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示談とは?相場やメリット・デメリット、流れ、事例などを解説

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記事目次

「トラブルを起こしてしまい示談する事になったけど、示談って何をしたらいいの?」
「相手と示談する事になったけど、何に気をつければいいの?」

「示談」は、私たちの普段の生活には馴染みのない言葉ですし、急に示談交渉をしなければいけない立場になってしまうと、右も左もわからず戸惑ってしまいますよね。

示談についてしっかりと理解したうえで、交渉をすすめていくことで、大きなリスクを回避できる可能性が高まります。

この記事では、示談に関する知識を深めるための、示談の基礎知識と全体像について解説していきます。

この記事でわかること
  • 示談の意味や目的について解説
  • トラブル別の示談金相場を紹介
  • 示談をするメリットとデメリットを解説
  • 示談する場合の注意点を解説

トラブルを解決するために、当事者同士で示談交渉するときに、なかなか話し合いがまとまらないとお悩みの方は少なくありません。

示談交渉がうまくいかないと、トラブル解決が遅くなるだけではなく、追加で費用が発生してしまう可能性もあります。

ぜひこの記事を参考にして、迅速かつ円滑に示談交渉をすすめて、トラブルを解決する方法を身につけてくださいね。

示談とは

「示談」とは、トラブルに対して当事者間で結ぶ和解契約のことを言います。

トラブルといっても、すべてのトラブルに示談が必要になるわけではありません。

具体的には、一方が加害者であり、被害者に対して損害・被害を与えてしまった場合に、示談が必要になるのです。

該当する代表的なケースには、以下のようなものがあります。

  • 交通事故
  • 不貞行為
  • 詐欺や窃盗
  • 盗撮や痴漢
  • 暴行や傷害 など

上記のようなトラブルを解決する方法として示談を選ぶことで、トラブルを迅速に解決できるのです。

効果的に示談できるようになるためにも、以下の4つの点について理解しておきましょう。

  1. 示談する目的
  2. 示談金と慰謝料の違い
  3. 示談における交渉の重要性
  4. 示談交渉を始めるタイミング

それぞれについて、わかりやすく解説していきます。

示談する目的は?

示談には、加害者側と被害者側で、以下の二つの目的があります。

上記の目的で、示談交渉をしたうえで支払う金銭のことを、一般的に「示談金」と呼びます。

加害者側の場合は、示談金を支払うことで、警察への被害届取り下げや、裁判回避が可能です。

被害者側の場合は、被害に対して相応な額の金銭(示談金)を受け取ることができ、スピーディーに問題を解決できます。

示談する場合は、当事者の話し合いで問題を解決するため、いかに示談交渉を円滑に進められるかが、重要になってきます。

交渉がうまくいかなければ、問題解決が長引いてしまい、裁判になってしまう可能性もあるのです。

被害者側がどうしても許さない場合や、加害者側が高額な示談金に納得していない場合は、交渉がうまくいかない場合があります。

示談交渉は、当事者同士が直接話し合って決めることも可能です。しかし、下記のように主張が対立してしまうケースや、感情的になってしまうケースも少なくありません。

被害者の主張 ・示談金を高く請求したい
・示談する条件が優しすぎる
・要求に応じないなら裁判に持ち込む
加害者の主張 ・示談金を少しでも低く抑えたい
・示談する条件が厳しすぎる
・裁判にはしたくない

示談が成立しないと、訴訟の手続きのために予定外の出費が発生したり、刑事事件の場合は起訴されてしまったりする可能性があります。

迅速にトラブルを解決するためにも、示談をスムーズに進めるための交渉が重要なのです。

示談金とは?相場はいくら?

被害者に対して支払う「示談金」ですが、慰謝料との違いがわからない人も少なくありません。

被害者に対して支払われる金銭と言う意味では、同じ扱いになります。ですが、正確には、以下のようなイメージで使われています。

※逸失(いっしつ)利益…交通事故などで、障害が残ったり、亡くなられたりしなければ、本来得られたはずの収入のことです。

上記のように、被害を起こしてしまった加害者が、被害者に対して支払うすべてのお金が、示談金に含まれるのです。

【トラブル別】示談金の相場

示談交渉の末に発生する示談金は、被害者が受けた被害や精神的苦痛の度合い、発生した損害の実費で、大きく左右されます。

トラブル別の、示談金相場は以下のとおりです。

【トラブル別でみる示談金の相場】
交通事故 物損事故 数万円~30万円
後遺症がない 数十万円~100万円
後遺症が残る 数百万円~1000万円
死亡事故 数千万円~1億円
不貞行為 離婚・別居しない 50~100万円
別居する 100~150万円
離婚する 100~300万円
詐欺・窃盗 被害額が少額 被害金額+10~50万円
被害額が高額(100万円以上) 被害金額+さらに高額な慰謝料
盗撮 10~50万円
痴漢 迷惑防止条例違反 10~50万円
強制わいせつ罪 30~100万円
暴行 10~30万円
傷害 もっとも軽度な障害(通院1~2回) 10~30万円
軽度な傷害 10~50万円
重度な傷害 50~100万円

