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投稿日: 弁護士 宮地 政和

不倫問題の示談金の相場|支払い回避・減額できる可能性は?

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不倫相手の配偶者に不倫を知られてしまい、示談金を請求されているけれど、どのように対処すればよいのかわからず、お困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。不倫に関する問題は、他人に相談しづらいこともあり、誰にも相談できずに一人で悩みを抱えている方も多くいらっしゃいます。

今回は、不倫の場合の示談金の相場と請求相手、示談金とは何か、示談金の支払いを回避できる可能性が高い場合、示談金の減額が期待できる場合、示談金を請求されたときの対処法などについて解説します。

示談金とは

そもそも、なぜ不倫相手の配偶者から示談金を請求されることになるのでしょうか。示談金の法的性質や慰謝料との違いについて説明します。

1. 示談金の法的性質

示談金とは、当事者同士での示談交渉を経て、加害者が被害者に支払う解決金のことです。示談金とは損害賠償金と同義で、慰謝料を含めた賠償金のことを指します。
損害賠償について、民法第709条では、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」とされています。
不倫をするということは、不貞行為という違法行為によって、「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益」(最判平成8年3月26日)を侵害したことになり、民法第709条に基づく損害賠償責任を負うことになるのです。

2.賠償すべき損害の内容

加害者が被害者に対して賠償すべき損害の具体的な内容としては、以下のようなものがあります。

  • 積極損害:被害によって支出した費用(通院費など)
  • 消極損害:被害に遭わなければ得られていたはずの利益(休職した場合の給料など)
  • 物的損害:被害によって破損したものに対する修理費等
  • 慰謝料:被害者の受けた精神的苦痛を金銭に換算したもの

3.示談金と慰謝料の違い

示談金には、慰謝料の他に、被害者が精神的苦痛により不調を起こして通院した場合は通院費、弁護士に依頼した場合は弁護士費用などが含まれる可能性があります。つまり、慰謝料よりも示談金の方が、賠償すべき項目が増える分、金額が大きくなることもあるのです。

不倫示談金の相場と請求相手

不倫の際の示談金の相場は、数十万~300万円程度ですが、さまざまな要因によって増減します。また、不倫は関係を持った二人による共同不法行為とされ、不倫による損害賠償金は二人で連帯して支払われるべきものとされます。

1.示談金の相場

加害者が支払うべき示談金の金額について明確に定めた法律はないため、過去の類似事件の裁判例等を基準に個別具体的な事情を踏まえて算出することとなります。
特に不倫発覚後の不倫相手の夫婦関係によって、相場は大きく変わります。離婚や別居をしない場合は数十万~100万円程度、別居や離婚に至った場合は200~300万円程度であることが多いでしょう。その他にもさまざまな要因によって、示談金の金額は増減します。

2.示談金の請求相手

不倫は、関係を持った二人による共同不法行為です。そのため、仮に一方だけが示談金を支払った場合は、もう一方が負担すべき金額まで支払ったとして、余分に支払った分の支払いを求めることができます。
また、被害者は、既に一方から十分な示談金の支払いを受けている場合には、もう一方からは示談金を受け取ることが困難となります

3.示談金額の増減要因

示談金の金額を決定する要因として、不倫相手の夫婦関係の他に、以下のようなことがあります。

  • 不倫関係のあった期間の長短・回数
  • 婚姻期間の長短
  • 子どもの有無・年齢
  • 社会的地位や収入

一般的に不倫期間が長いほど高額になる傾向にあります。また、婚姻期間が長い場合や、幼い子どもがいる場合も増額されることが多いでしょう。さらに、不倫関係にあった当事者の社会的地位や収入も大きな増減要因となり得ます。

示談金の支払いを回避できる可能性が高い場合

相手方に示談金の支払いを請求されても、支払う必要がない場合もあります。示談金の支払いを回避することができる可能性が高いケースについて具体的に説明します。

1.時効が成立している場合

時効が成立している場合は、示談金を支払う必要はありません。不法行為による損害賠償請求権の消滅時効については、民法第724条1項において、「不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使していないとき」と定められています。
つまり、不倫が発覚してから3年以上経過後に示談金の支払いを求められた場合は、時効が成立しているため、支払う必要はありません

2.請求側に証拠がない場合

請求側が不貞行為があったことを立証するような証拠を有していない場合も、示談金を支払う必要はありません。損害賠償金の支払いを求める際には、必ず請求の根拠となる証拠が必要だからです。客観的に見て不貞行為があったことがわかるような証拠がない場合は、請求根拠がないため裁判では請求が認められません。
ただし、こちら側が不貞関係を認めた場合は、それが有効な証拠となります。相手方が証拠を有していない場合は、不貞行為が事実だとしても、安易に認めないよう注意しましょう。

3.肉体関係がなかった場合

不貞行為とは、肉体関係を結ぶことを意味します。そのため、肉体関係がなかった場合は、示談金の支払いに応じる必要はありません。
肉体関係がなく、プラトニックな関係だった場合や、デートをした、キスをした程度の場合は不貞行為には該当しないため、示談金の請求は認められないのです。

4.ダブル不倫の場合

不倫をした二人がともに既婚者で、ダブル不倫だった場合は、請求される慰謝料が相殺されると考えられるため、示談金の支払いは発生しないことが多いでしょう。不倫相手の配偶者がこちらに慰謝料を請求してきても、こちらの配偶者も相手に慰謝料を請求し、もらえる慰謝料と支払う慰謝料の金額に差がなければ、請求する意味がなくなるのです。

