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更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

マッチングアプリで出会った交際相手が既婚者だった場合にするべきこと3選!(見抜き方も紹介)

マッチングアプリで出会った交際相手が既婚者だった場合にするべきこと3選!(見抜き方も紹介)
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気軽な出会いのツールとして人気のマッチングアプリ。しかし、その手軽さの裏には「出会った相手が実は既婚者だった」というリスクも潜んでいます。

信じていた相手に裏切られたショックと怒り、そして「これからどうすればいいの?」という不安で、頭が真っ白になっている方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、マッチングアプリで既婚者に騙されてしまったときに、ご自身を守るために知っておくべき具体的な対処法を解説します。慰謝料を請求できるケースや、逆に相手の配偶者から慰謝料を請求された場合の対応策、そして既婚者を見抜くためのポイントまで、専門家の視点から分かりやすくお伝えします。

一人で悩まず、まずはこの記事を読んで冷静に次のステップを考えてみましょう。

マッチングアプリで出会った交際相手が既婚者だった場合にするべきこと

マッチングアプリで出会い、真剣に交際していた相手が既婚者だと発覚したとき、誰もが冷静でいることは難しいでしょう。

しかし、感情的に行動してしまうと、かえってご自身が不利な状況に陥る可能性があります。まずは深呼吸をして、ご自身の心と権利を守るために、以下の3つのステップを冷静に進めることが重要です。

1. 慰謝料請求を検討するための証拠を集める

関係をすぐに断ち、相手に真実を問い詰める

独身だと偽られて肉体関係を持った場合、あなたは貞操権の侵害を理由に、相手に対して慰謝料を請求できる可能性があります。慰謝料請求を有利に進めるためには、客観的な証拠が不可欠です。

以下のような証拠を、可能な範囲で集めましょう。

  • マッチングアプリのプロフィール画面: 「独身」「未婚」と記載されている部分のスクリーンショット
  • メッセージのやり取り: 「結婚しよう」「独身だよ」など、独身であることを前提とした会話の記録
  • 肉体関係があったことを示す証拠: ラブホテルに出入りする写真、旅行先での写真、性交渉をうかがわせるメッセージなど
  • 相手が既婚者である証拠: SNSの投稿、結婚指輪をしている写真、配偶者や子どもの存在がわかるもの

これらの証拠は、ご自身のスマートフォンやパソコンに残っていることが多いはずです。感情的になって削除してしまわないよう、注意深く保全してください。

2. 関係をすぐに断ち、相手に真実を問い詰める

相手が既婚者であると知った以上、関係を継続することは非常に危険です。相手の配偶者から不倫(不貞行為)と見なされ、慰謝料を請求されるリスクが生じます。

まずは相手との連絡や面会を一切断つ決意をしましょう。

その上で、相手にはっきりと「既婚者であることを隠していたこと」について問い詰めます。

このとき、感情的な非難だけでなく、「独身だと偽っていたこと」「それによって貞操権が侵害されたこと」を冷静に伝えることが大切です。

可能であれば、話し合いの内容を録音したり、メッセージのやり取りを保存したりして、相手が既婚の事実を認めた証拠を残しておきましょう。

 

3. 弁護士に相談する

「相手に慰謝料を請求したい」「相手の配偶者から連絡が来たらどうしよう」といった悩みは、一人で抱え込まずに、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。

    • 慰謝料請求が可能か、法的な判断をしてもらえる
    • 集めた証拠が十分か、アドバイスをもらえる
    • 相手との交渉を代理人である弁護士に任せられる
    • 相手の配偶者から慰謝料請求された場合に、適切な対応を任せられる
    • 今後どのように行動したら良いか、的確なアドバイスを受けられる

弁護士が介入することで、相手も事の重大さを認識し、誠実な対応をするケースが多くあります。

感情的な消耗を避け、法的に有利な解決を目指すためにも、早期の相談が非常に重要です。

マッチングアプリで結婚相手を探すリスク

手軽に多くの人と出会えるマッチングアプリは、婚活の有効な手段の一つです。

しかし、その手軽さゆえに、身元確認が不十分であったり、悪意を持った利用者が紛れ込んでいたりするリスクも存在します。

真剣に結婚相手を探しているからこそ、潜んでいるリスクを正しく理解し、自衛することが大切です。

1. 既婚者や恋人がいる人が紛れている

最大のリスクは、既婚者や交際相手がいるにもかかわらず、独身と偽って登録している人がいることです。

彼らは遊び目的や家庭への不満から、身分を偽って新たな関係を求めます。真剣な交際を望む側にとっては、時間と心を弄ばれるだけでなく、後々大きなトラブルに巻き込まれる危険性があります。

