協議離婚とは何?調停離婚との違い、手続き、弁護士依頼にかかる費用目安を徹底解説
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記事目次
夫婦間で離婚を検討する際、まずは二人で話し合いをするという流れが一般的かと思います。
このように話し合いで成立した離婚のことを協議離婚といいます。
日本では、離婚をするほとんどの夫婦がこの方法を選択していますが、離婚についてインターネットで調べると、調停や裁判といったキーワードも目にするのではないでしょうか。
どういった方法を取るべきなのかは、それぞれの状況によって変わります。
そこで今回は、
・協議離婚のメリットやデメリット
・協議離婚の方法
・協議離婚で取り決めるべき離婚条件
・協議離婚を円滑に進めるためのポイント
などについて解説していきます。
離婚を検討されている方や、現在離婚協議中の方は、是非最後までご覧ください。
協議離婚とは?
協議離婚とは、裁判所を利用することなく、夫婦本人同士で話し合って離婚条件を定め、離婚届を提出する場合をいいます。
離婚には、裁判所を通した手続によって行うものもありますが、任意での夫婦間の話合いで条件を取り決められるならば、それを踏まえ離婚届を役所に提出するだけで離婚が可能です。
実際にも、離婚される場合の大多数が、協議離婚のケースであるといわれています。
協議離婚以外の離婚方法について
離婚をする方法には、協議離婚以外にも、裁判所を通した手続によるものもあります。
- 調停離婚
調停離婚とは、離婚を求める側の配偶者が、裁判所に対して調停を申し立てることによって行われる離婚です。
裁判所を通すものですが、実際の進行は、2名の調停委員と呼ばれる第三者を介して、夫婦相互の主張や条件についての意向を伝えあい、協議をすることがベースになります。
- 裁判離婚
裁判離婚とは、離婚調停の中でも、離婚の可否や離婚条件で合意ができなかった場合に、離婚を求める側の配偶者が、訴訟を提起することによって行われる離婚です。
ここでは、話合いではなく裁判所が、双方の主張や証拠関係を吟味して、離婚原因が認められるか否か、離婚を認めるべきか否かを判断することになります。
以上の各類型について、特徴やメリット・デメリットを表にまとめると以下のようになります。
特徴 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
協議離婚 | 夫婦本人同士での話合いによってされる | ・早期の解決が可能 ・他の手続と比べ負担が小さい ・柔軟な解決が可能 |
・相手方が合意しないと離婚できない ・冷静な話合いができない・場合によっては話合いをすべきでないケースもある |
調停離婚 | 裁判所において、第三者である調停委員を通じて話合いによりされる | ・相手方本人と直接顔を合わせなくてよい ・ある程度柔軟な解決が可能 |
・時間がかかる ・負担が大きい ・相手方が合意しないと離婚できない |
裁判離婚 | 裁判所が、法律上の離婚原因の有無等を判断し、離婚の可否・条件を判断する | ・相手方の意向に関係なく決着がつく ・条件次第では、和解による解決も可能 |
・時間がかかる ・負担が大きい ・柔軟な解決ができない場合が多い |
協議離婚におけるメリット・デメリットとは?
