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更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

浮気の証拠を掴んだらどうすればいい? NGな行動や適切な対応・手続を徹底解説

浮気の証拠を掴んだらどうすればいい? NGな行動や適切な対応・手続を徹底解説
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パートナーの浮気の証拠を見つけてしまった…。

その衝撃は計り知れず、怒りや裏切られた悲しみで、今すぐにでも相手を問い詰めたいというお気持ちは痛いほど分かります。

しかし、その感情に任せた行動が、あなたの正当な権利を守る上で、かえって不利な状況を招いてしまうケースが少なくありません。

この記事では、数多くのご相談者様が直面してきた状況を踏まえ、浮気の証拠を掴んだ後に絶対に避けるべきNG行動と、ご自身の未来を守るための適切な対応・法的手続を具体的に解説します。

後悔のない一歩を踏み出すため、まずは冷静に、専門家の知識を味方につけてください。

浮気・不倫において証拠集めが最重要である理由とは?

もし、あなたが慰謝料を請求したり、離婚を求めたりしても、相手が「浮気はしていない」と否定した場合、証拠がなければ水掛け論で終わってしまいます。

特に調停や裁判といった法的な手続では、客観的な証拠がなければ、裁判官に不貞行為の事実を認めてもらうことは極めて困難です。

逆に、確固たる証拠があれば、以下のようなメリットがあります。

  • 相手が言い逃れできなくなる
  • 慰謝料請求や離婚の交渉を有利に進められる
  • 裁判になった場合でも、あなたの主張が認められやすくなる

つまり、証拠は、あなたの権利を守り、問題を正しく解決するための強力な武器となるのです。感情的になって行動する前に、まずは冷静に、そして慎重に証拠を集めることから始めましょう。

弁護士のワンポイントアドバイス

不貞行為を目撃する、動画、画像等の直接証拠を取得できれば良いですが、そのような証拠取得は難しいことが多いです。

そのため、実務上は、「不貞行為を推認させる証拠」が非常に重要になります。例えば、ラブホテルに出入りする写真や動画は強力な証拠ですが、その際は滞在時間が分かるものがより望ましいです。

短時間の滞在では「お茶を飲んでいただけ」と言い逃れされる可能性があるからです。

LINEのやり取りだけでは不貞行為の証明は難しいケースも多いため、証拠集めの段階からご相談いただくことで、より有効な証拠についてアドバイスが可能です。

浮気・不倫の証拠を掴んだ際のNG行動【ケース別】

苦労して浮気の証拠を掴んだとき、「すぐにでも相手を問い詰めたい」「浮気相手と直接話をつけてやりたい」という気持ちになるかもしれません。

しかし、その感情的な行動が、かえってあなたを不利な状況に追い込んでしまう危険性があります。

ここでは、やってしまいがちなNG行動と、そのリスクについてケース別に解説します。

①相手の女性と話してしまう

怒りの矛先が、配偶者だけでなく浮気相手に向くのは自然な感情です。

しかし、浮気相手と直接接触することは、百害あって一利なしと言っても過言ではありません。

リスクやデメリット

  • 証拠隠滅の恐れ
    あなたが接触してきたことで、浮気相手は警戒心を強めます。配偶者と口裏を合わせたり、これまでのやり取り(LINEやメールなど)を削除したりと、証拠を隠滅する可能性が非常に高くなります。
  • 新たなトラブルの発生
    感情的に相手を罵倒したり、不特定多数の人が見るSNSで相手を非難したり、職場に押しかけたりする行為は、「脅迫罪」や「名誉毀損罪」に問われ、逆にあなたが慰謝料を請求されてしまうという深刻なリスクを伴います。
  • 交渉が不利になる可能性
    一度感情的に対立してしまうと、その後の冷静な話し合いは難しくなります。相手が弁護士を立ててきた場合、あなたにとって不利な条件で話を進められてしまうかもしれません。また、あまりに行き過ぎた言動があった場合、それが原因で本来もらえるはずだった慰謝料が減額される可能性もあります。

弁護士が実際に見た失敗例

私が過去に相談を受けたケースで、ご自身で浮気相手の自宅に押しかけ、「誠意を見せろ」と大声で要求してしまった方がいらっしゃいました。

結果的に相手方が恐怖を感じたとして弁護士を立て、慰謝料請求の交渉が非常に難航したばかりか、住居侵入や強要未遂を主張され、謝罪せざるを得ない状況に追い込まれてしまいました。

正当な権利を実現するためにも、冷静な対応が不可欠です。

適切な対応

まずは冷静になることが第一です。直接の接触は絶対に避け、今後の目的を明確にしましょう。

  • 離婚して慰謝料を請求したいのか?
  • 離婚はせず、浮気相手にだけ慰謝料を請求したいのか?
  • 配偶者との関係を再構築したいのか?

