離婚のタイミングはいつがいいのか?切り出すのに有利な時期や子どもがいる場合に最適なタイミングを紹介

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今回は、離婚のタイミングについてお話ししようと思います。
離婚を切り出すのはいつ頃がいいのか、お子様がいる場合はどうなのか等について解説をいたします。
離婚をしたいけど、いつ切り出せばいいのか等悩んでいる方の一助になれば幸いです。
離婚が多いタイミングはいつ?
厚生労働省が発表している統計によれば、離婚が集中する時期等について、以下の特徴があります。
- 月でみると、離婚件数は3月が最も多い。
- 同居期間でみると、同居期間5年未満の夫婦の離婚件数が最も多い。
- 別居から離婚までの期間でみると、別居から1年未満で離婚に至る件数が最も多い。
(参照:厚生労働省「令和4年度「離婚に関する統計」の概況」
厚生労働省「令和4年 人口動態統計月報年計(概算)の概況」)
統計から見る!離婚が集中する月とその理由
日本において離婚件数が最も多い月は「3月」です。厚生労働省の「令和4年度離婚に関する統計」によれば、令和4年の離婚件数のうち3月が全体の11.9%を占め、他の月と比較して顕著に多い傾向がみられます。
このように3月に離婚が多い背景には、以下のような要因が考えられます。
年度末のタイミング
日本では4月が新年度の始まりであり、3月は学校や職場の区切りの時期です。
このため、子供の進学や転校、職場の異動などの節目にあわせて離婚を選択する夫婦が多いといえるでしょう。
税制や社会保険の影響
年度末に離婚することで、扶養控除や社会保険の手続きがスムーズに行える場合があります。
特に、配偶者控除や扶養手当の適用に関して、年度内に離婚を済ませることで、翌年度の手続が簡便になることがあります。
生活環境の変化への対応
新年度に向けて生活環境が大きく変わる時期であるため、心機一転を図るべく離婚を決断するケースもあるでしょう。
結婚何年目に離婚のピークが来るのか?
厚生労働省の統計によれば、令和4年度の離婚件数を同居期間別に分類すると、以下のようになります。
5年未満 | 52,608組 |
5~10年未満 | 33,141組 |
10~15年未満 | 22,572組 |
15~20年未満 | 18,893組 |
20年以上 | 38,990組 |
(参照:厚生労働省「令和4年度「離婚に関する統計」の概況」
厚生労働省「令和4年 人口動態統計月報年計(概算)の概況」)
これらのデータから、同居期間が5年未満の夫婦の離婚、いわゆる「早期離婚」の件数が最も多いことが分かります。
早期離婚が多い理由としては、交際期間では見えなかった価値観や生活習慣の違いが、同居を始めてから顕在化しやすく、理想と現実の落差に失望して離婚に至るケースが多くあると考えられます。
また「結婚7年目の危機」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
早期離婚同様、離婚が集中しやすい時期として知られています。
結婚7年目にもなると、結婚生活はある程度安定しているのですが、その一方でマンネリ・倦怠感が蓄積し、離婚を検討する夫婦が増える傾向にあるのでしょう。
どちらも離婚リスクが高い時期ですが、その背景や心理状態は大きく異なります。
離婚前の別居期間はどのくらいが一般的?
こちらも厚生労働省の「令和4年度 離婚に関する統計」によれば、離婚届け時の別居期間に基づく割合は以下の通りです。
1年未満 | 82.8% |
1から5年未満 | 13.0% |
5~10年未満 | 2.8% |
10年以上 | 1.4% |
これらのデータから別居から1年未満で離婚に至るケースが大多数を占めていることがわかります。
長期別居には、夫婦関係を冷静に見直す時間や自立の準備ができるといったメリットがある一方で、生活費や子育ての負担が一方に偏る、曖昧な関係が続くことに対する心理的負担等のデメリットもあるといえるでしょう。
離婚するタイミングはいつ?
