SNSは不倫の証拠になる?証拠の集め方や注意点、慰謝料請求の方法を徹底解説

全国20拠点以上!安心の全国対応
初回相談0円
記事目次
近年、SNSの普及により不倫の発覚や証拠集めの手段が大きく変化しています。
SNSに投稿された写真やコメント、SNS内でのメッセージのやり取りが、不倫の決定的な証拠となるケースが非常に多くなってきています。
しかし、SNSでの証拠の集め方を誤ると証拠収集行為自体が違法行為になってしまったり、せっかく資料を集めたのに裁判で証拠として認められないという可能性も存在します。
本記事では、SNSが不倫の証拠としてどのように扱われるのか、証拠収集の際に注意すべきポイントや「使える」証拠の収集方法を解説していきます。旦那や妻の不倫・浮気を疑っていて、慰謝料請求を考えたいという方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
不倫の疑惑がある場合はSNSのチェックが有効?
まず、結論として、不倫の疑惑がある場合、SNSのチェックは非常に有効です。
特に不倫相手と配偶者が一緒に写っている写真の投稿や位置情報の共有、2人の親密な関係性がわかるコメントの投稿や、2人の間でのメッセージのやりとりなどが発覚した場合、物によっては裁判でも不倫(不貞)の存在を認定する決定的な証拠となり得ます。
もっとも、裁判など法律上不倫(不貞)の慰謝料請求をする場合には、単に2人が親密なだけでは不十分であり、一般的には両者の間で性行為・肉体関係が必要となります(なお、場合によっては性行為には至らない関係であっても慰謝料請求ができる場合もあります)。
そのため、上記の写真やコメント、メッセージのやりとりについても、それが配偶者と不貞相手の間に、性行為・肉体関係があったことをうかがわせる内容であればあるほど、強い証拠となります。
不倫を疑ってSNSをチェックする際の注意点
上述のとおり不倫を疑ってSNSをチェックすることは非常に有効な手段ではありますが、例え家族間であってもチェックをする際には注意が必要です。
以下では、不倫を疑ってSNSをチェックする際の注意点をご説明します。
プライバシーの侵害に注意する
まず、配偶者の不倫を疑ってSNSをチェックする際には、プライバシーの侵害に十分注意する必要があります。
ご自身のスマートフォンやパソコンから公開されている投稿や誰でも閲覧できる情報を確認すること自体は問題ありませんが、たとえ家族であっても、合意なくスマートフォンやパソコンを勝手に見た場合、法律上はプライバシー侵害として逆に損害賠償請求の対象となりうる行為になってしまいます。
もっとも、単にスマートフォンやパソコンをのぞき見したという程度では、仮に損害賠償請求が認められたとしても違法性が低いとして損害賠償額は低額にとどまると考えられます。
この点、実務上はどうかというと、不貞行為を理由とした損害賠償請求において、配偶者のスマートフォンを盗み見て入手した証拠が提出されることはよくありますが、これに対してプライバシー侵害だということで逆に損害賠償請求をしてくる事例はあまり見られません。
プライバシー侵害の慰謝料額に比べて不貞慰謝料の慰謝料額の方がかなり高額になるため、この点は争点に上がらないことが多いです。もっとも、上述のとおり、あくまで法律上は、プライバシー侵害で損害賠償請求の対象になりうる行為にはなるので、その点は留意しつつ慎重な対応が求められます。
不正アクセス禁止法の違反に注意する
また、配偶者の不倫を疑い、SNSを確認する際には「不正アクセス禁止法」に違反しないよう注意が必要です。
本人の同意なくIDやパスワードを使って勝手にアカウントにログインする行為は、「不正アクセス禁止法」上の不正アクセスに該当する可能性があります。
これについては、たとえ夫婦間であっても例外ではなく、実際に刑事罰の対象となるリスクがあります。
不正アクセス禁止法違反に該当する場合は、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処せられることになり、民事事件で逆に損害賠償請求されるリスクがあるにとどまらず、最悪刑事事件として「加害者」「容疑者」「被疑者」になってしまうリスクがあります。
配偶者のスマートフォンやパソコンを単に盗み見るというだけでは「不正アクセス」として刑事罰の対象とはなりませんが、配偶者のSNSアカウントにIDやパスワードを入れて勝手にログインする行為は「不正アクセス」に該当し、刑事罰の対象となる可能性が高いため、この点は十分な注意が必要でしょう。
インスタやXからチェックする
では、どういったところから確認していけば良いのでしょうか。
これについて、上述のプライバシー侵害や不正アクセス禁止法違反にならないように配偶者のスマートフォンやパソコンをチェックするには、配偶者自身に見せてもらう必要があります。しかし、すんなりと見せてもらえることは少ないでしょうし、何より不倫がバレてしまったことを悟られて他の証拠を消されてしまうリスクがあります。
