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更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

夫婦の離婚危機は必ずある?離婚する夫婦の特徴や乗り越え方を解説

夫婦の離婚危機は必ずある?離婚する夫婦の特徴や乗り越え方を解説
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一度は生涯添い遂げることを誓い結婚した夫婦でも、生活を共にするうちにお互いの悪いところばかりが見え、気づけば夫婦間での会話がなくなる、関係が冷え切る、といったことはよく聞かれます。

その結果、離婚を考えるに至るご夫婦も少なくありません。

今回は、離婚の危険がある夫婦の特徴と、離婚の危機を乗り越えるための方法を、弁護士目線から紹介します。

離婚危機とは?症状と特徴

離婚をする場面では、法律上の離婚原因(不貞行為等の婚姻を継続しがたい重大な事由)があったり、すでに婚姻関係が破綻して修復不可能であったりすることがほとんどです。

ここで「離婚の危機」という場合、こうした離婚原因や破綻まではいかないが、夫婦関係が維持できるのか、それとも修復できず離婚するのか、その瀬戸際にある状態であるといえます。

夫婦間でまともな会話が交わされないだとか、お互い一緒にいる意味を見出せず、夫婦関係が冷え込んでいる状況は、離婚の危機にある代表的な症状といえるでしょう。

夫婦関係が冷え込む主な7つのサイン

離婚の危機といえるほどに夫婦関係が冷え込んでしまうことには、弁護士として見て、いくつかの予兆や原因があると思います。

その代表例をいくつか紹介します。

コミュニケーション不足

夫婦間で会話がなくなってくると、お互いの考えていることを伝え合えず、いさかいが生じたり、夫婦喧嘩に発展してしまったりすることが少なくありません。

価値観や意見の不一致

家庭や仕事に関する点から、休日や余暇の過ごし方といった細かな点まで、価値観や意見が違うことで、離婚の危機につながるケースもあります。

金銭面の問題

借金がある・浪費癖が治らないといった金銭的な問題も、夫婦関係が冷え込んでしまう要因となることがあります。

義理の家族との不和

離婚に至るケースの中には、義理の両親との間の関係性が原因となるものも少なくありません。

特に、配偶者が自分の親側の味方に付いた場合、この問題が顕在化することが多いようです。

モラハラやDV・明確な力関係がある

近年、モラル・ハラスメントやDVも離婚原因として挙げられます。

また、夫婦の一方が他方を見下しているような言動がある場合も、離婚の危機にあるといえます。

双方の経済力

夫婦間の経済力がアンバランスで、生活費がもらえないといった問題が出てきたり、逆に双方が共働きであるためあえて生活費を渡す必要もないだろうと考えてしまったりする場合も、離婚の危機が生じる要因となり得ます。

不貞やセカンドパートナーの存在・疑惑

不貞行為がある場合や、恋愛感情を共に抱いているようなセカンドパートナーがいる、もしくはいるのではないかという疑いが生じることも、離婚の危機につながる可能性があります。

危機レベルの見分け方と自己診断の方法

一口に「離婚の危機」といっても、その危機の程度には一定の段階があると思います。

離婚に至る最も危険な状態というと、もちろん婚姻関係が破綻した状態を指しますが、冒頭に紹介したような、まともな会話もなくなり冷え切った状態が、破綻一歩手前の「離婚の危機」にある状態といえるでしょう。

これに対して、夫婦喧嘩によって関係が悪化する場合もありますが、これはあくまでも一時的なものであることがほとんどです。
きちんとお互い話し合い、必要に応じて謝罪をすれば回復可能ですが、放置していると、離婚の危機にまで発展する可能性があり、注意が必要です。

喧嘩をしてもすぐに仲直りできるか否かが、最も端的な判断基準といえるでしょう。

離婚危機と一般的な夫婦喧嘩の違い

元々は性格も育ってきた環境も違う二人が一緒に暮らすわけですから、夫婦間で喧嘩をすること自体は、珍しくありません。

きっかけとしては、たとえば掃除や洗濯等の家事を分担してくれないだとか、いびきがうるさいだとか、客観的にはごく些細なものであることがほとんどです。
また、仲直りするまでの時間をさほど要しない点も特徴でしょう。

他方、離婚の危機に繋がる状態とは、その原因がもっと根本的なところにある場合が多いです。
すでに述べたモラハラ・DVや不貞・セカンドパートナーのほか、金銭的な問題やコミュニケーション不足といった、根深い要因に端を発している場合、事態が深刻化しやすいです。

また、初めは単なる夫婦喧嘩であっても、それが長く尾を引いて関係改善ができないと、離婚の危機に繋がってくるケースも見られます。

離婚危機に陥りやすい夫婦の特徴

この記事の冒頭で、離婚の危機に陥るサインをいくつか紹介しましたが、大きな原因として、夫婦相互でのコミュニケーション不足が当てはまるケースは極めて多いです。

また、離婚調停が申し立てられたケースに限定された統計ですが、最高裁判所が集計・発表している司法統計年報によると、離婚原因としては、男女ともに「性格が合わない」が1位となっており、広い意味で性格の不一致も大きな原因といえます。

