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投稿日: 更新日: 弁護士 宮地 政和

自己破産が家族に与える影響と内緒にできる可能性をケース別に解説

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記事目次

「自己破産は家族に迷惑がかかると聞いたけれど、具体的にどのような迷惑がかかるのだろうか」
「家族に内緒で自己破産することはできるのだろうか」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自己破産が家族に与える影響や、家族に内緒で自己破産できる可能性は、自己破産を検討中の方にとって非常に気になる点かと思います。

自己破産をすると一家離散になる、家族全員が一文無しになるなど、自己破産が家族に及ぼす影響について誤った情報も流れているようですが、自分に適した債務整理を選択して生活を立て直すためにも、自己破産が家族に及ぼす影響について正しく理解することはとても大切です。

今回は、自己破産が家族に与える影響と内緒にできる可能性、自己破産が影響を与える典型的な事例、自己破産に関するよくある質問などについて解説します。

【解説動画】TSL代表弁護士、中川が自己破産が家族に与える影響を解説

自己破産は家族に直接影響を及ぼす制度ではない

基本的に、自己破産は、家族に対して直接の悪影響は及ぼすものではありません。自己破産をすると、家族の財産も全て差し押さえられて、一文なしになってしまうというイメージをお持ちの方もいらっしゃるようですが、破産の申立てをする本人以外の家族が所有している財産を差し押えられることはありません。自己破産により差押え(処分)の対象となる財産は、自己破産を申立てる本人の財産に限定されているからです。例えば、配偶者や親名義の自動車や家財などの財産は、原則として差押えの対象とはなりません。

1.自分名義の財産は換価処分される

自己破産は、破産をする本人の持っている財産を換価(お金に換えること)することで、その財産の限度で負債が残っている債権者に対して配当等を行う代わりに、負債をなくすことを目指す制度です。そして、自己破産により換価(処分)の対象となる財産は、自己破産を申し立てる本人の財産に限定されています

例えば、配偶者や親名義の自動車や家財などの財産は、原則として換価の対象とはなりません。

ただし、家族と住んでいる自宅が破産者名義である場合は自宅が売却されるため、同居している家族は全員、自宅を出る必要があります。また、家族と共同で使用していた車が破産者名義である場合は車が売却され、車を利用できなくなります。

そのような意味では家族の生活にも影響を及ぼすこともあるでしょう。

2.家族名義の財産には影響はない

破産手続きにおいて換価処分されるのは自分名義の財産のみで、家族が所有する財産には影響を及ぼすことはありません。自分が住んでいる家や使用している車が家族名義である場合は、売却する必要はないのです。

だからといって、破産手続開始の申立てをする直前に、自己所有財産の名義変更をしてはいけません。財産を隠匿したとして、免責許可決定(破産を申し立てた方が借金を返す責任を免れるという裁判所の決定)を受けられない可能性が高くなるからです。

「この程度なら見つからないだろう」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、不審な財産の動きは管財人によって見つけられてしまいます。免責不許可という最悪の事態に陥らないためにも、財産を隠したり、名義変更をしたりすることはやめましょう。

自己破産による家族への影響・内緒にできる可能性

自己破産が、家族に対して間接的な影響を及ぼすことはありますが、家族構成や家族と同居しているか否かによって異なります。自己破産が家族に与える影響や内緒にできる可能性をケース別にします。

1.配偶者(妻または夫)

自己破産をした場合、配偶者は経済面での影響を受けることになります。例えば、自宅の名義が自己破産の申立人の場合は、持ち家は処分の対象となるため、引っ越しを余儀なくされます。

また、破産の申立てをする場合には一定期間の家計全体の状況を裁判所に提出する必要があり、配偶者と家計が同一といえる場合には、家計全体を把握するためにも配偶者に協力してもらう必要があります。

