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投稿日: 更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

家族が逮捕されたら生活はどうなる?家族ができることや報道などの影響を解説

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ある日、突然、ご自身の息子様や娘様が逮捕されてしまった場合には、

「このままだと、自分の息子が犯罪者になってしまうの?」
「身内が逮捕されたが、自分は何をしてあげればよいのか分からない…」

というように、どうして良いのかわからなくて頭が混乱してしまう人が多いと思います。

実際に、急に息子様などの家族が逮捕されてしまった場合、動揺して何も出来ない状態に陥ることもあるでしょう。

しかしながら、家族が逮捕された場合には、一刻も早く身柄を解放し、ひいては不起訴処分や無罪判決を勝ち取るために行動する必要があります。

今回は、身内が逮捕されてしまった時の流れや、逮捕後に行うべきことについて解説します。

身内が逮捕されることによる影響

身内が逮捕されると、本人だけでなくその周囲にも様々な影響が起こることを確認しておきましょう。

学校や職場を退学・解雇される可能性がある

逮捕されると、最終的に不起訴処分になるとしても、最大23日間身柄を拘束される可能性があります。

このため、息子様などのご家族が通常通り学校や職場に行くことは不可能です。

単純に勉学や仕事に支障が出るだけでなく、逮捕されたことを学校や職場に知られる可能性があります。

厳格な学校や会社であれば、逮捕されたということだけで退学処分・懲戒解雇になる場合もあります。

起訴されてしまった場合、さらに事態は深刻です。「前科」がつくことで、より懲戒解雇される可能性も高まり、再就職も難しくなります。

弁護士や国家公務員など、禁固刑以上の前科があるとその職業に就くことができないものも存在します。

実名報道により全国に知られ、誹謗中傷を受ける可能性がある

実名報道により、名前と犯罪の事実が全国的に知られてしまうと、本人や家族が、周囲から誹謗中傷を受けてしまう可能性があります。

近隣住民や職場の同僚、学校の友人などから「あの人の家族が逮捕されたから近寄らない方がいい」などと噂されるようになり、生活しづらくなってしまった結果、引っ越しや転職、転校せざるを得なくなってしまう可能性があるでしょう。

また、実名報道されてしまうことで、インターネット上で逮捕者やその家族の個人情報が晒されてしまい、自宅に嫌がらせをされたり、SNS経由で誹謗中傷のメッセージが届くこともあるでしょう。

一度インターネット上で個人情報を晒されてしまうと、もはやその損害を回復するのが困難になってしまう可能性が高いです。

生活環境を変えたとしても、インターネット上に顔写真や名前が残ってしまうと、どこに行っても誹謗中傷を受けるかもしれないという不安を抱えながら生活しなくてはならなくなるでしょう。

身内が逮捕された後の流れ

逮捕されると、身内はどうなってしまうのか。まずは逮捕された後の流れを解説します。

①逮捕される

逮捕には、暴行や傷害など事件現場で逮捕される「現行犯逮捕」と、後日家や職場等に警察官がやってきて逮捕される「後日逮捕」の2種類があります。

もし身内を逮捕しに警察官が家に来ても、身内を逃がしたり警察官を追い返そうとしたりせず、落ち着いて対応しましょう。

虚偽の供述をしてしまうと、当初捜査に協力的ではなかったとして、後に裁判になった際に不利に働く可能性があります。

②警察の取調べを受ける(最大48時間)

逮捕された後は警察署に連行され、取調べを受けます。

取調べの時間以外は、警察の留置場で過ごすことになります。

逮捕されている間は、家族であっても本人と面会できません。警察は逮捕後48時間以内には検察官に身柄を送検します。

しかし、弁護士であれば逮捕中留置場にいる間も、面会することができます。

弁護士が面会できる理由は、不起訴処分獲得のため、被疑者の犯罪の事実を明らかにするためですが、もちろん家族からの伝言などを逮捕された被疑者本人に伝えることも可能です。

③検察による勾留請求を受ける(最大24時間)

事件の送検を受けた検察は、被疑者の身柄拘束をさらに続けるかどうか24時間以内に判断します。

拘束を続けると判断された場合、送検を受けた検察官は勾留請求を行い、検察官からの勾留請求を受けた裁判官が勾留決定を出すことで、被疑者の勾留が決まります。

勾留が不要と判断された場合、被疑者は釈放されます。

このため、勾留請求を受けなければ拘束時間が最大でも72時間で済みます。

少しでも早く釈放されるために家族ができることとしては、弁護士に相談して本人と面会(接見)をしてもらい、勾留阻止のための活動や示談活動を行ってもらうことが肝要です。

④勾留(10日間〜20日間)