上記の示談金相場は、あくまでも示談金の金額をイメージするための目安です。

示談金が発生するトラブルは、それぞれの事案によって被害の程度が違います。

そのため、それぞれの事案の特徴によって、金額が変わるのです。

より具体的に、トラブル別の示談金相場について解説していきます。

1.交通事故の示談金相場

交通事故の示談金相場は、事故の種類と被害者に与えた被害によって、以下のように変わります。

交通事故 物損事故 数万円~30万円
後遺症がない 数十万円~100万円
後遺症が残る 数百万円~1000万円
死亡事故 数千万円~1億円

示談金の金額だけをみると、その金額差に驚いてしまう方もいるのではないでしょうか。

物損事故の場合は、実際に破損したものに対する実費が、示談金の基準となります。

人身事故の金額差が大きい理由は、被害者(遺族)に対する慰謝料だけではなく、以下のような費用が加算されているからです。

交通事故の示談金に含まれる項目

  • 入院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料
  • 死亡慰謝料
  • 積極損害(治療費・入院雑費・通院交通費・看護費・介護費など)
  • 消極損害(休業損害など)

上記の費用は、被害者が受けた被害や後遺症の程度によって左右されます。

そのため最終的な示談金の金額も、個別の事案によって大きく変動してしまうのです。

2.不倫・浮気(不貞行為)の示談金相場

不倫や浮気による不貞行為に対する示談金の相場は、被害者の婚姻関係が受けた影響によって、示談金相場が大きく変わります。

不貞行為 離婚・別居しない 50~100万円
別居する 100~150万円
離婚する 100~300万円

不貞行為に対する示談金は、不倫や浮気が原因で、被害者が受けた精神的苦痛の程度によって変動します。

不貞行為に対する示談金が増額・減額する理由や実例について知りたい方は、以下のページも参考にしてみてください。

3.詐欺・窃盗の示談金相場

詐欺や窃盗に対する示談金は、実際に被害を受けた金額に加えて慰謝料が加算されるため、明確な示談金は個々の事案によって違います。

以下のように、被害額の規模によって、加算される慰謝料が変わるのが一般的です。

詐欺・窃盗 被害額が少額 被害金額+10~50万円
被害額が高額(100万円以上) 被害金額+さらに高額な慰謝料

詐欺や窃盗の場合、実際に騙し取ったお金の総額や盗んだ物品の金額を、明確に算出できます。

被害額に、被害者への慰謝料を上乗せした金額が、示談金となります。

4.盗撮の示談金相場

盗撮に対する示談金は、10〜50万円ほどに収まるのが一般的です。

盗撮  10~50万円

ただし、この金額はあくまでも一般的な相場であって、個別のケースによって金額は変動します。

盗撮による示談について注意すべき点については、「盗撮 示談金 相場」の記事で、具体的に解説しているので参考にしてください。

5.痴漢の示談金相場

痴漢に対する示談金は、罪の重さによって10〜100万円の示談金になります。

具体的には、迷惑防止条例違反と強制わいせつ罪、どちらの罪状となるのかで以下のようにわかれます。

痴漢 迷惑防止条例違反 10~50万円
強制わいせつ罪 30~100万円

どちらの罪状になるのかは、個別のケースによって変わります。具体的な痴漢行為の例としては、以下を紹介します。

  • 迷惑防止条例違反
    ・電車やバスなどで他人の体を触る
    ・道路やショッピンモールなどですれ違いざまに胸を触る など
  • 強制わいせつ罪
    ・路上で押し倒して体を触る
    ・背後から声をかけて抱きつく
    ・電車で寝ていた他人の下半身を触る など

もちろん、一概にすべてが上記に当てはまるわけではありません。被害者が厳罰を望む場合は、示談金も増額される可能性があるのです。

痴漢による慰謝料を請求されている方は、ぜひ「痴漢 慰謝料」の記事を参考に、対処法を学んでおきましょう。

6.暴行・傷害の示談金相場

暴行事件や傷害事件の場合、被害者が受けた被害の程度によって10〜100万円と、示談金の相場も幅広くなります。

暴行 10~30万円
傷害 もっとも軽度な障害(通院1~2回) 10~30万円
軽度な傷害 10~50万円
重度な傷害 50~100万円

暴行罪の場合は、基本的に被害者は暴力を振るわれたが大きな怪我を負っていないと判断されます。そのため、示談金も少なくなる傾向があるのです。

しかし、傷害罪の場合は、被害者が負った被害の程度によって、示談金の金額が変わります。

被害の程度を把握する目安としては、被害者の受けた被害によって、

  • どのような障害を受けたのか(傷害等級)
  • 入院日数
  • 通院日数

などが挙げられます。

また、両者に落ち度がある場合は、示談金が減額できる可能性もあるのです。

暴行罪と傷害罪の詳しい違いについては、「暴行罪」で解説しているので、ご覧ください。

示談交渉が成立するメリットとは?

