援助交際や児童買春で逮捕されたらどうなる?成立する罪・罰則、早期解決の方法を解説

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記事目次
「少しお小遣いを渡して遊んだだけ」「相手は20歳だと言っていた」
軽い気持ちで始めた援助交際やパパ活でも、相手が18歳未満の児童であった場合、それは「児童買春」という重大な犯罪です。
ある日突然、警察が自宅や職場に訪れ、手錠をかけられる——そんな最悪の事態は、決して他人事ではありません。
弁護士からの重要メッセージ
児童買春事件は、証拠隠滅を防ぐために突然の逮捕(通常逮捕)が行われやすい類型です。
「警察から連絡が来てから考えよう」では手遅れになるケースを、私はこれまで数多く見てきました。
この記事では、逮捕後の厳しい現実だけでなく、「今すぐ動くことで回避できる最悪の事態」についても、実務経験に基づいて解説します。
援助交際・児童買春とは?
一般的に「援助交際」や「パパ活」と呼ばれる行為は、金銭等の対価を介して異性と交際や性行為を行うことを指します。
法律上、この相手が18歳未満の児童であった場合、「児童買春」として処罰の対象となります。
たとえ「お小遣い稼ぎ」という軽い名目であっても、児童の性を金銭で買う行為は、児童の心身に深刻な悪影響を与える重大な犯罪行為とみなされます。
援助交際で逮捕されるのは”援助する側”
援助交際において、法律(児童買春・児童ポルノ禁止法)で処罰されるのは、原則として「買春した側(大人)」のみです。
児童(18歳未満)は保護の対象であり、売春をしたとしても処罰されることはありません(補導や児童相談所への通告等の措置は取られます)。
「相手も悪い」「相手が誘ってきた」という主張は、処罰を逃れる理由にはなりません。
18歳未満だと知らなかった・年齢詐称していた場合はどうなる?
「相手が年齢を偽っていた(20歳だと言っていた)」「大人びて見えたので未成年とは思わなかった」
これは、援助交際で検挙された際によく聞かれる弁明です。
しかし、単に「知らなかった」と主張するだけでは、逮捕や処罰を免れることは困難です。
警察や検察は、出会った経緯(年齢確認のないアプリなど)や相手の外見などを総合的に見て、「未必の故意(未成年かもしれないが、それでも構わないと思って行為に及んだ)」があったかどうかを厳しく判断します。
一方で、相手が極めて巧妙に年齢を偽装しており、客観的に見ても成人だと信じざるを得ない特段の事情がある場合には、故意が否定され、罪に問われない可能性もゼロではありません。
弁護士のワンポイントアドバイス
「知らなかった」を法的に立証するには、客観的な証拠が不可欠です。
私たちが弁護活動を行う際は、以下のような点を徹底的に調査します。
- やり取りの全履歴: LINEやアプリのログに、年齢を偽る具体的な発言や、成人のような振る舞い(仕事の話など)が含まれていないか。
- 当日の服装やメイク: 防犯カメラ映像や本人の証言から、客観的に見て未成年と判別できたか。
- 出会った場所: 年齢確認が厳格な場所(居酒屋や喫煙所など)での出会いではなかったか。
これらの情報を統合し、捜査機関に対して論理的に反論できるのは、経験豊富な弁護士だけです。
援助交際・児童買春で逮捕される可能性が高いケース
援助交際や児童買春が発覚し、逮捕に至るにはいくつかの典型的なパターンがあります。
警察は日常的にサイバーパトロールや補導を行っており、いつ発覚してもおかしくない状況です。
①援助交際相手本人からの通報
金銭トラブルや関係のこじれから、相手(児童)が警察に「無理やりされた」「お金を払ってくれなかった」と相談し、事件化するケースです。
当初は合意の上であっても、児童の心変わりやトラブルによって被害届が出されることは珍しくありません。
②援助交際の相手の親からの通報
相手のスマートフォンの履歴や所持品(高額なブランド品や現金)を親が見つけ、不審に思って問い詰めた結果、援助交際が発覚するケースです。
親が激怒し、警察に通報することで捜査が開始されます。
この場合、親の処罰感情が強く、示談交渉が難航しやすい傾向にあります。
③ホテル街などにおける警察の補導
繁華街やホテル街などで警察官がパトロールを行い、不審なカップル(年齢差がある、挙動不審など)に職務質問を行います。
そこで相手が未成年であることが判明し、そのまま現行犯逮捕逮捕、または任意同行を求められるパターンです。
④サイバーパトロールによる発覚
警察は「サイバーパトロール」として、X(旧Twitter)やインスタグラムなどのSNS、掲示板等を常時監視しています。
「パパ活募集」「円援」などの隠語を用いた書き込みから特定を行い、サイバー補導によって児童を保護します。
