離婚時の親権獲得は弁護士に依頼するべき?弁護士をつけるメリット・デメリット、費用を解説
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記事目次
子どもがある夫婦が離婚する場合、どちらが親権を獲得するのかが大きな問題となります。
母親が有利、父親は不利と言われる中で、親権を獲得したいと考える男性もいらっしゃいます。
必ず親権を獲得したいからと、弁護士に依頼する方も多いです。
そこで本記事では、弁護士親権を獲得するために弁護士への依頼を検討している方のために親権にまつわる現状や、親権獲得を弁護士に依頼するメリット、デメリット、費用相場について解説します。
親権の現状とは?親権を獲得している母親、父親の割合
まずは、親権における日本の現状と親権を獲得できなかった場合の今後の子どもとの関わり方について解説しておきます。
母親が有利なのか?統計と現状
離婚時に親権で争った場合、女性側が有利と言われています。
人口統計資料集(2020)によると、2018年の子どもをもつ夫婦の離婚総数のうち、夫がすべての子どもの親権を獲得した割合は 11.9%、女性が獲得した場合が84.5%でした。
しかし、2000年は男性が15.5%、女性が80.3%、1950年は、男性側が48.7%、女性が40.3%。
男性が親権を獲得している割合は年々減少しているのです。
つまり、近年では、女性側が有利であり親権を獲得することが多いものの、過去には男性が親権を獲得することも多く、また現在であっても全体の1割は男性が親権を獲得しておりますので、男性側の親権の獲得は不可能ではないといえます。
親権者について調停や訴訟で協議する場合は、以下の点が考慮されます。
乳幼児の子どもの場合は、母親が優先されやすい傾向にはありますが、日頃から育児を主体的に担っていた男性であれば、親権者になることは可能です。
子どもの監護状況
住環境や教育環境、子どもの養育をサポートする協力者がいるかどうかが確認されます。
子どもへの愛情
乳幼児は母親との関わりが多いと考えられているため、母親が有利とされています。
子どもが自分の意思を主張できるようになるとされる15才以降は、子どもの意思も尊重されます。
監護能力
子どもの親権者となり、子どもを養育する親の、性格や健康状態も考慮されます。
経済力
子どもを育てるために、経済力があるかどうかも重要です。
とはいえ、この点は母親の方が少なかったとしても父親からの養育費で補填されるべきものです。
親権(監護権)が獲得できなかった場合
親権を獲得できなかった親は、子どもと離れて生活をすることになります。
子どもと離れて暮らす親は、監護している親に対して養育費を支払わなければなりません。
また、子どもとは定期的に面会することができます。
これを面会交流権といいます。
面会交流の頻度等は、必ず離婚時に取り決めておきましょう。
親権争いを弁護士に依頼するメリット
親権者の問題は、ご自身だけでなく子どもの将来も大きく左右する問題です。
したがって、弁護士に交渉を依頼したいと考える方も多くいらっしゃいます。
では、弁護士は親権争いにおいて、どのような役割を果たすのでしょうか。
具体例を交えながら解説します。
調停前の任意での交渉を有利に進めることができる
夫婦のいずれが親権者になるのかは、離婚前の夫婦間の話し合いによって決定することができます。
この話し合いが有利に進めば、調停や訴訟に移行せずに解決可能です。
任意の交渉の時点で弁護士に依頼する方は少ないですので、弁護士に交渉を一任するだけで交渉を有利に進めることができます。
調停、訴訟を見据えた粘り強い交渉が可能
親権者について、話し合いで合意できなければ、調停を行い、それでもいずれかが納得できなければ訴訟に移行します。
調停や訴訟は、弁護士に依頼することが多いため、調停や訴訟を辞さない覚悟で親権を争うと考えている方は、弁護士に依頼すべきです。
また、調停や訴訟を視野にいれておくことで、相手方に対して粘り強い交渉が可能となります。
調停や訴訟で有利になるための証拠の収集が可能
調停や訴訟においては、客観的な根拠に基づいて主張することが求められます。
感情的、主観的に主張しても、調停や訴訟では意味がありません。
調停や訴訟で有利になるためには、経済力や、これまでの子どもの監護状況、子どもを育てるための周囲の環境などが重視されます。
弁護士は、これらの点を踏まえた上で、依頼者の有利になる証拠や状況を調査して、調停や裁判の際の主張を裏付ける材料にします。
面倒な手続を一任できる
親権について、話し合いで合意できなければ調停を申し立てることになります。
調停の申し立てのためには、申立書、連絡先等の届出書、事情説明書、進行に関する照会書等の書類を用意しなければなりません。
これらの書類の作成は、法律の専門家ではない方にとっては骨の折れる作業です。
離婚に関する手続は、親権者の話し合いや離婚の諸条件に関する話し合いだけではありません。
新しい住居の確保、引っ越しや新しい仕事探し等、生活に即して様々な作業が必要です。
これらの作業だけでも非常に煩雑ですので、親権者に関する話し合いは弁護士に依頼しておくことをお勧めします。
親権者に関する交渉を弁護士に依頼するデメリット
弁護士に交渉を依頼する最大のデメリットは、費用がかかることです。
ご自身で交渉をした場合は、費用は一切かかりません。
調停になった場合も必要な費用は総額で3000円弱となります。
一方で弁護士に依頼すると、弁護士に報酬を支払わなければなりませんので、依頼しない場合と比較すると負担感が強くなります。
とはいえ、子どもとご自身の将来のことを考えると、決して大きな金額とはいえないでしょう。
親権を獲得するために必要な弁護士費用相場
弁護士に依頼する場合に必要な弁護士費用について解説します。
一般的には、以下の費目が必要です。
相談料
弁護士に依頼する前は、弁護士に相談をすることが一般的です。
相談は、30分、1時間等の単位で行われ、費用の相場は0円から2万円です。
着手金
弁護士に依頼する際に支払うお金です。
20万円から30万円が、着手金の相場です。
成功報酬
成功報酬とは、親権の獲得に成功した場合に支払うお金です。
事務所によってばらつきがあるものの概ね20万円から30万円です。
日当
日当とは、弁護士が遠方に出張する等して、半日から1日以上拘束された場合に請求する費用です。
調停や訴訟が遠方で行われる場合に請求されます。
半日であれば3万円から5万円、1日の場合は5万円から10万円です。
実費
実費とは、調停や訴訟の際に必要な収入印紙や切手代、交通費等のことを指します。
弁護士費用の総額
親権を獲得するために弁護士に依頼した場合の報酬の総額は50万円から70万円です。
訴訟や調停に移行した場合はさらに増額されることもあります。
まとめ
親権を獲得するためには、弁護士に依頼するのが得策です。
相手方との任意の交渉の段階からご依頼いただくことで、より交渉が有利に進められるようになります。
弁護士に依頼する費用はかかるものの、親権獲得においては有利に働きます。
また、親権を獲得することができた場合は、養育費に関しても取り決めておかなければなりません。
養育費は、不払いになることが多く、1人親となった方が困窮することが多いですので、離婚時にきちんと取り決めて不払いにならないような仕組みを作っておくことが大切です。
子どもとご自身の将来を真剣に考えている方は、弁護士に相談することを強くお勧めします。
「ForClient」を理念として自らも多くの顧客の信頼を得ると共に、2018年の事務所開設以降、2023年までに全国12支店へと展開中。
- 得意分野
- ベンチャー・スタートアップ法務、一般民事・刑事事件
- プロフィール
- 京都府出身
同志社大学法学部法律学科 卒業
同大学大学院 修了
北河内総合法律事務所 入所
弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
東京スタートアップ法律事務所 開設