検察庁の呼び出し理由は?当日の流れ・服装・持ち物を解説
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記事目次
交通違反や交通事故、その他の刑事事件について警察の取調べを受け、事件が検察官に送致されると、検察庁から呼び出しを受けることがあります。
検察庁からの呼び出しを受けると、「逮捕されるのではないか」「どのような服装で行けばよいのか」「何を持って行けばよいのか」など、不安に感じる方も少なくありません。
この記事では、検察庁から呼び出される理由をはじめ、呼び出し方法や時期、当日の流れ、服装、持ち物、呼び出しを無視した場合のリスク、不起訴処分を目指すための対応について解説します。
検察庁から呼び出しされる主な理由は?

検察官は、警察などから送致された事件について捜査を行い、被疑者を起訴するか不起訴にするかを判断します。
検察庁から呼び出される主な理由は、被疑者や参考人から直接話を聞くため、処分の内容を伝えるため、略式手続について説明するためなどです。
1. 検察官が取調べを行いたいと考えているから
検察官は、警察から送致された事件について被疑者を取り調べ、収集された証拠や供述内容を踏まえて、起訴するか不起訴にするかを判断します。
そのため、検察官が被疑者本人から事件の経緯や認識、現在の状況などを直接確認するために、呼び出しを行うことがあります。
検察庁から取調べのために呼び出されたからといって、必ず起訴されるわけではありません。取調べは、起訴・不起訴を判断するための捜査の一環として行われます。
逮捕・勾留されずに捜査が進められている「在宅事件」では、被疑者は自宅で生活しながら、警察や検察庁からの呼び出しに応じることになります。
指定された日時に都合がつかない場合は、呼び出しを無視するのではなく、担当者へ連絡して日程変更を相談しましょう。また、取調べを受ける前に弁護士へ相談し、供述する際の注意点について助言を受けておくことも重要です。
2. 起訴・不起訴の判断を伝えたいから
検察官が、起訴・不起訴の処分結果を伝えるために呼び出すこともあります。
この場合、すでに処分を判断するための取調べが少なくとも1回行われているのが一般的です。
起訴する場合には、今後の刑事裁判の手続や、事案によっては略式手続について説明されることがあります。不起訴とする場合には、再び犯罪に及ばないよう、検察官から注意や指導を受けることもあります。
ただし、不起訴処分となった場合に、必ず検察庁から呼び出しや連絡があるとは限りません。処分結果を確認したい場合は、担当の検察庁へ問い合わせる必要があります。
3. 略式起訴を検討しているから
比較的軽微な事件で、被疑者が犯行を認めており、罰金または科料が相当と判断される場合には、検察官が略式起訴を検討することがあります。
通常の刑事裁判は公開の法廷で行われますが、略式手続では公開の裁判を開かず、簡易裁判所が検察官から提出された書類を審査し、罰金または科料を科すかどうかを判断します。
略式手続を利用するためには、被疑者が手続の内容について説明を受け、異議がないことを確認する必要があります。
そのため、検察官が略式起訴を予定している場合には、手続の説明や必要書類への署名などのため、被疑者を検察庁へ呼び出すことがあります。
4. 参考人として話を聞きたいから
検察官は、被疑者を起訴するか不起訴にするかを判断するため、被害者や目撃者などの事件関係者から事情を聞くことがあります。
そのため、被疑者ではなく、参考人として検察庁から呼び出されるケースもあります。
参考人とは、犯罪事実や被疑者について詳しい事情を知っていると考えられる人です。事件の目撃者、被害者、被疑者の家族や知人などが該当します。
参考人のうち、事件の解明に特に重要な事情を知っていると考えられる人が「重要参考人」と呼ばれることもあります。ただし、「重要参考人」は法律上の正式な身分を表す用語ではありません。
参考人としての呼び出しは原則として任意であり、応じなかったことだけを理由に直ちに処罰されるものではありません。もっとも、事件の解明に必要な事情を知っている場合は、可能な範囲で捜査に協力することが望ましいでしょう。
被疑者、参考人、重要参考人の主な違いは、次のとおりです。
| 被疑者 | 参考人 | 重要参考人 | |
|---|---|---|---|
| 定義 | 犯罪を行った疑いを持たれ、捜査対象となっている人 | 犯罪事実や被疑者に関する事情を知っていると考えられる人 | 特に重要な事情を知っていると考えられる参考人 |
| 黙秘権の告知 | あり | 原則としてなし | 原則としてなし |
