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更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

ダブル不倫がバレたらどうなる?関係が始まるきっかけや社会的リスク・慰謝料を徹底解説

ダブル不倫がバレたらどうなる?関係が始まるきっかけや社会的リスク・慰謝料を徹底解説
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既婚者同士の恋愛、いわゆる「ダブル不倫」。

家庭に満たされない何かを求め、つい足を踏み入れてしまうケースは少なくありません。

しかし、その関係は当事者だけの問題では収まらず、それぞれの家庭を巻き込む大きなトラブルに発展する可能性を秘めています。

もし、この秘密の関係が明るみに出たらどうなるのか。慰謝料は誰が誰に支払うのか。そして、この複雑な関係を終わらせるにはどうすれば良いのか。

この記事では、ダブル不倫が発覚した際の法的なリスク、慰謝料の問題、そして関係を清算するための具体的な方法について、法律の専門家として分かりやすく解説します。

現在、ダブル不倫関係に悩んでいる方、そのリスクを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

ダブル不倫とは?定義と特徴

ダブル不倫とは、既婚者同士が恋愛関係になり、肉体関係を持つことを指します。

法律上は「不貞行為」と呼ばれ、離婚や慰謝料請求の原因となりうる重大な問題です。

当事者双方が既婚者であるため、通常の不倫よりも関係が複雑化しやすいのが特徴です。

一方の配偶者だけでなく、不倫相手の配偶者も権利を主張できる立場にあるため、問題が発覚した際には、4人の当事者が複雑に絡み合う事態に発展します。

なぜダブル不倫にはまるのか

ダブル不倫にはまってしまう背景には、多くの場合、家庭内での孤独感や不満が存在します。

  • 配偶者とのコミュニケーション不足
  • 夫婦関係のマンネリ化
  • 育児や仕事のストレス
  • お互いの家庭の悩みを共有できる安心感

同じ境遇である既婚者同士だからこそ、互いの悩みを深く理解し、共感し合えると感じてしまうのです。

家庭では得られない心の安らぎや刺激を求めるうちに、次第に関係が深まっていくケースが多く見られます。

ダブル不倫が始まるきっかけ

ダブル不倫が始まるきっかけは、日常生活の中に潜んでいます。特に多いのが以下のケースです。

  • 職場: 共に過ごす時間が長く、仕事の相談などを通じて親密になりやすい環境です。
  • 同窓会: 昔の思い出を共有する中で、再び恋愛感情が芽生えることがあります。
  • 趣味や習い事: 共通の話題で盛り上がり、価値観が合うと感じることで距離が縮まります。
  • SNSやマッチングアプリ: 日常の不満を吐露する場として利用するうちに、共感してくれる相手と出会い、関係が始まることもあります。