そこで、不倫を疑った場合にまずチェックすべきなのは、インスタグラムやX(旧Twitter)になるといえるでしょう。
インスタグラムやXは、公開のアカウントか鍵がかかっていてもフォロワー同士であれば配偶者自身に見せてもらわなくとも、公開の投稿やストーリーを自らのアカウントから閲覧することができます。また、これらのSNSは利用者が多く、日常的な投稿がされやすいという特徴があり、行動や交友関係を把握しやすいという特徴があります。
他方で、LINEその他のメッセージアプリ系のSNSについては、配偶者の個人のやりとりについては自らのアカウントから閲覧することはできず、最初の手がかりをつかむことが難しいと考えられます。
したがって、まずは、インスタやXといった公開で投稿やフォロー欄を見ることができるSNSをチェックして、手がかりを探してみるということが良いでしょう。
SNSを利用して不倫の証拠を集める方法【インスタの場合】
では、SNSごとに、具体的にどのような方法で不倫の証拠を集めることができるのでしょうか。
まずは、Instagram(インスタ)の場合についてご紹介します。
①調査用のアカウントを作成
配偶者の不倫を疑いインスタグラムで調査を行う場合、まずは、調査用のアカウントを作成することが有効です。
本人が従来使っていたアカウントでは警戒されて投稿を制限されたり、ブロックされたりする可能性があり、誤って「いいね」を押してしまい調査していることを気づかれる危険性があります。
特に、配偶者や不倫相手と思われる人物が非公開設定をしている場合、調査用アカウントからフォローリクエストを送り、もし承認されれば投稿内容を確認できる可能性もあります。
アカウントを作成する際の注意点としては、ひとまずアカウントをスマートフォンに登録した連絡先の同期をせず、別名で始めることが重要になります。アカウントの同期をすることで、せっかく調査用アカウントを作成したのに、調査していることがバレてしまうおそれがあります。
配偶者に不倫の調査をしていることがバレてしまった場合、不倫の証拠を消す等証拠隠滅行為をされる危険があるため、調査は慎重に進める必要があります。
②配偶者のアカウントを特定
次に配偶者アカウントを特定する必要があります。
既にアカウントを知っている場合もあるでしょうが、知らない場合や、配偶者が別でアカウントを持っている可能性がある場合については、アカウントの特定作業が必要です。
配偶者の名前、ニックネーム、誕生日、他のSNSで使用しているID名などで検索し、特定していくことになります。
配偶者のアカウントを特定したら、鍵付きでないアカウントであれば、そのままフォローせずに閲覧調査をすればよいですが、鍵付きアカウントの場合、フォローを申請する必要があります。
もっとも、配偶者も知らないアカウントにフォローされた場合に、すんなりと申請を許可することは考えづらいため、その場合は、何度か投稿してみたり、同じ趣味を持つ人をあらかじめフォローする等してみるとよいでしょう。
③投稿写真をチェック
配偶者のインスタアカウントを見つけたら、投稿写真をチェックしましょう。
特に注目すべきポイントとしては、投稿日です。
自分が把握しているスケジュールに何か不倫が疑われる日がある場合、その日の投稿を確認してみたり、自分が把握しているスケジュールと明らかに異なる内容の投稿がされている日に関しては要注意です。
写真そのものについては、写真の端っこや鏡の反射等に偶然不倫の手がかりとなるものや証拠が映り込んでいる場合もあるため、注意深く確認すると良いでしょう。
④投稿写真を画像検索
③で不倫が疑われるような投稿が見つかった場合、投稿された写真を画像検索にかけてみることも有効です。
画像検索の結果、配偶者が投稿した写真と類似の写真を投稿していたり、インターネット上でアップしている人がみつかれば、その人が不倫相手である可能性が高いといえるでしょう。
⑤「位置情報」から投稿した場所を確認する
インスタでは、「位置情報」をオンにしていると、投稿された写真や動画の撮影場所が表示されることになります。
もし位置情報がオンになっていた場合、自分が把握しているスケジュールとは異なる場所に行っていたことがわかることや、不倫の場所が判明することになり、今後の調査への有力な手掛かりを得ることができるようになるでしょう。
⑥相互フォローを確認する
相互フォローを確認することも重要です。
配偶者と不倫相手との間でインスタを相互フォローして、インスタのDMでやりとりをしている場合も多くみられます。
したがって、フォロー・フォロワー欄から関係性が怪しいアカウントがないか、一つ一つ確認していくことも重要な作業になるでしょう。
SNSを利用して不倫の証拠を集める方法【Xの場合】
X(旧Twitter)はリアルタイム性が高く、日常のつぶやきややり取りが不倫の証拠につながることがあります。
例えば、特定の人物との頻繁なリプライや親密なやり取り、同じ時間帯に同じ場所を思わせる投稿をしている場合は、交際の実態を示す手がかりとなります。また、ポスト(ツイート)に添付された写真から、行動範囲や一緒に過ごしている可能性を把握できることもあります。
