誘拐罪に問われる可能性もあります。
無断で子ども連れ去る行為は、離婚調停が長期化するだけでなく、自らが不利な立場におかれることになるため、やってはいけません。
離婚調停で不利になる発言
調停の場は冷静に問題を解決する場であり、感情的な発言や不誠実な発言は、調停委員や相手方に対して悪印象を与え、最終的な合意に悪影響を及ぼすことがあります。以下に、調停で不利になる発言の例とその理由を説明します。
①感情的な批判
②根拠のない主張
③過去の発言との矛盾
①感情的な批判
調停は冷静に問題を解決する場であり、感情的な発言は、双方が感情的に反発し合う原因となり、解決への道筋を見失わせます。また、感情的な批判を繰り返すと、調停委員はその当事者を「感情的に問題を解決しようとしている」と見なすことがあります。調停委員は、感情的な議論ではなく、法的な観点から公正かつ合理的に問題を解決しようとしますが、感情的な批判が続くと、当事者に対して不利な評価を下すことが多くなります。
感情的な批判ではなく、冷静で理性的な発言を心がけることが重要です。相手を非難するのではなく、問題の本質に焦点を当てて話し合うことが、調停を有利に進めるための鍵です。
もし感情的になってしまいそうな場合は、調停委員に助けを求めることも一つの方法です。
②根拠のない主張
調停において、証拠に基づかない主張は調停委員からの信頼を損ないます。調停委員は公平かつ客観的な立場で解決策を見つけようとしますが、証拠がない主張は主観的に見なされるため、調停委員がその主張を支持しにくくなります。
また、証拠がない主張をすると、相手方が「事実に基づかない誤解だ」と感じて反発する可能性もあります。これにより、調停が冷静に進まなくなり、問題解決が難しくなります。
証拠がない主張を避けるためには、事前に必要な証拠を収集し、主張を裏付ける準備をすることが重要です。証拠がしっかりと揃っていれば、主張に対する説得力が増し、調停委員に信頼されやすくなります。
③過去の発言との矛盾
発言に一貫性がないと、調停委員や相手方から信頼されなくなります。調停の場では、誠実で一貫した態度を示すことが求められます。一貫した発言をすることで、調停委員や相手方に対して説得力を持たせ、冷静かつ公平な判断が得られやすくなります。
調停を始める前に、話したい内容を事前に整理し、矛盾しないように準備することが重要です。特に、感情的な議論や即座の反応を避け、事実に基づいた論理的な主張を行うことが求められます。事前に自分の立場や主張を確認し、一貫性を保つためにどのような証拠や事実を示すかを考えることが大切です。
離婚調停を有利に進めるポイント
調停を成功に導く4つの重要なポイントは以下のとおりです。
①調停委員との信頼構築
②事前の準備と情報整理
③客観的な証拠の提示
④譲歩できる範囲の明確化
①調停委員との信頼構築
調停委員は、双方の話を公平に聞き、調停を円滑に進める役割を担っています。調停委員に対して誠実で冷静な態度を示すことが、信頼を築くために最も重要です。相手方に対する感情的な発言や攻撃的な言葉を避け、冷静に事実を説明することが大切です。
例えば、相手が感情的になった場合でも、自分の発言は冷静に、事実に基づいて伝えるよう心がけましょう。また、調停委員の意見や指摘をきちんと受け止め、反論する際も冷静に行動することが必要です。調停委員は感情的な対立を避け、合理的な解決を見出すために、当事者には冷静さを求めています。
②事前の準備と情報整理
(1)調停前の準備事項
調停前に、自分の主張する内容や相手の主張を整理し、調停委員に伝えるべき重要な事実を明確にすることが大切です。特に、どのような経緯で問題が発生したのか、これまでのやり取りや重要な出来事を時系列で整理しましょう。
また、調停の場では、証拠が重要です。証拠を整理し、調停委員に説明できるように準備しておきましょう。証拠がないと主張が一方的に見なされ、相手に対して説得力を持たせるのが難しくなります。
さらに、調停に臨む前に、自分の希望(親権、養育費、財産分与など)を整理しておくとともに、相手方との妥協点についても考えておくことが重要です。調停は双方の合意形成を目指す場ですので、どこで妥協できるかを予め考えておくことで、円滑な解決に繋がります。
(2)陳述書作成のポイント
調停における陳述書は、自分の立場を伝える重要な文書です。陳述書を適切に作成することで、調停委員に自分の立場や考えを正確に伝えることができます。以下のポイントを押さえて作成しましょう。
まず、陳述書では、自分の主張が事実に基づいていることを示すために、正確かつ簡潔に事実を記述することが重要です。感情的な表現や誇張は避け、事実に基づく具体的な内容を示します。
次に、陳述書では、自分の立場と望む結果を明確に示すことが大切です。調停委員は自分の意見や希望を理解した上で、解決策を提案します。自分がどのような結果を望んでいるのかを、はっきりと伝えることが調停を進める上で効果的です。
最後に、陳述書は調停委員が迅速に理解できるように、簡潔でわかりやすい文章にすることが求められます。複雑な表現や長文を避け、要点を押さえて簡潔に書くように心がけましょう。
③客観的な証拠の提示
証拠は、調停で自分の立場を証明するために非常に重要な役割を果たします。具体的な証拠の種類とその提示方法について説明します。