2. 経歴やプロフィールを詐称している

年収、学歴、職業、年齢など、魅力的に見せるためにプロフィールを詐称しているケースも少なくありません。

「少しでも良く見せたい」という気持ちは誰にでもあるかもしれませんが、結婚を考える上で重要な要素を偽られると、信頼関係を築くことは困難になります。

交際が進んでから嘘が発覚し、婚約破棄に至るケースもあります。

3. 業者や勧誘目的の利用者がいる

恋愛や結婚が目的ではなく、ビジネスや宗教への勧誘、詐欺などを目的とした「業者」と呼ばれる利用者も存在します。

巧妙な手口で信頼させ、高額な商品を売りつけたり、投資話を持ちかけたりするケースが報告されています。

すぐに会いたがる、特定のサイトに誘導しようとする、お金の話をしてくるといった特徴には注意が必要です。

騙していた交際相手に慰謝料請求はできる?

「騙されていたなんて、許せない!」その悔しい気持ちは、法的に「慰謝料」という形で相手に請求できる可能性があります。

あなたが独身であると信じて真剣に交際し、肉体関係を持ったにもかかわらず、相手が既婚者であった場合、それはあなたの「貞操権」を侵害する不法行為(出典:e-Gov法令検索「民法」第709条)にあたる可能性があります。

慰謝料請求が認められるためには、以下の2つのポイントが重要になります。

  1. 相手が独身であると偽っていたこと
  2. 肉体関係(性交渉)があったこと

特に、相手が積極的に嘘をついていた証拠(「独身だ」「結婚したい」といったメッセージなど)があれば、請求が認められやすくなります。

ただし、慰謝料の金額は、交際期間、相手の嘘の悪質性、あなたの精神的苦痛の度合いなど、様々な事情を考慮して判断されます。

慰謝料を請求する流れ

実際に慰謝料を請求する場合、一般的に以下のような手順で進めます。

  1. 証拠の収集
    前述した通り、相手が「独身だと偽っていた証拠」や「肉体関係があった証拠」をできる限り集めます。これが全ての基礎となります。
  2. 内容証明郵便で請求書を送付
    弁護士に依頼し、慰謝料を請求する旨を記載した書面(請求書)を内容証明郵便で相手に送付します。内容証明郵便は、誰が、いつ、どのような内容の文書を送ったかを郵便局が証明してくれるため、「そんな手紙は受け取っていない」という言い逃れを防ぐ効果があります。この段階で、相手が請求に応じ、話し合いが始まることも少なくありません。
  3. 相手との交渉(示談交渉)
    相手方と慰謝料の金額や支払方法について話し合います。交渉は、当事者同士で行うと感情的になりがちですが、弁護士が代理人として交渉することで、法的な根拠に基づいた冷静な話し合いが可能です。双方が合意すれば、示談書を作成し、トラブルの最終的解決となります。
  4. 訴訟(裁判)の提起
    相手が請求を無視したり、交渉が決裂したりした場合には、裁判所に訴訟を提起します。裁判では、提出された証拠に基づいて、裁判官が慰謝料の支払義務の有無や金額を判断します。判決が確定すれば、法的な強制力をもって相手の財産(給与や預金など)を差押えることも可能になります。

騙していた交際相手のパートナーから慰謝料請求されたら

事態がさらに複雑になるのが、自分を騙していた相手の配偶者(パートナー)から、「あなたも不倫の当事者だ」として慰謝料を請求されるケースです。

突然、弁護士から内容証明郵便が届き、高額な慰謝料を請求されてパニックになってしまう方も少なくありません。

しかし、請求されたからといって、必ずしも支払う義務があるとは限りません。そのため、慌てて「支払う」と言ってしまったり、合意書にサインしてしまわないように注意してください。

(合意書にサインしてしまった後にご相談いただいても、撤回するのは難しいことが多いです)

拒否できるケース

相手の配偶者からの慰謝料請求を拒否できるのは、「相手が既婚者であることを知らず、かつ、知らなかったことについてあなたに落ち度(過失)がなかった」場合です。

具体的には、以下のような状況が考えられます。

  • マッチングアプリのプロフィールが「独身」になっていた
  • 相手から「独身だ」と明確に言われていた
  • 土日や夜間にも自由に会え、連絡も取れていた
  • 相手が一人暮らしの家に住んでいた
  • 結婚指輪をしていなかった