夫婦間で話し合って離婚とその条件を決めていく協議離婚には、主に、以上の表に記載されているようなメリット・デメリットがあります。
以下では、その内容をより細かく紹介します。
協議離婚のメリット
協議離婚は、当事者同士での話合いによって、離婚やそれに伴う条件(親権、財産分与、慰謝料等)を決めていくものです。
そのため、話合いがまとまれば短期間で解決できる可能性が高いです。
また、裁判所を通して手続をするものではないので、裁判所への出頭といった負担もありません。
また、話合いの中で細かな条件を詰めていくこともできる等、柔軟な解決も目指しやすいです。
協議離婚のデメリット
他方、あくまでも話合いであるため、夫婦のうちどちらかが納得をしなければ、解決することはできません。
また、弁護士等の法律の専門家がいない場合、離婚条件に関して相場とかけ離れた内容での合意になってしまったり、定めるべき条件について定めたり協議をしたりしないまま離婚をしてしまい、その後にトラブルになってしまう可能性もあります。
また、代理人を通さない場合、自分で話合いをする必要があり、多少なりともストレスがかかります。
特にDVが離婚原因となる場合には、自身の権利を十分主張できない可能性があるだけでなく、被害が悪化してしまうおそれもあります。
協議離婚を切り出す方法
離婚を決意した場合、まずは相手方に、離婚したいという自分の意思を伝えることが必要です。
そこから離婚に関する交渉が始まるのですが、このような協議離婚の切り出し方には、いくつかの方法が存在します。
以下では、離婚の切り出し方の主な方法を紹介します。
①口頭
まず、相手方に口頭で、離婚の決意を伝え、協議を申し出る方法があります。
口頭で伝える場合、対面での話になれば本気度合いも伝わりやすいですが、半面、以下の点に注意するのが適切です。
- 離婚したい理由や考えを整理してから伝えるようにする
- 感情的になって、相手を傷つけたり非難したりするような話し方をしない
- 一度で決着をつけようとしない
- 子どもがいる時には切り出すのを避ける
②メールやLINE
メールやLINEで、離婚の意思を伝える方法もあります。
相手と直接顔を合わせる必要がないので、自分の考えを整理してから伝えることが可能ですし、特にDVをするような相手であれば、離婚を伝えることで相手がヒートアップして、被害が増大することも回避できます。
もっとも、場合によっては、軽く受け取られたり、なぜ直接伝えてくれないのかと不満を抱かれたりする可能性があるのには、注意すべきでしょう。
③内容証明郵便
内容証明郵便とは、いつ、誰が誰に対して、どのような内容の郵便を送ったのかを、日本郵便が証明してくれるサービスです。
内容証明郵便を送ることで、離婚の意思表示をしたことを証拠として残せます。
また、離婚への本気度も高いということが伝わりやすく、精神的なプレッシャーを与えることも可能です。
内容証明郵便を送付する際、記載すべき主な内容は以下の事項が挙げられます。
- 協議離婚を求める旨の申入れ
- 希望する離婚条件(親権、財産分与、慰謝料、年金分割等)
- 回答の期限、期限を徒過した場合の法的措置等
協議離婚で取り決めるべき離婚条件
協議離婚を急ぎすぎてしまうと、本来決めるべき離婚条件を決められず、あとから問題が蒸し返されてしまう可能性があります。
せっかく離婚が成立した後になってこうした事態を避けるためにも、離婚条件についてしっかりと協議をし、取り決めをしておくことが肝心です。
以下では、主に取り決めておくべき離婚条件を紹介します。
①慰謝料
離婚における慰謝料とは、離婚に伴って受けた精神的損害に対して、これを金銭的に評価して填補する意味合いで支払われるものです。
慰謝料は、およそ離婚した場合に発生するとは限らず、たとえば不貞行為やDV等の事実があった場合にのみ発生するものです。
慰謝料の相場は、離婚原因に当たる行為の悪質性等によっても異なりますが、一般的には50万円から300万円程度といわれています。
②財産分与
財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に築き上げてきた財産を、離婚に伴って公平に分配することをいいます。
分配割合は、基本的に2分の1ずつとされます。
このことは、夫婦が共働きであっても、専業主婦(専業主夫)であり無収入であっても変わりません。
財産分与の対象となる主な財産は、以下のとおりです。
- 現金、預貯金口座の残高
- 不動産
- 自動車
- 株式等の有価証券
- 退職金
- 住宅ローン、借入金等の債務
③年金分割
年金分割とは、婚姻期間中の年金の納付記録を夫婦で分割する制度をいいます。
年金制度は、大きく国民年金と厚生年金のいわゆる「二階建て」構造で構築されていますが、年金分割の対象となるのは、このうち厚生年金の部分のみとなります。