勾留期間は原則として10日間ですが、検察官の請求によりさらに10日間延長される可能性があります。

検察官は勾留期間が終わるまでに起訴か不起訴かを判断します。

この判断をするのに10日間では不十分と判断された場合、勾留延長の請求を行うのです。

逮捕・勾留を経た結果不起訴処分となった場合は、逮捕・勾留期間合わせて最大23日間の身体拘束に服し、その後釈放されます。不起訴となれば、刑罰はなく、前科はつきません。

ただ、起訴された場合はさらに勾留が続きます。

⑤起訴・刑事裁判(起訴後約50日)

一度起訴されてしまった場合、保釈が認められない限り、判決が出るまでは身柄を拘束され続けます

起訴された後の有罪率は99%以上と言われているため、なるべく起訴を避けるべく、家族が逮捕されてからすぐに弁護士に依頼するのが一般的です。

身内が逮捕されたらやるべきこと

では、息子様など自分の大事な家族が逮捕されてしまった時、とるべき対応はどのようなものなのでしょうか。

事実確認を行う

「家族が逮捕された」という連絡を受けたら、まずは冷静に事実確認を行いましょう

逮捕と言っても、その種類や刑罰の重みは様々です。強盗、殺人などの重い犯罪なのか、罪の種類を確認しましょう。

早急に弁護士に連絡をし、勾留を阻止するために動く必要があるでしょう。弁護士であれば、24時間いつでも逮捕中の本人との面会が可能です。

すぐに本人と接見を行い、勾留を阻止して身柄解放のために動いてくれる弁護士を選任しましょう。

この段階で身柄の解放が認められなければ、その後20日以上の長期の身体拘束に服する可能性が高くなります。

学校や職場に連絡する

息子様などのご家族が逮捕された場合、勾留が請求されなかったとしても最大で72時間身柄を拘束されます。

この間は、逮捕された家族は外部と連絡を取ることはできません。

家族の代わりに、学校や職場に欠席の連絡を入れてあげましょう

この時、逮捕の事実を伝えるかどうかは迷うところですが、正直に伝えるのが賢明です。
置かれている立場や状況によっても異なるので、その点のご判断はお任せしますが、弁護士と相談して決めても良いでしょう。

とはいえ、罪の中身まで適切に説明する必要はありません。

逮捕理由に関しては明言化せず、「まだ真偽がわからないのですが」と一言添えて伝えるようにしましょう。

実際、逮捕された時点では、「被疑事実がある」というだけで本当に犯罪行為に及んでしまったかどうかはわかりません。

このことは、刑事裁判を経て初めて確定されるのです。

弁護士に相談する

息子様など自分の身内が逮捕された際、家族としてはなるべく早く釈放してあげて欲しいと思うのは当然です。

しかし、被疑者の家族がいくら警察や検察に働きかけたところで、不起訴処分になったり罪が軽くなったりする訳ではありません

罪を軽くするためには、早め早めの段階で弁護士に依頼することが大切です。

逮捕後勾留が決まるまでは家族も面会することができませんが、弁護士であれば面会が可能なため、弁護士を通じて意思疎通を図ることもできます。

面会や差し入れを行う

逮捕後、もし勾留が決定された場合は、そのタイミングでは、家族の面会が可能です

逮捕された方は非常に大きな不安を抱えている状態であるため、なるべく面会や差し入れを行って精神面から支えてあげることが大切です。

ただし、弁護士以外の面会(接見)は、平日の昼間に限られるので注意が必要です。

弁護士であれば、365日、24時間いつでも本人との接見を行うことができます。

家族が逮捕されたらすぐに弁護士に相談

家族が逮捕されたら、日常生活に影響が出てしまうのを最小限に抑えるためにも、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

刑事事件の対応を弁護士に依頼するおもなメリットは次の4つです。

刑事事件の対応を弁護士に依頼する4つのメリット
  • 被害者との示談交渉を優位に進められる
  • 早期釈放を実現できる
  • 前科がつくのを回避できる
  • 減刑することで刑務所行きを回避できる

それぞれのメリットについて、具体的に解説していきます。

被害者との示談交渉を優位に進められる

刑事事件の経験豊富な弁護士であれば、被害者との示談交渉を優位に進めることができます。

刑事事件で逮捕された場合、早期釈放や不起訴処分を実現するためには、事件の捜査が進む前に被害者との示談をまとめることが重要です。

被害者と示談交渉を進める場合、逮捕されてる本人に代わって家族が交渉をおこなうケースがありますが、以下の理由から、加害者の家族が被害者と示談交渉をすることはおすすめできません。