些細なきっかけから始まった関係が、気づいた時には後戻りできないほど深刻なものになっているのが、ダブル不倫の恐ろしさの一つです。

ダブル不倫が終わるきっかけ

刺激的で燃え上がるようなダブル不倫の関係も、いつかは終わりを迎える時が来ます。

そのきっかけは様々ですが、主に以下のような理由が挙げられます。

配偶者に不倫がバレた

最も多いきっかけが、どちらか一方、あるいは双方の配偶者に関係が発覚することです。

LINEの通知やクレジットカードの明細、行動の不審な点などから疑いを持ち、問い詰められて発覚するケースが典型的です。

一度バレてしまえば、平穏な日常は崩壊し、関係を続けることは極めて困難になります。

罪悪感やストレスに耐えられなくなった

関係が長引くにつれて、配偶者や子どもに対する罪悪感が大きくなります。

また、「いつバレるか」という恐怖や、嘘をつき続けることへの精神的なストレスは想像以上に重いものです。

こうした心理的な負担に耐えきれなくなり、自ら関係の清算を決意する人も少なくありません。

どちらかの気持ちが冷めた

恋愛感情は時間とともに変化します。当初は燃え上がっていた気持ちも、関係のマンネリ化や将来への不安などから、次第に冷めていくことがあります。

特に、ダブル不倫は家庭を壊してまで一緒になるという覚悟がない限り、将来の見えない関係です。その現実に直面した時、関係を続ける意味を見失ってしまうのです。

妊娠が発覚した

ダブル不倫の関係において、女性側の妊娠は関係を終わらせる大きなきっかけとなり得ます。

夫の子ではない子どもを妊娠したという事実は、隠し通せるものではありません。

この事態は、慰謝料請求や離婚問題において極めて深刻な影響を及ぼし、関係の清算を迫られることになります。

ダブル不倫をしてしまう人の心理状態

ダブル不倫に陥る人は、どのような心理状態にあるのでしょうか。多くの場合、家庭生活における精神的な不充足感が根底にあります。

配偶者から「異性として見られていない」「大切にされていない」と感じる寂しさや、日々の生活に刺激がなく、物足りなさを感じている状態です。

そのような時に、自分を認めてくれる、異性として魅力的に見てくれる相手が現れると、心の隙間が埋められ、恋愛感情に発展しやすくなります。

それは、現実の家庭生活から目を背けるための「逃避」であり、失われた自己肯定感を取り戻すための行為ともいえるでしょう。

ダブル不倫をしてしまう人の特徴

ダブル不倫をしてしまう人には、いくつかの共通した特徴が見られることがあります。

寂しがりで、誰かに依存したい

配偶者が仕事で多忙であったり、コミュニケーションが不足していたりすると、強い孤独感を抱えることがあります。

誰かに話を聞いてほしい、そばにいてほしいという気持ちが強く、その寂しさを埋めてくれる相手に依存しやすい傾向があります。

自己肯定感が低く、承認欲求が強い

家庭内での役割が「夫」「妻」「親」に限定され、一人の人間として尊重されていないと感じると、自己肯定感が低下します。

異性から「魅力的だ」「必要とされている」と認められることで、自分の価値を再確認したいという強い承認欲求が、不倫の引き金になることがあります。

好奇心旺盛で、刺激を求めている

平穏ながらも変化の少ない結婚生活に退屈し、非日常的なスリルや刺激を求めてしまうタイプです。

バレてはいけないという背徳感が、かえって恋愛感情を燃え上がらせるスパイスとなり、関係にのめり込んでしまうことがあります。

押しに弱く、優柔不断

相手から積極的にアプローチされた際に、断ることができずに流されてしまうタイプです。

関係が始まった後も、相手に別れを切り出せなかったり、曖昧な態度をとり続けたりすることで、問題を深刻化させてしまう傾向があります。

ダブル不倫で考えられる主なリスク

ダブル不倫の関係は、当事者が考えている以上に多くのリスクを伴います。その代償は、決して小さなものではありません。

法律上のリスク

ダブル不倫は、法律上「不貞行為」と評価され、民法上の不法行為(民法709条)にあたります。

これにより、あなたの配偶者と不倫相手の配偶者、双方から慰謝料を請求される可能性があります。

さらに、あなたの配偶者から離婚を請求される正当な理由(法定離婚事由:民法770条1号)にもなります。

心理的リスク

関係を続ける間、常に「いつバレるか」という恐怖と隣り合わせになります。

配偶者や子ども、職場に嘘をつき続けなければならない精神的な負担は計り知れません。

罪悪感に苛まれ、心身のバランスを崩してしまうケースも少なくありません。

関係が終わった後も、裏切ってしまったという事実は、長く心に重くのしかかるでしょう。

社会的リスク

不倫の事実が職場に知られれば、社会的信用を失い、職務上の立場が危うくなる可能性があります。

特に、社内不倫の場合は、異動や退職を余儀なくされることもあります。

また、友人や親族との関係が悪化し、社会的に孤立してしまうリスクも考えられます。

これまで築き上げてきた人間関係や信頼を、一瞬にして失う可能性があるのです。

ダブル不倫の慰謝料

ダブル不倫が発覚した場合、最も大きな問題の一つが慰謝料です。

関係が複雑なため、誰が誰に、いくら請求できるのかを正しく理解しておく必要があります。

慰謝料額の相場

ダブル不倫の慰謝料の相場は、50万円~300万円程度とされています。ただし、これはあくまで目安であり、個別の事情によって金額は大きく変動します。

慰謝料額に影響を与える主な要素は以下の通りです。

  • 不倫が原因で相手方夫婦が離婚に至ったか
  • 不倫の期間や不貞行為の回数
  • 相手方夫婦の婚姻期間の長さ
  • 相手方夫婦の未成年の子どもの有無
  • 不倫関係を主導したのがどちらか

例えば、不倫の期間が長かったり、不貞行為の回数が多く、不倫が原因で離婚に至ったケースでは、慰謝料は高額になる傾向があります。

逆に、不倫期間が短く、夫婦関係が破綻していなかった場合は、比較的低額になる可能性があります。

特に、不倫が原因で相手方夫婦が離婚に至った場合には、慰謝料が高額になる可能性が非常に高いです。

慰謝料の請求パターン

ダブル不倫では、4人の当事者がいるため、慰謝料の請求関係が複雑になります。

不倫をした当事者2人(あなたと不倫相手)は、「共同不法行為者」として、それぞれの配偶者に対して連帯して慰謝料の支払義務を負います。

具体的には、以下の請求が発生する可能性があります。

  1. あなたの配偶者 → あなたへの請求
  2. あなたの配偶者 → 不倫相手への請求
  3. 不倫相手の配偶者 → 不倫相手への請求
  4. 不倫相手の配偶者 → あなたへの請求

つまり、あなたは自分の配偶者と不倫相手の配偶者の両方から慰謝料を請求される可能性があるのです。

なお、不倫相手の配偶者があなたに慰謝料全額(例:200万円)を請求し、あなたがそれを支払った場合、あなたは不倫相手に対して、その負担割合に応じた金額(例:100万円)を支払うよう求めることができます。これを「求償権」と呼びます。

請求する際の注意点

慰謝料を請求する側、された側、いずれの立場であっても注意すべき点があります。

  • 証拠を集める: 慰謝料を請求するには、不貞行為があったことを示す客観的な証拠が不可欠です。LINEのやり取り、写真、ホテルの領収書、探偵の調査報告書などが有効です。
  • 時効を確認する: 慰謝料請求権には時効があります。不倫の事実と不倫相手を知った時から3年、または不倫関係が終了した時から20年で時効が成立します。(民法724条)
  • 感情的にならない: 当事者同士での話し合いは感情的になりがちです。特に、相手を脅すような言動は強迫ととられる可能性があり、かえってご自身が不利な立場になりかねません。冷静な交渉が難しい場合は、弁護士に代理を依頼することをお勧めします。

ダブル不倫の離婚への影響

ダブル不倫は、慰謝料だけでなく、離婚の問題にも直結します。

不倫は離婚理由になる?

