不同意性交等罪とは?成立要件や強姦・強制性交・不同意わいせつとの違いを解説

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記事目次
以前は「強制わいせつ」「強姦」「準強制わいせつ」「準強姦」と呼ばれていた犯罪が、刑法の改正により、犯罪の名称が変わり、犯罪に該当する行為が以前より広く詳細に規定されました。改正後の刑法では、「不同意わいせつ」「不同意性交等」として規定されています。以前の法律より、行為が詳細に規定され、多くの行為が「不同意性交等」に含まれるようになりました。
相手の同意を得ずに無理やり性交等を行った場合、不同意性交等罪が成立する可能性があります。改正されたことにより、どのような行為が不同意性交等罪に該当するのかを確認していきましょう。
不同意性交等罪(刑法177条)とは何か
相手が、「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ」又は相手が、前記「の状態にあることに乗じて」、「性交等」を行った場合に成立するのが、刑法177条の不同意性交等罪です。「性交等」に含まれるのは、①性交、②肛門性交、③口腔性交、④膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの、です。また、婚姻関係にある場合(配偶者を相手方とする行為)であっても、この罪は成立します。
強姦との違いとは
「強姦罪」は、被害者が女性に限られていました。また、犯罪となる行為の対象も「性交」(女性器に男性器を入れる、触れさせる)に限られていました。しかし、実際には男性も性被害の被害者となりうること、性交類似行為を「不同意わいせつ(強制わいせつ)」として処罰するのは、行為に比して刑罰が軽すぎるなどの理由により、改正されることとなりました。
改正された結果、「不同意性交等罪」の被害者は男女を問わず、また、性交には至らない性交類似行為(前記の②肛門性交、③口腔性交、④膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの)も罪となる行為に加えられました。
よって、以前の「強姦罪」よりも、幅広い行為が「強制性交等罪」により処罰されることとなりました。
強制性交との違いとは
「強姦罪」は、被害者が女性に限られていました。また、犯罪となる行為の対象も「性交」(女性器に男性器を入れる、触れさせる)に限られていました。しかし、実際には男性も性被害の被害者となりうること、性交類似行為を「不同意わいせつ(強制わいせつ)」として処罰するのは、行為に比して刑罰が軽すぎるなどの理由により、改正されることとなりました。
改正された結果、「不同意性交等罪」の被害者は男女を問わず、また、性交には至らない性交類似行為(前記の②肛門性交、③口腔性交、④膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの)も罪となる行為に加えられました。
よって、以前の「強姦罪」よりも、幅広い行為が「強制性交等罪」により処罰されることとなりました。
強姦との違い
「強姦罪」は、被害者が女性に限られていました。また、犯罪となる行為の対象も「性交」(女性器に男性器を入れる、触れさせる)に限られていました。しかし、実際には男性も性被害の被害者となりうること、性交類似行為を「不同意わいせつ(強制わいせつ)」として処罰するのは、行為に比して刑罰が軽すぎるなどの理由により、改正されることとなりました。
改正された結果、「不同意性交等罪」の被害者は男女を問わず、また、性交には至らない性交類似行為(前記の②肛門性交、③口腔性交、④膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの)も罪となる行為に加えられました。
よって、以前の「強姦罪」よりも、幅広い行為が「強制性交等罪」により処罰されることとなりました。
強制性交との違い
刑法は、強姦罪→強制性交等罪→不同意性交等罪と罪名を変える改正がなされてきました。変わったのは罪名だけではなく、「犯罪に当たる事実」の規定の仕方も変わりました。端的にいうと、以前より厳しく罰せられるようになったということができます。
>被害者の対象年齢の違い
強制性交等罪は「13歳未満の者」との性交等を一律に処罰対象としていました。不同意性交等罪となった現在は、
①16歳未満の者に対し、性交等をした者
②当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者(被害者)が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。
と規定されました。被害者の年齢についての要件も以前より厳しくなったといえます。
>前提状況の規定の違い
性交に至る前の状況について、強制性交等罪の場合は「暴行又は脅迫によって」と規定されていました。しかし、現行法の「不同意性交等罪」では、より広範な定義がされています。以下、刑法176条1項各号を列挙します。
1号 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
2号 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
3号 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
4号 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
