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投稿日: 弁護士 砂原 惣太郎

遺言書作成を弁護士に依頼するメリット|費用や作成の流れも解説

遺産相続の弁護士相談

相続問題に強い弁護士が、依頼者様に寄り添いサポートいたします。

  • 遺産分割で揉めている方
  • 遺産分割調停を申し立てられた方
  • 遺言書作成をお考えの方
  • ややこしい手続きを任せたい方

など

事案によっては、相談だけで解決する場合もあります。

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「自分の亡き後、家族に余計な迷惑をかけないために、遺言書を作成したいけれど、弁護士に依頼した方がよいのだろうか」と迷われている方もいらっしゃるかと思います。

遺言書は、遺言をする時に、満15歳に達しており、意思能力を有している方であれば、どなたでも作成することができます(民法第960条ないし963条)。しかし、遺言書には法律で定められた要式があり、それに則って作成されていなければ法律上無効となってしまいます(民法第960条)。遺言が無効とされた場合、相続人全員で遺産分割協議を行わなければなりません。そうなると、相続人に負担をかけることになりますし、遺産を巡って相続人の間で揉め事が起きる可能性もあるでしょう。

法律上有効な遺言書を作成して、残された相続人の間でのトラブルを防止するためには、弁護士に依頼するのが賢い選択といえるのではないでしょうか。

今回は、遺言書の作成を弁護士に依頼するメリット、遺言書の作成にかかる弁護士費用、遺言書の作成を弁護士に依頼する場合の流れ、遺言書の作成を依頼する弁護士の選び方などについて解説します。

遺言書の作成を弁護士に依頼するメリットとは

遺言書の作成を弁護士に依頼すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。具体的なメリットについて説明します。

1.確実に有効な遺言を残せる

遺言書は法律によって定められた要式に即して作成されなければその効力は認められません。自筆証書遺言の作成において守るべき要式については、民法第968条で以下のように定められています。

1 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。

3 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

これらの定めに従って作成されていない遺言書は法律上無効となります。実際に、作成年月日が記載されていなかったり、遺言者本人が自筆していなかったりするために遺言書が無効となるケースは少なくありません。

弁護士に依頼すれば、法律で定められたこれらの要式に従って作成できるため、法律上有効な遺言書を確実に残すことができるのです。

2.相続人同士のトラブルを未然に予防できる

法律上有効な遺言書を残したとしても、その内容に争いの余地があれば、相続人の間でトラブルが勃発する可能性があります。特に、以下のようなケースでは、相続人の間でトラブルが起きることが多いです。

  • 再婚しており、前の配偶者との間に子どもがいる
  • 認知した婚外子がいる
  • 生前贈与を行った
  • 遺産に不動産が含まれている
  • 相続人同士の仲が悪い
  • 特定の相続人のみに介護や看病などの負担をかけている

この他にもトラブルになるケースはあります。自分の亡き後、相続人の間でトラブルが起きるかもしれないという懸念を少しでもお持ちの場合は、弁護士に依頼することをおすすめします。

遺産相続に精通した弁護士は、相続人の間で起きるトラブルの典型的なパターンやそれらの回避策について熟知しています。そのため、トラブルを未然に防ぐような内容にするための適切なアドバイスを提供することが可能です。

弁護士からアドバイスを得て、トラブルを未然に防ぐような内容にしておくことは、ご自身の亡き後、相続を巡るトラブルから大切な家族を守ることにつながるのです。

3.自分の死後に揉め事が起こっても対応してもらえる

家族や親族は近しい関係である分、感情的な衝突が起こりやすいものです。法律上全く問題のない遺言書を残せたとしても、普段から不仲で争いが絶えないような関係であれば、揉める可能性があるでしょう。一度揉め事に発展すると、長期間に渡り解決できないことも珍しくありません。

