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投稿日: 更新日: 弁護士 内山 悠太郎

任意整理の相談先の選び方|弁護士等の専門家に相談する際の流れも解説

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「任意整理を検討しているけれど、どこに相談すればよいかわからない」
「借金の支払いが難しい状況だけれど、任意整理を行うべきか迷っている」
このような悩みを抱えて、先行きが見えないことで不安な日々を送っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。借金に関する問題は他人に相談しづらいこともあり、誰にも相談できずに一人で悩みを抱えてしまう方も多くいらっしゃいます。

今回は、任意整理とは何か、任意整理の相談先、専門家に相談するメリット、相談先を選ぶポイント、任意整理の相談に必要な事前準備と流れなどについて解説します。

任意整理とは

まずは、債務整理の種類、任意整理のメリットとデメリットについて説明します。

1.債務整理の種類

債務整理には、任意整理、自己破産、個人再生、特定調停の4つの種類があります。それぞれの概要を説明します。

①任意整理

任意整理は、債務の支払いが困難な場合に、債務者が債権者と交渉して、将来発生する利息や遅延損害金の免除等を求める手続です。個人で行うこともできますが、債権者が交渉に応じない可能性等があるため、弁護士に交渉を依頼して行うのが一般的です。過払い金が存在している場合は、過払い金を取り戻せる可能性もあります。

②自己破産

自己破産は、債務が支払えない状況に陥った場合に、破産法に則って裁判所に申立てをして行う手続です。一部の例外はありますが全ての債務が免除されるという大きなメリットがあります。ただし、持ち家や自家用車などの財産を処分する必要があるという点には注意が必要です。

③個人再生

個人再生は、債務の返済が難しくなった場合に、民事再生法に則って、裁判所に申立てを行う手続です。原則3年(最長5年)で返済する再生計画案を裁判所に提出して、認められた場合は、債務が原則として5分の1程度に圧縮されます。
個人再生には、民事再生法196条に定められた住宅資金特別条項(住宅ローン特則)により、住宅ローンを支払い中の持ち家を手放すことなく、債務を大幅に圧縮できるというメリットがありますが、安定した収入が見込めることが条件となります。

④特定調停

特定調停は、債務者と債権者との和解の成立を裁判所が支援する手続です。任意整理と似ている点が多いですが、特定調停の場合は過払い金を取り戻すことはできません。成功率が低いため、債務整理の手続の中から特定調停を選択されるケースはほとんどありません。

2.任意整理のメリット

任意整理は他の債務整理の方法と違い、裁判所を介さない手続なので、柔軟な対応が可能というメリットがあります。例えば、家族に迷惑をかけたくない場合、家族が保証人になっている債務を任意整理の対象から外すことにより、家族に迷惑をかけずに債務を整理することが可能です。また、必要となる書類が比較的少なく、配偶者の給与明細書等の提出を求められることもないため、家族に知られずに済む可能性も高いです。

3.任意整理のデメリット

任意整理は、自己破産のように債務が免除されるわけではなく、個人再生と比較して債務が減額される割合も低いです。債務の内容や債権者との交渉結果等にもよりますが、期待していたほど債務が減額されないケースもあるため、注意が必要です。

任意整理の相談先

任意整理の主な相談先としては、弁護士、司法書士、日本クレジットカウンセリング協会があります。それぞれについて説明します。

1.弁護士

弁護士に相談すれば、訴訟に発展した場合でも対応してもらうことができるので安心です。
司法書士の場合、債権者への個別の債権額が140万円以上の場合、交渉権や訴訟代理権がなく、対応できる案件が限られます。さらに、回収できる過払い金額に限度があるうえ、簡易裁判所での裁判にしか対応できません。
一方、弁護士なら金額に関係なく、交渉や訴訟に対応できます。債権者から納得のいかない債権額を提示された場合でも、最後まで争い、減額の実現に向けて、できる限りの手段を尽くしてもらえるでしょう。

2.司法書士

司法書士の本来の業務は、書類の作成・提出の代行や登記・供託業務です。そのため、前述した通り、対応できる債権額に上限があり、訴訟代理権を認められる事件も140万円以下の簡易裁判所の事件に限られるなど、制限が伴います。
しかし、弁護士に依頼する場合に比べて費用が安く済むことが多く、一社当たりの債務金額によっては、依頼を検討してみてもよいでしょう。

3.日本クレジットカウンセリング協会

日本クレジットカウンセリング協会は、金融庁と経済産業省所轄の公益財団法人であり、多重債務者の更生や救済を図ることなどを目的とした機関です。
弁護士会から推薦された弁護士カウンセラーや臨床心理士などの資格を持ったアドバイザーカウンセラーが、クレジットや消費者ローン、多重債務などで、借金返済に困っている消費者の相談に無料で乗ってくれます。必要に応じて債権者との交渉も行ってくれますが、利用条件などは特に設けられておらず、基本的に誰でも利用可能です。
しかし、センターや相談室がある地域が限られているのが難点と言えます。相談だけなら電話でも可能ですが、カウンセリングを受けたい場合は、本人の来所が必要になるので、近くにない場合は不便です。詳しくは協会のホームページをご参照ください。

