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更新日: 弁護士 宮地 政和

養育費の弁護士費用はいくら?内訳や相場、支払えない場合の対処法を解説

養育費の弁護士費用はいくら?内訳や相場、支払えない場合の対処法を解説
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養育費をめぐる問題は、子どもの生活に直結するだけに慎重な対応が必要です。

しかし、話し合いがうまく進まない場合や支払いが滞っている場合、弁護士に依頼することを検討する方も少なくありません。

その際に気になるのが「弁護士費用はいくらかかるのか」という点。

本記事では、養育費に関する弁護士費用の相場をわかりやすく解説し、費用を抑える工夫や支払えないときの対処法についてもご紹介します

養育費に関連する弁護士費用の内訳とは?

養育費を巡る法律問題では、弁護士費用が発生します。主に相談料、着手金、報酬金、日当・実費に分かれます。

法律相談料

法律相談料は、弁護士に養育費の相談をする際に発生する費用です。一般的には30分あたり5,000円〜1万円が相場となっています。初回相談を無料としている事務所もあり、気軽に利用できる場合もあります。依頼を検討する前に、状況を整理し、見通しを確認するための重要なステップです。

着手金

着手金は、正式に弁護士に依頼する際に支払う費用で、結果にかかわらず発生します。養育費の請求や調停・訴訟の手続きを依頼する場合、その内容や複雑さによって異なりますが、一般的な相場は10万円〜30万円程度とされています。分割払いに対応する事務所もあります。

報酬金

報酬金は、弁護士の活動により成果が得られた場合に支払う成功報酬です。養育費が支払われるようになった、もしくは増額された場合などに発生し、得られた金額の10〜20%程度が目安です。事前に取り決められるため、契約時に必ず確認しておきましょう。

日当、実費

日当は、弁護士が調停や裁判所への出廷など、事務所以外で業務を行う際にかかる費用です。1回あたり1万円〜3万円程度が相場です。また、郵送代や交通費、収入印紙代などの実費も依頼者が負担する必要があります。事前に明細を確認しておくことが大切です。

養育費に関連する弁護士費用は誰が払う?

原則として、弁護士費用は依頼者自身が負担します。養育費を受け取る側が弁護士に依頼した場合、その費用も本人の負担となります。ただし、調停や訴訟で裁判所が一部費用の負担を命じることもあります。経済的に困難な場合は、法テラスなどの支援制度も活用可能です。

養育費に関連する弁護士費用の相場

養育費に関連する弁護士費用の相場は、必要になる手続きや結果の内容によって変動します。以下の通り、各手続きや結果に応じた弁護士費用の相場を説明します。

協議離婚の場合

協議離婚では、当事者同士の話し合いで離婚条件を決定します。養育費に関しても同様に合意が必要ですが、話し合いが難航する場合は弁護士の介入が有効です。このケースでの弁護士費用は、着手金が10万円〜20万円程度、報酬金は養育費の合意額に応じて10〜15%前後が相場です。書面作成などの業務も含めると総額20万円〜30万円程度が一般的です。法的手続きを避けて合意形成したい場合には、最もコストを抑えられる方法です。

離婚調停・訴訟の場合

話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所での調停や訴訟に発展します。この場合、弁護士費用は着手金20万円〜40万円、報酬金は養育費やその他の成果の10〜20%程度が目安です。調停が不成立で訴訟へ移行する場合は、追加で10万円以上かかることもあります。裁判所への同行費(実費や日当)も発生します。複雑な事案や争点が多い場合は、費用も増加する傾向があります。全体の費用としては30万円〜60万円以上かかることも想定しておく必要があります。

公正証書の作成

養育費の支払いを確実にするために、公正証書を作成することがあります。弁護士に依頼する場合、書面作成と公証役場との調整にかかる費用として5万円〜15万円程度が相場です。これに加え、公証役場での手数料が別途必要になり、養育費の金額によって変動しますが、通常1万〜2万円程度です。合意内容が明確であれば比較的スムーズに進むため、協議離婚と併用して活用されるケースも多く、将来の未払いリスクを回避するためにも有効な方法です。

養育費未払いの請求・強制執行

養育費の支払いを確実にするために、公正証書を作成することがあります。弁護士に依頼する場合、書面作成と公証役場との調整にかかる費用として5万円〜15万円程度が相場です。これに加え、公証役場での手数料が別途必要になり、養育費の金額によって変動しますが、通常1万〜2万円程度です。合意内容が明確であれば比較的スムーズに進むため、協議離婚と併用して活用されるケースも多く、将来の未払いリスクを回避するためにも有効な方法です。

養育費未払いの請求・強制執行

養育費が支払われない場合、弁護士を通じて内容証明の送付や、家庭裁判所での履行勧告・間接強制、さらには強制執行の申立てを行うことになります。これらの手続きにかかる弁護士費用は、着手金が10万円〜30万円、報酬金は回収額の10〜20%程度です。強制執行には裁判所への申し立てや相手の財産調査も必要な場合があり、追加費用や実費(印紙代、郵券代)もかかります。確実に養育費を回収したい場合には、専門家による対応が効果的です。

