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投稿日: 更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

個人再生の費用の相場・払えない場合の対処法も解説

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今回は、個人再生を検討中の方に向けて、個人再生の手続にかかる費用、個人再生手続を弁護士に依頼した場合の費用相場、個人再生の費用を払えない場合の対処法などについて解説します。

個人再生とは

まずは、個人再生の概要、自己破産や任意整理との違いなどについて説明します。

1.債務を大幅に減額できる債務整理の一つ

個人再生とは、借金の返済が困難となった人が、債権者の多数の同意を得ることに加え、裁判所の許可を受けた再生計画等を定めることで、債権者との権利関係を調整し、経済生活の再生を図る債務整理の方法の一つです。
個人再生が認められれば、大幅に返済額が減額されます。ただし、債務がゼロになるわけではないという点が、自己破産との大きな違いです。
個人再生には小規模個人再生と給与所得等再生の2つの種類があり、適用される条件などが異なります。小規模個人再生と給与所得等再生について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしていただければと思います。

2.任意整理との違い

任意整理も個人再生と同様に、自己破産を避けたい方に選ばれている債務整理の方法の一つですが、任意整理と個人再生にはどのような違いがあるのでしょうか。
任意整理は裁判所が関与せず、債務者が債権者と交渉して、返済額を軽減してもらう方法です。個人再生は裁判所への申立てが必要ですが、任意整理は裁判所への申立ては不要という点が大きな違いです。個人再生と任意整理との違いを比較表にまとめました。


個人再生では、一般的に債務の5分の1程度まで債務を圧縮することが可能ですが、任意整理では、減額が見込めるのは利息と遅延損害金のみである場合が多く、「期待していたほど借金が減らなかった」という声も少なくありません。任意整理のメリットやデメリットを詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしていただければと思います。

比較 個人再生 任意整理
裁判所の関与 あり なし
手続き方法 裁判所へ申立て 債権者と交渉
債務整理案 再生計画案 任意整理案
合意または認可の効果 大幅に縮減
※計画弁済総額は法定の最低弁済額以上であること
返済額の減額
利息の免除

個人再生の手続にかかる費用

個人再生の手続にはどの程度の費用がかかるのでしょうか。裁判所に申立てをする際にかかる費用、個人再生委員が選任された場合にかかる予納金について説明します。

1.裁判所に申立てをする際にかかる費用

個人再生の手続をする際は、管轄の地方裁判所に申立てをする必要があります。その際に、申立手数料と予納金が必要となります。裁判所によって費用は異なりますが、東京地方裁判所に個人再生の申立てをした場合にかかる費用を参考として記載します。

裁判費用 金額
申立手数料 10, 000円(収入印紙)
予納金(官報掲載料) 13, 496円
その他 予納郵券1,600円+(債権者数×2×120円)+(82円×3)

申立てをする際に裁判所に納める費用は裁判所によって異なるので、申立て前に管轄の地方裁判所の公式サイト等で確認して下さい。

2.個人再生委員が選任された場合の予納金

裁判所から個人再生委員が選任された場合、さらに15万円~30万円程度の予納金が必要となります。裁判所は、必要に応じて個人再生委員を選任して個人再生の手続を指導監督させることができると定められています)。個人再生委員は、個人再生の手続が適正に行われるように監督する役割を担います。
個人再生委員が選任される判断基準は、裁判所ごとに異なります。東京地方裁判所では、現在、全件で個人再生委員が選任され、個人再生委員への報酬を分割して予納する履行可能性テスト(履行テスト)が行われています。履行テストは、個人再生手続後の債務の返済が可能かどうか判断することを目的としています。東京地方裁判所の個人再生委員の予納金は、代理人弁護士がいる場合は15万円、いない場合は25万円です。
東京以外では、代理人弁護士がいる場合は代理人弁護士による指導や監督が期待できるため、原則として個人再生委員を選任しないという運用をしている地方裁判所も多いです。

個人再生手続を弁護士に依頼した場合の費用相場

個人再生の手続には必要となる書類が多く、実現可能と認められる再生計画案を作成する必要もあります。そのためには法律の専門知識が必要となるため、弁護士に依頼して進めることが一般的です。弁護士に依頼する場合にかかる費用の内訳と相場、住宅資金貸付債権の特則を利用した場合の費用について説明します。

1.弁護士等の費用

個人再生の手続を弁護士に依頼した場合の費用は、依頼先によって異なりますが、費用の目安は以下の表の通りです。

弁護士費用 金額
相談料 無料~1万円程度
着手金 15万円~30万円程度
成功報酬 20万円~30万円程度

相談料と成功報酬は不要としている法律事務所もあります。公式サイトで個人再生の費用を公開している法律事務所もありますが、公式サイトに記載されている金額はあくまでも目安です。個々の事案によって費用は異なるので、事前に見積りを取るようにしましょう。