そして、その児童のスマートフォンのやり取り履歴(DMやLINE)から相手の男性を特定し、後日、逮捕状を持って自宅にやってくる(通常逮捕)ケースが増えています。
ここが危険!最近の捜査傾向
近年は、警察官が一般人を装ってSNSで接触し、待ち合わせ場所に現れたところを補導・検挙するケースも増えています。
「今まで大丈夫だったから」という経験則は通用しません。
デジタルデータは警察によって復元・解析されるため、過去の余罪も含めて一斉に捜査されるリスクがあります。
援助交際・児童買春により成立する罪と罰則
援助交際等の行為によって問われる罪は、児童買春だけではありません。
行為の内容や状況によって、複数の法律や条例に違反する可能性があります。
・児童買春
18歳未満の児童に対し、金銭等の対償を供与したり、その約束をして性交等を行った場合に成立します。
【罰則】5年以下の拘禁刑 または 300万円以下の罰金
出典:e-Gov法令検索「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」
・児童ポルノ所持・製造
児童との性行為の様子をスマートフォンなどで撮影・保存していた場合、さらに重い罪が加算されます。
「製造罪」は、自分の楽しみのために撮影した場合でも適用される可能性があります(※近年の法改正により「性的姿態撮影等処罰法」が適用されるケースもあります)。
【罰則(製造)】3年以下の拘禁刑 または 300万円以下の罰金
【罰則(所持)】1年以下の拘禁刑 または 100万円以下の罰金
・青少年健全育成条例違反
性交に至らなくても、わいせつな行為(キスや体を触るなど)をした場合や、金銭の授受がなくても18歳未満と知って性交等をした場合(一部自治体)に適用されます。
【罰則】自治体によるが、一般的に2年以下の懲役 または 100万円以下の罰金
※東京都青少年の健全な育成に関する条例など
・出会い系サイト規制法違反
インターネットの掲示板やSNSに、援助交際を誘引するような書き込み(「3万で会える人」など)をしただけで、実際に会っていなくても処罰対象となります。
【罰則】100万円以下の罰金
出典:e-Gov法令検索「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」
・不同意わいせつ罪・不同意性交等罪
※法改正により、現在は「不同意わいせつ罪」「不同意性交等罪」となっています。
相手が16歳未満の場合、金銭の有無や同意の有無にかかわらず、性交等を行えば「不同意性交等罪」が成立する可能性があります。また、暴行や脅迫を用いたり、相手が拒絶できない心理状態を利用したりした場合も同様です。
【罰則(不同意性交等罪)】5年以上の有期拘禁刑(懲役)
罰金刑がなく、原則として実刑判決が見込まれる非常に重い罪です。
援助交際・児童買春での逮捕を回避・早期解決するには?
逮捕や起訴を避け、前科をつけずに解決するためには、一刻も早い対応が必要です。
すぐに弁護士に相談する
警察から連絡が来た、あるいは逮捕されてしまった場合、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談してください。
弁護士は、逮捕前であれば「自首」の手続をサポートして逮捕を回避したり、被害届が出されないように交渉したりすることができます。
逮捕後であっても、勾留(長期間の拘束)を阻止するための活動や、早期釈放に向けた働きかけを行います。
初動が早ければ早いほど、取れる選択肢は多くなります。
示談交渉による解決
児童買春事件において、不起訴処分を獲得するための最も有効な手段は、被害者側との「示談」です。
被害者に対し、真摯に謝罪し、適切な示談金を支払うことで、「許す(処罰を求めない)」という意向を示してもらいます(宥恕付き示談)。
親告罪ではありませんが、被害者が処罰を望んでいないという事実は、検察官の起訴判断に決定的な影響を与えます。
相手が18歳未満だった場合
相手が未成年の場合、示談交渉は相手の保護者(親権者)と行うことになります。
しかし、加害者が直接親に連絡を取ることは、火に油を注ぐようなものであり、脅迫と受け取られるリスクもあるため絶対に避けてください。
弁護士による示談交渉の進め方
被害者のご両親は、「娘が傷つけられた」という強い怒りと悲しみの中にいます。
いきなり「お金で解決したい」と申し出るのではなく、まずは弁護士が代理人として、ご本人様の反省の意と謝罪の気持ちを丁寧に伝えることから始めます。
私の経験上、ご両親の心情に最大限配慮し、誠意を持った対応を重ねることで、当初は「絶対に許さない」とおっしゃっていたケースでも、最終的に示談に応じていただけた事例は数多くあります。
第三者である専門家が間に入ることが、双方にとって最良の解決への近道です。
援助交際・児童買春の示談金の相場はどれくらい?