離婚を検討すべき状況や理由には以下のようなものが、主に挙げられます。
DV(家庭内暴力)やモラハラがある
身体的・精神的に危険な状況は速やかな対応が必要です。
不貞行為を繰り返している
信頼関係の破綻が明確な場合は、離婚の選択も検討するべきです。
生活費を渡さない、経済的に依存されている
経済的な自立が困難な状態が続く場合は深刻です。
長期間の別居や会話、接触がほぼない
夫婦としての実態が失われている場合は、離婚を検討してもよいでしょう。
子供に悪影響が及んでいる
家庭内の緊張や不和は、子供の健全な成長を妨げることがあります。
修復への努力が継続的に拒否されている
一方的な無関心や改善許否が続く場合は、将来を見据えた判断が必要です。
経済的メリットから考える最適な離婚時期
離婚のタイミングは、感情面だけでなく、経済的な側面からも慎重に検討することが重要です。
税制面においては、日本では、年度単位で税金や社会保険制度が運用されています。
例として、扶養控除や配偶者控除などの適用関係、住民税や健康保険料の算定基準は前年の所得や扶養状況に基づくため、離婚の時期によっては翌年度の負担に大きく差がでます。
また、財産分与の基準時は別居時ないし離婚時の早い方であるところ、離婚(別居)のタイミングにより分与額が変わるため、相手のボーナス支給前や退職前の離婚には注意する必要があるでしょう。
したがって、経済的なメリットを最大限生かすためには、税制・収入・財産の動きなどを総合的に把握したうえで、離婚するタイミングを見極めるのがよいでしょう。
子どもの学校生活への影響を最小限にするタイミング
離婚は子供にとって大きな環境変化を伴う出来事であり、その影響を最小限にするためには、学校生活への配慮が欠かせません。
特に転校や引っ越しを伴う場合、学期の途中ではなく、学年の区切りである春休みや夏休みが、子供にとって心理的・環境的に適応しやすい時期と言えるでしょう。
このような長期休暇中であれば、新しい環境に慣れるための時間が確保でき、新しいクラスメートとの関係も自然に築けるのではないでしょうか。
また、子供の年齢や性格によっても影響の受け方は異なるため、思春期の子供には事前の丁寧な説明や意思確認をすることが望ましい場合もあります。
可能であれば、受験等のタイミングは避け、生活が落ち着いている時期を選ぶことも大切でしょう。
精神的ストレスが限界に達したサイン
離婚を考えるべき重大なサインの一つに、自身の精神的ストレスが限界に達していることがあります。
例えば、配偶者と顔を合わせるだけで動機や吐き気がする、眠れない日が続く、涙が止まらない、仕事や育児に支障がでるといった状態は、心身が深刻な危機に陥っている証拠です。
こうした症状が継続し、改善の見込みがない場合、無理に関係を続けることはかえって自身や子供の健康を損なうおそれがあります。
カウンセリングや医師の助言を受けながら、離婚という選択肢も視野に入れることが必要です。
離婚を先延ばしにすべきではない危険なケース
離婚を先延ばしにすべきではない危険なケースは、身体的・精神的な安全が脅かされている状況です。
特に、配偶者からのDV(家庭内暴力)やモラルハラスメント、経済的支配などがある場合は、関係の継続が命や生活に重大なリスクをもたらします。
DVはエスカレートする傾向があり、「もう少し落ち着くかもしれない」という期待は極めて危険です。
また子供がDVを目のあたりにすることで、深刻な心理的影響やトラウマを残す可能性もあります。
さらに、配偶者が借金を繰り返して生活が破綻している場合や、全く生活費を渡さず家庭を顧みない場合も、早急な対応が必要です。
身体的・精神的な安全が脅かされている場合は、離婚は「安全を確保するための最善の選択肢」です。
迷ったときは、専門機関(警察、配偶者暴力相談支援センター、女性相談センター等)や弁護士に相談することが大切です。
離婚するのは何月がいい?