したがって、同居している配偶者に自己破産のことを内緒にすることは、ほぼ不可能といえるでしょう。自己破産の申立てをすると、財産の換価や弁護士・裁判所とのやりとりが多く生じます。また、自己破産の申立人名義で、家族カードと呼ばれるタイプのクレジットカードを契約している場合、配偶者もそのカードを使用できなくなるため、自己破産のことを知られる可能性はより高くなります。

自己破産後も配偶者との生活は続きます。その後の夫婦間の信頼関係を考慮すると、自己破産を内緒にしながら手続を進める方法を模索するより、正直に事情を打ち明けた方が、ストレスなく手続を進めることができます。正直に話したら怒られそうで怖いという方もいらっしゃるかもしれませんが、勇気を持って配偶者に打ち明けることにより、最終的には「話してくれてよかった」と言われるケースも少なくないようです。

2.子供

未成年の子供がいらっしゃる方が自己破産した場合、教育費に関する影響が発生します。自己破産をすると、基本的に、99万円を超える現金および20万円を超える預貯金は没収の対象となり、債権者に対する返済に充てられます。そのため、学費を預貯金で貯めていた場合や、学資保険の積立をしていた場合、別途、学費の工面が必要になります。また、塾や習い事をこれまで通り続けるのは難しくなると考えられます。

内緒にできる可能性については、子供がまだ幼い場合は、自己破産という制度を知らないため、内緒にできる可能性が高いといえるでしょう。しかし、ある程度の年齢であれば、難しいと考えるべきです。親が自己破産をすることを知って、子供が精神的なストレスや不安を抱えてしまう可能性もあるため、子供に隠すことができない場合には、自己破産を選択した理由や経緯、今後の生活のことなどについて丁寧に説明して、安心させてあげることが大切です。

3.同居中の親

親と同居している場合、同居中の親も、配偶者と同様に、引っ越しや経済面での影響を受ける場合があります。
同居中の親に自己破産のことを内緒にすることは、配偶者と同じく、難しいといえるでしょう。また、自分の子供が自己破産をすると知って、ショックを受ける親もいるため、破産をすることを伝える場合には、精神的なダメージを考慮することが大切です。ご高齢の方の場合、精神的なショックから体調を崩すおそれもあります。

また、破産で不動産を処分されて引っ越しを余儀なくされ、慣れない土地で生活することになった場合、十分なケアが必要です。

親と同居している場合、事前に自己破産を検討していることを話すとともに、自己破産が経済的な立て直し、やり直しのための前向きな制度であるということを合わせて話して、納得してもらうことが望ましいでしょう。

4.別居している親や親族

別居している親や親族に対して、自己破産の影響が及ぶことはほぼないといえるでしょう。
また、自己破産をしたことを知られる可能性も低いと考えて良いでしょう。
余計な心配をかけたくない場合、自己破産のことを内緒にしてもよいかもしれませんが、後から知られてトラブルに発展する可能性があるという点も考慮しておくとよいでしょう。

自己破産により家族が受ける影響の典型的な事例

自己破産をした場合、家族はどのような影響を受ける可能性があるのでしょうか。家族が受ける影響の典型的な事例について具体的に説明します。

1.家族が連帯保証人の場合は返済義務が移行する

家族や親族が連帯保証人になっている場合、借金の返済義務が連帯保証人である家族に移行することになるため、注意が必要です。
自己破産をする方は多額の借金を抱えている場合が多いため、連帯保証人が存在する場合は、連帯保証人に迷惑をかけないためにも必ず事前に相談する必要があります。連帯保証人も借金を返済することが困難な場合、連帯保証人も自己破産の申立てを検討する必要があります。

2.持ち家が処分されて引っ越しを余儀なくされる

持ち家を所有している方が自己破産した場合、引っ越しを余儀なくされます。持ち家は財産とみなされ、処分の対象となります。持ち家を担保としてローンを支払い中の場合、一般的に、ローン会社や銀行によって担保が実行されることになります。
同居している家族は引っ越しにより、生活環境が変わることになるので、引っ越し先について、事前に家族とよく相談しておくことが望ましいでしょう。

