会社のお金を横領すると少額でも逮捕される?返済できない時の対処法とは
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記事目次
横領とは、人や会社から預かり管理している他人の物や金銭を無断で自分のものにする行為です。
横領した金額が少額であれば返済が可能かもしれません。
しかし、通常横領した金銭は手元に残っていないケースが多いので、横領した金額が高額となれば、直ちに返済できないケースが数多くあります。
そこで、今回は、会社から横領行為をしてしまい、それが発覚した場合における手続の流れや一括で返済できない場合の対処法等を紹介します。
会社のお金を横領してしまった場合、今後どうなる?
業務上横領は、会社等の企業で経理を担当している人や、情報の管理や営業を担当している人が、会社の商品や金銭を横領するといったことが典型的な事例だといえます。
会社の財物を横領した際に、どのように対応されるのか、どんな罪に問われるのかなどを解説します。
会社を解雇される
横領したことで会社に損害を与えれば、解雇となる可能性が非常に高いです。
通常の解雇ではなく懲戒解雇を言い渡される場合もあるでしょう。
通常転職時に前職の退職理由は質問を受けますので、懲戒解雇されると転職する際に悪影響を及ぼす可能性があります。
警察が刑事事件として立件する
会社から横領した財物の返済に関して話し合いがまとまれば、刑事事件にならず被害弁償と解雇のみで解決する場合もあります。
ただし、横領した金額が大きいと、個人レベルでの被害弁償が難しく、解雇になったとしても話合いで解決しない場合が多いです。
その際には、会社が被害届を提出したり、告訴したりすることによって警察・検察といった捜査機関が捜査を行います。
そして、捜査機関による捜査が行われると逮捕、勾留、起訴され、刑事裁判で有罪になり、前科がつく可能性が高いです。
横領罪は5年以下の懲役、業務上横領罪は10年以下の懲役刑です。
会社のお金や品物など業務を遂行するうえで預かった物を横領すると、業務上横領罪に問われます。
横領罪は罰金刑がないため、起訴されて有罪判決を受ければ懲役刑となり、執行猶予がつかなければ必然的に刑務所へ収監されるのです。
ニュースで実名が報道される
横領の金額が大きいと、事件としてマスコミによって報道されます。
ニュース価値のある事件として扱われると、実名報道される可能性が高く、インターネット上の掲示板やニュースサイトで取り上げられ、それが半永久的に残ってしまうのです。
親や兄弟、妻や夫、子供にも多大な迷惑がかかり、職探しの際にも厳しい視線を向けられるかもしれません。
会社のお金を横領したがすぐに返済できない場合にすべきこと
横領行為に及んでしまった場合、事件になる前に会社側と示談を成立させることが重要です。
会社側と示談を成立させ宥恕を得ておくことで、被害届を提出されず刑事告訴もされずに済みますので、刑事事件に発展しない可能性が高いといえます。
仮にすでに被害届が提出されていたり刑事告訴をされていたりした場合でも、横領のように被害者が存在する犯罪においては、被害者と示談をしているかどうかはその後の処分を決定する際の重要なポイントになります。
起訴・不起訴を決めたり求刑を決めたりする際、被害者と示談が成立していることは加害者にとって極めて有利に働きます。
したがって、横領行為に及んでしまった方は示談を最重要視するべきでしょう。
示談交渉をする場合
示談交渉をする際、一般的には被害額をどのように弁償するかを話し合います。
1回の支払いですべての被害金額を弁償できることが理想ですが、横領した金額が大きいと個人の方は一括では弁償できないことも多いと思います。
1回の支払いで全額の弁償ができないため、分割での支払いを希望する場合には、弁償方法やその担保についてもしっかりと交渉しなければなりません。
一活で弁償できない場合は分割払いを提案する
横領した金額を1回で全て弁償できないのであれば、分割払いの提案を行うことがポイントです。
例えば、200万円を横領して一括返済できない場合、毎月10万円を20回に分け、分割で支払うといった提案をします。
分割で返済することを認めてくれるかどうかは、被害者によって異なります。
被害者としては今後続けて支払いがなされるか疑問の余地があるでしょうから、一般的には分割ではなく一括で返済した方が、示談が成立しやすいといえるでしょう。