前述した通り、日本において離婚件数が最も多い月は「3月」でした。
次は、月ごとの離婚のメリット等について、解説していきます。
3月離婚のメリット:子どもの新学期に合わせるケース
3月は、子供の新学期に合わせた新生活を始めるうえで、理にかなったタイミングと言えるでしょう。
4月からの進学・進級やクラス替えに自然と溶け込むことができ、転校や引っ越しを伴う場合でも、新しい環境への適用がしやすくなります。
また、周囲の子供達も生活が変化する時期であるため、家庭の事情が目立ちにくく、子供の心理的負担を軽減できるでしょう。
また、親の離婚に伴い、子供の姓が変わることがあります。
学期の途中だと、姓が変わることに過度な注目を浴びてしまうことがあります。
進級・進学のタイミングに合わせることで、周囲への違和感や説明の負担が軽減されるでしょう。
夏休み中の引っ越しを考慮した7〜8月の離婚計画
3月以外の7~8月の夏休み中に離婚をすることも、子供の生活環境に配慮するタイミングとしてメリットがあります。
夏休み期間中であれば、子供が学校に通っていないため、転居や転校といった環境の変化に余裕をもって対応でき、学期途中よりは心身の負担が軽減されるといえるでしょう。
また、親自身もまとまった休みをとるなどし、仕事の調整がしやすく、引っ越し準備や各種手続きに専念しやすい時期でもあります。
女性に有利な12月離婚の理由と注意点
12月の離婚は、特に女性にとって税制上のメリットがあります。
所得税や住民税は、その年の12月31日時点の扶養状況を基準として行われるため、12月中に離婚し、離婚後に子供を養育する場合には、翌年の住民税や所得税において「寡婦控除」や「ひとり親控除」の適用を受けられます。
ただし、控除を受けるには扶養の実態や子の同居状況等も重要であるため、事前に役所などに相談し、確実な手続きをとることが望ましいです。
男性に推奨される1月離婚の財産分与のポイント
1月離婚は、妻や子供を扶養していた男性にとって税制上のメリットがあります。
前述の通り、所得税や住民税は、その年の12月31日の扶養状況を基準に計算されます。
つまり、1月に離婚をすれば、前の年はまだ婚姻状態にあるため、配偶者控除や扶養控除などを前年分の申告で受けることができます。
そのため、税負担を減らしたい場合は「年明けすぐの離婚」が有利であり、男性にとって、節税上のメリットが大きい時期といえます。
離婚を切り出すタイミングはいつ?
これまで離婚切り出すタイミングとして、重要なのは以下の点です。
- 証拠を揃えておく
- ある程度時間に余裕をもって切り出す
- 感情的にならず、冷静に伝えること
- 相手の反応を想定し、話し合いの場所を選ぶこと
- 相談できる専門家に事前に相談すること
証拠収集が整ってから伝えるべき理由
離婚を切り出す際には、事前に証拠を十分に揃えてから行動することが重要です。
特に、不貞行為やDVなどを理由に離婚を求める場合は、後の裁判等で、その事実を証明する必要があります。
証拠がないまま離婚を切り出すと、相手方が事実を認めないだけでなく、証拠隠滅行為を図るリスクもあります。
たとえば、不貞の証拠としては、配偶者と異性とのLINEの履歴、ホテルの出入り写真等があり、これらは相手に警戒される前に確保すべきものです。
DVの場合も診断書や録音記録、日記などが重要な証拠になります。
証拠を揃えてから離婚を切り出せば、自身の主張を裏付ける材料となり、調停や裁判で優位に交渉を進めることができます。
また、慰謝料や親権、財産分与等の条件交渉においても、有利な立場を確保できる可能性が高くなります。
実際の別居・離婚より半年前に話し合うメリット
離婚には、様々な事項を協議する必要があります。
具体的には、親権、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料等と協議事項は多岐にわたります。
特に財産分与は、結婚期間中に築いた財産を整理する必要があるため、書類の収集なども含め、相応の時間がかかります。