2.住宅ローン特則を利用すると費用が高くなる

住宅資金貸付債権に関する特則(住宅ローン特則)は、住宅ローンを支払い中のマイホームを維持したまま債務整理を実現することを目的とした制度です。
ただし、住宅ローン特則を利用する場合、小規模個人再生・給与所得者等再生とは別枠で再生計画案を提出する必要があります。その分、手続が複雑になるため、弁護士に依頼する場合にかかる費用も10万円程度高くなる場合が多いです。

個人再生の費用を払えない場合の対処法

個人再生をご検討されている方の中には、個人再生にかかる費用を払えるか心配だという方も多くいらっしゃるかと思います。

1.本人が手続をすることもできる

「弁護士に依頼しないで自分で個人再生の手続をすれば、弁護士費用を節約できるのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。個人再生の手続は弁護士に依頼しないで、自分で行うことも認められています。しかし、以下のようなデメリットがあるという点は認識しておきましょう。

①手続が廃止または不許可になる可能性がある

個人再生を確実に実現させるためには、法律上の要件を満たし、実現可能と認められる再生計画案を作成し、期限までに裁判所に提出する必要があります。
裁判所が指定した提出期限までに再生計画案を提出できない場合、個人再生の手続は廃止とされ、途中で終了してしまいます。また、提出期限までに再生計画案を提出できても、再生計画案の内容に問題がある場合、債権者の同意を得られない場合は不許可となります。

②申立ての後もしばらくの間は債権者から催促や取り立てを受ける

個人再生の手続を弁護士に依頼した場合、債権者に受任通知が送付されます。受任通知が債権者の元に届いた時点で、債権者からの催促や取り立ては止まります。
しかし、弁護士に依頼せずに、自分で裁判所に申立てをした場合、個人再生手続の開始決定までの約1ヶ月間、債権者からの催促や取り立てが続きます。

2.法テラスを活用する

個人再生の手続を弁護士に依頼したいけれど、高額な費用が払えるのか心配だという方は、日本司法支援センター(通称:法テラス)に相談することをおすすめします。法テラスは、経済的な事情などにより弁護士に相談できない方に対して、無料の法律相談や弁護士費用の立替えを行う民事法律扶助制度というサービスを提供しています。立替えてもらった費用は、原則として、月額5,000円~10,000円の分割払いで償還していくことになります。民事法律扶助制度を利用には、収入や資産に関する条件を満たす必要があるので、利用したい方は法テラスの公式サイトで利用条件をご確認ください。

3.分割払いに応じてくれる法律事務所を選ぶ

法テラスの民事法律扶助制度の利用条件を満たさない場合、分割払いに応じてくれる法律事務所を選ぶことをおすすめします。債務整理を得意としている法律事務所では、依頼者の経済状況を考慮して、分割払いに対応していることも多いです。法律事務所に相談する際に、分割払いが可能かどうか確認するとよいでしょう。

まとめ

今回は、個人再生を検討中の方に向けて、個人再生の手続にかかる費用、個人再生手続を弁護士に依頼した場合の費用相場、個人再生の費用を安く抑えたい場合の対処法などについて解説しました。

個人再生は裁判所が関与する手続なので、提出が必要な書類が多く、書類の内容は厳格に審査されます。個人再生を確実に実現したい場合は、債務整理に精通した弁護士に相談することをおすすめします。

私達、東京スタートアップ法律事務所は、借金をリセットして自分らしい生活を送るための基盤作りを全力でサポートさせていただきたいと考えております。債務整理の実績を豊富に持つ弁護士が個人再生の手続を担当致しますので、安心してお任せください。また、個人再生以外の債務整理の方法についても検討したいという場合は、相談された方の状況やご希望を丁寧にお伺いした上で、最適な方法をご提案させていただきます。秘密厳守はもちろんのこと、分割払い等にも対応しておりますので、お気軽にご相談いただければと思います。

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執筆者 代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会 登録番号45484
東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。
「ForClient」を理念として自らも多くの顧客の信頼を得ると共に、2018年の事務所開設以降、2023年までに全国12支店へと展開中。
得意分野
ベンチャー・スタートアップ法務、一般民事・刑事事件
プロフィール
京都府出身
同志社大学法学部法律学科 卒業
同大学大学院 修了
北河内総合法律事務所 入所
弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
東京スタートアップ法律事務所 開設
書籍・論文
『スタートアップの法務ガイド』中央経済社
『スタートアップの人事労務ガイド』中央経済社

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