(1)有効な証拠の種類
・銀行明細書や領収書
財産分与に関する証拠として、銀行の口座明細書や預金通帳の写し、支出に関する領収書などが有効です。
・給与明細や税務書類
収入に関する証拠として、給与明細や納税証明書、税務申告書などは有効です。特に養育費や生活費に関する争いがある場合、収入の証明は不可欠です
・録音や録画
口頭での約束や不倫、暴力などの証拠を示すために、録音や録画は有効な証拠となります。例えば、DV(ドメスティック・バイオレンス)や不倫の証拠として、相手との会話を録音したものが挙げられます。なお、録音データは、録音された媒体を提出するのではなく、文字に起こした文書で証拠として提出します。
・スマートフォンのメッセージ
メールやSMS、SNSのメッセージも証拠として活用できます。特に、相手方との間で交わされた会話の内容や証拠となる画像、メッセージの履歴は重要です。
(2)効果的な証拠の提示方法
証拠は整理して提出することが重要です。調停委員や裁判所が証拠をスムーズに確認できるように、証拠ごとに番号を付けて整理し、わかりやすい形で提示します。
また、証拠を提示する際には、その証拠が何を示しているのか、何が証明されるのかを簡潔に説明することが大切です。証拠を単に提出するだけではなく、その証拠がどのように自分の立場を支持するのかを明確に伝える必要があります。
④譲歩できる範囲の明確化
交渉において譲歩するポイントを決める際には、慎重に考慮し、どこで妥協できるかを明確にすることが重要です。
(1)最終目標と優先順位を明確にする
まず、自分の最終目標と優先順位をはっきりさせましょう。何が絶対に譲れないのか、どこで妥協できるのかを明確にすることが大切です。譲歩するポイントは、最も重要な要素には影響を与えないようにする必要があります。
(2)相手方の立場を理解する
譲歩するポイントを決めるためには、相手方の立場や要望を理解することが非常に重要です。相手方がどこで妥協できるのか、何が最も重要であるのかを予測することで、相手に有利な譲歩を提供し、その代わりに自分にとって有利な条件を引き出すことができます。
(3)譲歩する範囲とタイミングを設定する
譲歩する範囲やタイミングを事前に設定しておくことで、交渉中に感情的にならず、冷静に進めることができます。自分の譲歩ポイントを明確にした上で、その範囲内で交渉を行い、相手に対して段階的に譲歩を提案する方法が効果的です。
離婚調停を弁護士に依頼するメリット
離婚調停には、弁護士を立てて臨むことがオススメです。離婚調停を弁護士に依頼することで得られる主な利点は、以下の3つにあります。
①法的知識と専門性の活用
②交渉の代行とサポート
③精神的な負担の軽減
①法的知識と専門性の活用
離婚調停では、婚姻費用、財産分与、親権、養育費、慰謝料など、法律的な問題が多く含まれます。また、これらの法律的な問題について、実務上一般的な取り扱いというものも存在します。弁護士は、離婚調停における法律や実務上の取り扱いを理解しており、その知識を活かして適切なアドバイスを提供できます。相手方にのみ弁護士がついている場合には、相対的にこちらに不利な条件で合意をしてしまう危険もあります。
②交渉の代行とサポート
離婚調停においても、こちらの主張をわかりやすく相手方や調停委員に伝えるために、書面の作成は必須となります。弁護士に離婚調停の交渉を依頼すれば、そのような書面の作成や提出、裁判所とのやりとり等の手続きを弁護士が代わりに行います。書面の作成は、慣れていないと非常に時間や労力がかかるため、そこを代行してくれるのは大きなメリットとなります。もちろん、上述したように、法律の専門的知識を反映するように書面を作成するため、書面の質も担保することができます。
③精神的な負担の軽減
法律的な手続きや交渉の過程は、感情的に非常に負担が大きく、特に離婚や親権、財産分与などの問題ではストレスを感じることが多いです。自分が間違えた主張をしてしまわないか、感情的になり不利な発言をしてしまわないか、これからどのように進行していくのか、不安に感じるポイントは複数あると思います。
弁護士に依頼することで、法的な専門家の知識と経験に基づく適切なアドバイスを受けることができ、精神的な負担が軽減されます。不安になった時に、専門家にすぐに相談できるという安心は、想像以上に精神的な安定をもたらします。
まとめ
離婚調停では、感情的な衝突を避け両者の合意を得るために冷静な対応が求められます。不利な行動を避けることで、スムーズに合意に達し、精神的な負担を軽減することができます。調停を有利に進めるためには、準備と冷静な対応が不可欠です。
離婚調停を弁護士に依頼することで、法的知識に基づいた専門的なアドバイスや精神的なサポートが得られ、依頼者は手続きにかかる負担を大幅に軽減できます。感情的な衝突を避けつつ、冷静に最適な解決策を導くことができ、ストレスを最小限に抑えることも可能です。離婚調停の際には、是非、弁護士の活用をご検討ください。
- 得意分野
- 不貞慰謝料 、 離婚 、 その他男女問題 、 刑事事件 、 遺産相続 、 交通事故
- プロフィール
- 岡山大学法学部 卒業 明治大学法科大学院 修了 弁護士登録 都内の法律事務所に所属 大手信販会社にて社内弁護士として執務 大手金融機関にて社内弁護士として執務