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更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

養育費の相場はどのくらい?決め方を年収や子供の人数ごとに解説

養育費の相場はどのくらい?決め方を年収や子供の人数ごとに解説
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離婚後に子どもを育てる親にとって、養育費は子どもの生活を支える大切な資金です。
しかし、「養育費はどのくらいが妥当なのか」「どうやって決めるのか」といった疑問を抱く方は少なくありません。

この記事では、年収や子どもの人数ごとの養育費の相場や、具体的な決定方法、注意点などをわかりやすく解説します。これから養育費を取り決める方にとって、安心して一歩を踏み出すための参考になれば幸いです。

養育費の近年の動向

令和3年度の全国ひとり親世帯等調査によると、ひとり親家庭における養育費の取り決め率は、母子世帯の母では46.7%、父子世帯の父では28.3%となっています。

実際に養育費を受け取っている割合は母子世帯の母では28.1%、父子世帯の父では8.7%にとどまっています。

養育費の取り決め方法を見ると、半分以上が判決や公正証書等でなされており、支払いの確実性を高める動きが進んでいます。養育費の平均月額は、母子世帯の場合50485円、父子世帯の場合26992円となっています。

参考:平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について

養育費の決定方法

養育費は、以下の算定式を用いて算出されます

子の生活費×{義務者の基礎収入÷(義務者の基礎収入+権利者の基礎収入)}

この計算結果を表にまとめた「養育費算定表」を裁判所が公開しており、家庭裁判所実務では基本的にはこの表に従って養育費が算定されます。

養育費の額を決定するために必要な要素は、「父母の収入」と「子の年齢、人数」です。

養育費を払うべき人の収入が高い、または、養育費をもらうべき人の収入が低いという事情があると、養育費の額は高くなりやすいです。

また、子の年齢が高かったり、子の人数が多かったりしても、養育費の額は高くなりやすいです。
また、子が私学に通っているために教育費が高額になる場合や、子が大きな怪我を負うなどしてより多額の治療費が必要になった場合も、これらの事情が考慮され養育費の額が高くなる可能性があります。

養育費の相場とは?

養育費の相場は、支払う側と受け取る側の収入バランス、子供の人数や年齢によって決まります。一般的に子供が多いほど、また年齢が高いほど金額は上がる傾向にあります。

※単位(万円)| 横軸がもらう側の年収、縦軸が払う側の年収。全て給与所得者の場合

【 子1人の場合(0~14歳)】

支払う側\受取側 0 150 300 450 600 750
0 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1
150 2 ~ 4 1 ~ 2 1 ~ 2 1 ~ 2 1 ~ 2 1 ~ 2
300 4 ~ 6 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4
450 6 ~ 8 4 ~ 6 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4
600 6 ~ 8 6 ~ 8 4 ~ 6 4 ~ 6 2 ~ 4 2 ~ 4
750 8 ~ 10 6 ~ 8 6 ~ 8 4 ~ 6 4 ~ 6 4 ~ 6
900 10 ~ 12 8 ~ 10 8 ~ 10 6 ~ 8 6 ~ 8 6 ~ 8
1,050 12 ~ 14 10 ~ 12 10 ~ 12 8 ~ 10 8 ~ 10 6 ~ 8

【 子1人の場合(15歳以上)】

支払う側\受取側 0 150 300 450 600 750
0 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1
150 2 ~ 4 1 ~ 2 1 ~ 2 1 ~ 2 1 ~ 2 1 ~ 2
300 4 ~ 6 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4
450 6 ~ 8 4 ~ 6 4 ~ 6< 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4
600 8 ~ 10 6 ~ 8 6 ~ 8 4 ~ 6 4 ~ 6 4 ~ 6
750 10 ~ 12 8 ~ 10 8 ~ 10 6 ~ 8 6 ~ 8 4 ~ 6
900 12 ~ 14 10 ~ 12 10 ~ 12 8 ~ 10 8 ~ 10 6 ~ 8
1,050 16 ~ 18 12 ~ 14 12 ~ 14 10 ~ 12 10 ~ 12 8 ~ 10