任意整理を専門家に相談するメリット

任意整理は、交渉次第で債務額に差が出る手続です。自分で行うこともできますが、専門家に依頼した方が、任意整理によるメリットをより受けられるでしょう。具体的なメリットについて説明します。

1.和解交渉が成立する可能性が高くなる

任意整理は、債権者に返済額を減額してもらえるよう、一社ずつ交渉することで成り立つ手続です。自分で交渉することも可能ですが、債権者から門前払いされる、交渉が成立しない等の可能性もあるため注意が必要です。
弁護士や司法書士などの専門家に依頼すれば、ほとんどの債権者は交渉に応じてくれます。また、任意整理は交渉次第で、どの程度まで減額してもらえるかという結果にも影響が及びます。交渉のプロである専門家に依頼した方が、より有利な結果を得られる可能性が高くなります。

2.債権者からの取り立てが止まる

専門家に依頼すると、依頼を受けた専門家は、直ちに各債権者あてに、受任通知という書面を送ります。受任通知が債権者に届くと、督促を受けることがなくなり、返済も和解成立までストップします。任意整理手続が終わるまでの間、支払いを気にすることなく過ごすことができるのです。

3.任意整理以外の債務整理方法の検討ができる

当初想定していたよりも返済が厳しいと思われる状況に陥った場合、専門家に相談すれば、別の債務整理の方法を適切に検討することができます。別の方法には個人再生手続や破産手続がありますが、これらは、申し立てることで被るデメリットも大きく、選択を誤ると、要らぬ不利益を受けることもあるかもしれません。
詳しい知識を持つ専門家に相談することで、そのような事態を避け、最善の方法を選択することができるでしょう。

任意整理の相談先を選ぶポイント

任意整理の相談先を選ぶ際には、次のようなポイントを確認しながら選ぶと失敗は少ないでしょう。

1.債務整理に強いか

法律事務所や司法書士事務所は、それぞれ専門分野のあるところが多いものです。債務整理の実績が豊富な専門家に頼んだ方が、安心して任せられますし、より良い結果を得られることも少なくないでしょう。
一度法律事務所の公式サイトを確認し、過去の実績が掲載されているか、債務整理に関する記事などのコンテンツが充実しているかなどを確認してみることをおすすめします。

2.費用はどれくらいかかるか

任意整理における費用の相場は、債権者一社あたりの料金が設定されていることが多いでしょう。
弁護士の場合は、3~5万円+減額した分の1~2割が一社あたりの相場で、司法書士の場合は、2~5万円+減額した分の1~2割が相場です。広告や公式サイトなどで相場よりかなりやすい金額が提示されていても、実際は、手数料を取られる、減額報酬が高い等のケースもあるので、費用については相談の際に、しっかり確認するようにしましょう。

3.信頼できるか

専門家が信頼できる人物であるかどうかも大切なポイントです。一人で悩んでしまいがちな問題を親身になってくれる相手に相談できれば、経済面だけではなく、精神面においても、とても楽になります。
相談時に、親身になって話を聞いてくれるか、こちらの質問に対して、丁寧に真摯に答えてくれるかなどという点もしっかりチェックした上で、選ぶことをおすすめします。

任意整理の相談に必要な事前準備

任意整理の相談に訪れる前に、何社から、どれくらいの借入が残っているのかを整理しておくと、専門家はすぐに動くことができます。スムーズに手続を進めてもらうためにも、必要書類はできるだけ事前にそろえておきましょう。

1.事前に借入先をまとめておく

専門家は、受任後、まず債権者に受任通知を送ります。受任通知の到着を持って、借入金の返済も債権者からの督促も一度止まることになるので、できるだけ速やかに送ってもらうことが大切です。
そのためにも、借入先の情報は事前にまとめておくことをおすすめします。できれば、債権者名、債権者の住所や電話番号、借入額、借入残高、月々の返済額、最初の借入日と借入額、最後に返済した日などを、わかる範囲でまとめておくことが望ましいでしょう。

2.当日必ず持参すべき書類

任意整理の相談に訪れる際に、持参すべき書類は以下の三点です。

  • 身分証明書
  • 印鑑
  • 現在利用しているクレジットカードやキャッシングカード

まず、運転免許証や保険証など本人確認できるものが必要になります。身分証明書に記載されている住所と現住所が異なる場合は、3か月以内に発行した住民票も用意しておきましょう。
印鑑は、委任契約書や委任状を作成する際に必要です。実印ではなく、認め印で問題ありませんが、シヤチハタは認められません。
また、債権者から発行されたカードも全て持参しましょう。任意手続中は新たな借り入れをすることもできませんので、手続終了まで専門家に預けることになります。