交通違反や交通事故で呼び出されるケースもある

速度超過や無免許運転、酒気帯び運転などの道路交通法違反でも、警察の捜査後に事件が検察官へ送致され、検察庁から呼び出されることがあります。
また、交通事故によって相手を負傷・死亡させた人身事故では、過失運転致死傷罪などの刑事事件として捜査が行われる可能性があります。
検察官は、違反や事故の状況、過失の程度、被害の大きさ、被害者との示談状況、前科・前歴などを確認し、起訴・不起訴や略式起訴の可否を判断します。
なお、物損事故のみであれば通常は過失運転致死傷罪にはなりませんが、事故後に警察へ報告しなかった場合や、飲酒運転などの違反があった場合は、別途刑事責任を問われる可能性があります。
検察庁からの呼び出し方法や時期について
検察庁からの呼び出しは、主に電話または手紙で行われます。
警察での取調べから呼び出しまでの期間や呼び出される回数は、事件の内容、証拠の収集状況、被疑者の供述内容などによって異なります。
呼び出しは電話や手紙で行われる
検察庁からの呼び出しは、担当検察官や検察事務官からの電話、または自宅に届く出頭要請の手紙によって行われるのが一般的です。
電話の場合は、担当者から出頭する日時、検察庁の場所、担当部署、必要な持ち物などを伝えられます。聞き間違いを防ぐため、担当者の氏名や連絡先を含めてメモを取りましょう。
手紙の場合は、出頭日時、場所、担当者、問い合わせ先などが記載されています。指定日時に都合がつかない場合や、記載内容に不明点がある場合は、書面に記載された連絡先へ確認してください。
突然の電話で不審に感じた場合は、電話で個人情報を伝えたり金銭を支払ったりせず、検察庁の公式な代表番号を確認したうえで、担当部署へかけ直すと安心です。
呼び出しまでの期間や回数は?2回目もある?
警察での取調べから検察庁に呼び出されるまでの期間に、明確な決まりはありません。早ければ数週間から1か月程度で連絡が来ることもありますが、事件によっては数か月以上かかることもあります。
犯行を認めており、必要な証拠もそろっている事件では、1回の取調べで処分が決まる場合があります。
一方、犯行を否認している場合や、警察での供述と証拠に食い違いがある場合、追加で確認すべき事情がある場合には、2回目以降の呼び出しを受ける可能性があります。
呼び出しの回数だけで、起訴・不起訴の見込みを判断することはできません。
なかなか呼び出しが来ない理由とは
検察に事件が送られたのになかなか呼び出しが来ないとき、自分はどうなるのか等不安になるかもしれません。
ここでは、呼び出しが来ない主な理由として挙げられることを確認しましょう。
不起訴処分となっていた
弁護人や被疑者本人から問い合わせを行わない限り、検察官は不起訴処分としたことを報告する義務を負いません。
弁護人がついているケースでは、弁護人が定期的に検察官に進捗を確認しますので、不起訴処分となった場合には比較的早く処分結果を知ることができます。
しかし、弁護人をつけていないケースだと知らないうちに不起訴となっていたということが起こり得るので、注意が必要です。
証拠の収集に時間がかかっている
検察官は処分をどうするかについて判断するうえで証拠を重視します。
特に犯行を否認している場合には、被疑者の言い分を裏付ける若しくは否定する証拠がないか、慎重に調べる必要があります。
検察官において、取調べよりも前に収集するべき証拠がまだある場合にも、なかなか呼び出しが来ないということがあります。
別件の対応中であり、事件の呼び出しができない
検察官は、他の事件も複数同時進行で対応をすることから、別件の対応中で事件の呼び出しがまだできないという場合があります。
事件を担当する検察官が身柄事件(逮捕・勾留をしている事件)を多く抱えている場合、そちらの事件処理を優先的に対応する必要がありますから、必然的に呼び出しが来るまでには時間がかかってしまいます。
呼び出し当日の流れと服装や必要な持ち物

指定された日時に検察庁へ行き、受付を済ませた後、担当検察官などによる取調べを受けます。
服装に厳格な決まりはありませんが、清潔感のある服装を選び、呼び出しの書面、身分証明書、印鑑などの指定された持ち物を準備しましょう。
服装はスーツ以外でも問題ない
検察庁へ出頭する際の服装に、スーツを着用しなければならないという決まりはありません。
普段着でも問題ありませんが、派手すぎる服装、汚れた服、過度に露出の多い服装などは避け、清潔感のある落ち着いた服装を選ぶのが望ましいでしょう。
男性であれば襟付きのシャツや無地のパンツ、女性であれば落ち着いた色のシャツやブラウスなどが一例です。