また、一般的に、インスタに比べてX(旧Twitter)の方が匿名で作成したアカウントを利用している人も多く、実際の知り合いでなくとも相互フォローになる場合も多いため、鍵がかかっている場合でも調査用アカウントでフォロー申請がとおりやすいかもしれません。
さらに、インスタに比べて、短文での感想を投稿しやすいという特徴があるので、そうしたポスト(ツイート)から何か手がかりが得られるかもしれません(インスタにも同じMeta社のThreadsがあります)。調査方法については、基本的にはインスタの場合と同様の方法で調査していくことになりますが、Xは投稿日時だけでなく投稿時間まで表示されるという特徴があります。
SNSを利用して不倫の証拠を集める方法【Facebookの場合】
Facebookは実名登録が基本であり、交友関係や生活の一部が反映されやすいSNSのため、不倫調査において有効な情報源となることがあります。
Facebookは、1人で複数のアカウントを持つことができず、実名・居住地・性別・勤務先・出身校などの個人情報を載せている人が多いという特徴があります。
Facebookは、30代以上の人の利用が特に多く、ビジネスで利用されるされることも多いため、仕事上の付き合いが不倫に発展した場合等で特に有効になるかもしれません。
調査の方法としては、他のSNSと同様に、フォロー・フォロワー欄の「友達関係」や「いいね」の履歴を確認することが重要です。配偶者と特定の異性が頻繁に投稿に反応していたり、親密なコメントを残している場合は、関係性の深さを示す手がかりとなります。
また、Facebookでは、写真のタグ付け機能やチェックイン機能によって、一緒に出掛けている様子や訪れた場所が明らかになるケースもあります。
SNSを利用して不倫の証拠を集める方法【LINEの場合】
では、次に今やほとんど全ての人が登録しているといっても過言ではないLINEについてご紹介します。
LINEは1対1のDM(ダイレクトメッセージ)のやりとりが基本になるため、配偶者のアカウントを知っていた(あるいは配偶者のアカウントが判明した)としても、配偶者と他人との間の具体的なやりとりを見ることはできません。
そのため、まずは他のSNS等を使って不倫の手がかりをつかんだうえで、旦那や妻にその証拠を示すなどして自白をとるなかでLINEのやりとりを見せてもらう、ということが考えられます。
通常、LINEのやりとりでは、他のSNSでのやりとりと比べて、よりプライベート性の高いやりとりがなされていることが多いため、不倫の決定的証拠をつかむことができることがあります。
①LINEの通知がオフになっている相手を確認
LINEでは、友だちごとに通知をするかしないかの設定をすることができ、通知をオフにするということができます。
配偶者は不倫が発覚することを防ぐため、不倫相手だけを通知オフにしているという可能性も十分考えられるので、例えば一人だけ通知オフにされている友だちがいる等であれば、その人が不倫相手である可能性があります。
②表示名とプロフィール名が異なる相手を確認
LINE上に表示される友だちの名前は、その友だちが設定した名前で表示されるのが基本ですが、自分のLINE上で表示される友だちの名前を変更することもできます。
これについて、配偶者としては、不倫がバレないようにあえて、相手が設定したプロフィール名をかえて、異なる表示名にしている可能性があります。
また、表示名を変更して不倫がバレないようにしている場合、表示名を会社名にしたり、公式LINEを装った表示名に変更しているケースもあるため、そのような場合も要チェックとなります。
③LINEアルバムから探す
LINEでは、友だちとの間のメッセージのやりとりを消去することができます。
そのため、配偶者が不倫がバレたと思ったときには、メッセージのやりとりを消去することが考えられます。
もっとも、メッセージを消去したとしても、アルバムまでは消していないという可能性もあり、アルバムに証拠写真が残っている可能性があります。
その他、LINEで不倫(浮気)の証拠を見つける方法について、詳しくは下記のコラムを是非ご参照ください。
SNSを利用して不倫の証拠を集める方法【カカオトーク・その他のメッセージアプリの場合】
現在日本国内で良く使われているSNSは上記のとおりになりますが、それ以外のSNSを利用して不倫相手とやりとりをしている可能性もあります。
むしろ、配偶者がバレないようにするため、あえてオーソドックスなSNS以外を用いてやりとりしている場合も考えられます。具体的には、カカオトークやテレグラムが不倫の際のやりとりに使われることが多々あります。
また、最近では、PayPayアプリ上で不倫相手とのメッセージのやりとりを行う例が多くなってきております。
このように現在日本でオーソドックスとはいえないSNS等を使って不倫相手とやりとりをしていることもあるので、この辺りにも注意深く調査する必要があるでしょう。
SNSから集めた不倫の証拠はどのように残しておけばいい?