トラブル別の示談金の相場を理解できたところで、「そこまでお金を払ってまで本当に示談すべき?」と疑問を感じているかと思います。

高額なお金のやり取りが発生する示談ですが、話し合いで解決することでトラブル悪化を回避できるのです。

示談をすることで得られるメリットには、以下のようなものがあります。

  • 逮捕や勾留される可能性が低くなる(刑事事件の場合)
  • 不起訴処分になる可能性が高まる(刑事事件の場合)
  • 起訴されても処分が軽くなる可能性がある(刑事事件の場合)
  • 裁判よりも早くトラブルを解決できる

それぞれについて具体的に解説していきます。

被害届を取り下げてもらえる可能性

多くの場合、刑事事件は被害者が警察に対し被害届を提出することによって捜査が始まります。

被害届は、一般的に、被害者が犯人に対する許せないという気持ちから、刑事処分を望むことから警察に届け出がなされるものです。

そのため、早期の適切な示談交渉により、被害者に謝罪や反省の意を示すとともに、示談金を支払って償うことができれば、被害者としてもこれ以上の刑事処分までは望まないと考え、被害届を取り下げてくれる可能性があります。

不起訴になる可能性

検察庁に送致される前、または起訴される前に示談が成立すれば、不起訴処分になる可能性が高まります。

特に器物損壊罪や名誉毀損罪などのいわゆる親告罪と呼ばれる犯罪の場合には、被害者が告訴を取り下げると、検察官が起訴することができなくなるため、不起訴処分となります。

また、たとえ親告罪でない場合でも、示談が成立していれば被害者が刑事処分を望んでいないと判断されるため、これ以上の捜査や処分は不要であるとして不起訴処分になる可能性が高まります。

実際に、法務省が毎年発表している犯罪白書によると、令和3年の1年間で、以下の人数が起訴・不起訴になっています。

参考:令和四年 犯罪白書を元に作成

この統計データをみると、年間を通して70万人以上の人が逮捕されており、その内の約6割以上が不起訴になっていることがわかります。

もちろん、全ての場合において示談が成功して不起訴になっている訳ではありませんが、少しでも不起訴の可能性を高めるためにも、示談交渉は欠かせないのです。

不起訴処分になった場合には、前科が付くこともないため、社会生活に影響なく過ごすことが可能です。

執行猶予がつく可能性

万が一、起訴されてしまった場合でも、早い段階で被害者と示談が結ぶことで、処分が軽くなる可能性があります。

起訴の次に待っているのは、加害者に対してどのような処分を与えるべきかを、客観的な視点から判断するための裁判です。

刑事裁判においても、示談により被害者感情が落ち着いており、刑事処分を望んでいないということは裁判官に対し良い心証を与えるものとなります。

本来であれば実刑判決が出てもおかしくないケースでも、執行猶予になることがあります。

逆をいえば、起訴後に示談締結できなければ、実刑判決になる可能性を高めてしまうかもしれません。

犯罪の内容によっては、法律上、執行猶予が付かないケースもありますが、たとえ起訴されてしまった場合においても、適切な示談交渉を行うことは非常に重要であるといえます。

実刑の減軽に繋がる可能性

犯罪の内容や、これまでの前科等から、執行猶予付きの判決が得られない場合であっても、示談が成立することにより、検察官の求刑よりも実刑の期間を短くできる可能性があります。

また、第1審の時点では示談ができておらず実刑判決を受けてしまった場合でも、控訴審等で示談が成立すれば第1審の判決よりも短い期間の実刑判決を得られる可能性が高まります。

民事裁判で損害賠償請求をされる可能性の軽減

被害者と示談が成立していない場合、たとえ刑事事件で不起訴処分になったり、刑事裁判で無罪や執行猶予付きの判決を得ていたとしても、被害者から民事裁判で損害賠償請求をされる可能性が残ってしまいます。

しかし、示談が成立し、清算条項によってお互いに債権債務がないことが確認されていれば、民事裁判で損害賠償請求をされる可能性や、万が一、民事裁判で損害賠償請求された場合に請求が認められる可能性を大幅に軽減できます。

示談を行うデメリットはあるの?