【加害者の家族が被害者と示談交渉をするデメリット】
・被害者の連絡先がわからず、2次被害を危惧して警察からも連絡先を教えてもらえない
・被害者が加害者側に強い嫌悪感や恐怖感を持っていて、面会してくれない
・相場以上の莫大な示談金を要求される
・処罰感情が強く、交渉がスムーズにいかない

刑事事件の手続きは、厳格な時間制限のもとで進んでいきます。そのため、検察が起訴か不起訴の判断をする前に被害者との示談交渉をまとめないと、早期釈放や不起訴処分を実現する可能性が低くなってしまいます。

この点、弁護士に被害者との示談交渉を依頼すれば、次の点でメリットがあるといえるでしょう。

【弁護士が被害者と示談交渉をするメリット】
・捜査機関から被害者の連絡先を聞くことができる
・被害者との示談を迅速にまとめることができる
・個人よりも示談の成功率が高い
・適正な金額で示談をまとめられる

これらの理由から、刑事弁護における被害者との示談交渉は、弁護士に依頼するのがおすすめです。

早期釈放を実現できる

弁護士であれば、被害者との示談交渉や警察への弁護活動を通じて、早期釈放を実現することができます。

一度警察に逮捕されてしまうと、最大で23日間身柄を拘束されてしまうため、就業規則上退職せざるを得なくなったり、教育上よくないと判断された場合には学校を退学処分になってしまう可能性があります。

逮捕が長引けば長引くほど、その後の私生活に影響が出てしまう可能性が高くなるのです。

この点、弁護士が逮捕直後から被害者と示談交渉を進め、警察に対して逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがないことを主張することで、早い段階で身柄の拘束を解いてもらうことができます。

被害者の家族では、警察に対して説得力のある主張をすることは難しいことを考えると、専門家である弁護士に頼むことは、メリットが大きいものといえるでしょう。

前科がつくのを回避できる

弁護士が早い段階から弁護活動をすることで、不起訴処分になり、前科がつくのを回避することができます。

刑事事件では、仮に逮捕されたとしても、不起訴処分もしくは無罪判決を獲得すれば前科はつきません。

不起訴処分を獲得するためには、被害者との示談を速やかに締結させることが重要です。とくに、被害が軽微な事件であれば、被害者との示談交渉がまとまっていて、加害者自身が真摯に反省していることをアピールできれば、検察が不起訴処分の判断を下してくれる可能性が高くなります。

減刑することで刑務所行きを回避できる

仮に起訴されてしまったとしても、弁護士が適切な弁護活動をおこなうことで、執行猶予付の判決や、罰金刑を獲得できる可能性が高くなり、懲役刑を避けることができるでしょう。

刑事裁判では一度起訴されてしまうと99%以上の確率で有罪判決になってしまいます。

しかし、同じ有罪判決でも、執行猶予付きの判決や罰金刑などであれば、懲役刑のように身柄を拘束されることもなく、今まで通り日常生活を送ることができるでしょう。

法律や過去の裁判例と照ら合わせて、懲役刑を与えるほどではないことを適切に弁護することで、本来であれば懲役刑でもやむを得ない事情があったとしても、罰金刑に留めたり、執行猶予付きの判決を獲得することができます。

懲役刑で刑務所行きになってしまうと、今後の人生に大きな影響を及ぼしてしまう可能性があります。影響を最小限にするためには、早い段階から弁護士に相談することをおすすめします。

まとめ

息子様など、自分の大切な家族が逮捕されたときは、冷静に対応することが大切です

一度逮捕されてしまうと、不起訴処分の場合でも3日〜23日、起訴処分になった場合はさらに長期間身柄を拘束されてしまいます。家族が逮捕された時は、逮捕された本人も混乱しています。

家族も気を落ち着けて冷静にいられるようにしましょう。

また、具体的には、まずは勾留を阻止することによって本人の身柄を解放し、日常生活に戻してあげたうえで、今度は不起訴処分や起訴されたとしても受ける刑罰を少しでも軽くするために、弁護士に依頼するのがおすすめです

前科がついてしまうと職場を解雇され、再就職が困難になることもあるため、釈放後のサポートも重要です。

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執筆者 代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会 登録番号45484
東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。
「ForClient」を理念として自らも多くの顧客の信頼を得ると共に、2018年の事務所開設以降、2023年までに全国12支店へと展開中。
得意分野
ベンチャー・スタートアップ法務、一般民事・刑事事件
プロフィール
京都府出身
同志社大学法学部法律学科 卒業
同大学大学院 修了
北河内総合法律事務所 入所
弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
東京スタートアップ法律事務所 開設
書籍・論文
『スタートアップの法務ガイド』中央経済社
『スタートアップの人事労務ガイド』中央経済社

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