目的によって、とるべき対応は大きく異なります。

一人で抱え込まず、法的な知識を持つ弁護士に相談し、あなたの代理人として交渉してもらうのが最も安全で確実な方法です。

弁護士が間に入ることで、感情的な対立を避け、法的な根拠に基づいて冷静に交渉を進めることができます。

②仕事の場合でも「会うな」と要求する

職場内不倫の場合、「二度と会わないでほしい」と考えるのは当然です。

しかし、その要求の仕方には注意が必要です。

リスクやデメリット

業務上の関わりがある相手に対して、一方的に「会うな」と要求することは、法的に「強要」とみなされるリスクがあります。

業務に必要な会話や会議まで妨害するような行為は、相手の就労環境を害する行為として、法的な問題に発展する可能性があります。

適切な対応

当事者間で解決を目指すのであれば、「今後は私的な関係を一切断ち、業務上の必要最低限の接触に留める」といった内容の誓約書(合意書)を取り交わすのが一つの方法です。

しかし、口約束や当事者だけで作成した書面は、後々「無理やり書かされた」などと無効を主張されるリスクも残ります。

より確実性を求めるのであれば、やはり弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士であれば、法的に有効で、かつ実現可能な範囲での接触禁止条項を含んだ示談書を作成し、相手方と交渉することが可能です。

法律上のケリをつけるにはどうすればいい?

浮気・不倫問題に法律上のケリをつけるための手続は、大きく分けて慰謝料請求と離婚請求の2つです。

これらの請求は、いきなり裁判を起こすのではなく、まずは当事者間での交渉(示談)から始めるのが一般的です。ここで合意できれば、比較的早期に問題を解決できます。

もし交渉で話がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てます。

調停は、調停委員という中立な第三者を交えて話し合う手続です。

それでも合意に至らない場合に、最終的な手段として裁判(訴訟)へと進むことになります。

浮気・不倫の証拠を掴んだら、慰謝料請求の裁判を行うしかない?

確実な証拠を手に入れると、「これで裁判で勝てる」と考え、すぐに訴訟を検討する方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、慰謝料請求の方法は裁判だけではありません。むしろ、多くの場合、まずは裁判外での示談交渉から始めるのが一般的です。

裁判には、以下のようなデメリットやリスクも存在します。

  • 時間と費用がかかる:解決までに1年以上かかることも珍しくなく、弁護士費用や裁判所に納める費用も高額になりがちです。
  • 精神的な負担が大きい:裁判では、相手方と法廷で対立し、プライベートな事柄について主張・反論を繰り返す必要があり、精神的に大きく消耗します。
  • 必ずしも望む結果になるとは限らない:証拠が十分だと思っていても、裁判官の判断によっては、請求が認められなかったり、予想より低い金額になったりする可能性もあります。
  • 公開の法廷で行われる:裁判は原則として公開されるため、プライバシーが完全に守られるわけではありません。

こうしたリスクを避けるためにも、まずは話し合いによる解決、つまり示談を目指すことが推奨されます。

示談交渉の概要

示談交渉とは、裁判所を介さず、当事者同士(または代理人弁護士)が話し合い、慰謝料の金額や支払方法、今後の関係などについて合意を目指す手続です。

合意した内容は「示談書」という書面にまとめます。裁判に比べて、柔軟かつ迅速な解決が期待できるのが大きなメリットです。

示談書の作成後、慰謝料を支払ってもらえない場合はどうすればいい?