養育費の変更

子どもの進学や親の収入変化などにより、養育費の増額・減額を希望する場合もあります。このような変更手続きには家庭裁判所への調停申立てが必要なことが多く、弁護士を通じて行う場合、着手金は10万円〜20万円、報酬金は変更額の10〜15%前後が目安です。変更調停がスムーズに進むか、相手方が争うかによっても費用は変動します。過去の支払い分にさかのぼって修正することは原則できないため、早めの対応が推奨されます。

離婚後の取り決め

離婚後に養育費の取り決めをしていない、または取り決めが曖昧な場合には、後から正式な合意を交わすことも可能です。このようなケースでは、協議による合意、公正証書作成、調停申立てなどが選択肢となります。弁護士費用は手続きの内容に応じて変動し、協議のみなら10万〜20万円、公正証書作成まで含めると15万円〜30万円程度が相場です。相手が支払いを拒否する場合は、調停・訴訟へ移行し、さらに費用がかかる可能性があります。

養育費の弁護士費用を支払えない場合の対処法

費用負担が難しい場合でも、自分で対応したり支援制度を活用することで養育費問題を解決できる方法があります。

自分で解決

経済的な理由から弁護士に依頼できない場合は、自分で相手と話し合いを進めたり、家庭裁判所へ直接申立てる方法があります。調停や審判の申立ては、裁判所の窓口や公式サイトで申請方法が公開されており、書類も入手可能です。また、公正証書の作成も、必要な条件を満たしていれば弁護士を介さずに公証役場で行うことが可能です。ただし、相手と感情的な対立がある場合や、法的な判断が難しい場面では、自力での対応には限界がある点に注意が必要です。

法テラスを利用

収入が一定以下であれば、「法テラス(日本司法支援センター)」の民事法律扶助制度を利用することができます。この制度では、無料法律相談(最大3回)のほか、弁護士費用の立替えを受けることが可能で、原則として毎月分割で返済する形となります。必要に応じて、公正証書の作成や養育費請求、調停・訴訟などの手続きも支援対象となります。申し込みには収入や資産に関する審査が必要ですが、条件を満たせば費用面の不安を大きく軽減できます。

弁護士に依頼

弁護士費用の支払いが不安な場合でも、柔軟な対応をしてくれる弁護士事務所を探すことで依頼が可能になることもあります。例えば、分割払いに応じてもらえる場合や、相談内容によっては初回相談無料・着手金の減額などを行っているケースもあります。近年では、養育費問題に注力する弁護士も増えており、費用体系が明確で負担を抑えたプランを提供する事務所もあります。まずは複数の事務所に相談して比較検討するのが良いでしょう。

養育費に関することを弁護士に相談するメリット

養育費問題を弁護士に相談することで、金額の見通しや手続き対応が明確になり、精神的・法的な負担を大きく減らすことができます。

① 請求可能な養育費の金額を把握できる

養育費は、子どもの人数や年齢、両親の収入などに基づいて算出されます。弁護士に相談することで、裁判所が基準とする「算定表」などをもとに、適正な金額を把握できます。相手との交渉や調停でも根拠ある主張ができるため、相手に不当に低い金額を提示されるリスクを避けることが可能です。また、将来を見据えた長期的な見通しもアドバイスしてもらえます。

② 相手とのやり取りを弁護士に任せられる

養育費の話し合いは、感情的な対立を招きやすく、当事者同士だけでは冷静な合意が難しいこともあります。弁護士に依頼すれば、相手との直接交渉を代理してもらえるため、ストレスやトラブルを大幅に軽減できます。また、法的知識に基づいた主張や対応ができるため、相手が話し合いに応じない場合にも有効な対応が可能になります。

③ 裁判所手続きの依頼ができる

調停や審判、訴訟など、裁判所を介した手続きには専門的な書類作成や法的知識が必要です。弁護士に依頼すれば、必要な書類の準備から提出、出廷までを任せることができます。特に、調停や訴訟は複雑な対応が求められるため、法的に不利にならないためにも専門家の関与が安心です。慣れない手続きを一人で行う不安を解消できます。

④ 養育費の増額・減額も交渉しやすい

子どもの進学や親の収入変化などにより、養育費の見直しが必要になることがあります。こうした増額・減額の交渉も、弁護士を通じて行えば合理的な理由を整理して主張でき、相手にも説得力をもって伝えることが可能です。また、必要に応じて調停の申し立ても行えるため、交渉が難航した場合の次のステップにもスムーズに対応できます。

⑤ 将来的な養育費のトラブルを未然に防ぐ

弁護士に依頼することで、合意内容を法的に有効な形で書面化したり、公正証書にするなどの対策が可能です。これにより、将来的に相手が養育費の支払いを怠った場合でも、スムーズに強制執行などの法的手段を取れるようになります。初期段階で適切な対応をしておくことで、長期的なトラブルを防ぎ、安心して子育てに専念できる環境を整えられます。