前述の通り、示談には多くのメリットがあり、基本的には示談を行うデメリットは少ないです。

しかし、被害者に対し、高額の示談金を支払う必要が生じる場合があるといったことはデメリットとして挙げられます。

刑事事件の示談金については、同種の事案におけるある程度の相場のようなものもありますが、最終的には被害者自身がいくらの示談金であれば示談してもいいかを決めることとなります。

そのため、被害者の被害感情がとても強い場合などには、相場より高額の示談金でないと示談しないという気持ちを示されることも時としてあります。

また、示談は前提として、被疑事実の通りの犯罪を行なったことを認めた上で、被害者に対し謝罪の意を示すものです。

そのため、実際には犯罪を行なっていない、被疑事実に争いがある場合には、示談を行うかどうかは慎重に判断する必要があります。

示談交渉が難しいケースはある?

示談がしたいと思っていても、交渉が難しいケースがあります。以下にて詳しく解説します。

1. 被害者の連絡先が分からない

示談交渉をしたくても、被害者の連絡先を知ることができなければ、示談交渉をすることもできません。

そこで、被疑者が直接、警察や検察に連絡先を問い合わせたとしても、被害者が自分の個人情報が漏れることを嫌がり、教えたくないという反応が返ってくることがほとんどです。

そのため、被害者の連絡先をもともと知っているようなケースでない限り、被疑者が独力で直接示談することはほぼ不可能といえます。

もっとも、弁護士を弁護人として選任した場合には、被害者の個人情報を被疑者に開示しないことを条件として弁護人にだけ連絡先を教えてもらえるようアプローチを行うこともできます。

そのため、示談を行いたい場合には弁護士に依頼することがほぼ必須となります。

2. 被害者の怒りの感情が大きい

被疑者が直接示談の交渉を行うと、どうしても被害者が感情的になり交渉が上手くいかないことがあります。

また、被害者の怒りが大きい場合、示談しようとすることで一層被害者の怒りが増すことも考えられます。

そのため、示談交渉のプロである弁護士に依頼いただくことが望ましいですが、被害者によっては、被疑者に対する怒りの感情が大きく、示談に一切応じないという場合もあるため、このような場合には示談は困難といえます。

3. 被害そのものが大きい

被害者が死亡してしまったり、重篤な後遺症が残ってしまった場合や、甚大な経済的被害を与えてしまったなど、被害そのものの程度が著しく大きい場合も、被害者が示談に応じない可能性があります。

このようなケースでは、たとえ誠意を示しても、被害者の被害が元通りになるわけではないので、かえって被害者の反発を招く恐れもあります。

4. 被害者が法人だった

詐欺罪や窃盗罪、横領罪、名誉毀損罪などで、被害者が法人となるケースもあります。

法人によっては、被害弁償をすれば示談交渉に応じてもらえる場合もありますが、中には、犯人を処罰してもらいたいので示談には一律応じないという法人も少なくありません。

このような場合には示談は難しいといえます。

また、相手が法人の場合は個人の場合と比べて被害額が大きくなることもあるので、このような場合にも、示談は難しくなります。

【加害者・被害者別】あなたが示談をすべき判断基準

ここまで読み進めたことで、さまざまなトラブルの解決方法として、示談が有力であることが理解できたかと思います。

しかし、必ずしもすべての人が示談すべきというわけではありません。

被害者と加害者、それぞれの立場において、示談をすべきか決めるための判断基準について解説します。

加害者側の判断基準は、とにかくリスクを最小限にしたいかどうか

加害者側は、ほとんどの場合で示談する方がメリットが大きくなります。

あえて、示談するべきか考えたいという方は、以下の判断基準について考えてみてください。

加害者側の示談の判断基準
示談すべき ・罪を犯したと自覚している
・少しでも早く確実にトラブルを解決したい
・被害者に対して申し訳ないと感じている
・少しでも処罰を軽くしたい
・逮捕や起訴を回避したい
示談すべきではない ・罪を犯していない

被害者と示談するということは、あなたが罪を犯したことを認めたうえで、被害者に対して謝罪を伝えることでもあります。

そのため、冤罪で逮捕されてしまった場合などには、罪を認めて示談すべきではありません。

冤罪ではない場合は、ほとんどのケースにおいて、被害者と示談することが加害者側がとるべき最善の方法だと覚えておきましょう。

被害者側の判断基準は、相手を許すかどうか

被害者側の立場で考えてみると、示談すべきかどうかは、被害者であるあなたの気持ち次第になってきます。

どうしても加害者を許すことができず、法的な処罰を与えなければ気が済まないという場合は、示談に応じるべきではありません。

被害者側の判断基準としては、以下を目安にしてみましょう。

被害者側の示談の判断基準
示談すべき ・少しでも早く確実にトラブルを解決したい
・裁判にかかる弁護士費用などを抑えたい
・損害を受けた分をしっかり回収したい
示談すべきではない ・相手を法的に罰したい
・お金を払われても許せない

現在トラブルの渦中にいる人のなかには、どうしても加害者を許せないという人もいるかと思います。

そのような場合は、無理して示談に応じる必要はありません。

もちろん、あなた自身も裁判費用や弁護士費用などを用意する必要が出てきますが、示談しないことで発生する金銭負担と、あなたが抱えている感情を照らし合わせて、示談するべきなのかしっかり考えてみましょう。

刑事事件の罰金は被害者には支払われないので注意!