3.その他必要になる書類

任意整理手続を進めるにあたって、他に次のような書類が必要になります。相談時に持参していなくても問題ありませんが、その場合は後から専門家に提出を求められることになるでしょう。

①預金通帳

過去2年分が必要です。紛失などによって手元にない場合は、専門家に相談してください。専門家が取り寄せることもできます。

②収入がわかる書類

直近2~3カ月分の給与明細、源泉徴収票、課税証明書などです。

③住民票

本籍の記載が必要です。コピーでもかまいません。

④債権者との金銭消費貸借契約書や借用書

借入時に交わした契約書のことです。

⑤返済時の領収書や振込明細書の控え

手元に残っている範囲でかまいません。

⑥返済額や借入残高がわかる資料

こちらも手元に残っている範囲でかまいません。

⑦債権者からの郵便物

内容証明郵便や督促状が送られてきている場合は必要です。

任意整理の相談の流れ

任意整理は、一般的に、以下のような流れで進みます。

①初回相談

初回の相談では、任意整理の概要や手続費用、今後のスケジュールの目安などについての説明があるでしょう。不安や疑問に思うことも、ここでしっかり質問しておくことをおすすめします。
初回相談時に委任契約を結ぶこともできますが、専門家との相性の問題などもありますので、他の事務所へも相談に訪れた上で検討してもかまいません。自分が信頼できると思う専門家へ依頼することが大切です。

②受任通知の発送

専門家は、受任後速やかに各債権者へ受任通知を発送します。債権者が受任通知を受領すれば、業者からの督促は止まるはずです。

③取引履歴開示請求、引き直し計算など

続いて、債権者にこれまでの取引履歴を開示するよう請求します。履歴を入手できれば、利息制限法に基づいた引き直し計算を行い、過払い金の有無を確認します。過払い金があれば、返済に充てられ、正確な借入金額を算出することになるのです。

④債権者と和解交渉

正確な借入金額が判明すれば、専門家は依頼者に金額を確認の上、債権者との和解交渉を始めます。交渉には、通常3~6カ月ほどかかります。交渉が成立するまで、専門家からの連絡はしばらくないかもしれませんが、心配せずに待ちましょう。

⑤返済

交渉が成立し、債権者との間に和解契約が締結されれば、その内容どおりに返済を行います。返済期間は、3~5年として計画、合意されることが多く、計画通りに完済すれば、無事終了となります。

まとめ

今回は、任意整理とは何か、任意整理の相談先、専門家に相談するメリット、相談先を選ぶポイント、任意整理の相談に必要な事前準備と流れなどについて解説しました。

任意整理は、債務整理に精通した専門家に相談することで、より良い結果を得ることが期待できます。自分では解決が困難に感じることでも、専門家に相談することで、問題が整理され、希望が見えてくることもあるでしょう。一人で悩みを抱え込まず、気軽に専門家に相談してみてください。

私達、東京スタートアップ法律事務所は、借金をリセットして自分らしい生活を送るための基盤作りを全力でサポートさせていただきたいと考えております。多くの方々の借金問題を解決した実績を持つ弁護士が、相談された方の状況やご希望を丁寧にお伺いした上で、債権者との交渉に臨みますので、安心してお任せ下さい。また、任意整理以外の債務整理の方法についても検討したいという場合は、ご希望に応じて最適な債務整理の方法をご提案させていただきます。秘密厳守はもちろんのこと、分割払い等にも柔軟に対応しておりますので、安心してご相談いただければと思います。

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執筆者 弁護士内山 悠太郎 第一東京弁護士会 登録番号59271
各種取引の契約書作成、各種業規制への調査・対応等の業務、株主総会等のガバナンス業務、労務管理等のコンプライアンス業務、紛争対応、M&Aにおけるデューデリジェンス、第三者調査委員会における調査補助者、民事再生等の企業のさまざまな場面における業務を経験。その経験を活かして、ベンチャー企業の新しい事業を行うために乗り越えなければならない法的問題への対応や企業のフェーズにマッチした柔軟な社内整備の手助けを目指している。
得意分野
ガバナンス関連、各種業法対応、社内セミナーなど企業法務
プロフィール
埼玉県出身 明治大学法学部 卒業 早稲田大学大学院法務研究科 修了 弁護士登録 都内法律事務所 入所 東京スタートアップ法律事務所 入所
書籍・論文
『スタートアップの法務ガイド』中央経済社
『スタートアップの人事労務ガイド』中央経済社

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