5号 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
6号 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
7号 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
8号 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
不同意わいせつとの違いとは
「不同意わいせつ罪(刑法176条)」と「不同意性交等罪(刑法177条)」との違いを説明します。
まず、「不同意性交等罪」の「性交等」の定義をみてみましょう。
「性交等」とは、①性交、②肛門性交、③口腔性交又は④膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなものを指します。
よって、相手方の同意無く上記「性交等」を行った場合は、「不同意性交等罪」が成立する可能性があります。
他方、「わいせつな行為」(ここには、上記性交等の①~④は含まれません)を相手の同意無く行った場合は、「不同意わいせつ罪」が成立する可能性があります。
不同意性交等罪が成立する要件
「不同意性交等罪」は、①「前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、②「性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者」に分けられます。また、「婚姻関係の有無にかかわらず」とありますので、この罪は、加害者と被害者が婚姻関係であることを理由に逃れることはできないと規定されています。
要件①状況等
(1)下記1号~8号に該当する状況であること、その他これらに類する行為又は事由によること
1号 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
2号 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
3号 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
4号 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
5号 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
6号 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
7号 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
8号 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
条文には、「その他これらに類する行為又は事由によること」とあるので、上記1号~8号に限定されません。被害者が、「性交等をしたくない」との意思を持ち、さらに性交等を拒絶することができない状況を作出する場合には、「これらに類する行為又は事由」に当てはまります。
(2)「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて」
(3)本罪は、加害者と被害者が婚姻関係にあることは考慮事情となりません。
要件②「性交等」を行ったこと(刑法177条1項~3項)
前にも書きましたが、以前と比較してこの罪に該当する行為は拡張されました。「性交等」に当たる行為は以下のとおりです。
①性交
②肛門性交
③口腔性交
④膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの
以前は「性交」のみが対象とされていましたが、②~④が加わりました。このことにより、被害者は女性だけではなく、男性も含まれることになりました。
要件③「誤信」に乗じて性交等をした場合(刑法177条2項)
【177条2項】
行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。
被害者がその行為がわいせつなものであると認識していれば性交に応じなかったであろうと考えられる場合や、被害者がその行為をする相手を正確に認識していたら性交しなかったであろうと考えられる場合には、このような被害者の「誤信」に乗じて性交等を行ったことになりますので、同意がなかったものとして「不同意性交等罪」に問われることになります。
要件④ 被害者が16歳未満の場合(刑法177条3項)
【刑法177条3項】
十六歳未満の者に対し、性交等をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。
被害者が16歳未満の者であった場合は、単に「性交等」を行っただけで(相手の同意の有無にかかわらず)、「不同意性交等罪」が成立する可能性があります。
(1)13歳未満の者に対し「性交等」をした場合は、相手の同意の有無にかかわらず、「不同意性交等罪」が成立します。
(2)13歳以上16歳未満の者を相手とする「性交等」は、相手より5歳以上年上の者が行った場合、相手の同意の有無にかかわらず、「不同意性交等罪」が成立することになります。
以前は、「13歳以上であればOK」と認識されていたと思いますが、例えば、14歳の者と20歳の者が「性交等」を行った場合は、当該20歳の者には、14歳の者が同意していたか否かにかかわらず「不同意性交等罪」が成立する可能性があります。