司法書士や行政書士にも遺言書作成を依頼することは可能ですが、相続人同士で争いが起こっても、弁護士以外は報酬を得る目的で法律事件に関して法律事務を扱うことはできないと定められているため(弁護士法72条)、裁判になった場合に代理権がないため対処してもらうことができません。しかし、弁護士に依頼しておけば、遺言書を作成できるだけでなく、遺言の内容に問題があり揉め事が起きた場合でも適切に対処してもらえますし、他の相続の事件の経験から、事前にどのような遺言書であれば後の争いを避けられるのかアドバイスをすることもできます。法律的な観点から論理的に話を整理してもらえるので、当事者全員が納得できる解決が実現する可能性が高くなります。

4.作成だけでなく執行も任せられる

弁護士に依頼しておけば、遺言書の作成だけでなく、その保管や亡くなった後の遺言執行まで任せることができます。

遺言書の内容通りに相続するためには、金融機関や法務局などでさまざまな相続手続きを行わなければなりません。手続きには相続人全員の署名・捺印を要するため、相続人が多い場合などは大変な手間がかかります。

弁護士に遺言執行まで任せておけば、弁護士に相続手続きを全て代行してもらえるため、遺言の内容を速やかに実現できるでしょう。

遺言書の作成にかかる弁護士費用

遺言書の作成を弁護士に依頼するにあたり、どの程度の費用がかかるのか気になるという方も多いでしょう。弁護士に遺言書の作成を依頼した場合にかかる費用の相場について説明します。

1.相談料

弁護士に遺言の作成について相談だけする場合、相談料を支払います。相談料は30分あたり5000円程度が相場です。法律事務所によっては初回の相談料を無料としているところもあります。

2.遺言書作成費用

遺言書の作成を弁護士に依頼する場合の費用は、10万~30万円が相場です。実際の費用は、相続財産の金額や遺言の内容などによって変わります。相続人の数が多い場合や、相続人間でのトラブル防止のため遺言の内容を工夫する必要がある場合など、複雑なケースでは、より高額になることもあります。

費用がいくらかかるか不安な場合は、最初に相談に訪れた際に、弁護士に見積りを依頼するとよいでしょう。

3.遺言書保管費用

作成した遺言書を弁護士に保管してもらう場合は、保管費用がかかります。保管費用の相場は年間1万円程度ですが、事務所によって異なります。実際に相談に訪れた際に、弁護士に確認するとよいでしょう。

4.遺言執行費用

弁護士に、遺言執行者として相続手続きまで委任したい場合は遺言執行費用がかかります。遺言執行費用は遺産総額や法律事務所によって大きく異なります。旧日本弁護士連合会の報酬基準を目安として定めている事務所も多く、その場合は下記の通りとなります。

経済的利益 弁護士費用
300万円以下 30万円
300万円を超え3000万円以下 遺産の2%+24万円
3000万円を超え3億円以下 遺産の1%+54万円
3億円を超える場合 遺産の0.5%+204万円

遺言書の作成を弁護士に依頼する場合の流れ

弁護士に遺言書の作成を依頼する場合、基本的に以下のような流れで進めていきます。

1.初回相談

初回の相談では、相談者の状況や希望などについて弁護士がヒアリングします。その内容を踏まえて、遺言書の内容や書き方について法律的な観点からアドバイスを受けることができます。

遺言の内容が複雑な場合など、本人による遺言の作成が難しい場合などは、弁護士への委任を勧められるかもしれません。弁護士への委任の可能性がある場合は、弁護士費用についての説明もしてもらえるでしょう。

 2.委任契約

弁護士へ依頼する場合、委任契約書に署名・捺印をして、委任契約を締結します。

委任契約は初回相談の際に締結することもできますが、よく検討したい場合は、一度持ち帰って検討してもかまいません。

3.遺言書作成

弁護士に依頼した後は、以下のような流れで遺言書を作成します。

  1. 弁護士と打合せをする
  2. 打合せの内容から弁護士が作成した原案を元に遺言内容を完成させる
  3. 正式な形の遺言書を完成させる

まずは、弁護士と何度か打合せを重ねて遺言書の内容を決めていきます。

打合せでは、依頼者の事情や希望を弁護士が詳しくヒアリングして、遺言書の原案を作成します。その後、弁護士が作成した原案に加筆修正を加えて草稿を完成させます。

草稿が完成したら、法律で定められた要式に則った形で遺言書を作成します。

遺言書には主に自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類が存在します。

それぞれの内容と作成方法は以下の通りです。

遺言書の種類 内容と作成方法 保管場所
自筆証書遺言 自分で手書きして作成する遺言書。

依頼者が、弁護士の作成した遺言書案を清書し、弁護士が要式に則っているか確認した上で作成する。

自分で好きな場所に保管可能。

自宅に保管するケースが多いが、心配な場合は弁護士に保管してもらうか、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用するとよい。