【 子2人の場合(どちらも0~14歳)】

支払う側\受取側 0 150 300 450 600 750
0 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1
150 2 ~ 4 1 ~ 2 1 ~ 2 1 ~ 2 1 ~ 2 1 ~ 2
300 4 ~ 6 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4
450 8 ~ 10 6 ~ 8 4 ~ 6 4 ~ 6 4 ~ 6 4 ~ 6
600 10 ~ 12 8 ~ 10 6 ~ 8 6 ~ 8 4 ~ 6 4 ~ 6
750 12 ~ 14 10 ~ 12 8 ~ 10 8 ~ 10 6 ~ 8 6 ~ 8
900 16 ~ 18 14 ~ 16 12 ~ 14 10 ~ 12 8 ~ 10 8 ~ 10
1,050 18 ~ 20 16 ~ 18 14 ~ 16 12 ~ 14 12 ~ 14 10 ~ 12

【 子2人の場合(第1子15歳以上、第2子0~14)】

支払う側\受取側 0 150 300 450 600 750
0 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1
150 2 ~ 4 1 ~ 2 1 ~ 2 1 ~ 2 1 ~ 2 1 ~ 2
300 6 ~ 8 4 ~ 6 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4
450 8 ~ 10 6 ~ 8 4 ~ 6 4 ~ 6 4 ~ 6 4 ~ 6
600 12 ~ 14 8 ~ 10 8 ~ 10 6 ~ 8 6 ~ 8 6 ~ 8
750 14 ~ 16 12 ~ 14 10 ~ 12 8 ~ 10 8 ~ 10 6 ~ 8
900 16 ~ 18 14 ~ 16 12 ~ 14 10 ~ 12 10 ~ 12 8 ~ 10
1,050 20 ~ 22 18 ~ 20 16 ~ 18 14 ~ 16 12 ~ 14 12 ~ 14

【 子2人(どちらも15歳以上 】

支払う側\受取側 0 150 300 450 600 750
0 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1 0 ~ 1
150 2 ~ 4 1 ~ 2 1 ~ 2 1 ~ 2 1 ~ 2 1 ~ 2
300 6 ~ 8 4 ~ 6 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4 2 ~ 4
450 8 ~ 10 6 ~ 8 4 ~ 6 4 ~ 6 4 ~ 6 4 ~ 6
600 12 ~ 14 10 ~ 12 8 ~ 10 6 ~ 8 6 ~ 8 6 ~ 8
750 14 ~ 16 12 ~ 14 10 ~ 12 8 ~ 10 8 ~ 10 6 ~ 8
900 18 ~ 20 14 ~ 16 14 ~ 16 12 ~ 14 10 ~ 12 10 ~ 12
1,050 22 ~ 24 18 ~ 20 16 ~ 18 14 ~ 16 12 ~ 14 12 ~ 14

養育費算定に関わる収入の調べ方

会社員

相手方が会社員であれば、源泉徴収票を確認しましょう。
源泉徴収票の「支払金額」が相手方の年収です。

源泉徴収票が入手できない場合、相手方の給与明細を確認しましょう。1か月分の給与×12で、おおよその年収が算定できます。ボーナス月の明細があれば、より正確な年収を算出できます。役場で発行できる所得証明の「給与の収入金額」を見ても、年収を把握できます。ただし、これは相手方の同意がなければ発行できません。

自営業者

相手方が自営業者であれば、確定申告書を確認しましょう。
確定申告書の「課税される所得金額」が、相手方の収入算定の基礎になります。

参考:平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について

ただし、「課税される所得金額」は、基礎控除や配偶者控除、医療費婚後に子どもを育てる親にとって、養育費は子どもの生活を支える大切な資金です。

「課税される所得金額」は、基礎控除や配偶者控除、医療費控除等、様々な控除がされた結果の金額であることに注意が必要です。基礎控除や配偶者控除は実際に支出されているものではない、医療控除については標準的に医療費は算定式上すでに特別経費として考慮されている等、相手方の基礎収入額を適切な額にするような主張をしなければなりません。