不同意性交等罪の事例
では、具体的に「不同意性交等罪」に当たるのはどのような事案なのでしょうか。実際に起きた事例をもとに、確認していきたいと思います。不同意性交等罪に該当する事案として、SNSで知り合った16歳未満の子どもと性交等に及ぶというものが考えられます。
事例① SNSで知り合い交際していた15歳少女との性交等
被告人(当時25歳)は、A(当時15歳)とSNSを通じて知り合い、交際関係にあった。Aが16歳未満の者であり、かつ、自らがAの生まれた日より5年以上前の日に生まれた者であることを知りながら、令和5年12月16日、Aに対し、Aの膣に手指及び性玩具を挿入して性交等をした。
被告人と被害者は、「交際関係」にあったが、被害者が15歳(16歳未満の者)であり、被告人と被害者との年齢差は5歳を超えるものであったことから、被害者の同意の有無にかかわらず、「強制性交等罪」との判決が決まりました。
事例② 同種前科を有する者による不同意性交等罪未遂
被告人は、通行中の女性と性交等をしようと考え、路上において、A(当時15歳)に対し、いきなりその背後から抱き付き、その口を手で塞いで同人を同土手の斜面に押し倒した上、「殺すぞ。」などと言ってその首元にカッターナイフを突き付け、頭部付近を殴るなどの暴行、脅迫を加え、同所において、同人の胸を着衣の上から手でもみ、同人と性交等をしようとしたが、通行人の存在に気付いてその場から逃走した。その際、前記暴行により、同人に全治まで約2週間を要する頭部打撲割創等の傷害を負わせた。
本件は、服の上からAの胸を手で揉んだにとどまり性交等には及んでいなかったが、この被告人は、強姦未遂と強姦の前科を持っており、検察官の求刑(9年)を超える懲役10年の刑が言い渡された。
事例③ 家出少女に声をかけ、自宅において3日間にわたり性交等をした事件
被告人は、A(当時12歳)が13歳未満の未成年者であることを知りながら、Aに対し、「行くとこないんだったら、ご飯一緒に行かない。」旨申し向けて、自己と行動をともにするように誘惑した上、Aとともに徒歩で移動しながら、被告人方まで連れて行き、Aを被告人方に寝泊まりさせるなどして自己の支配下に置き、未成年者を誘拐した。また、被告人の自宅にいる間、3回性交等に及んだ。被告人は200万円の示談金を支払い、Aの両親からも被告人を許し執行猶予付き判決を求める旨の嘆願書が提出されたが、懲役4年の刑が言い渡された。
不同意性交等罪に課せられる罰則
刑法177条には、「五年以上の有期拘禁刑に処する。」と書かれていますので、不同意性交等罪の法定刑は、5年以上の拘禁刑となります。
法定刑の長さについては強制性交等罪から変更はありませんが、刑の種類が「懲役刑」から「拘禁刑」に変更されています。「拘禁刑」は、受刑者を刑務所等に収容して社会生活から隔離した上で、必要に応じて刑務作業や指導を行う刑罰です。これまで「懲役刑」と「拘禁刑」に分かれていた刑罰が拘禁刑に一本化するために新設されたものです。
改正前の強制性交等罪は懲役刑とされていましたが、拘禁刑となることによる変化としては、
(1)受刑者の刑務作業が義務ではなくなる
(2)受刑者に対してこれまでよりも柔軟な処遇が行われる可能性がある、などが挙げられます。
刑務作業そのものが廃止されたわけではなく、受刑者の状況や更生に必要に応じて実施される可能性があります。
不同意性交等罪はいつから施行か
不同意性交等罪は令和5年7月13日から施行されています。
すでに「不同意性交罪」が含まれる改正された刑法が施行されておりますので、この記事を読んで、どのような行為が処罰されるのかをよく確認してください。簡単に言えば、以前より処罰される範囲が広くなっているので、要注意です。
不同意性交等罪の時効はどれくらい?
性犯罪はその性質上、申告が難しく、周囲の人も被害に気付きにくいという特徴があります。このような性犯罪の特性を踏まえて、不同意性交等罪の改正に合わせて、公訴時効期間が5年延長されました。改正前の「強制性交等罪」の時効が10年間であったのに対し、現行の「不同意性交等罪」の時効は15年間です(刑事訴訟法250条3項2号)。
また、被害者が児童である場合は特に被害を申告しにくいと考えられるため、公訴時効期間は15年間プラス「犯罪が終わったときから18歳になるまで」の期間になります(刑事訴訟法250条3項4号)。
例えば、15歳になったばかりの子どもが不同意性交等罪の被害にあった場合、15年間の公訴時効期間に18歳になるまでの3年間が加算されて公訴時効は18年間ということになります。
【刑事訴訟法250条】
3項 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる罪についての時効は、当該各号に定める期間を経過することによつて完成する。
2号 刑法第177条若しくは第179条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪 十五年
3号 刑法第176条若しくは第179条第1項の罪若しくはこれらの罪の未遂罪又は児童福祉法第60条第1項の罪(自己を相手方として淫行をさせる行為に係るものに限る。) 十二年
4号 前2項の規定にかかわらず、前項各号に掲げる罪について、その被害者が犯罪行為が終わつた時に18歳未満である場合における時効は、当該各号に定める期間に当該犯罪行為が終わつた時から当該被害者が18歳に達する日までの期間に相当する期間を加算した期間を経過することによつて完成する。
不同意性交等罪を犯してしまったらどうする?