参考:令和5年司法統計(最高裁判所)
https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/719/012719.pdf

以下では、この両者について、もう少し深掘りして見ていきます。

価値観やライフスタイルの不一致が原因のケース

多くのカップルは、結婚してから同居を開始するという流れになると思います。
そうすると、生活サイクルや金銭面に対する考え方が異なることを知ることになり、結婚前には見えなかった相違点が見えてくることも多いでしょう。

こうした相違点が浮き彫りになってきたとしても、お互いに話し合い、理解し合ったうえで解決策を模索したり、妥協点を探っていけたりすれば良いですが、それができないと、上手く折り合えず関係が悪くなり、最終的に離婚の危機に陥るケースは多いです。

具体的な案件でも、一方の仕事が忙しく残業続きであり、帰宅も深夜になることが多く、休日も出かけて家にいないことに対して、家族の時間を作れずに不満が溜まってしまい、離婚協議に入ってしまうご夫婦も珍しくありません。
また、一緒に生活していく中で、想像よりお金遣いが荒く、生活費もまともに入れてくれないといったことが原因で、すり合わせができずに離婚の危機を迎えるケースもあります。

コミュニケーション不足で溝が深まるパターン

離婚に至るご夫婦の中には、コミュニケーション不足が原因であることも極めて多いです。

最初は愛し合っていたはずの二人も、いつしか一緒にいることが当たり前になり、「言わなくても分かるだろう」、「そのぐらい察してほしい」と相手に求めてしまう結果、軋轢が生じることが離婚の危機につながるケースが散見されます。

過去の案件でも、夫婦間での会話がなくなったことで夫側が家庭内で肩身の狭い思いをしてしまい、他の女性と不倫関係になってしまったケースで、相手方である妻側と話し合った中で、お互いの不満に感じていたことや考えていたことをすり合わせていくことで、最終的には離婚をせずに家庭の再構築を目指すことにされたご夫婦もおられます。

人間はエスパーではありませんから、他人の考えていることは本来分からないはずです。
まして、結婚前は別々の環境で育ってきた同士なのでなおのことでしょう。
だからこそ、お互いに考えていることや感じたことを、言葉やリアクションとして表現し合うことが、円満な結婚生活には必須なのかもしれません。

離婚する夫婦に共通する4つの特徴

弊所では、これまでにも多くの離婚案件について、ご相談・ご依頼を頂いてきました。

そうした対応実績の中で、離婚されるご夫婦には、概ね以下の共通する特徴がみられると考えています。

離婚調停を申し立てる理由としては、すでに述べたように「性格が合わない」が最多ですが、その背景は、もう少し詳細で根深い問題があるのでは、と感じています。

ここでは、そうした共通する特徴について紹介します。

尊敬や感謝の言葉が消えた関係

夫婦に限らず人間関係全般に言えることですが、お互いにリスペクトをもって接し、感謝を忘れないことが、円滑なコミュニケーションにおいては欠かせない要素だと思います。
しかし、生活を共にしていくうちに、そうした当たり前のことさえも忘れてしまうケースが、離婚されるご夫婦については非常に多いと感じます。

何かをしてもらえば「ありがとう」、自分に落ち度があれば「ごめんなさい」と言うのは、子どもの頃から教わることのはずですが、次第に、「やってもらって当たり前」、「あえて言わなくても伝わっている」という考えに陥り、いつしかパートナーへの尊敬や感謝を、言葉にして表現することを忘れてしまうと、思いやりを欠くことになってしまい問題です。

問題解決よりも非難を優先してしまう

民法上、婚姻した夫婦は「同居し、互いに協力し扶助しなければならない」とされています(民法第752条)。
法律上の義務と言えば堅苦しいですが、要するに、何か問題が生じた際には、お互いに協力し合って乗り越えていくことが必要となるわけです。

しかし、離婚されるご夫婦は、トラブルが生じた際に、それを乗り越えて解決したりするのではなく、その原因を探って、どちらに責任があるかばかりにこだわることが非常に多いです。
原因を探ること自体は、同じ問題が起きないようにするためには建設的な面もありますが、それがお互いを非難することに使われるなら本末転倒です。

「あなたが言ってくれればこんなことにはならなかった」、「お前がこうしなかったから悪いんだろう」…これらはいずれも、問題を解決して将来に向かって協力し合う「未来」目線ではなく、過去の出来事を回顧して責任追及に没頭する「過去」目線に終始した発言と言えます。

相手の話に耳を傾けられなくなった状態

コミュニケーションを上手に取っていくためには、相手の要望や考えをしっかり傾聴することが不可欠です。

もちろん夫婦関係でも、パートナーが何を考えているのか、どうしてほしいと思っているのかに、まずはしっかり耳を傾けていくことが肝要です。
離婚に至ってしまうご夫婦のケースでは、こうした「傾聴」の姿勢を失ってしまっていることが散見されます。