配偶者の不貞行為は、法律で定められた離婚理由(法定離婚事由)の一つです。(民法770条1号)

したがって、不倫をされた側の配偶者が離婚を望んだ場合、相手が拒否しても、裁判で離婚が認められる可能性が高くなります。

一方で、不倫をした側(有責配偶者)からの離婚請求は、原則として認められません。

自ら夫婦関係を破綻させる原因を作っておきながら、離婚を求めることは信義に反すると考えられているためです。

ただし、長期間の別居など、一定の条件を満たせば有責配偶者からの離婚請求が認められる場合もあります。

親権争いへの影響

離婚する際に子どもがいる場合、親権をどちらが持つかが大きな争点となります。

親権の判断で最も重視されるのは子の福祉、つまり「子どもの健全な成長にとってどちらの親と暮らすのが望ましいか」という点です。

そのため、不倫をしたという事実だけで、直ちに親権争いで不利になるわけではありません。

しかし、不倫に夢中になり育児を放棄していた、子どもを置いて頻繁に外泊していた、といった事情があれば、「親として不適格」と判断され、親権を獲得することが難しくなる可能性があります。

財産分与・養育費の注意点

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産(預貯金、不動産、保険など)を離婚時に公平に分け合う制度です。

これは財産の清算が目的であり、原則として不倫の有無によって分与割合(通常2分の1)が変わることはありません。

また、養育費は、子どもが経済的に自立するまでに必要となる費用です。これは子どもの権利であり、親の離婚理由とは関係なく、双方の収入に応じて分担額が決まります。

不倫をしたからといって、養育費の支払義務がなくなったり、減額されたりすることはありません。

ダブル不倫を穏便に終わらせる方法

一度始まってしまったダブル不倫の関係を、なるべく穏便に終わらせるためには、冷静かつ毅然とした対応が求められます。

別れる意思を明確に伝える

まずは、相手に対して「関係を終わらせたい」という意思をはっきりと伝えることが重要です。

曖昧な態度をとると、相手に期待を持たせてしまい、関係がずるずると続いてしまう原因になります。

直接会って伝えるのが難しい場合は、電話やメッセージでも構いません。感情的にならず、冷静に、しかし断固とした口調で伝えましょう。

連絡先を削除し、会う機会をなくす

別れを告げた後は、相手の連絡先を全て削除し、SNSなどもブロックしましょう。

物理的に連絡が取れない状況を作ることが、関係を断ち切る上で非常に効果的です。

職場が同じなどで顔を合わせる機会がある場合も、業務以外の私的な会話は避け、二人きりになる状況を作らないよう徹底してください。

家族との時間を大切にする

自分の家庭に意識を戻し、配偶者や子どもと過ごす時間を増やすことも大切です。

失いかけた家族の信頼を取り戻す努力をすることで、不倫相手への気持ちを断ち切り、新たな一歩を踏み出すきっかけになります。

もし配偶者に不倫の事実を打ち明ける場合は、真摯に謝罪し、今後の関係をどうしていきたいのかを誠実に話し合う必要があります。

まとめ

ダブル不倫は、一時的な心の安らぎや刺激と引き換えに、計り知れない代償を支払う可能性のある、極めてリスクの高い行為です。

慰謝料請求、離婚、社会的信用の失墜など、あなただけでなく、あなたの家族、そして相手の家族をも巻き込み、多くの人を深く傷つけます。

もし現在、あなたがダブル不倫の関係に悩み、この関係を終わらせたいと考えているのであれば、一日も早く決断し、行動に移すことが重要です。

そして、法的な問題が少しでも懸念される場合は、一人で抱え込まず、速やかに弁護士にご相談ください。早期の相談が、被害を最小限に食い止め、新たな人生を再スタートするための鍵となります。

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執筆者 代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会 登録番号45484
東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士として、男女問題などの一般民事事件や刑事事件を解決してきました。「ForClient」の理念を基に、個人の依頼者に対して、親身かつ迅速な法的サポートを提供しています。
得意分野
不貞慰謝料 、 離婚 、 その他男女問題 、 刑事事件
プロフィール
京都府出身
同志社大学法学部法律学科 卒業
同大学大学院 修了
北河内総合法律事務所 入所
弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
東京スタートアップ法律事務所 開設
書籍・論文
『スタートアップの法務ガイド』中央経済社
『スタートアップの人事労務ガイド』中央経済社

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