もしも示談をせずに裁判になった場合、判決で言い渡された罰金を被害者が受け取れるわけではありません。
罰金はあくまでも、警察に対して支払われるものなので、あなたの手元には一切入ってこないのです。
少しでも被害に対する費用を回収したいと考える場合は、裁判で慰謝料や損害賠償金の支払いを求めるか、希望する額を提示して示談交渉する方が得策な場合もあります。

示談の流れ

示談の流れは一般的に以下のような流れとなります。

まずは、弁護人が、捜査機関を通じて、被害者(被害者が未成年者の場合にはその家族など)の連絡先を教えてもらえないかアプローチを行います。

その結果、被害者の連絡先が入手できた場合には、弁護人から被害者やその家族等に連絡をして、被疑者に代わり謝罪の意を示すとともに、示談交渉を行います。

示談交渉の結果、示談してもらえることになった場合には、弁護士が示談書を作成します。

示談書を作成した後は、被害者に示談書に署名押印をしてもらい、正式に示談を成立させます。

示談金については示談書に記載した期限内に後日送金するケースが一般的ですが、示談書を対面で取り交わすような場合には、示談の席上に示談金を持参してその場で支払いをするケースもあります。

示談が成立した場合、弁護人から捜査機関や検察官、裁判所などに対し、被害者との示談が成立した旨を報告します。

示談交渉を始めるのにベストなタイミングはいつ?

示談交渉は、トラブルの原因や状況によって始めるタイミングが異なります。

迅速に示談を結ぶためにも、示談交渉を始めるタイミングを把握しておかなければいけません。

示談交渉を始めるタイミングは、原因となっているトラブルによって、以下のように変わります。

【トラブル別 示談を始めるタイミング】
交通事故 事故による損害額が確定してから
・物損事故の場合:損害額が確定してから
・被害者に後遺症がない場合:怪我が完治してから
・被害者に後遺症が残る場合:後遺障害等級認定の結果が出てから(6ヶ月ほど)
・被害者が死亡した場合:葬儀終了後から
不貞行為 不貞行為が発覚してから
詐欺・窃盗 明確なタイミングはないが早い段階で示談を始める必要がある
盗撮
痴漢
暴行
傷害

上記をみてもわかるように、トラブルの原因によって示談交渉をはじめるタイミングが違います。

交渉を始めるタイミングを把握しておくことで、下記のようなリスクを回避できます。

・交渉をはじめるタイミングが遅れてしまい、賠償金請求が間に合わなかった
・損害賠償額が確定していないのに、高額な示談金を請求されている

効率よくトラブルを解決するためにも、示談交渉をはじめるタイミングを間違えないようにしましょう。

示談内容を確実に履行させるためのポイント

示談内容を確実に履行させるための方法として、即結和解と、公正証書の作成が挙げられます。

即決和解とは、民事訴訟法上「訴え提起前の和解」とされているものであり(民事訴訟法275条)、当事者間で、すでに示談の方針について合意ができているときに、裁判所の関与の下で和解をするという制度です。

即決和解は、当事者の合意に基づいた解決方法であるため、その後の支払いが期待できる他、万が一支払いがなされない場合にも強制執行が可能となるというメリットもあります。

次に、公正証書とは公証役場で公証人立ち会いのものと作成する合意書面となります。

こちらも即決和解と同様に強制執行が可能となることに加え、訴訟手続きよりもスピーディーかつ比較的リーズナブルに作成することができます。

示談がなかなかできない場合の対処法

示談がなかなかできない場合の対処法としては以下の方法が挙げられます。

内容証明郵便

この手段は、訴訟を起こす前の段階でよく用いられます。

内容証明郵便を使って、相手に対して自分の主張や要求を明確に伝えることができます。

この郵便は法的な効力を持っており、受取人が内容を確認したという証明が得られます。

したがって、後の訴訟においてもその証拠として利用することができます。

調停

示談が難航する場合、調停を申し立てることも一つの手段です。調停は裁判所を介して行われ、専門の調停委員が双方の意見を聞き、公平な解決を目指します。

調停は裁判よりも手続きが簡易で、費用も比較的低い場合が多いです。

ただし、調停で合意に至らなかった場合は、その後裁判を起こすことも可能です。

示談交渉を決意した際に注意しておきたい点4つ

トラブルを起こしてしまった加害者側の人は、より慎重に示談交渉をして内容を取り決めなければいけません。

なぜなら、適切に示談をしなければ、最悪の場合逮捕されて前科がついてしまうからです。

すでにあなたの心の中で「示談しよう」と決断できている場合は、以下の注意点を理解したうえで示談交渉の準備をはじめましょう。

示談交渉の注意点
  • 示談内容を詳細まで明確にする
  • 示談の相手を間違えない
  • 示談交渉前に示談金相場を理解しておく
  • 当事者同士だけ示談交渉しない