不同意性交等罪を犯してしまった場合の対応方法としては、①被害者と示談をする、②自首を検討するなどが考えられます。以下の項目で説明します。
対応方法① 被害者と示談をする
不同意性交等のような性犯罪において、身体拘束(勾留)や刑事処罰(実刑)を避けるためには、被害者との示談が成立していることは、最も重要な点になります。早い段階で被害者との示談が成立し、被害者が加害者を許している(重い刑を望まないとの意見を伝えてくれる)状況になっていれば、不要な取り調べによって被害者の傷をえぐるようなことを避けるために、捜査が打ち切られる可能性もあります。反対に、捜査を継続する場合でも、検察官は起訴するかどうかを決定するにあたり、被害者の意向を重視する傾向にあるため、示談が成立していれば不起訴となる可能性も出てきます。
対応方法② 自首を検討する
現時点であなたの行為が捜査の対象となっていない場合、自首を検討しましょう。(犯罪が明らかになり犯人も判明している場合には、自首は成立しません。)自首をしたからといって、必ず刑罰が減刑されるわけではありませんが、自首をできる場合にはした方が良いと考えます。自首をすることによって、次のようなメリットがあるからです。
(1)刑罰が軽くなる可能性がある(自首をすることにより、反省や再犯に及ぶ可能性が低いと主張することができます)
(2)逮捕や勾留を回避できる可能性がある(自首をしていれば、この人が逃げる可能性はないと判断してもらえるからです)
(3)家族や職場への突発的な接触を防ぐ(自首をして、警察官がいつでもあなたと連絡が取れる状況になっていれば、警察官がいきなり自宅に来るなどの事態を防ぐことができます)
(4)あなたの供述の信用性が増す(自ら犯罪事実を告げたことにより、嘘はつかないだろうと思ってもらえる可能性があります)
などです。
不同意性交等罪の問題点
改正法では、以前の法律では処罰できなかった行為まで罰することができるようになりましたが、未だ解決しなければいけない問題点も存在します。ここでは、不同意性交等罪における問題点について解説します。
問題点① 構成要件が明確でない
不同意性交等罪の問題点の1つ目は、構成要件が不明確であることです。
不同意性交等罪(刑法177条)では、「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて」と書かれており、この原因となる行為や状態について、8つの類型(刑法176条1項1号~8号)を定めています。しかし、定められている類型には不明確なものがあり、実際にどのような状態であれば犯罪が成立するのか明確でない ものもあります。
例えば、「アルコール若しくは薬物を摂取させること」について、どの程度の飲酒量、若しくは薬物の投与であれば、「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難」な状況になるのかが明確ではありません。
どれだけお酒を飲めば「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難」になるかは、人によって異なります。
判断基準を明確にできない要件のまま運用を続けると、本来であれば処罰されるべきではない行為まで処罰され、また、処罰されるべき行為が処罰されないということが起こり得ます。
問題点② 冤罪の可能性
処罰される対象の行為が広がったことにより、冤罪を生み出すリスクが高まったともいえます。
たとえば、一緒にお酒を飲んだあとに性交為に及んだケースでは、アルコールを摂取させて性交等を行ったとして、不同意性交等罪(刑法177条1項3号)が成立する可能性があります。
被疑者(犯罪の嫌疑をかけられている人)が「相手は同意していた。」と主張して不同意性交等罪の成立を免れるためには、相手が同意できない状態ではなかったことを捜査機関に認めてもらう必要があります。
もし飲んでいる最中に性交為について口頭で同意を得ていたとしても、相手が不同意の意思を表明できたことを客観的に証明できない限り、犯罪が成立してしまう可能性があります。
性交為に及んだ当事者間の「同意」を証明すること、「同意する、同意しない、という意思をもつことができたかどうか」を証明することは、とても難しいといえます。
問題点③ 同意の証明が難しい
性交等について「同意があった」ことの証明が難しいことも、不同意性交等罪の問題点の1つであるといえます。
同意があれば不同意性交等罪は成立しません。しかし、性交為を行う際に、明確な同意を得るケースはほとんどないのではないと考えられます。「不同意性交等罪」は、「婚姻関係の有無にかかわらず」成立しますので、日々の夫婦生活が、いつ犯罪行為になってしまってもおかしくないといえます。多くは暗黙の了解のもとに性交為を行うことになるため、後から「同意していなかった」と主張されてしまった場合、性交等につき同意があったことを証明するのは、とても難しいと言わざるを得ません。
同意があったことを証明するために、都度「同意書」に署名するのも現実的ではありません。
信頼できる相手以外と性的関係を持つ場合には、性的行為について同意があったことを証明するために、LINEなど記録が残る方法で相手の同意を得ておくことをお勧めします。
まとめ
不同意性交等罪は、実刑になる可能性が高い罪であるともいえます。よって、このような罪を犯してしまった場合は、早急に弁護士に相談し、被害者との間で示談交渉を行うことにより、身柄の拘束や実刑判決を回避できるように行動していくことをお勧めします。
- 得意分野
- 不貞慰謝料 、 離婚 、 その他男女問題 、 刑事事件 、 遺産相続 、 交通事故
- プロフィール
- 岡山大学法学部 卒業 明治大学法科大学院 修了 弁護士登録 都内の法律事務所に所属 大手信販会社にて社内弁護士として執務 大手金融機関にて社内弁護士として執務