3.自動車・バイクが処分される

自動車やバイクも原則として処分の対象となります。そのため、家族が日常的に移動の手段として利用していた場合には日常生活に影響が出るでしょう。
ただし、処分見込み額が20万円以下の自動車は換価処分の対象とならないため、基本的には今までどおり所有することが可能です。また、親の介護や子供の通院などのために、どうしても車を残す必要がある場合、裁判所に対して自由財産の拡張を申立てることにより、手元に残すことを認めてもらえる可能性があります。

4.クレジットカード(家族カード)が使えなくなる

自己破産を行うと、信用情報機関が管理する信用情報に事故情報として登録されるため、基本的に、クレジットカードは利用できなくなります。家族が、自己破産した方の名義の家族カードを利用していた場合、そのカードも同様に利用できません。
事故情報が記録されている機関は、信用情報機関ごとに異なりますが、基本的に5年~7年程度はクレジットカードの審査に通らない可能性が高いといわれています。クレジットカードを利用できないのは不便に感じるかもしれませんが、弁護士に依頼した後はデビッドカードで代用される方が多いです。

5.子供の学資保険が解約される

子どもの学資保険の解約払戻金が20万円を超える場合、学資保険を解約する必要が生じます。ただし、契約者貸付制度を利用して払戻金を20万円以下に抑えることにより、解約を回避することが可能です。

自己破産が家族に与える影響に関するよくある質問

自己破産が家族に与える影響に関するよくある質問に回答します。

1.家族にバレずに自己破産する方法はありますか?

自己破産を検討中の方の中には、「自己破産のことは家族にはどうしても秘密にしておきたい」という方も多くいらっしゃいますが、前述したとおり、自己破産により持ち家や車を手放す必要があるため、自宅や車を所有している場合、同居している家族に知られずに自己破産をすることは不可能だと考えた方がよいでしょう。
自己破産は自分と家族の生活を再建するための手段なので、家族に正直に話して、理解と協力を得て進めることが望ましいです。家族に内緒で自己破産を成功させたとしても、家族に秘密を抱えて暮らすことは、精神的な負担になる場合もあります。
どうしても家族に知られたくないという事情がある場合は、債務整理に精通した弁護士に相談して、自己破産以外の債務整理について検討してもよいでしょう。自己破産以外で家族に知られる可能性の低い債務整理の方法については後述します。

2.自己破産をすると会社をクビになりますか?

「自己破産をしたことが会社に知られてクビになりますか?」という質問をいただくこともありますが、自己破産をしたことを理由に解雇することは法律上認められていないため、そのような心配をする必要はありません。
万一、自己破産のみを理由に解雇された場合、解雇権の濫用に該当し、解雇が無効となる可能性が高いので、弁護士に相談して法的措置を検討することをおすすめします。

3.離婚すれば配偶者に迷惑をかけずに済みますか?

自己破産を検討されている方の中には、「離婚して配偶者との婚姻関係を解消すれば、配偶者や子供に迷惑をかけなくて済むのではないか」などと考える方もいらっしゃいます。「家族に迷惑をかけたくない」というお気持ちはよくわかりますが、離婚は、自己破産以上に家族に対して大きなダメージを与える可能性があるという点も考慮しましょう。
また、離婚すると生活費はそれぞれに発生するため、それぞれの収入の状況によってはかえって支出が増える可能性もあります。
自己破産により引っ越しを余儀なくされるなど、同居している家族に迷惑をかけることはありますが、自己破産は長い目で見ると、家族の生活基盤を立て直すことにもつながります。家族の将来のためにも、離婚するのではなく、家族と一緒に生活を立て直す方向で考え直してみてはいかがでしょうか。

4.子供の受験に悪影響を与える可能性はありますか?

