自己破産の手続を弁護士に依頼すべき理由・費用総額が安くなる場合もある?
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自己破産をする際、その手続きを弁護士に依頼すべきか悩む方も多いでしょう。
「借金の返済さえ厳しい状況なのに、高額な弁護士費用をどう工面すればよいのだろうか」
「弁護士事務所は敷居の高い印象があって躊躇してしまう」
という方もいらっしゃるかと思います。
自己破産手続は個人で行うことも可能ですが、弁護士に依頼することにより得られるメリットも多くあります。また、弁護士に依頼した方が、費用の総額を安く抑えられる場合もあります。
今回は、自己破産手続きを弁護士に依頼するメリット、費用面での負担を軽くする対処法、司法書士に依頼した場合との違いなどについて解説します。
弁護士に自己破産手続を依頼するメリット
自己破産は、必ずしも法律の専門家の協力が必要な手続ではありません。しかし、大半の方にとって自己破産は初めて行う手続となるため、個人で行うとなると不安も尽きないでしょう。
弁護士に自己破産手続を依頼すると、安心感以外にどのようなメリットが望めるのか説明します。
1.債権者からの取り立てが止まる
弁護士に自己破産を含む債務整理手続の依頼をすると、各債権者に受任通知という書面が送られます。受任通知を受け取った債権者は、債務者への直接の督促が禁止され、連絡は代理人である弁護士を介して行われることとなります。(貸金業法第21条1項)。
借金の取り立てや返済が停止されれば落ち着いて今後のことを考えられますし、心理的な負担も大幅に軽減されるでしょう。
2.自己破産にかかる作業を任せられる
自己破産手続には、申立書をはじめ、陳述書や財産目録など多くの書類を要します。
弁護士に手続を依頼すれば、これらの複雑な書類の作成だけでなく、裁判所への書類提出、裁判官や債権者とのやり取りも全面的に任せられるのです。
平日の日中に裁判所に書面を取りに行く、提出に出向くという作業も、仕事を続けながら行うとなるとスケジュールの調整が難しいかと思います。事務作業を一任できるのは、弁護士に依頼する大きなメリットといえるでしょう。
3.免責を得られる可能性が高くなる
自己破産の申立てをしても、裁判所から免責を認められなければ借金返済義務は残ってしまいます。そのため、書類の作成や裁判官との面接でもある審尋での対応も、どうすれば免責を得られるかを念頭に行わなければなりません。
債務整理に精通した弁護士に相談すれば、どのような受け答えをすれば裁判官の心証が良くなるのかなどの具体的なアドバイスが受けられるため、判断が難しい場面でも落ち着いて対応できるでしょう。弁護士から法律の知識や実務経験を活かした臨機応変なアドバイスを受けることにより、個人で自己破産手続をするよりも、免責を得られる可能性が高くなります。
4.手続きにかかる時間が短縮される可能性がある
原則として、自己破産の申立てが裁判所に受理されてから破産手続開始が決定されるまでに、1〜2ヶ月の期間を要します。
しかし、東京地方裁判所など一部の裁判所では即時面接という制度が採用されていて、弁護士が代理人となって自己破産申立をした場合、早ければ申立てをした当日に破産手続開始が決定されるのです。1日でも早く借金の悩みから解放されたいと願う方にとっては、自己破産手続にかかる時間が短縮されるという点も、弁護士に依頼するメリットの一つといえるでしょう。
5.少額管財事件が選択できる
自己破産には、同時廃止事件と管財事件という手続があり、目安として申立人が20万円以上の財産を所持している場合、管財事件となります。東京地方裁判所など一部の裁判所では、弁護士が代理人として申立てをした場合、少額管財事件と呼ばれる、通常の管財事件より簡便な制度を利用できる場合があります。
管財事件では、財産を処分、返済に充当するために破産管財人が選ばれることから管財人への報酬が発生し、裁判所への予納金も50万円以上と高額になりますが、少額管財事件になれば予納金は最低20万円と大幅に減額されます。
管財事件になる可能性がある方は、ご自身の住所地を管轄する裁判所が少額管財制度を採用しているか、確認しておくことをおすすめします。
自己破産にかかる費用の目安と弁護士費用の相場
同時廃止事件と管財事件のどちらが選択されるかによって、裁判所に納める費用も大きく異なります。自己破産申立時に裁判所に必ず納める費用と、弁護士に依頼した場合の費用の目安について説明します。
1.破産申立時の手数料
自己破産の申立て時には、同時廃止事件、管財事件ともに1,500円の手数料が必要です。この他に、同時廃止の場合は2,000円〜1万円程度、管財事件の場合は4,000円〜1万5,000円程度の郵券代を裁判所に納めます。
また、官報公告費も発生するため、手数料や諸経費として裁判所に納める金額は、同時廃止の場合は2万円程度、管財事件の場合は2万5,000円から3万円程度と考えておくとよいでしょう。
2.引継予納金
同時廃止事件の場合、裁判所に納める費用は前述した手数料と諸経費のみとなりますが、管財事件の場合は、これに加えて破産管財人への報酬が必要となります。破産管財人への報酬は、引継予納金とも呼ばれ、申立人が直接支払うか、もしくは代理人の弁護士を通して支払います。
引継予納金は、申立人の債務総額や手続の複雑さによって異なり、管財事件では50万円が、少額管財事件の場合では20万円が最低金額となります。
3.弁護士費用の目安
一般的に弁護士費用も手続きが簡便な同時廃止事件よりも、管財事件のほうが高額な傾向にあります。各手続きの弁護士費用の目安は以下のとおりです。
- 同時廃止事件:20万〜40万円程度
- 管財事件:30万〜50万円程度