5.相手が既婚者だと知らなかった場合

相手が既婚者だとは知らずに関係を持ってしまった場合、民法第709条に定められている「故意又は過失」がなかったため、損害賠償の責任を負う必要はないと考えられ、示談金の支払いを回避できる可能性が高いでしょう。
ただし、この場合、故意や過失がなかったことを証明することが必要です。相手が独身であることを説明しているメールやSNSの文面などを用意し、反論することで、示談金の支払いを回避できることがあります。

示談金の減額が期待できる場合

相手方が請求してきた示談金の金額を減額できることもあります。具体的にどのような場合に減額できるか説明します。

1.相手が離婚していない場合

前述した通り、示談金の金額は、不倫の発覚が相手の夫婦関係に与えた影響の大きさによって増減します。不倫発覚後にも相手方夫婦が婚姻関係を続け、別居にも至っていない場合は、不倫発覚によって相手方夫婦に与えた影響が少ないと判断できるため、示談金額は比較的低くなることが多いでしょう。相手夫婦が別居も離婚もしていないにもかかわらず、相場よりも高い示談金の支払いを請求されている場合は、減額の余地があると考えられます。

2.不倫の事実よりも前から夫婦関係が破綻している場合

不倫以前から別居していたり、夫婦仲が悪かったりなど、夫婦関係が破綻していたと判断される場合も、不倫発覚によって相手方夫婦に与えた影響が少ないといえるため、示談金額は相場よりも低くなることが多いでしょう。

3.支払える資産がない場合

示談金の支払いを請求される側に支払える経済力や資産がない場合、相場よりも低い金額に減額されることがあります。
しかし、不法行為によって相手方に損害を与えたわけですから、資産がない中でも精一杯の誠意は見せなければなりません。収入が少なく、どうしても支払えない場合は、交渉によって分割払いにしてもらうよう交渉することも可能です。

示談金を請求されたときの対処法

相手方から示談金を請求されたら、何を根拠に請求されているのかを確認の上、示談交渉に臨むようにしましょう。
また、さらなるトラブルを避けるためにも、示談金の支払いは、必ず示談成立後に行います。交渉が難航し、当事者同士での解決は難しいと感じたら、できるだけ早い段階で弁護士に相談するのが賢明です。

1.請求理由を確認

まずは相手方が何を根拠に示談金を請求しているのかを確認しましょう。前述した通り、不貞行為の事実を証明する証拠がなければ、請求理由はないため、支払いに応じる必要はありません。相手方が証拠を準備した上で請求しているのか、証拠があるなら、不貞行為があったことを立証するのに有効な証拠かどうかを確認した上で、対応するのが望ましいでしょう。

2.示談交渉を行う

相手が有効な証拠を有していて、不倫の事実を認めざるを得ない状況であれば、示談金を支払う前提でその金額を減額するべく示談交渉に臨みましょう。
交渉は、相手と直接会って進めても構いませんが、当事者同士の話し合いの場合、感情的になりやすく、交渉が難航することがほとんどです。できる限り相手と顔を合わさずに済む電話やメールなどの方法で交渉することをおすすめします。可能であれば、メールなど、やり取りの内容を残せる方法がベストです。万一、さらなるトラブルが起きた際に、証拠として役立つからです。

3.支払う場合は必ず示談書を作成後に

示談交渉を経て、示談金を支払うことになった場合は、必ず示談書を作成、締結の上、支払うようにしましょう。
相手から示談成立前に支払いを求められても応じてはいけません。慰謝料を支払った後に、こちらが不利になるような条件を追加されたり、追加で支払いを求められたりするなどというトラブルが起きる可能性があるからです。
必ず示談書を作成、締結し、すべての条件が確定した後に、支払うようにしましょう。

4.交渉が難しければ弁護士に早めに相談を

不倫トラブルにおける示談交渉は、感情的になりやすいこともあり、当事者同士で進めるのは難しいものです。また、示談金の減額を試みて交渉を開始したものの、話し合いが難航し、裁判を起こされるなど、さらなるトラブルに発展することもあります
そのような事態を避けるためにも、自分で交渉を進めることが難しいと感じたら、できるだけ早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。弁護士が代理人として、法律に照らして論理的に交渉を進めることで、示談金の減額や支払い回避に成功することも多々あります。不当な支払いを回避し、早期解決するためにも、早めに弁護士に相談しましょう。

まとめ

今回は、不倫の際の示談金の相場と請求相手、示談金とは何か、示談金の支払いを回避できる可能性が高い場合、示談金の減額が期待できる場合、示談金を請求されたときの対処法などについて解説しました。

不倫相手の配偶者から示談金を請求されると、どのように対処してよいものかわからず、相手に言われるがまま、従ってしまう方も少なくありません。しかし、示談金を請求するためには法的根拠が必要です。支払いに応じる必要がある場合でも、不当に高額な金額を支払う必要はありません。相手の言う通りに従うのではなく、確認すべきことは確認の上、応じるようにしましょう。ご自身で確認することが難しい場合は、早めに不倫問題に精通した弁護士に相談することを検討しましょう。

私達、東京スタートアップ法律事務所は、不倫問題でお悩みの方が不当な負担を強いられないよう全力でサポートしております。秘密厳守はもちろんのこと、分割払い等にも対応しておりますので、お気軽にご相談いただければと思います。

弁護士宮地 政和 第二東京弁護士会
弁護士登録後、都内の法律事務所に所属し、主にマレーシアやインドネシアにおける日系企業をサポート。その後、大手信販会社や金融機関に所属し、信販・クレジットカード・リース等の業務に関する法務や国内外の子会社を含む組織全体のコンプライアンス関連の業務、発電事業のプロジェクトファイナンスに関する業務を経験している。