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投稿日: 更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

ダブル不倫とは?慰謝料請求の方法と注意点、相場を解説

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離婚のおもな原因の1つが配偶者の不貞行為です。

不貞行為とは、簡単にいうと性交渉などを伴う不倫や浮気のことを言います。

不貞行為の中でも、いわゆる「ダブル不倫」と言われる行為は、許し難く、高額な慰謝料を請求したいと考えるのではないでしょうか。

そこで今回は、自分の配偶者にダブル不倫をされてしまった方のために、ダブル不倫で慰謝料を請求する相手や、請求可能な慰謝料の相場、お金がない相手に慰謝料を請求する方法を解説します。

配偶者のダブル不倫に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

ダブル不倫とは?どんな状況がダブル不倫?

ダブル不倫とは、簡単にいうと既婚者同士の不倫を言います(法律用語では、不倫ではなく不貞行為です)。

「夫が幼稚園の既婚ママ友と不倫をしている」、「妻が既婚者である会社の上司と不倫している」などの状態がダブル不倫です。

「夫が独身の会社の部下と不倫をしている」というケースは、ダブル不倫ではありません。

また、離婚や慰謝料請求が可能となる不倫とは、原則的には性交渉を伴う関係です。

キスをした、定期的にデートをしている、手を繋いで歩いていたなどの関係では、裁判では不貞行為とはみなされにくいので、ご注意ください。

ダブル不倫で配偶者や相手に慰謝料を請求する場合は、確実に性交渉をしていることが立証できる証拠を確保しておきましょう。

配偶者がダブル不倫をした場合の慰謝料請求はどうなるの?

次に、配偶者がダブル不倫をした場合の慰謝料請求について説明します。

ダブル不倫の慰謝料は配偶者、不倫相手のどちらにも請求できる

そもそも、不貞行為の慰謝料は、「不倫をした配偶者」および、「不倫相手」の双方に請求できます。

夫が既婚者と不倫した場合は、夫と不倫相手のどちらに請求しても構いません。

ただし、それぞれに慰謝料の満額を請求できるわけではないことに注意しましょう。

不貞行為の慰謝料の相場は50万円から300万円と言われており、結婚している期間や子供の有無・人数、不貞の期間や回数などによって異なります。

ここでは200万円を請求する場合を例に挙げます。

夫と不倫相手のそれぞれに200万円を請求しても総額400万円を受け取ることはできません。

夫100万円、不倫相手100万円などというように請求することになります。

請求の内訳は、自由ですので、不倫相手に200万円全額を請求することもできます

配偶者への求償がある可能性に注意

不倫相手に慰謝料の全額を請求した場合、不倫相手が夫に「求償」する可能性もあります。

不倫は「共同不法行為」ですので、どちらに慰謝料を請求しても構いませんが、請求された側は双方の帰責の割合に応じた慰謝料の負担を不貞相手に求めることができるのです。

ここで言う「割合」とは、不倫関係を推進した積極性によって判断されます。

例えば、200万円の慰謝料を不倫相手のみに請求し、支払いを受けたとします。

すると、不倫相手が、あなたの配偶者に100万円を求償することができるのです。

不倫が原因で離婚するのであれば、配偶者にいくら求償されようと関係はありませんが、離婚しない場合は、結局は家計の一部から支払われることになってしまいます。

不倫相手の配偶者から慰謝料を請求される可能性もあり

ダブル不倫ということは、不倫相手にも配偶者が存在します。

つまり、不倫相手の配偶者から、あなたの配偶者が慰謝料を請求される可能性が大いにあるのです。

あなたが、不倫相手に慰謝料を請求したように、不倫相手の配偶者も慰謝料を請求してきますので、離婚をしない場合は双方の慰謝料が相殺されて、実質あなたの手元に残るお金はほとんどないということにもなりかねません。

ダブル不倫の慰謝料は「離婚するかどうか」によって請求の要否を検討すべき

これまでお話ししたように、ダブル不倫の慰謝料を相手に請求すると「配偶者への求償」や、「配偶者の不倫相手の配偶者からの慰謝料請求」などの問題が生じ、請求しても手元にお金が残らない可能性もあります。

ですので、ご自身が離婚しない場合は、慰謝料の請求は慎重に検討しましょう

離婚するのであれば、元配偶者にいくら慰謝料が請求されようと基本的には関係ありません。

ダブル不倫の慰謝料については、ご自身が離婚するかどうか、不倫相手が離婚するかどうかによって請求すべきかどうかの判断が異なりますので、離婚問題の実績豊富な弁護士に相談することを強くおすすめします。