このような状況の背景には、相手へのリスペクトの欠如もそうですが、「自分の考えが正しい」、「相手の考えは間違っている」という善悪判断や上下関係があるように感じます。

本来は多様な意見や考え方があるはずで、それらをすり合わせていくべきはずですが、自分の意見が正しく相手が間違っていると考えてしまうと、相手の話を聞く意味がない、だから傾聴する価値がない、と結論づけてしまう傾向があるのかもしれません。

一緒にいる時間を避けるようになったサイン

夫婦関係が円満である場合、夫婦で一緒にいる時間は必然的に多くなると思います。
言葉を交わすことも頻繁でしょうし、コミュニケーションを取れている分、お互いに距離を感じさせることもないはずです。

しかし、離婚の危機に直面しているケースや離婚が近いケースでは、夫婦が一緒にいる時間は、少なくなっていくケースが多いです。これは、物理的に距離が離れるだけでなく、心理的な距離についてもいえることです。

お互いの距離感が強くなってくると、次第に、「この人と一緒に暮らしていくことができないかも」という考えが強まっていき、最終的には、「もう修復していけない」、「このままでいいや」と諦めてしまう状態に陥り、結果、いわゆる仮面夫婦や家庭内別居に繋がることも珍しくありません。

離婚危機を乗り越えるための専門家の助言

程度の差こそあるでしょうが、どのご夫婦にも、離婚の危機が訪れる可能性はあります。

そうした状況に直面した時に、解決に向けて動き出せるのか、それともそのまま離婚に向かって進んでいくのかは、危機に対してきちんと対処できるか否かにかかっています。

ここでは、弁護士としての目線から、離婚の危機を乗り越えるための方策を紹介します。

夫婦カウンセリングの効果と選び方

夫婦同士だけで話し合うことは重要ですが、そうした話合いが難しい場合は、「夫婦カウンセリング」を利用することも考えられます。

「夫婦カウンセリング」とは、夫婦間の話合いに第三者として介入し、双方の対話のサポートを行うものです。
一般的には、夫婦が揃ってカウンセラーのもとを訪れ、双方の話を聞くことを中心に進めることになります。
カウンセラーとしては、臨床心理士や公認心理士が担当することもあるようです。

特徴は、あくまでも夫婦双方の気持ちや考え、問題点と向き合っていくことで、関係改善と今後の道筋を共に模索していく点にあります。
第三者を介在するものでも、離婚を前提とした調停とは異なりますし、治療としての側面がある心療内科等のカウンセリングとも異なるアプローチです。

カウンセラーとともに問題点と向き合うことで、離婚の危機の原因となっている要因を洗い出して見つめなおすことができたり、自分たちの感情を整理できたりします。
これによって、夫婦関係の改善や離婚回避を期待できます。

離婚を回避した夫婦の成功事例

離婚の危機を乗り越えるための方法としては、夫婦間で話し合ってコミュニケーションを図ったり、夫婦カウンセリング等の第三者を通じて話し合ったりすることも考えられます。
また、いったん別居して距離を置いてみる方法や、弁護士に相談する方法もあります。

過去にご依頼頂いた案件で、男性側からすでに別居中であり、離婚したいということで、弁護士から妻に連絡をし、離婚したいと考えるに至った夫の考えを伝えたところ、妻は、夫がそうしたことを考えているとは知らず、驚きを隠せない様子でした。

詳しく聞くと、夫の仕事が忙しく会話をする機会がなかったため、夫が何を考え、何を不満に思っているか気づけなかった、妻自身も、夫に対して疎外感を感じていたとのことでした。
そこでその内容を夫にも伝え、話合いを促したところ、お互いの考えをすり合わせることができ、最終的には離婚を回避できた、というものでした。

もちろん話合いをしてコミュニケーションを取ったことも大きいですが、別居して距離を置いたことで、お互いの存在を再認識できたという点も作用したのではないかと、いま振り返ると感じるところです。

まとめ

結婚生活には、幸せなことや良いことばかりではなく、時には苦境や困難が訪れることも当然あります。
それを乗り越えるためには、話合いをするなど様々な方法があると思いますが、弁護士の力を借りることで、離婚に至るだけでなくそれを回避することもできるのではないか、と感じているところです。

自分たちだけで解決したい、離婚しないのに弁護士に相談してよいのか、と考えることはありますが、まずは夫婦関係がこじれる前に一度、弁護士に相談していただくことが、関係修復にとっても有効な場合があることを、本記事から感じていただけると幸いです。

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執筆者 代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会 登録番号45484
東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士として、男女問題などの一般民事事件や刑事事件を解決してきました。「ForClient」の理念を基に、個人の依頼者に対して、親身かつ迅速な法的サポートを提供しています。
得意分野
不貞慰謝料 、 離婚 、 その他男女問題 、 刑事事件
プロフィール
京都府出身
同志社大学法学部法律学科 卒業
同大学大学院 修了
北河内総合法律事務所 入所
弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
東京スタートアップ法律事務所 開設
書籍・論文
『スタートアップの法務ガイド』中央経済社
『スタートアップの人事労務ガイド』中央経済社

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