服装だけで起訴・不起訴が決まるわけではありませんが、検察官と真摯に向き合う姿勢を示す意味でも、相手に不快感を与えない身だしなみを意識しましょう。
持ち物は身分証明書と印鑑を持参する
検察庁から特別な指示がない場合でも、呼び出しの手紙、運転免許証などの身分証明書、印鑑、筆記用具を持参するとよいでしょう。
印鑑は、取調べで作成された供述調書の内容を確認した後、署名・押印を求められた場合などに使用します。
ただし、供述調書の内容に誤りがある場合は、そのまま署名・押印するのではなく、訂正を求めることが重要です。納得できない内容の調書に署名・押印する必要はありません。
そのほか、弁護士から持参するよう助言を受けた場合は、示談書、被害弁償の資料、反省文、再犯防止策に関する資料なども準備します。
持ち物は事件や検察庁によって異なるため、電話や呼び出しの手紙で指定された内容を優先してください。
当日の取調べの流れと聞かれること
検察庁に到着したら、受付で呼び出しの書面や身分証明書を提示し、担当者の案内に従います。その後、取調室などで検察官または検察事務官から事情を聞かれます。
取調べでは、主に次のような内容を質問されます。
- 事件当日の行動や犯行の具体的な状況
- 犯行に至った経緯や動機
- 警察で話した内容に間違いがないか
- 被害者との関係や被害弁償・示談の状況
- 現在の心境や反省の程度
- 家族関係、勤務先、生活状況などの身上経歴
- 過去の前科・前歴
- 再犯を防ぐために取り組んでいること
犯行を認めている場合は、事件の経緯や動機、被害者への気持ちなどについて詳しく聞かれることがあります。
犯行を否認している場合は、罪を犯していないと考える理由や、警察の捜査内容と異なる点などを説明します。分からないことを推測で答えたり、記憶にない内容を無理に認めたりする必要はありません。
取調べの内容を基に供述調書が作成された場合は、読み聞かせや閲覧によって内容を確認します。実際に話した内容と異なる箇所があれば訂正を求め、納得できる内容になってから署名・押印を検討しましょう。
取調べにかかる時間は事件によって異なります。比較的単純な事件では数時間程度で終わる場合がありますが、否認事件や複雑な事件では長時間に及んだり、複数回呼び出されたりすることもあります。
検察庁からの呼び出しを無視するとどうなる?
逮捕・勾留されていない被疑者に対する検察庁への出頭要請は、原則として任意です。そのため、呼び出しに応じなかったという理由だけで、直ちに逮捕されるわけではありません。
しかし、正当な理由を伝えずに何度も呼び出しを無視したり、担当者からの連絡を拒み続けたり、所在を分からなくしたりすると、捜査機関が逃亡や証拠隠滅のおそれを検討する際の事情となる可能性があります。
犯罪を行ったと疑う相当な理由があり、逮捕の必要性も認められた場合には、検察官や警察が逮捕状を請求し、在宅事件から身柄事件へ切り替わることがあります。
仕事、病気、家族の事情などで指定された日時に出頭できない場合は、無視するのではなく、速やかに担当者へ連絡してください。事情を説明すれば、別の日程に変更してもらえる場合があります。
また、呼び出しを受けたものの、どのように対応すべきか分からない場合は、出頭前に刑事事件を扱う弁護士へ相談しましょう。
取調べ後の処分の流れ
検察官による取調べが終わると、必要に応じて追加捜査が行われ、最終的に起訴または不起訴の処分が決定されます。
起訴には、公開の法廷で審理を受ける公判請求と、書面審理によって罰金・科料を科す略式命令請求があります。不起訴になれば、その時点では刑事裁判は開かれません。
不起訴処分となるためには
検察官は、被疑者から直接話を聞いたり、証拠を確認したりしたうえで、被疑者を起訴するかどうかを決定します。
不起訴となれば、その時点では刑事裁判は開かれません。ただし、不起訴処分となった事件について、再び捜査に着手する「再起」が行われる場合もあります。法務省も「再起」を、不起訴処分などにした事件について再び捜査に着手する場合としています。
不起訴になるのは、主に以下のようなケースです。
- 被疑者が死亡した場合や、親告罪で告訴が取り消された場合
- 被疑者が14歳未満、または心神喪失の状態であった場合
- 嫌疑なし:被疑者が犯罪を行っていないことが明らかな場合
- 嫌疑不十分:捜査の結果、犯罪を行ったことを立証する証拠が十分ではない場合
- 起訴猶予:犯罪の嫌疑は認められるものの、さまざまな事情を考慮して訴追を必要としないと判断された場合
刑法39条でも「心神喪失」という用語が用いられています。