公正証書遺言 公証役場に行き、公証人に作成してもらう。 公証役場

なお、他にも秘密証書遺言という種類の遺言も存在しますが、実務上ほとんど用いられておりません。

上記のどちらを選んでもかまいませんが、自分に適した方法を弁護士にアドバイスしてもらい、決めるとよいでしょう。

遺言書の作成を依頼する弁護士の選び方

自分の亡き後のことを託す遺言書は、自分自身が納得できるように作成したいものです。そのためにも遺言書の作成を依頼する弁護士は、しっかり選ぶことが大切です。

遺言書の作成を依頼する場合の弁護士の選び方について説明します。

1.話しやすく、信頼できる弁護士であるか

自分が納得できる内容の遺言書を作成するためには、弁護士に状況や事情をよく理解してもらい、自分の希望をしっかり伝えることが重要なポイントとなります。そのためにも、ご自身が「話しやすい」と感じる弁護士を選ぶとよいでしょう。

話しやすさを判断するには、初回の相談で弁護士の対応をよくチェックしてみることが大切です。ご自身の話を丁寧に聞いてくれるか、質問に対してわかりやすく答えてくれるか、などという点に注意して、しっかりと見極めましょう。

また、信頼できるかという点も重要なポイントです。初回相談時に、気になることは遠慮なく質問し、「回答が曖昧で信頼できない」「自分とは合わない気がする」などと感じる場合は、他の弁護士に相談した方がよいでしょう。

2.料金体系が明確であるか

弁護士に依頼する際に、何より気になるのは費用のことでしょう。

初回の相談時に見積りをしっかり提示して丁寧に説明してくれるか、料金体系が明確でわかりやすいかという点も、弁護士選びにおける大切なポイントといえます。

安心して依頼するためにも、費用については最初にしっかり確認するようにしましょう。

3.事務所の立地・オンラインでの打合せの可否

遺言の内容を決めるにあたり、弁護士と何度も打合せをすることになります。頻繁に弁護士の元に通わなければならない場合、交通費がかさむ他、時間や労力がかかります。事務所に通うのが負担となり、肝心の遺言内容をしっかり考える気力まで奪われてしまうかもしれません。そのようなことにならないためにも、自宅から通いやすい場所にあるか、またはオンラインでの打合せに対応している法律事務所を選ぶことをおすすめします。

まとめ

今回は、遺言書の作成を弁護士に依頼するメリット、遺言書の作成にかかる弁護士費用、遺言書の作成を弁護士に依頼する場合の流れ、遺言書の作成を依頼する弁護士の選び方などについて解説しました。

遺言書は自分で作成することも可能です。また、行政書士や司法書士などの法律の専門家に相談や依頼をすることもできます。しかし、相続人の間でトラブルが起こる懸念が少しでもある場合は、弁護士に遺言の作成から執行までを委任しておくと安心です。

私達、東京スタートアップ法律事務所は、遺産相続について不安や悩みなどを抱えている方々を全力でサポートさせていただきたいと考えております。数多くの相続問題を解決した実績を持つ弁護士が、ご相談者の状況やご希望などを丁寧にお伺いしながら、適切なアドバイスをさせていただきます。ぜひ安心してご相談・ご依頼ください。

弁護士砂原 惣太郎 大阪弁護士会
弁護士となった後から、個人や法人の債務整理・交通事故・相続・男女問題・債権回収・労働等の民事事件、中小企業法務を中心に業務を行う。相談者にとって身近で親しみやすい法律家となれるよう、意識して日々問題解決に取り組んでいる。