年金分割の方法には、大きく分けて、夫婦が合意して行う「合意分割」と、国民年金第3号被保険者に該当する方が、離婚後に一人で手続を行って進める「3号分割」があります。
④親権
親権とは、未成年の子の身上の世話と教育を行ったり、子の財産の管理を行ったりするために父母に認められる権利義務をいいます。
未成年の子がいる場合、離婚時点で親権者を定める必要があります。
親権者がどちらになるのかを記載する欄が、離婚届にも設けられていて、ここに記載がないと受理してもらえません。
協議離婚においては、夫婦の話合いによって親権者を決めることになりますが、協議がまとまらない場合は調停となります。
ここでは、これまでの子の養育状況や離婚後の養育環境、子の年齢によっては子の意向等を踏まえ、決定されます。
⑤養育費
養育費とは、子が成年に達し、経済的に自立するまでの養育に必要となる費用をいいます。
親子については、離婚した後であっても扶養義務は継続します。
したがって、親権を取得せず子と離れて暮らす親は、子と一緒に暮らして監護をしている親に対して、養育費を支払う必要があります。
養育費については、一般に、請求した時から支払義務が生じると考えられています。
そのため、養育費について取り決めずに離婚をした場合、離婚後から請求するまでの機関の養育費をもらえない可能性があります。
養育費を取り決める際には、以下の点を話し合って決定しておくべきです。
- 養育費の月額
- 養育費の終期(18歳の成年までか、大学卒業までか、等)
- 支払方法と支払期限
- 特別に費用がかかることとなった場合の取扱い
(子が病気やけがをした場合、私立学校に入学することになった場合、等)
⑥面会交流
面会交流とは、子を監護していない親と子が、定期的に会ったり、電話・ビデオ通話等の方法によりやり取りをしたりして、交流することをいいます。
離婚すれば、子を監護しない親と子は同居しなくなるのが通常であり、交流が難しくなるケースが多いです。
面会交流によって、別居状態にある親と子の精神的つながりを維持することができ、親の権利としてだけでなく、子の健全な成長のためにも必要であると理解されています。
面会交流について協議する際には、以下の点を話し合うのが重要です。
- 交流の頻度はどうするか(月に●●回、等)
- 交流の方法はどうするか(対面で会う、電話・ビデオ通話による、プレゼントをする、等)
- 交流の時間と場所
- プレゼントやお小遣いを渡すにあたってのルール(金額、頻度等)
協議離婚の際には離婚協議書を作成した方がいい?
話合いの結果、すべての離婚条件について決まったら、必ず離婚協議書を作成するべきです。
というのも、協議離婚では、裁判所を含め第三者が介在しません。
そのため、せっかく話合いをして離婚条件を合意したとしても、記録がないと口約束にとどまってしまい、あとから合意内容について、言った・言わないという争いになってしまうからです。
離婚協議書を作成すれば、合意した離婚条件が明確になり、あとから合意の有無が争いになることを回避できます。
協議離婚における離婚届けの提出方法
離婚条件を合意し、離婚協議書を作成した後で、離婚届を提出すれば離婚成立となります。
離婚届の提出にあたっては、離婚届のほかに、下記の二点を準備する必要があります。
- 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 本人確認書類
そのうえで、
- 夫婦の本籍地の役所
- 夫又は妻の住民登録地の役所
上記のいずれかに提出することが必要ですが、本籍地の役所に提出する場合には、戸籍謄本は準備しなくても良いです。
離婚届が問題なく受理されれば、法律上、届出日に協議離婚が成立したということになります。
以下では、離婚届に関して特に注意すべき点を解説します。
離婚届には2人の証人が必要
協議離婚のために離婚届を提出する場合、離婚届に、2人の証人による署名が必要です。
離婚は夫婦関係に変動を生じる重大な身分行為であることから、虚偽の届出がされないように、第三者である証人により、真正な離婚であることを確認することが求められているのです。
証人になる資格に制限はありません。当事者の夫婦以外で成人している人であれば、誰に頼んでも問題ありません。
一般的には、親族や友人が証人となるケースが多いようですが、弁護士や証人代行業者に依頼することもできます。
証人の役割は、夫婦の離婚が真正なものであることを確認するだけです。
したがって、証人になっても、何らかの法的責任を負担することはありません。
離婚届を無断提出されるおそれがある場合
相手方が「早く離婚したい」、「不利な条件で合意したくない」などと考えて、勝手に離婚届を提出してしまうケースがあります。