ダブル不倫が原因で離婚する場合の慰謝料の相場

次に、ダブル不倫が原因で離婚する場合に請求できる慰謝料の相場を説明します。

ご自身が離婚する場合

不貞行為の慰謝料の相場は、離婚するかどうかによって大きく異なります。

ダブル不倫が原因で離婚する場合は、200万円から300万円の慰謝料の金額が相場となっています。

ご自身が離婚しない場合

ダブル不倫をされたものの離婚しない場合の慰謝料の相場は100万円から200万円です。

離婚慰謝料の請求ができませんので、離婚した場合よりは低額になります。

不倫相手から請求される慰謝料

ダブル不倫では、不倫をした配偶者に、不倫相手の配偶者から慰謝料が請求される可能性があります。

「妻が勤務先の既婚者である上司と不倫をした場合」では、上司の妻から慰謝料を請求されるのです。

あなたが離婚する場合は、配偶者にいくら慰謝料が請求されようと関係ありませんが、離婚しなければ家計から慰謝料を支払うことになります。

その場合も上記の基準で、慰謝料が請求されます。

妻の上司夫婦が離婚した場合は200万円から300万円、しなければ100万円から200万円が請求される可能性があるでしょう。

ダブル不倫の慰謝料を請求する方法

ダブル不倫の慰謝料を請求するために重要なのは「不貞行為の証拠集め」です。

慰謝料を請求するためには不貞行為をしていることが明らかになる証拠が必要となります。

具体的には性交渉中の画像や動画、音声データ、ラブホテルに出入りする画像や動画、当事者の自白などです。

メールやLINEのスクリーンショットも証拠の1つにはなり得ますが、「言葉で遊んでいただけ」などと言い逃れされてしまう可能性がありますので、単体では証拠とは言い難いでしょう。

探偵の調査報告書があって、配偶者と不貞相手がホテルに入っていく姿が撮影されていれば、証拠としては非常に強力です。

とはいえ、そこまでのものがなかったとしても不貞が認められる可能性は十分あります。

これらの証拠を用意したら、配偶者や不倫相手、もしくはその両方に慰謝料を請求します。

請求方法は、口頭、電話など様々ですが、請求したことを明らかにしておくために内容証明郵便での請求書類の送付をおすすめします。

内容証明郵便自体に、法的な強制力はないものの、心理的プレッシャーを与えることはできるでしょう。

それでも支払わなければ、法的手段を用いて請求することになります。

離婚するかどうか、誰に慰謝料を請求するかによってとるべき手段が異なりますので、法的手段に訴える場合は弁護士に相談しましょう。

慰謝料を請求したけれどお金がないと言われた場合の対処法

不倫相手は元配偶者に慰謝料を請求したものの支払えないと言われた場合はどうすればよいのでしょうか。

元配偶者、不倫相手のどちらかがお金を持っている場合は、お金を持っている側に全額請求すれば問題ありません。

問題となるのは両方が資産を持っていない場合です。

「無い袖は振れない」ので、支払うべき財産がなければ支払われない状態となってしまいます。

差押等の法的手段に訴えても、「無職で財産ゼロ」という状態では、慰謝料を受け取ることは難しいでしょう。

ですので、相手が慰謝料の請求を難しいという場合は、満額の一括請求ではなく、分割の支払いに応じることも一案です。

ただし、慰謝料の分割払いは、支払いを遅延しがちです。

未成年の子どもを育てる側に支払う養育費ですら、9割近くが支払っていない状態ですので、慰謝料の分割払いを円滑に進めることは難しいと言えます。

そこで、有効なのが弁護士による慰謝料請求交渉と公正証書の作成です。

弁護士に交渉を一任することで、万が一支払いが滞った場合は強制執行することなどを隙なく決めておくことができます。

それを公正証書にしておけば、慰謝料の分割支払いがなされなかった場合に、裁判を経ずに給与や預金、不動産などの財産の差押えが可能です。

まとめ

配偶者のダブル不倫の慰謝料請求は、通常の不貞行為の慰謝料請求よりも複雑です

慰謝料請求をすべきかどうかの判断も、状況によって異なりますので、配偶者がダブル不倫をしている場合は、離婚するかどうかにかに関わらず弁護士に相談しておきましょう。

離婚の際には慰謝料だけでなく、財産分与や別居中の婚姻費用の請求、未成年の子どもがいる場合は養育費の請求なども可能です。

今後のご自身及びお子さんの人生に関わる重大事ですので、弁護士に相談して有利な条件で交渉を進めることを強くお勧めします。

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執筆者 代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会 登録番号45484
東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。
「ForClient」を理念として自らも多くの顧客の信頼を得ると共に、2018年の事務所開設以降、2023年までに全国12支店へと展開中。
得意分野
ベンチャー・スタートアップ法務、一般民事・刑事事件
プロフィール
京都府出身
同志社大学法学部法律学科 卒業
同大学大学院 修了
北河内総合法律事務所 入所
弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
東京スタートアップ法律事務所 開設
書籍・論文
『スタートアップの法務ガイド』中央経済社
『スタートアップの人事労務ガイド』中央経済社

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