まだ、示談するべきか悩んでいるという方も、示談交渉の注意点を理解しておくことで、いざという時に決断しやすくなりますよ。

ここでは示談交渉の中で注意すべき点について、具体的に解説していきます。

1. 示談内容を詳細まで明確にする

ここまでで解説したように、示談締結後は示談内容の訂正はできません。

そのため、示談交渉の段階で、示談内容を明確にしておく必要があるのです。

事前に明確にしておくべき内容としては、主に以下のような項目があります。

事件の内容 ・事件の内容
・日時
・場所
・当事者 など
示談金 ・示談金の金額
・支払い方法
・支払い期日 など
清算条項 双方が合意した内容以外に、今後請求しない約束
禁止条項 事件の状況などに合わせて、双方が合意した禁止事項
宥恕(ゆうじょ)条項 被害者が示談を持って加害者を許したという文言
接触禁止条項 示談締結後の当事者同士の接触を禁止する事項
守秘義務条項 トラブルの内容を他社に漏らさないことを約束する事項

示談金の支払期日や支払い方法、清算条項などを定めていない場合、下記のようなトラブルが起こるかもしれません。

  • 示談成立後に、被害者側から別の金銭を請求される
  • トラブルの内容や示談したことを他人にバラされてしまう
  • 示談成立したのに、後日家に押しかけてくる

上記のような示談締結後のトラブルを避けるためにも、当事者間でしっかりと示談内容について話し合い、示談書に記載しておく必要があります。

どのような条件・文面で示談書を作成すべきなのかという判断は、専門知識がなければ難しいので専門家に相談するのがおすすめです。

適切な示談書の書き方を知りたい方は、以下のページも参考にしてください。

2.示談の相手を間違えない

トラブルにおける示談交渉は、トラブルを起こしてしまった加害者と被害者の当事者間で行う必要があります。

加害者と被害者のそれぞれが、弁護士を通して示談交渉する場合には問題ありませんが、当事者同士で交渉する場合には、交渉相手を間違えないようにしなければいけません。

トラブル例 被害者 加害者
物損 所有者 被害を与えた当事者
被害者がいる 被害者本人 ※当事者が未成年の場合は、親権者の同意が必要になる
被害者が未成年 被害者本人と親権者
被害者が死亡した 法律で認められた相続人

上記のように、トラブルの状況によって示談交渉を行う当事者が変わります。

当事者ではない人と、示談金や条件について話し合いをしても、正式な示談締結にはなりません。

「示談したからトラブルは解決した」と思っていても、正式な当事者と示談を結んでいなければ、後日金銭を請求される可能性もあるのです。

確実にトラブルを解決するためにも、当事者同士で示談交渉をしなければいけないと、覚えておきましょう。

3.示談交渉前に示談金相場を理解しておく

当事者同士の話し合いでトラブルを解決する示談だからこそ、事前に示談金相場を理解しておかなければ、金銭面で損してしまう可能性があります。

示談金には相場はありますが、必ずしもその金額に納めなければいけないわけではありません。

たとえば、示談金相場が300万円だとしても、双方が示談金600万円に合意していれば、高額の示談金が認められます。

逆をいえば、示談金相場を知らないが故に、相場よりも大幅に安い示談金に同意してしまう危険性もあるのです。

示談締結後は、追って示談金を増額・減額することはできません。本来あなたが受け取る・支払うべき示談金で交渉するためにも、事前にしっかりと示談金相場について理解しておきましょう。