この中では、起訴猶予となるケースが多くあります。法務省の「令和7年版 犯罪白書」によると、令和6年(2024年)の不起訴人員は、過失運転致死傷等・道路交通法違反を除いて15万6,264人で、そのうち起訴猶予は10万6,499人、構成比は約68.2%です。
たとえば、被害者との示談や被害弁償が行われていること、本人が反省していることなどは、起訴猶予を判断する際の事情となり得ます。ただし、事件の内容や被害の程度、前科・前歴などによって結論は異なります。刑事訴訟法248条でも、犯罪の軽重や情状、犯罪後の状況などを踏まえて訴追の必要性を判断するとされています。
検察庁から呼び出しを受けたら弁護士に依頼を
検察庁から呼び出しを受けたら、ご自身で判断するのではなく弁護士に相談の上対応を依頼しましょう。
弁護士に依頼するメリットがこちらです。
取調べに同行してもらえる
弁護士の取調べへの立会いは権利として認められていないため、原則として取調室内に同席することはできません。一方で、検察庁まで同行してもらうことは可能です。法務省も、現行制度では被疑者の取調べに弁護人の立会いが認められていないことを説明しています。
慣れない場所での取調べでも、出頭前や取調べ後に弁護士から助言を受けることで、落ち着いて対応しやすくなります。
また、取調べ前に供述する際の注意点について確認しておくことで、不用意に自身に不利な供述をしてしまうリスクを抑えることにもつながります。
示談交渉を依頼できる
まだ被害者との示談を進めていない場合は、弁護士に依頼することで、被害者との示談交渉を進めてもらうことができます。
検察官が起訴するかどうかを判断する前に示談が成立すれば、不起訴処分となる可能性が高まる場合があります。ただし、事件の内容や被害の程度、前科・前歴の有無、犯罪後の状況などによって結論は異なります。 刑事訴訟法248条では、犯罪の軽重や情状、犯罪後の状況などを踏まえて訴追の必要性を判断するとされています。
検察官から呼び出しを受けている時点では、処分の判断が近づいている可能性もあるため、示談を希望する場合は早めに弁護士へ相談するとよいでしょう。
起訴された場合も刑罰が軽くなるように対処できる
起訴された場合も、弁護士に弁護を依頼することで執行猶予付判決が望めるなど、罪を軽減できる可能性があります。
被害者との示談が成立していなければ示談を成立させることはもちろんのこと、再犯しないための環境作りや、罪を犯した背景などを検察官や裁判官に主張することで、刑罰の軽減を図るのです。
検察官からの呼び出し後に弁護士に依頼しても間に合う?
「刑事事件の弁護を弁護士に依頼する場合はなるべく早く」と言われていますが、検察官からの呼び出しの時点で弁護士に依頼してもまだまだ間に合います。
検察官から呼び出しを受けたと言うことは、在宅事件として捜査を進めているということなので、検察官が起訴するかどうかを判断するまでには時間の猶予があるからです。
とはいえ、明確に「あと何日」と分かるわけではありませんので、なるべく早く依頼するべきです。
弁護士は、被害者との示談交渉や検察官への働きかけなどにより、不起訴処分を目指しますので、少しでも早いほうがそれらの取組が成功する可能性が高まります。
まとめ

刑事事件の被疑者が検察庁から呼び出しを受けた場合、逮捕・勾留されていない被疑者への出頭要請は原則として任意です。ただし、正当な理由なく繰り返し呼び出しを無視するのではなく、指定された日時に都合がつかない場合は担当者へ連絡し、日程を調整しましょう。
取調べでは、ご自身が罪を認めるか否認するかによって対応方針が異なるため、事前に弁護士へ相談し、供述する際の注意点などを確認しておくことが重要です。
検察官は、事件の内容や被害の程度、示談・被害弁償の状況、犯罪後の事情などを踏まえて、起訴するか不起訴にするかを判断します。
不起訴となれば、その時点では刑事裁判は開かれません。ただし、不起訴処分となった事件でも、新たな証拠が見つかった場合などに再び捜査が行われる可能性はあります。 法務省の検察統計でも、不起訴処分などとした事件について再び捜査に着手する「再起」が定義されています。
被害者がいる事件では、示談や被害弁償が処分を判断する際の事情となることもあります。検察庁から呼び出しを受け、対応に不安がある場合は、早めに刑事事件を扱う弁護士へ相談するとよいでしょう。
- 得意分野
- 不貞慰謝料 、 離婚 、 その他男女問題 、 刑事事件
- プロフィール
- 京都府出身
同志社大学法学部法律学科 卒業
同大学大学院 修了
北河内総合法律事務所 入所
弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
東京スタートアップ法律事務所 開設