そのため、時間に余裕をもって離婚を切り出すことで、多岐にわたる協議事項について、焦らず準備しながら協議することが可能となります。
また子供がいる場合には、転校や生活環境の変化に向けた配慮を計画的に行うことも可能となります。
このように余裕を持った段階的な話し合いは、お互いにとっても穏やかな離婚の実現に寄与するといえるでしょう。
離婚を切り出す際の言葉選びと場所の重要性
離婚を切り出す際には、言葉選びと話す場所には気を付けた方が良いでしょう。
まず、相手を非難するような表現や感情的な言葉は避け、冷静かつ具体的に自分の気持ちや考えを伝えることが大切です。
また、話す場所にも配慮が必要です。子供がいる家庭では、子供の前で切り出すことは避けるべきです。
適切な言葉と場所を選ぶことで、相手の反発や混乱を最小限に抑え、建設的な話し合いにつなげることが大切です。
弁護士相談のタイミングで有利に進める方法
まず、早めに弁護士に相談することは非常に有効です。
離婚を考え始めた段階で、今後の進め方等について、まずは相談することをお勧めします。
また相談だけでなく、弁護士に依頼をすることも状況によっては積極的にするべきです。
特に財産分与や親権、慰謝料、養育費等で対立が予想される場合や、相手に弁護士がついている場合は、専門的な助言が必要不可欠です。
弁護士に依頼することで、法的根拠に基づいた交渉が可能となり、自分に不利な合意を避けられるほか、直接相手方とやり取りをしなくて済むため、精神的負担の軽減にもつながります。
弁護士費用の相場は、事務所によって異なりますが、離婚交渉の着手金は概ね20~40万円程度、成功報酬は財産分与額や慰謝料の一定割合(例:10%)となるケースが多いでしょう。
子供がいる場合の離婚のタイミング
子供がいる場合の離婚のタイミングは、親の事情だけでなく、子供の年齢や発達段階に応じた配慮が極めて重要です。
タイミングを誤ると、子供の心に深い傷を残す可能性があります。
乳幼児期の子どもがいる場合の配慮ポイント
まず、乳幼児期(0~6歳)は、まだ幼いため記憶に残りにくい一方で、親の不安定な態度や家庭の雰囲気を敏感に感じ取ります。
まだ言葉で感情をうまく表現できないため、夜泣きや情緒不安、攻撃的な行動、極端な甘えなどの形で変化が現れることもあります。
また、保育園や幼稚園に通っている場合、園での様子に影響を与えることもあります。
担任の先生等と情報を共有し、家庭の状況を理解してもらうことも場合によっては大切です。
転園や姓の変更がある場合は、学期の切れ目や長期休暇を利用し、子供が新しい環境に徐々に慣れる時間を設けるとよいでしょう。
小学生の子どもへの影響を考慮したベストタイミング
小学生期は、離婚の意味をある程度理解し始める時期です。
「自分のせいかもしれない」と感じてしまう子も少なくありません。十分に説明をすることが大切です。
また、学校生活との両立も重要なポイントです。
学期の途中での転校や姓の変更は、友人関係や学校環境に影響を与えるため、可能な限り、学期の区切りや長期休みにタイミングを合わせ、子供の環境に配慮することが大切です。
まとめ
今回は、統計データなども参考にしながら、離婚の適切なタイミングについて解説しました。
離婚の適切なタイミングは、様々です。
そのため、離婚について検討をし始めたら、まずは専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
相談者様のご状況を伝え、離婚の適切なタイミングについて聞いてみましょう。
東京スタートアップ法律事務所では、数多くの離婚事件を取り扱っていますので、お気軽にご相談ください。
- 得意分野
- 不貞慰謝料 、 離婚 、 その他男女問題 、 刑事事件 、 遺産相続 、 交通事故
- プロフィール
- 岡山大学法学部 卒業 明治大学法科大学院 修了 弁護士登録 都内の法律事務所に所属 大手信販会社にて社内弁護士として執務 大手金融機関にて社内弁護士として執務