4.当事者同士だけで示談交渉しない

示談について学んできたので、自分で示談交渉してみようと考える人も少なくありません。

しかし、トラブルの当事者同士で直接示談交渉すると、なかなか交渉がまとまらないケースが多いため注意しましょう。

交渉がまとまらない例として、以下のようなケースがあります。

  • 事実確認をしたけれど双方の主張に差異がある
  • トラブルに関する責任の割合に関する主張に合意できない
  • 示談金や示談内容に合意できない

トラブルの当事者は、それぞれの主張や感情が前提としてあるため、状況を客観的に捉えられない場合があります。

感情だけに流されてしまうことで、何が最善の選択なのか判断できなくなってしまう可能性が高いのです。

示談交渉を長引かせないためには、客観的な視点で物事を判断してサポートしてくれる弁護士のような存在が必要だと覚えておきましょう。

示談交渉は弁護士へ依頼を

示談交渉は紛争解決の一手段ですが、専門的な知識や交渉力が必要な場面も少なくありません。

そのため、弁護士に依頼することには以下のようなメリットがあります。

  • 専門的な知識と経験
    弁護士は法律の専門家であり、民事訴訟や示談交渉に豊富な経験を持っています。この専門性を活かして、クライアントの利益になるような最適な解決策を提案できます。
  • 交渉力
    弁護士は交渉のプロフェッショナルであり、そのスキルを用いて相手方と効果的に交渉することができます。特に、相手方が企業や弁護士である場合、一般人が直接交渉するよりも有利な条件を引き出せる可能性が高いです。
  • 時間と労力の節約
    示談交渉は非常に時間と労力を要する作業です。その過程を弁護士に委ねることで、自分自身の精神的・時間的負担を軽減することができます。
  • 文書作成のサポート
    示談合意に至るまでには、多くの文書や証拠が必要です。弁護士はそのような文書作成もサポートしてくれます。特に、内容証明郵便の作成や、示談に関する契約書等は専門的な知識を要するため、その点でも弁護士のサポートは有用です。

以上のようなメリットから、示談交渉において弁護士のサポートは非常に価値のあるものと言えるでしょう。

示談に関する解決事例をご紹介

実際に、弁護士に示談交渉を依頼したことで、状況が好転する場合も多く見受けられます。

被害を受けた方にとって、好条件で示談が成立したケースはもちろんですが、トラブルを起こしてしまった加害者側の方でも、示談によってリスクを回避できるのです。

参考までに、東京スタートアップ法律事務所で取り扱った事例の中から、弁護士による示談交渉が有効に働いた加害者側の事例3つをご覧下さい。

【事例①】児童への強制性交事件を100万円で示談して不起訴を獲得!

未成年児童に対して、性交を強要した疑惑があるとされた事件では、示談金100万円と不起訴を獲得しました。

このケースでは、未成年の児童に対して性交を行ったことが、罪状を重くしていました。

強制性交という重い罪に加えて、被害者が未成年ということもあり、保護者の気持ちもおさまらないため示談すること自体が難しかったのです。

もちろんこの事例でも、示談交渉は暗礁に乗り上げてしまい、なかなか交渉が進まない状況でした。弊所では、粘り強く示談交渉を続けながら、以下の主張を被害者側にお伝えし続けたのです。

  • 被害者本人が年齢を偽っていた
  • 被害者も性行為に同意していたことを認めている
  • 加害者の年齢も若く、未来ある青年である
  • 今後は接触しない

示談交渉は難航したのですが、最終的には示談金100万円で、被害届を取り下げることができました。このように示談自体が難しいケースでも、示談締結は可能なのです。

【事例②】痴漢による迷惑防止条例違反で示談金30万円と被害届取り下げに成功!

酔っ払ってしまい痴漢行為をしたことで、迷惑防止条例違反として通報されてしまったケースでは、示談交渉の末に被害届の取り下げに成功しています。

この事例では、酒に酔った加害者が飲食店で女性に対して痴漢行為を行ってしまいました。店内では複数名の客に目撃されており、「酔って覚えてない」と言っても言い逃れできない状況だったのです。

被害者は、痴漢行為だけでなく暴言を吐かれたと主張しており、怒りの感情がとても強く当初は交渉も難しい状態でした。

しかし、弁護士が介入して示談交渉をすることで、示談金30万円でトラブルを解決できたのです。もちろん、被害届の取り下げにも同意してもらえたので不起訴処分を獲得できました。

【事例③】電車内での痴漢による迷惑防止条例違反を示談金30万円で解決!

この事例では、電車内で痴漢行為をしてしまった加害者の方が、直接弊所にご相談いただきました。

電車内で痴漢をしてしまい、現場を取り押さえられたご依頼者様は、駅員室で痴漢行為を認めて上申書を書いたうえで、その日は帰宅することができました。

そして、後日被害者と示談交渉をすることになったのです。

当初は被害者の方も示談に難色を示しており、交渉はスムーズに進まないと思われました。しかし弁護士が前に立って示談交渉をすすめたことで、

  • 示談金30万円
  • 今後家族が加害者本人をしっかり監督すること
  • 被害届を出さない

などの条件に合意していただき、無事トラブルを解決できたのです。

示談交渉なら東京スタートアップ法律事務所にお任せください

被害者・加害者どちらの立場においても、トラブルを解決するためには示談交渉が重要だと解説してきました。そして、示談交渉を確実・迅速にまとめられるのが弁護士の存在です。