児童買春における示談金の相場は、行為の内容や被害者の年齢、被害感情によって大きく変動しますが、一般的には以下の金額が目安となります。
- 買春(性交等あり)の場合: 30万円~100万円程度
- 淫行(性交なし、わいせつ行為のみ)の場合: 10万円~50万円程度
ただし、相手の親が激怒している場合や、悪質性が高いと判断される場合は、100万円を超える高額な請求がなされることもあります。
逆に、弁護士が適切に交渉することで、相場の範囲内で示談が成立するケースも多数あります。
よくある質問
援助交際相手から20歳と聞いていたが、後に16歳とわかり、このことで逮捕されるのでしょうか?
逮捕される可能性はあります。
「20歳と聞いていた」という主張だけでは不十分です。
相手の外見や、出会ったサイト(年齢確認の有無)、やり取りの内容などから、「本当は未成年だと薄々気づいていたのではないか(未必の故意)」と疑われるためです。
ただし、客観的にも成人に見え、騙されたことに正当な理由があると弁護士が立証できれば、不起訴や無罪になる可能性もあります。
児童買春で逮捕された場合、家族や会社にバレずに解決できますか?
弁護士のサポートがあれば、バレずに解決できる可能性が高まります。
逮捕されると警察から家族へ連絡が行くのが通常ですが、弁護士を通じて「家族には連絡しないでほしい」と理由を添えて上申したり、早期に身柄を解放させたりすることで、発覚を防げる場合があります。
会社に関しても、逮捕が報道されなければ、体調不良などの理由で欠勤している間に早期釈放を実現し、職場復帰を目指すことが可能です。
自分は独身で、真剣交際として17歳と付き合っていましたが、これも犯罪になりますか?
児童買春罪は「対償(金銭など)を供与して」性交等を行うことを処罰するものです。
したがって、金銭の授受がない「真剣交際」であれば、児童買春罪にはなりません。
ただし、各都道府県の「青少年健全育成条例」によっては、18歳未満と知って性交すること自体を(金銭授受がなくても)禁止している場合があります。
警察から任意の呼び出しを受けました。行かなくてもいいですか?
無断で無視し続けることはお勧めしません。
「任意」とはいえ、正当な理由なく拒否し続けると「逃亡や証拠隠滅の恐れがある」と判断され、逮捕状を請求されるリスクが高まります。
呼び出しに応じる前に、必ず弁護士に相談し、取調べでの受け答え(黙秘権の使い方など)についてアドバイスを受けることを強く推奨します。
逮捕されたら必ず前科がつきますか?
いいえ、逮捕されても必ず前科がつくわけではありません。
逮捕後、検察官によって「不起訴処分」となれば、裁判は行われず、前科もつきません。
前科を避けるためには、被害者との示談を成立させることが最も重要です。逮捕された段階で諦めず、すぐに弁護士に依頼して不起訴を目指した活動を開始することが大切です。
まとめ
援助交際や児童買春による逮捕は、人生を大きく狂わせる重大な事態です。
「バレないだろう」という油断は禁物であり、警察の捜査は確実に進んでいます。
もし過ちを犯してしまったとしても、逮捕される前、あるいは逮捕直後に適切な法的措置を講じることで、最悪の事態を回避できるチャンスはあります。
示談交渉や不起訴の獲得には、高度な法的知識と交渉経験が必要です。
ご自身やご家族を守るために、迷わず刑事事件に強い弁護士の力を借りてください。
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