この場合も、役所は、離婚届の記載等に形式的な不備があるかどうかを確認することしかできないため、形式上問題ないと判断されれば、そのまま受理されてしまいます。
こうした事態を防ぐには、あらかじめ「離婚届不受理申出」を、申出人の本籍地又は住民登録地の役所で行っておく方法があります。
不受理申出をすれば、申出人がこれを取り下げない限り、離婚届が受理されることはありません。
もし不受理申出が間に合わず、先に虚偽の離婚届が受理された場合には、家庭裁判所に、協議離婚無効確認調停を申し立てる必要があります。
協議離婚を円滑に進めるためのポイント
協議離婚は、基本的には夫婦本人だけで話し合って行われるため、場合によっては思うように協議が進まないことも考えられます。
話合いが途中で頓挫せずにスムーズに進めるためには、主に以下の三点が重要といえるでしょう。
話し合う内容を事前にまとめておく
協議離婚に入る前に、まずはしっかりと準備をしておくことが必要です。
具体的には、話合いを通じて決定すべき事項を整理し、それぞれについて自分の希望を考えておくと効果的です。
整理の方法としては、たとえば下記のように分けておくと分かりやすいかと思います。
- 金銭面に関する事項:財産分与、慰謝料等
- 子どもに関する事項:親権、養育費、面会交流等
相手の不倫やDVを理由に慰謝料請求も検討している場合は、その事実を裏付ける証拠も事前に収集、準備しておくと良いでしょう。
感情的にならず冷静に話し合う
離婚を検討している以上、それぐらい夫婦関係が悪化しているわけですから、相手に対して言いたいことは山ほどあるはずです。
しかし、感情的になってそのまま相手を非難するような言動を取ることは、却って、離婚協議が円滑に進むことを阻害するおそれがあります。
あくまでも話合いですから、相手の意見や要望にもきちんと耳を傾けて、お互いが合意可能な妥協点を探っていくことを心掛けていきましょう。
離婚した後の生活も考える
仮に協議離婚が上手く行ったとしても、その後の生活が成り立たないことは望ましくありません。
離婚によって生活は一変しますので、離婚協議を始める前に、離婚後の生活についても見通しをつけておくことも必要です。
特に、婚姻期間中に専業主婦(主夫)であった場合や、アルバイトやパートで勤務していた方の場合は、離婚後の生活費を確保すべく、仕事を確保しておく必要はあるでしょう。
別居するのであれば、新たな住まいを探しておく必要もあります。
子を監護する予定がある場合には、子の転校が必要になったりすることもあるでしょう。
親の離婚は子にとってもストレスになるため、環境が大幅に変わりすぎないように配慮する必要も生じます。
協議離婚がまとまらない場合の対処方法
相手方が離婚自体を拒否していたり、離婚条件の交渉に難航していたりする場合には、協議離婚をまとめられる可能性が低くなりがちです。
このような状況になった場合には、以下のような対応方法が考えられます。
別居する
離婚協議が頓挫しそうで、まとまる兆候が無さそうな場合には、別居をしていったん距離を置くことも有効です。
話合いの中ではお互いボルテージが高まっていて冷静でなくとも、距離を置き相手と離れる時間を作ることで、お互いに心理的にも落ち着き、冷静に話し合える可能性が高まります。
また、別居期間が長期間にわたると、それ自体が婚姻関係の破綻という離婚理由を根拠づける事情として、判断される可能性があります。
一般的には、3年から5年程度の別居期間が必要と考えられています。
なお、別居開始に当たっては、収入が低い方のかたであれば、婚姻費用を相手に請求することも検討すべきですし、収入が高い方のかたも、悪意の遺棄に該当するとして有責配偶者にならないよう、基本的には請求に応じる方向で対応するのが好ましいでしょう。
弁護士に協議を依頼する
本人同士で話合いを行っても、お互い感情的になるばかりであったり、要求が不当に高いものになってしまい、話合いが平行線となったりする場合も少なくありません。
このような場合には、相手との協議を弁護士に依頼することも有効です。
代理人を通じて話し合うことで冷静に協議できるだけでなく、法解釈や裁判例といった法律的知識を踏まえ、適切な条件での合意に向けて調整していくことも可能になるためです。
離婚に詳しい弁護士であれば、離婚協議特有の交渉の勘どころも押さえていますから、より満足のいく結果を得られる可能性も高まります。
離婚調停申立てをする
当事者同士や弁護士を通じて話し合っても合意に至らない場合には、離婚調停を申し立てるのが良いでしょう。
調停とは、家庭裁判所において、第三者的な立場にある調停委員を通じて、双方の意向を伝えあいつつ、離婚条件を話し合っていく手続です。
調停委員は、男女1名ずつで構成されるもので、社会経験豊富な一般有識者から選ばれます。
双方の意見も聴き取りつつ、適切な解決案を提示してくれることもあり、当事者限りの話合いよりも円滑な話合いが可能です。