分割での被害弁償をする際には、会社から連帯保証人として担保を求められる場合が多いです。
示談に応じるかどうかは最終的に会社側が決めることであり、被害額を一括で弁償したから確実に示談が成立するというわけではありません。
また、被害者である会社側が合意すれば分割で弁償することが可能であるため、一括で弁償できないのであればまずは交渉してみましょう。
反省している旨を伝えることや、横領をした理由についても正直に伝えることが重要
もしも、会社側が「○○日までに全額弁償しなければ刑事告訴をする」と時間制限を設け金額を指定していても、絶対に譲らない条件であるかどうかは話し合いをしてみなければわからない場合があります。
会社側も指定した日に一括で弁償してもらえるとは考えていないケースが多いです。
出来る限り弁償をして、残りについては毎月の返済を約束するという形で交渉を進められるかもしれません。
また、自分の罪を認めて反省している旨を伝えることや、横領をした理由についても正直に伝えることが重要です。
会社を解雇される可能性が極めて高いものの、場合によっては自主退職扱いにしてもらえたり、しばらくは会社で勤務を続けさせてもらえたりすることもあります。
懲戒解雇は転職活動において大きなマイナスになるので、犯行に及んでしまった理由や加害者の心情、これまで会社に貢献してきた従業員であること、これまでの勤務態度などを考慮して、一定の配慮をしてくれる会社もあります。
会社のお金を横領した場合、少額でも逮捕される?
会社は、被疑者に対して責任をとってもらうために刑事事件として告訴をして、民事上不法行為に基づいて損害賠償請求や不当利得返済請求訴訟を起こすことが可能です。
しかし、会社が最重要視するのは、被疑者を刑務所へ収監させることではなく、横領された物や金銭を取り戻すことです。
そのため、横領した物や金銭を返済できるかどうかが、刑事処罰を避けるために重要なポイントです。
逮捕された場合、その後の勾留期間を合計すると最大で23日間身柄を拘束されることになり、日常生活に大きな支障をきたします。
それを回避するために、示談交渉を行い、会社が被害届の提出や告訴をせず、すでに告訴していたとしても取り下げてもらえるようにしましょう。
横領した金額が多額であれば、被害弁償が難しいうえに会社側も悪質であると判断し、被害届の提出や告訴に及ぶ確率が高くなります。
しかし、横領した金額が少額であり、かつ、返済する意思及び資力があり、反省しており、実際に弁償の方法も明示しているのであれば、会社側が被害届の提出及び告訴に及ぶ確率は低く、逮捕される可能性も低いと言えるでしょう。
したがって、示談交渉を行っているか否かは、逮捕されるか否かに関わるため、非常に重要なのです。
業務上管理していた会社の財物を横領してしまった場合、自分1人で示談活動等を行うと、状況が悪化する場合があります。
例えば、業務上横領においては横領した金額の多寡につき加害者側と被害者側で認識の齟齬が生じることが少なくありません。
その中で会社側の主張を丸呑みし、実際に横領した金額よりも高い金額を返済すると約束してしまうことが挙げられます。
約束をした後、「やはり支払えない」、「この部分に関しては自分はやっていない」などと主張しても、会社側は納得してくれません。
示談もまとまりにくくなります。
状況を悪化させないためにも、横領をしてしまった場合には独力で悩んだり解決しようとしたりせずに、横領の弁護実績のある弁護士へ相談すべきです。
場合によっては弁護士に依頼し、人生へのダメージを抑える形での解決を目指しましょう。
まとめ
今回は、会社のお金を横領した場合に逮捕されるの、一括で返済できない時の対処法などについて述べてきました。
横領行為をやってしまった過去は消せないので、この記事内容を参考に、少しでも有利な結果を得られるように行動していただけると幸いです。
「ForClient」を理念として自らも多くの顧客の信頼を得ると共に、2018年の事務所開設以降、2023年までに全国12支店へと展開中。
- 得意分野
- ベンチャー・スタートアップ法務、一般民事・刑事事件
- プロフィール
- 京都府出身
同志社大学法学部法律学科 卒業
同大学大学院 修了
北河内総合法律事務所 入所
弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
東京スタートアップ法律事務所 開設