これらの主張は専門的な知識が必要ですから、弁護士と共に確定申告書を見て主張を組み立てる方がよいでしょう。

養育費を支払う期間

支払開始時期

養育費は、権利者が支払いを要求し、義務者がこれを確知した時から支払いを開始する義務が生じると解されています。

調停が申し立てられている場合、実務上は、調停申し立て時とされることが一般的です。
ただし、調停申し立ての前に内容証明郵便等による支払請求等、確実な請求がされた証拠があれば、その時点を支払開始時とすることができるでしょう。

そして、このように考えられていることから、明示的な請求がされるより前の期間分の養育費については、遡って請求することができないと考えられています。

支払終了時期

養育費の支払いは「20歳まで」と定められることが一般的です。
民法改正により、2022年4月1日から成人年齢は18歳となりましたが、家裁実務上養育費の支払いを18歳までとはしておらず、この成人年齢の引き下げは、養育費の終期には影響しません。

一般的に、20歳になるまでは社会的経済的に自立ができていないと考えられているからです。
子が4年生大学に進学したような場合、20歳になっても社会的経済的に自立したとはいえないでしょう。夫婦の話し合いで、子が大学に進学することが前提になっているような場合は、
「大学を卒業する日に属する月まで」と定めておくこともできます。

養育費を決める際の注意点

養育費について話し合う上では、注意すべき点がいくつかあります。

養育費を個人で判断するのは難しい

養育費は、子どもの将来にかかわる重要な取り決めですが、個人でその適正額を判断するのは簡単ではありません。なぜなら、養育費の金額は一律ではなく、両親の収入や子どもの人数、年齢など多くの要素によって左右されるためです。

また、監護親の就職や、監護親の再婚等の事情によっても、養育費の額は増減し、これらの多数の要素を専門家の助けなしに養育費の額に反映し、適切な取り決めをするのは非常に困難です。

また、取り決めの方法も、大学進学まで支払うのか、急に大きな手術が必要になった際の治療費はどうするのか、それらのことをどのような文章で定めておくのか、といった点も、専門家の助けなしでは非常に難しいでしょう。

間に弁護士を挟んで決める

上記のように、養育費の取り決めは非常に難解であるため、弁護士に頼むのが無難です。

また、離婚の話し合いをしている当事者は、相手との間で激しい感情的な対立があることが非常に多いです。当事者同士では話し合いが平行線で全く進まないということも考えられます。

このような場合も、弁護士を間に挟むことで、冷静な話し合いをすることができるようになります。

調停には時間がかかる

当事者間で話し合いができない場合、家庭裁判所に調停を申し立てることも方法の一つです。

ただし、調停は、非常に時間と労力がかかります。
早くても半年、長くなると数年行っても話がまとまらないという場合もあります。

また、2か月に1回程度、調停の期日に参加をし、相手の意見を聞き、自分の意見を述べるという作業を繰り返さなければなりません。
当事者にとっては、調停に移行することの負担は大きいです。

この点からしても、間に弁護士を入れることで冷静な話し合いを可能にし、調停に移行せずに話し合いで合意に至るのが望ましいでしょう。

まとめ

養育費は子どもの将来に関わる重要な取り決めであり、適正な額や確実な支払いを実現するには専門的な知識が不可欠です。相場を知るだけでなく、個別の事情に即した判断と、法的に有効な手続を行うことが大切です。

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執筆者 代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会 登録番号45484
東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士として、男女問題などの一般民事事件や刑事事件を解決してきました。「ForClient」の理念を基に、個人の依頼者に対して、親身かつ迅速な法的サポートを提供しています。
得意分野
不貞慰謝料 、 離婚 、 その他男女問題 、 刑事事件
プロフィール
京都府出身
同志社大学法学部法律学科 卒業
同大学大学院 修了
北河内総合法律事務所 入所
弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
東京スタートアップ法律事務所 開設
書籍・論文
『スタートアップの法務ガイド』中央経済社
『スタートアップの人事労務ガイド』中央経済社

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