このような状況下で、相手が既婚者であることを見抜くのは困難です。

もし慰謝料を請求されても、「自分も騙された被害者である」と毅然と主張することが重要です。

請求に対しては、安易に連絡を取ったり謝罪したりせず、すぐに弁護士に相談し、ご自身の状況を証明する証拠(相手が独身だと偽っていたメッセージなど)を提示して反論してもらいましょう。

支払い義務があるケース

一方で、残念ながら慰謝料の支払い義務が生じてしまうケースもあります。

それは、「相手が既婚者であると知っていた(故意)、または、少し注意すれば既婚者だと気づけたはずだ(過失)」と判断される場合です。

例えば、以下のような事情があると、支払い義務を免れるのは難しくなります。

  • 相手から「妻とは別れるつもりだ」などと、既婚者であることを前提とした話を聞いていた
  • 「週末は家族と過ごすから会えない」など、既婚をうかがわせる言動が頻繁にあった
  • 共通の知人から既婚者だと聞いていた
  • 相手のSNSで配偶者や子どもの写真を見たことがある

このような場合でも、請求された金額が法外に高いケースは少なくありません。

弁護士に依頼すれば、相手が主張する事情のどこに争う余地があるか検討し、適切な金額への減額交渉を行うことが可能です。

請求を無視すると裁判に発展し、不利な判決が下されるリスクがあるため、誠実に対応しつつ、専門家を交えて交渉を進めることが賢明です。

騙されていた事情を主張することで、不倫で訴えられたらどうすべき?訴状が届いた後の流れや慰謝料の減額方法にもあるように、慰謝料が大幅に減額される可能性もありますので、諦めずにご相談ください。

既婚者による登録規制を行っているマッチングアプリ

真剣な出会いを求める利用者にとって、既婚者の存在は大きな迷惑です。

そのため、多くの大手マッチングアプリでは、利用規約で「独身者(現在恋人がいない方を含む)のみ利用可能」と明確に定め、既婚者の利用を固く禁じています。

安心して利用できる環境づくりのため、各社は様々な対策を講じています。

ペアーズ(Pairs)

国内最大級の会員数を誇るアプリです。24時間365日の監視体制を敷いており、不適切なユーザーのパトロールや強制退会措置を厳格に行っています。公的な身分証明書による本人確認も必須です。

Omiai

「Omiai」という名前の通り、真剣な婚活を目的としたユーザーが多く、安全対策に力を入れています。悪質なユーザーを運営に通報する「イエローカード」機能があり、不正利用者の排除に積極的です。

with

独自の心理テストや性格診断で相性の良い相手を探せるのが特徴のアプリです。こちらも公的証明書による本人確認が必須で、24時間の監視体制により、規約違反のユーザーを厳しく取り締まっています。

タップル

気軽な出会いをコンセプトにしていますが、安全対策は徹底されています。運営による24時間体制の監視はもちろんのこと、メッセージのやり取りには公的証明書による年齢確認が必須です。

Match(マッチドットコム)

世界的な実績を持つ婚活マッチングサービスです。独身であることの誓約はもちろん、プロフィール写真や自己紹介文もすべて目視で審査するなど、厳格な運営方針で知られています。

 

これらのアプリは既婚者の利用を禁止していますが、残念ながら虚偽の申告ですり抜けて登録する悪質なユーザーがゼロではないことも事実です。

アプリの対策だけに頼らず、自分自身でも相手を見極める目を持つことが大切です。

既婚者が登録している可能性があるマッチングアプリの特徴

既婚者が身を隠しやすい、あるいは遊び目的で利用しやすいアプリにも一定の特徴があります。

もちろん、これらの特徴に当てはまるからといって必ずしも危険というわけではありませんが、より慎重な見極めが求められる傾向にあります。

  • 本人確認が緩い、または任意
    公的な身分証明書の提出が必須でない、あるいは年齢確認のみで利用できるアプリは、身分を偽りやすいため既婚者が紛れ込みやすい環境と言えます。
  • 料金が極端に安い、または完全無料
    特に男性側の料金が安すぎたり、完全無料だったりするアプリは、遊び目的のユーザーが集まりやすい傾向があります。本気度が低い人が多いため、既婚者も軽い気持ちで登録しやすいのです。
  • GPS機能で近くの人を探せる
    近所での出会いを気軽に見つけられる機能は便利ですが、既婚者が身バレしにくい範囲で手軽な相手を探すために悪用するケースもあります。
  • 審査がほぼないことを売りにしている
    「誰でもすぐに始められる」ことを強調しているアプリは、その分、悪質なユーザーを排除する仕組みが弱い可能性があります。