弁護士費用を抑えるための養育費未払いを防ぐ方法

未払いを防ぐ仕組みをあらかじめ整えておくことで、将来的な弁護士費用や法的手続きを抑えることが可能です。

① 公正証書などの債務名義を取得

養育費の支払いについては、口約束だけでなく公正証書を作成し、強制執行認諾文言を記載することが重要です。これにより、相手が支払いを怠った場合に裁判なしで強制執行が可能になり、弁護士に依頼して新たに訴訟を起こす必要がなくなります。確実性の高い債務名義を持つことで、未払いリスクを大幅に抑えられ、弁護士費用の負担も最小限にできます。

② 面会交流に応じる

支払い義務者が子どもと定期的に交流できている場合、心理的・道義的に養育費を支払おうとする意識が高まる傾向にあります。感情的な対立を避け、面会交流の機会を維持することで、未払いの発生率が下がるケースも多いです。信頼関係を維持する努力が、長期的な養育費の安定支払いとトラブル予防に直結します。

③ 養育費保証サービスを利用

民間の「養育費保証サービス」を利用すれば、相手の未払いリスクを肩代わりする仕組みを活用できます。保証会社が一定の審査を行い、未払いが発生した場合は立て替え払いを行い、その後に相手に対して回収を実施します。弁護士に回収を依頼するよりも迅速かつ安価に対応できる場合が多く、安定的な養育費の確保につながります。

養育費に関連する弁護士費用に関するよくある質問

養育費に関する弁護士費用は、法律相談、交渉、調停・訴訟代理など手続の内容に応じて異なり、一般に数万円から数十万円程度が相場とされています。費用の内訳や支払時期について、以下のような質問が多く寄せられます。

弁護士費用は分割払いできますか?

多くの弁護士事務所では、依頼者の経済状況に配慮し、弁護士費用の分割払いに応じている場合があります。特に養育費に関する事件は生活に直結するため、初回にまとまった費用を用意できない依頼者も少なくありません。分割回数や支払期間は事務所ごとに異なりますが、契約時に支払計画を相談し、合意のうえで分割対応がなされるのが一般的です。ただし、分割払いに応じない事務所もあるため、相談時に必ず確認することが大切です。

弁護士に依頼すれば必ず養育費をもらえますか?

弁護士に依頼することで、法的根拠に基づいた適正な養育費の請求や、調停・審判・訴訟などの手続きを適切に進めることが可能になりますが、「必ず養育費をもらえる」とは限りません。相手方の収入や資産状況、居所不明や支払い意思の有無などにより、回収が困難な場合もあります。ただし、弁護士が介入することで、強制執行の準備や履行勧告など実効的な対応が可能になり、養育費の支払いがなされる可能性は大きく高まります。適切な法的手段を講じることが、確実な受領への第一歩となります。

養育費の相場はどのように決まるのですか?

養育費の金額は、家庭裁判所が公表している「養育費算定表」に基づいて決定されるのが一般的です。算定表では、父母それぞれの年収、子の人数・年齢などをもとに標準的な金額が示されており、これを参考に協議や調停で話し合われます。ただし、子の特別な事情(私立学校の学費、障害など)や、親の資産状況、生活実態により、算定表と異なる金額が認められることもあります。弁護士に依頼すれば、個別事情に応じた適正な金額を主張しやすくなります。

法テラスの利用には条件がありますか?

法テラスの弁護士費用立替制度を利用するには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

  1. 資力基準を満たすこと:収入や資産が一定の基準以下であることが求められます。ただし、家賃や住宅ローン、医療費、教育費などの負担がある場合は、基準を超えていても考慮されることがあります。 
  2. 勝訴の見込みがないとはいえないこと:訴訟や調停などの法的手続きにおいて、勝訴や和解の可能性があると判断される必要があります。
  3. 民事法律扶助の趣旨に適すること:法的手続きが社会正義に適い、権利の濫用でないことが求められます。

まとめ

養育費に関する弁護士費用は手続き内容により異なりますが、相場や対処法を理解しておくことで、無用な出費やトラブルを防ぐことができます。費用が不安な場合も法テラスの利用や自力での対応、公正証書の作成など多様な選択肢があります。早めの相談がトラブル回避の第一歩です。

 

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執筆者 弁護士宮地 政和 第二東京弁護士会 登録番号48945
弁護士登録後、都内の法律事務所に所属し、主にマレーシアやインドネシアの日系企業をサポート。その後、大手信販会社や金融機関で信販・クレジットカード・リース業務に関する法務やコンプライアンス、プロジェクトファイナンスなどの経験を積む。これらの経験を活かし、個人の法的問題に対し、専門的かつ丁寧に対応しています。
得意分野
不貞慰謝料 、 離婚 、 その他男女問題 、 刑事事件 、 遺産相続 、 交通事故
プロフィール
岡山大学法学部 卒業 明治大学法科大学院 修了 弁護士登録 都内の法律事務所に所属 大手信販会社にて社内弁護士として執務 大手金融機関にて社内弁護士として執務
書籍・論文
『スタートアップの法務ガイド』中央経済社
『スタートアップの人事労務ガイド』中央経済社

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