「自己破産が子どもの受験に悪影響を及ぼしますか?」という質問をいただくこともありますが、親が自己破産をしたことが子供の受験に悪影響を及ぼすことは基本的にはないと考えてよいでしょう。
ただし、経済的な理由から、子供を塾に通わせる、私立の学校に入学させるなどが困難になる可能性はあります。

5.子供が奨学金を借りる際に問題になりませんか?

奨学金は親ではなく子供本人が借りるものです。そのため、親が自己破産していても、利用できなくなることはありません。奨学金を受給するためには審査がありますが、審査の際に親の個人信用情報を照会することはないので、心配する必要はありません。ただ、奨学金を借りる際に定められた要件等によっては、連帯保証人になれないという影響が出る可能性があります。

6.子供の就職に影響を与える可能性はありますか?

親が自己破産しても子どもの就職に影響を及ぼすことはありません。就職先の企業が親の個人信用情報や官報などを調べたりすることは通常ありませんので、ご安心ください。

7.家族が結婚する際に迷惑をかけることはありませんか?

自己破産をする場合、官報という誰でも購入できる国が発行する機関紙に掲載されます。ただ、官報を読んだことがない人も多いため、現実的な可能性としては、破産したことを第三者が知ることはほとんどありません。そのため、自己破産しても家族が結婚する際に迷惑をかける心配は通常はないと考えてよいでしょう。

家族は、クレジットカードも利用できますし、ローンも組めますので、結婚後も特に問題なく生活できるでしょう。

家族への影響が少ない債務整理の方法

債務整理の方法は、自己破産だけではありません。家族へ与える悪影響を最小限に抑えたい、家族に知られたくないと希望される場合は、他の債務整理を検討してもよいでしょう。家族に知られる可能性が低い任意整理、ローン支払い中の自宅を手放さずに大幅に借金を減額できる個人再生という方法について説明します。

1.家族に知られる可能性が低い任意整理

任意整理は、債権者と交渉することにより、借金の支払総額を軽減する方法です。裁判所を介して行う手続ではないため、他の債務整理方法と比較して家族や会社に知られるリスクが低いことが特徴です。任意整理の対象から住宅ローンを外しておけば、ローン支払い中の持ち家を手放す必要もありません。また、家族が連帯保証人となっている債務を任意整理の対象から外せば、連帯保証人となっている家族に迷惑をかけることもありません。
ただし、交渉に応じない債権者に対して強制はできない、減額できる借金が少ない場合、ほとんど減額できない場合もあるなどのデメリットもあります。

2.マイホームや車を維持できる個人再生

個人再生は、住宅ローンを支払い中の自宅や車を手元に残したまま、債務を5分の1程度に圧縮することができる債務整理の方法です。条件を満たせば、家族の生活の基盤である持ち家を手放す必要がないため、住宅ローンを支払い中で引っ越しをしたくない方に適した債務整理方法といえるでしょう。
ただし、利用するためには以下の条件を満たす必要があります。

  • 住宅ローン等を除く債務総額が5千万円以下であること
  • 将来に渡り継続的または反復して収入を得る見込みがあること

まとめ

今回は、自己破産が家族に与える影響と内緒にできる可能性、自己破産が影響を与える典型的な事例、自己破産に関するよくある質問などについて解説しました。

自己破産は、家族に直接的な影響は与えるは少ないものの、引っ越しの必要や財産処分の観点から少なからず影響を与えます。任意整理や個人再生といった、家族への影響を少なくする債務整理の手続を検討してもよいでしょう。

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弁護士宮地 政和 札幌弁護士会
弁護士登録後、都内の法律事務所に所属し、主にマレーシアやインドネシアにおける日系企業をサポート。その後、大手信販会社や金融機関に所属し、信販・クレジットカード・リース等の業務に関する法務や国内外の子会社を含む組織全体のコンプライアンス関連の業務、発電事業のプロジェクトファイナンスに関する業務を経験している。