既婚男性がマッチングアプリに登録する理由

そもそも、なぜ家庭のある既婚男性がリスクを冒してまでマッチングアプリに登録するのでしょうか。

その動機は様々ですが、多くは身勝手な自己都合によるものです。騙された側が「自分に魅力がなかったのでは」などと悩む必要は一切ありません。

家庭への不満やストレスからの逃避

妻との関係が冷え切っている、家庭内で会話がない、仕事のストレスが溜まっているといった不満から、癒やしや刺激を求めて家庭の外に目を向けるケースです。

「家庭では得られない安らぎが欲しい」という動機で、独身女性との疑似恋愛にのめり込むことがあります。

遊びやスリルを求めている

家庭に大きな不満はないものの、結婚生活のマンネリから抜け出したい、バレない範囲で火遊びを楽しみたい、というスリルを求めるタイプです。

この場合、初めから割り切った関係を望んでおり、相手を騙すことに罪悪感が薄い傾向があります。

男としての自信を取り戻したい

結婚生活が長くなる中で、男性としての魅力を試したい、異性から「素敵だ」と思われたいという承認欲求が動機になることもあります。

家庭では得られないときめきや、男性としての自信を回復させるために、マッチングアプリを利用するのです。

マッチングアプリに登録している既婚者男性を見抜くには

悲しい思いをしないためには、相手が既婚者ではないか、交際初期の段階で見抜くことが重要です。

怪しい点がないか、常にチェックする癖をつけましょう。以下に挙げる特徴が複数当てはまる場合は、特に注意が必要です。

プロフィールの特徴

  • 顔写真がはっきりしない(後ろ姿、マスク姿、加工が強いなど)
  • プロフィール項目に未記入が多い
  • 自己紹介文が当たり障りのない内容で、生活感が感じられない
  • 結婚に対する価値観や将来の希望について触れていない

 

メッセージやLINEの特徴

  • 週末や祝日、夜間(特に深夜)に連絡が途絶えがち
  • 電話をしても出ない、またはすぐに切られることが多い
  • LINEの通知をオフにしている(スクリーンショットなどで発覚することも)
  • フルネームや詳しい個人情報を教えたがらない

 

デート中の言動・特徴

  • 土日ではなく、平日の夜に会うことが多い
  • クリスマスや年末年始などのイベントシーズンに会えない
  • デート場所がいつも自分の家や職場から離れた場所
  • 自分の車を使わず、常にレンタカーやカーシェアを利用する
  • 絶対に家に招いてくれない、または行きたがらない
  • 家族や地元の友人の話を具体的にしない
  • SNSアカウント(特にFacebook)を教えてくれない
  • ふとした時に結婚指輪の跡がある

これらのサインに気づいたら、相手を問い詰める前に、まずは冷静に距離を置き、客観的な事実確認に努め、証拠を集めることが賢明です。

まとめ

マッチングアプリで出会った相手が既婚者だったという事実は、計り知れないショックと精神的苦痛を伴います。

しかし、感情的になって行動する前に、まずはご自身の権利と今後の人生を守るために冷静になることが何よりも大切です。

  • 相手が既婚者と発覚したら、慰謝料請求のために証拠を集め、すぐに連絡を絶ちましょう。
  • 独身と偽っていた相手への慰謝料請求は法的に可能です。ただし、有利に進めるには法律の専門知識が不可欠です。
  • 相手の配偶者から慰謝料を請求されても、事情によっては支払いを拒否したり、大幅に減額したりできる可能性があります。そのため、すぐに合意書にサインしたり、「支払う」と回答しないようにしてください。

そして何より、今回の辛い経験を繰り返さないために、既婚者の特徴を学び、今後の出会いにおいて自衛する知識を身につけることが重要です。

一人で悩みを抱え込んでいると、精神的にも追い詰められ、正しい判断ができなくなってしまうことがあります。

慰謝料を請求したい場合も、逆に請求されてしまった場合も、まずは一度、法律の専門家である弁護士にご相談ください。あなたの味方となり、最善の解決策を一緒に見つけ出します。

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執筆者 代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会 登録番号45484
東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士として、男女問題などの一般民事事件や刑事事件を解決してきました。「ForClient」の理念を基に、個人の依頼者に対して、親身かつ迅速な法的サポートを提供しています。
得意分野
不貞慰謝料 、 離婚 、 その他男女問題 、 刑事事件
プロフィール
京都府出身
同志社大学法学部法律学科 卒業
同大学大学院 修了
北河内総合法律事務所 入所
弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
東京スタートアップ法律事務所 開設
書籍・論文
『スタートアップの法務ガイド』中央経済社
『スタートアップの人事労務ガイド』中央経済社

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