無事に示談が成立し、示談書を作成したにもかかわらず、相手が約束通りに慰謝料を支払ってくれない、というトラブルは残念ながら少なくありません。

当事者間で作成しただけの示談書(私文書)には、法的な強制力はありません。

そのため、相手が支払いを怠った場合、原則として、その示談書を証拠として地方裁判所に訴訟を提起し、判決を得る必要があります。

そして、その判決に基づいて、初めて相手の給料や預金といった財産を差し押さえる「強制執行」の手続が可能になります。

このような手間やリスクを避けるために、未払いに備えて公正証書を作成しておくことを強くおすすめします。

公正証書の概要

公正証書とは、全国の公証役場で、公証人という法律の専門家が作成する公文書です。

公正証書は、それ自体が非常に高い証明力を持ちますが、最大のメリットは「強制執行認諾文言(きょうせいしっこうにんだくもんごん)」を付けられる点にあります。

この文言付きの公正証書を作成しておけば、万が一相手が支払いを怠った場合に、裁判を起こすことなく、直ちに強制執行の手続に入ることができるのです。

これにより、時間と費用を大幅に節約し、慰謝料の回収をより確実にすることができます。

浮気や不倫に関する問題は弁護士への相談がおすすめ

ここまで解説してきたように、浮気の証拠を掴んだ後の対応には、法的な知識と冷静な交渉術が不可欠です。

しかし、渦中にいるご本人が、怒りや悲しみを抱えながらこれらすべてを完璧に進めるのは非常に困難です。

私たちは、ご依頼者様の代理人であると同時に、傷ついた心の拠り所でありたいと考えています。

法的な手続を代行するだけでなく、あなたが今後どうしたいのか、どのような未来を望んでいるのかを丁寧にお伺いし、その実現に向けて最善の道を共に探します。

一人で抱え込まず、まずはあなたの味方である私たちに、そのお気持ちをお聞かせください。

弁護士に依頼するメリットは数多くあります。

  • 精神的な負担が大幅に軽減される
    相手方との交渉の窓口はすべて弁護士が担います。あなたが直接相手と顔を合わせたり、連絡を取り合ったりする必要がなくなり、精神的なストレスから解放されます。
  • 法的に有利な交渉が期待できる
    集めた証拠の有効性を的確に判断し、過去の判例などに基づいて法的に適正な慰謝料額を算定・請求します。相手からの不当な要求や言い分にも、冷静かつ論理的に反論できます。
  • 交渉の決裂や新たなトラブルを防げる
    弁護士が間に入ることで感情的な対立を避け、冷静な話し合いが実現しやすくなります。また、脅迫や名誉毀損と受け取られかねない言動をしてしまうリスクもありません。
  • 将来のトラブルを防ぐ書面を作成できる
    示談書や公正証書など、法的に有効で、あなたに不利益のない内容の書面を確実に作成します。
  • 離婚問題もトータルでサポート
    もし離婚を決意された場合でも、慰謝料だけでなく、財産分与や親権、養育費といった複雑な問題もまとめて対応し、あなたの新たなスタートを全面的にサポートします。

まとめ

この記事では、浮気の証拠を掴んだ後のNG行動や適切な対応について解説しました。最後に、重要なポイントを振り返ります。

  • 証拠を掴んでも、すぐに感情的に行動しないこと。特に浮気相手への直接接触は絶対に避けましょう。
  • 慰謝料請求の方法は裁判だけでなく、示談交渉が一般的です。時間や費用の面でも、まずは話し合いでの解決を目指しましょう。
  • 示談が成立したら、後の未払いを防ぐために「公正証書」を作成しておくのが安心です。
  • 一人で悩まず、できるだけ早い段階で弁護士に相談することが、あなたの権利を守り、最善の解決を得るための最も確実な方法です。

浮気・不倫問題は、あなたにとって非常に辛く、苦しい経験です。

しかし、正しい知識を持って冷静に対応すれば、必ず次のステップに進むことができます。

この記事が、あなたが前向きな一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。

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執筆者 代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会 登録番号45484
東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士として、男女問題などの一般民事事件や刑事事件を解決してきました。「ForClient」の理念を基に、個人の依頼者に対して、親身かつ迅速な法的サポートを提供しています。
得意分野
不貞慰謝料 、 離婚 、 その他男女問題 、 刑事事件
プロフィール
京都府出身
同志社大学法学部法律学科 卒業
同大学大学院 修了
北河内総合法律事務所 入所
弁護士法人アディーレ法律事務所 入所
東京スタートアップ法律事務所 開設
書籍・論文
『スタートアップの法務ガイド』中央経済社
『スタートアップの人事労務ガイド』中央経済社

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