では、上述の方法等によって集めたSNSの証拠はどのように残しておけば良いのでしょうか。
SNSでのやりとりについては、配偶者と不倫相手のやりとりをそのまま画面ごと写真におさめたり、自分のアカウントから調査して発見した場合はスクリーンショットを撮っておくことが考えられます。
その際、誰と誰のやりとりなのかがわかる形にすること、DM(ダイレクトメッセージ)の送信日時がわかる形で保存すること、一連の会話の流れが分かる形で場合によっては何枚か連続で保存しておくこと、に注意して保存すると、「使える」証拠になるでしょう。
SNSから不倫が発覚!慰謝料請求の方法とは
それでは、SNSから配偶者の不倫が発覚した!という場合、不倫(不貞)の慰謝料請求をするための方法はどういったものになるのでしょうか。ここでは、その際に必要な事項及び注意事項をご説明します。
①肉体関係があった証拠を集める
不倫の慰謝料請求をするためには、配偶者と不倫相手の間に肉体関係(性交渉)があったことを証明する証拠があるかどうかが重要になります。
回数や態様によっては、キスやハグをしたというのにとどまる場合でも慰謝料請求が認められる場合もありますが、慰謝料がとれるかどうか、とれるとしてどのくらいとれるのかといった観点からは、やはり肉体関係(性交渉)があったことを説明付ける証拠を集める必要があります。
具体的には、SNSのDM(ダイレクトメッセージ)のやりとりのなかで肉体関係(性交渉)があったことがわかるやりとりをしている場合や、性交中の画像や動画、ラブホテルに入っていることがわかるようなやりとりや画像、といったものが有力な証拠になります。
②請求相手の詳細な情報を把握する
また、配偶者に請求する場合は特に問題はないと思われますが、不倫(不貞)相手に慰謝料を請求したいという場合にもっとも重要な事項として、不倫(不貞)相手の連絡先が判明しているかどうか、といった点が挙げられます。
通常、不倫(不貞)相手に慰謝料を請求する場合、相手方の住所に内容証明郵便を郵送したり、電話番号が判明している場合はひとまずは電話で請求することが考えられます。
もっとも、不倫(不貞)相手方の電話番号や住所がわからない場合、そもそも相手に請求をすることができなくなります。この意味で相手方の連絡先が判明しているかどうかは、慰謝料請求するにあたっての最も重要な前提事項といえるでしょう。
もし、相手方の連絡先が不十分な場合でも、弁護士であれば「職務上請求」や「弁護士会照会」を通じて連絡先を特定することができる場合があるので、こういった場合は弁護士に相談することも考えられます。
③必ずしも納得できる慰謝料を獲得できるとは限らない
不倫(不貞)の慰謝料請求でとれる額については、ある程度の「相場」といったものは存在していますが、それぞれのケースの個別具体的事情及び交渉方法によって大きく異なってきます。
そのため、必ずしも納得のいく慰謝料額を獲得できるとは限りません。
慰謝料の金額については、過去の裁判例等を参考にしながら適正な額を調査し、その上で各ケースの個別具体的な事情を法的に整理して、妥当な額を受け取れるようにする必要があります。また、相手方との交渉方法も重要で、交渉に失敗してしまうと、不当に低い金額しかとれなかったという事態も考えられます。
このような心配がある場合は、不倫(不貞)の慰謝料請求に長けた弁護士に依頼することを検討されると良いでしょう。
弁護士は、過去の裁判例や交渉の経験に基づいて、適切に交渉を進め、納得のいく慰謝料額を受け取ることができるよう動いてくれます。
まとめ
以上いかがでしたでしょうか。
今回は、SNSが不倫の証拠になるのか、その証拠の集め方や注意点、そして実際の慰謝料請求の方法について解説してきました。
SNSでの証拠の集め方がわからないという方、SNSで不倫の証拠を見つけたけど慰謝料請求の証拠に使えるのかを知りたいという方、SNSで不倫の証拠を発見したからそれに基づいて実際に慰謝料請求をしたいという方は、不倫(不貞)慰謝料請求に長けた弁護士に是非一度ご相談ください。
- 得意分野
- 不貞慰謝料 、 離婚 、 その他男女問題 、 刑事事件 、 遺産相続 、 交通事故
- プロフィール
- 岡山大学法学部 卒業 明治大学法科大学院 修了 弁護士登録 都内の法律事務所に所属 大手信販会社にて社内弁護士として執務 大手金融機関にて社内弁護士として執務