示談交渉を弁護士に依頼したい方は、粘り強い交渉力が武器である東京スタートアップ法律事務所にご相談ください。

あなたが抱えているトラブルや示談交渉への不安を、弊所がお手伝いさせていただきます。

加害者の方で示談交渉自体が難しいケースの解決実績あり

東京スタートアップ法律事務所では、示談交渉自体が難しいケースでも、加害者側のリスクを最小限に抑えた示談成功事例があります。

今回紹介した事例だけではなく、一般的に考えて被害者が示談に応じてくれる可能性が低いケースにおいても、豊富な実績があるのです。

  • 複数名の被害者に対する示談成功
  • 被害者が個人ではなく、お店や会社の場合の示談成功
  • 慰謝料や示談金を0円にして被害届を取り下げて示談成功

上記のようなさまざまなケースにおいて、示談成立・早期の身柄解放・不起訴処分などを獲得してきました。

どのような状況の依頼でも、私たちはあなたを守るために、決して諦めません。

「こんなトラブルでも助けてくれるのだろうか?」と感じているのであれば、まずは弊所にご相談ください。弁護士がご依頼者様ひとりひとりに寄り添ったうえで、解決策を提示させていただきます。

あなたに前科をつけないためのスピード対応

弊所では、常にご依頼者様のリスクを回避するためにスピード対応を心がけております。

とくに、以下のように刑事事件として取り扱われてしまうケースでは、迅速な対応をしなければいけません。

  • 痴漢
  • 盗撮
  • 強制わいせつ
  • 暴行
  • 傷害
  • 詐欺
  • 窃盗 など

このようなトラブルの場合は、一日でも対応が遅れてしまうと、逮捕・勾留されてしまい、最悪の場合は起訴されてしまいます。

警察によって身柄を拘束されてしまっては、示談交渉を自分で行うことはできません。

弊所では、ご依頼いただいてから状況を適切に判断したうえで、即日対応できるような体制を整えております。

あなたや、あなたの大切な家族を最悪の未来から遠ざけるには、迅速に対応する必要があります。

すぐに行動すれば間に合うのに、依頼のタイミングひとつで逮捕や勾留を防ぐことができないこともあるのです。

少しでも逮捕・勾留・起訴を回避するために、いますぐ東京スタートアップ法律事務所の、初回60分無料相談をご利用ください。

あなたの不安に寄り添える弁護士と一緒に、示談交渉を経てトラブルを解決していきましょう。

まとめ

この記事では、さまざまなトラブルで発生する示談について、全体像を解説してきました。

被害者と加害者が話し合いでトラブルを解決できる示談は、どちらの立場においてもメリットのある解決方法です。

示談が発生するケースと相場

【トラブル別でみる示談金の相場】
交通事故 物損事故 数万円~30万円
後遺症がない 数十万円~100万円
後遺症が残る 数百万円~1000万円
死亡事故 数千万円~1億円
不貞行為 離婚・別居しない 50~100万円
別居する 100~150万円
離婚する 100~300万円
詐欺・窃盗 被害額が少額 被害金額+10~50万円
被害額が高額(100万円以上) 被害金額+さらに高額な慰謝料
盗撮 10~50万円
痴漢 迷惑防止条例違反 10~50万円
強制わいせつ罪 30~100万円
暴行 10~30万円
傷害 もっとも軽度な障害(通院1~2回) 10~30万円
軽度な傷害 10~50万円
重度な傷害 50~100万円

示談金の相場は、トラブルの内容や被害状況によって大きく変わります。

示談を結ぶメリット

  • 【刑事事件の場合】逮捕や勾留される可能性が低くなる
  • 【刑事事件の場合】不起訴処分になる可能性が高まる
  • 【刑事事件の場合】起訴されても処分が軽くなる可能性がある
  • 裁判よりも早くトラブルを解決できる

被害者と加害者、どちらの立場においても示談することで、トラブルを迅速・確実に解決できます。

自力で交渉することもできますが、示談金や示談内容などで損をしないためには、専門知識のある弁護士に依頼して示談するのがおすすめです。

示談が必要な方、ひとりひとりの状況は違うからこそ、個別事案に適した示談交渉をするために弁護士への相談を検討してみてくださいね。

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執筆者 -TSL -
東京スタートアップ法律事務所
東京スタートアップ法律事務所は、2018年9月に設立された法律事務所です。
全国に拠点を有し、所属メンバーは20代〜40代と比較的若い年齢層によって構成されています。
従来の法律事務所の枠に収まらない自由な気風で、優秀なメンバーが責任感を持って仕事に取り組んでいます。
得意分野
不貞慰謝料、刑事事件、離婚、遺産相続、交通事故、債務整理など

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