弁護士費用には主に着手前の相談料、依頼時に発生する着手金、免責の判断が下った後に支払う成功報酬が含まれ、着手金は免責が得られたか否かにかかわらず発生します。
弁護士費用の相場を見て、こんな額はとても用意できないと落胆した方もいらっしゃるかもしれませんが、弁護士費用の用立てが困難な方のため、費用の支払いに柔軟な対応をとっている法律事務所も多くあります。特に自己破産などの債務整理にかかる費用については、依頼人の経済状況を考慮して、費用の分割払いに対応している法律事務所は多いです。
弁護士費用の相場や払えない場合の対処法については、こちらの記事にまとめましたので、参考にしていただければと思います。
自己破産は司法書士でも代行可能?弁護士との違いとは
自己破産手続の費用を抑えるため、弁護士ではなく司法書士への依頼を検討する方もいらっしゃるでしょう。弁護士と司法書士では、自己破産手続きにおいて、どのような違いがあるのでしょうか。弁護士と司法書士の違いについて説明します。
1.司法書士は書類の作成のみ代行できる
自己破産は地方裁判所を介して行う手続です。申立人の代理として裁判所に出向けるのは弁護士だけであり、司法書士が行うことができるのは、原則として自己破産手続に関する書類の作成のみです。
もちろん裁判官とのやり取りに関して司法書士にアドバイスを求めることは可能ですが、代理人にはなれないという点には注意が必要です。
2.司法書士に依頼するほうが費用は安い
代行できる業務が書類作成のみになるため、一般的に弁護士に依頼するよりも司法書士に依頼した方が、費用は安価で済む傾向にあります。
司法書士費用も法テラスにて立て替えが可能ですから、財産も少なく同時廃止事件になる可能性が高い場合などには、司法書士への依頼を検討してもよいでしょう。
3.管財事件の場合は要注意
少額管財が利用できるのは、弁護士が申立て代理人となっている場合のみです。前述した通り、通常の管財事件と少額管財事件では引継予納金に大幅な差が生じます。
費用を抑えるために司法書士に依頼しても、管財事件になると手続きも煩雑になり、高額な予納金と司法書士費用を合わせると、弁護士に少額管財を任せた場合よりも費用が高額になってしまったというケースも存在します。
特に財産を所有している方の場合、弁護士に依頼する方が費用面でも負担が少ない可能性が高いです。
自己破産と弁護士に関するよくある質問と回答
自己破産手続を弁護士に依頼する場合、費用面以外にも不安に感じることがあるでしょう。ご相談者の方からよくいただく質問に回答します。
1.弁護士を選ぶ時は何を重視するべき?
弁護士を選ぶ際は、費用面や実績などの客観的な事柄を確認することも大切ですが、親身に相談に乗ってくれるか否かも重視しましょう。
自己破産手続中には、あまり人に話したくないことを弁護士に明かさなければいけない場面もあるかもしれません。正直に話をするためにも信頼が持てる人柄の弁護士を選び、誠実な態度で接するように心がけましょう。
2.手続き中に弁護士を変更したくなったら?
何らかの理由で自己破産手続中に弁護士を変更したくなった場合は、現在の担当弁護士に解任の意志と、新たに依頼を希望する弁護士の連絡先を伝えてください。
弁護士間できちんと引き継ぐ作業ができれば、債権者からの督促も発生しません。しかし、着手金は二重に発生してしまうため、費用面での負担は大きくなります。
3.弁護士が辞任を申し出ることはある?
突然連絡が取れなくなる、虚偽の申告をするなど、依頼人に著しく不誠実な態度が見られた場合、弁護士が辞任するケースもあります。自己破産手続中に弁護士が辞任してしまうと、辞任通知を受け取った債権者は取り立てを再開します。一括での返済や高額な遅延利息を上乗せして返済請求してくる債権者も少なくありません。
4.弁護士に依頼したことが原因で自己破産がバレることはある?
弁護士に自己破産手続を依頼すると、裁判所や債権者からの連絡は全て弁護士宛てとなります。そのため、周囲に自己破産することを知られたくない方は、弁護士に依頼したほうが安心だといえるでしょう。
5.弁護士に頼らず個人で自己破産の手続をすることは可能?
弁護士や司法書士に依頼せず、債務者の方が自分で自己破産申立をすることも可能です。
しかし、自分で手続を行う場合は、手続中も債権者からの督促が止まらず、返済義務も生じ続けます。また、少額管財制度を利用することはできません。
よって、ご自身で手続きをした方が自己破産にかかる費用の総額を節約できるとは限らないため、まずは債務整理に精通した弁護士に相談して、ご自身の状況を説明した上で、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
まとめ
今回は、自己破産手続きを弁護士に依頼するメリット、費用面での負担を軽くする対処法、司法書士に依頼した場合との違いなどについて解説しました。
費用面での心配はもちろんのこと、借金を作った理由や家計が傾く経緯などを話すのは抵抗があるという理由から、弁護士への依頼をためらう方も少なくないかと思います。しかし、自己破産は債務者を救済する制度であり、弁護士は依頼人が免責を得るために尽力してくれる心強い味方です。費用の支払方法を含めて安心して相談できる弁護士を探すことが、借金の悩みから開放される第一歩といえるでしょう。
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- 企業法務・コンプライアンス関連、クレジットやリース取引、特定商取引に関するトラブルなど
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- 岡山大学法学部 卒業 明治大学法科大学院 修了 弁護士登録 都内の法律事務所に所属 大手信販会社にて社内弁護士として執務 大手金融機関にて社内弁護士として執務