協議離婚を弁護士に相談・依頼するメリット
夫婦間で協議離婚を進めていると、なかなか話合いがスムーズに進まない局面もあることでしょう。
たとえば、相手方が法外な請求に終始する場合や、説得しても離婚自体に応じてくれない、といった場合です。
DVやモラハラを受けている場合には、そもそも協議自体が難しいケースもあるでしょう。
その場合には、法律の専門家である弁護士に相談するのが効果的です。
弁護士に依頼できれば、法的な知識や交渉力において優位に立ちやすくなりますし、交渉も弁護士に任せることができますので、精神的な負担を大きく軽減できるというメリットがあります。
自分が弁護士を立てれば、相手も弁護士を立てることが予想されますが、その場合に離婚交渉が膠着状態になったとしても、弁護士同士の方が交渉はスムーズに進む可能性が高いです。
というのも、特に離婚問題に精通した弁護士であれば、離婚条件について法的に妥当なラインを判断できますし、弁護士から依頼者に対して、法的な観点からアドバイスを行うことも期待できます。
協議離婚を弁護士に相談・依頼する場合の費用目安
協議離婚について弁護士に依頼する際の費用は、着手金としては20万円から30万円程度、報酬金としても同額程度とされるのが一般的かと思われます。
ここでは、それぞれの内容について紹介します。
着手金とは
着手金とは、事件を依頼する際に必要となる費用を指します。
報酬金とは
報酬金とは、事件が解決した後に、その成果に応じて決まる費用を指します。
離婚については、離婚が成立したこと自体に対する報酬のほかに、相手から回収できた金額、又は相手の請求から減額できた金額に応じて、報酬金額が変動する場合が多いです。
具体的な弁護士費用は、各法律事務所によっても異なるので、相談時には確認をしたり、見積もりを出してもらうようお願いしたりするのが良いでしょう。
協議離婚に関するよくある質問
以下では、協議離婚に伴って疑問点となるポイントについて、個別に紹介します。
協議離婚の成立まではどの程度の期間がかかる?
協議離婚の成立までの期間は、夫婦によって様々です。
離婚するかどうか自体や離婚条件について争いがなく、スムーズに進めば、離婚を切り出したその日に離婚届を提出することもできますが、一方が離婚に反対していたり、離婚条件で譲歩できない点があったりする場合には、1年以上かかってしまうこともあります。
この場合には、早期に調停に移行するのがベターでしょう。
なお、早期に離婚が決まった場合にも、離婚条件で取り決めに漏れがないかはチェックすることが重要です。
協議離婚の話合いに第三者に立ち会ってもらえる?
協議離婚の方法には、法的なルールはありません。
したがって、夫婦以外の第三者に立ち会ってもらっても問題ありません。
夫婦だけでは冷静に話合いができない場合には、第三者に立ち会ってもらうのも有効でしょう。
一般には、親族や友人に立ち会ってもらうケースが多いでしょう。
しかし、この場合、一方のみの味方をしてしまい、もう一方に対して責め立てる形となってしまうと、余計に協議を進めにくくなってしまいます。
そのため、できる限り中立な立場で双方の意見を聞ける人に頼むのが良いです。
協議離婚の成立後に取り消すことはできる?
詐欺や強迫によって協議離婚に同意をせざるを得なかった場合には、離婚を取り消すことが可能です。
この場合、詐欺に気付いた時、又は脅迫を免れた後から3か月以内に、家庭裁判所に、「協議離婚取消調停」を申し立てる必要があります。
この調停の結果、あるいは後続の訴訟で取消判決が出た場合は、役所に届け出て戸籍を修正してもらう必要があります。
協議離婚をすべきではないケースはある?
離婚問題では、まずは当事者どうして話し合う、離婚協議の方法によることが一般的です。
それは、相手方との話合いが可能な場合に限られます。
たとえばDV事案のように、ケースによっては、話合いが不可能で会ったり、むしろ話合いによるべきではなかったりする場合もあります。
DV事案では、まずは被害者の安全を確保することが最優先です。
この場合、まずは安全な避難方法や避難先等を確保し、相手との距離を引き離して安全を確保してから、代理人を通じて協議をするべきです。
相手のリアクションによっては、早期に調停を申し立てる等することも必要になります。
まとめ
協議離婚は、夫婦同士で話合いが可能な場合には、早期に離婚を実現しやすい点で有用です。
しかし、離婚に当たっては取り決めておくべき事項も多岐にわたり、法律の専門家ではない場合、見落としが発生しやすいところでもあります。
漏れなく確実に条件を取り決めていきたいのであれば、弁護士に相談して対応していくのが理想的です。
- 得意分野
- 一般民事、家事事件(離婚等)、企業法務
- プロフィール
- 大阪府出身
京都大学法学部 卒業
同大学法科大学院 修了